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公開番号2024119232
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-03
出願番号2023025986
出願日2023-02-22
発明の名称静電チャック及びその製造方法
出願人TOTO株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H01L 21/683 20060101AFI20240827BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】ガス穴を介した放電の発生を抑制することのできる静電チャック、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】静電チャック10は、ガス穴140が形成された誘電体基板100と、ガス穴240が形成されたベースプレート200と、誘電体基板100とベースプレート200との間に設けられ、絶縁性の材料により形成された接合層300と、を備える。誘電体基板100のうち接合層300側の面120には、ガス穴140の端部である開口142が形成されている。ベースプレート200のうち接合層300側の面210には、開口142とは異なる位置において、ガス穴240の端部である開口241が形成されている。接合層300には、開口142と開口241との間を連通させる連通路340が形成されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
第1ガス穴が形成された誘電体基板と、
第2ガス穴が形成されたベースプレートと、
前記誘電体基板と前記ベースプレートとの間に設けられ、絶縁性の材料により形成された接合層と、を備え、
前記誘電体基板のうち前記接合層側の面には、前記第1ガス穴の端部である第1開口が形成されており、
前記ベースプレートのうち前記接合層側の面には、前記第1開口とは異なる位置において、前記第2ガス穴の端部である第2開口が形成されており、
前記接合層には、前記第1開口と前記第2開口との間を連通させる連通路が形成されていることを特徴とする、静電チャック。
続きを表示(約 630 文字)【請求項2】
前記第2開口が、前記連通路を介して複数の前記第1開口に連通されていることを特徴とする、請求項1に記載の静電チャック。
【請求項3】
前記ベースプレートのうち前記接合層側の面には、絶縁膜が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の静電チャック。
【請求項4】
前記絶縁膜が溶射により形成された膜であることを特徴とする、請求項3に記載の静電チャック。
【請求項5】
前記接合層が、予め前記連通路が形成された固形の接着剤シートを硬化させたものであることを特徴とする、請求項1に記載の静電チャック。
【請求項6】
第1ガス穴が形成された誘電体基板を準備する工程と、
第2ガス穴が形成されたベースプレートを準備する工程と、
絶縁性の部材であって、予め連通路が形成された固形の接着剤シートを準備する工程と、
前記誘電体基板のうち、前記第1ガス穴の端部である第1開口が形成されている面と、前記ベースプレートのうち、前記第2ガス穴の端部である第2開口が形成されている面と、を互いに対向させ、互いに異なる位置にある前記第1開口と前記第2開口との間が前記連通路によって連通されるように、前記誘電体基板と前記ベースプレートとの間に前記接着剤シートを挟み込む工程と、
前記接着剤シートを硬化させる工程と、を含むことを特徴とする、静電チャックの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は静電チャック及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
例えばCVD装置等の半導体製造装置には、処理の対象となるシリコンウェハ等の基板を吸着し保持するための装置として、静電チャックが設けられる。静電チャックは、吸着電極が設けられた誘電体基板と、誘電体基板を支持するベースプレートと、を備え、これらが互いに接合された構成を有する。吸着電極は、誘電体基板に内蔵されるのが一般的であるが、下記特許文献1に記載されているように、金属であるベースプレートが吸着電極として用いられる場合もある。吸着電極に電圧が印加されると静電力が生じ、誘電体基板上に載置された基板が吸着され保持される。
【0003】
処理中における基板の温度調整等を目的として、誘電体基板と基板との間には、ヘリウム等の不活性ガスが供給されることが多い。このようなガスの供給路として、誘電体基板及びベースプレートのそれぞれにはガス穴が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2005-203426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の構成において、ガス穴は、誘電体基板とベースプレートの接合部分を、被接合面に対し垂直な方向に沿って直線状に貫くよう形成されている。ベースプレートに設けられたガス穴の内面においては金属が露出しているが、この露出した金属は、直線状のガス穴を通じて基板と対向した状態となる。このため、上記構成の静電チャックにおいては、直線状のガス穴に沿って、基板とベースプレートとの間の放電が比較的生じやすくなっていた。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ガス穴を介した放電の発生を抑制することのできる静電チャック、及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る静電チャックは、第1ガス穴が形成された誘電体基板と、第2ガス穴が形成されたベースプレートと、誘電体基板とベースプレートとの間に設けられ、絶縁性の材料により形成された接合層と、を備える。誘電体基板のうち接合層側の面には、第1ガス穴の端部である第1開口が形成されている。ベースプレートのうち接合層側の面には、第1開口とは異なる位置において、第2ガス穴の端部である第2開口が形成されている。接合層には、第1開口と第2開口との間を連通させる連通路が形成されている。
【0008】
このような構成の静電チャックでは、第1ガス穴の端部である第1開口と、第2ガス穴の端部である第2開口とが、互いに異なる位置にあり、これらの間が、接合層に設けられた連通路によって連通されている。上記の「位置」とは、例えば、被接合面に対し垂直な方向から見た場合における、第1開口や第2開口の位置のことである。
【0009】
このような構成においては、第1ガス穴の直下において、第2ガス穴の内面が基板側に向けて露出することがない。第2ガス穴の内面で露出した金属から、第1ガス穴を通じて基板に至るまでの経路の沿面距離が、従来構成に比べて長く確保されるので、当該経路に沿った放電の発生を抑制することができる。
【0010】
また、本発明に係る静電チャックでは、第2開口が、連通路を介して複数の第1開口に連通されていることも好ましい。このような構成においては、第2開口の数を第1開口の数よりも少なくすることができる。放電の起点となり得る第2開口の数を減少させることで、放電の発生を更に抑制することが可能となる。
(【0011】以降は省略されています)

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