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公開番号
2024116912
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-28
出願番号
2023022783
出願日
2023-02-16
発明の名称
光学フィルム片の製造方法
出願人
日東電工株式会社
代理人
弁理士法人籾井特許事務所
主分類
G02B
5/30 20060101AFI20240821BHJP(光学)
要約
【課題】本発明は、高精細なディスプレイ付きゴーグル等の表示システムの製造に適した光学部材の提供を主たる目的とする。
【解決手段】光学フィルム片の製造方法であって、位相差部材を含む、長尺状光学フィルムを準備する工程と、前記長尺状光学フィルムの遅相軸方向を測定する工程と、前記長尺状光学フィルムを長尺方向に搬送しながら、前記光学フィルム片の第一方向と前記遅相軸方向とのなす角度が所定の角度になるように前記光学フィルム片を連続的に打ち抜く工程と、を含み、前記打ち抜く工程において、前記長尺状光学フィルムの幅方向において、前記光学フィルム片を1つのみ打ち抜く、製造方法。
【選択図】図6
特許請求の範囲
【請求項1】
光学フィルム片の製造方法であって、
位相差部材を含む、長尺状光学フィルムを準備する工程と、
前記長尺状光学フィルムの遅相軸方向を測定する工程と、
前記長尺状光学フィルムを長尺方向に搬送しながら、前記光学フィルム片の第一方向と前記遅相軸方向とのなす角度が所定の角度になるように前記光学フィルム片を連続的に打ち抜く工程と、
を含み、
前記打ち抜く工程において、前記長尺状光学フィルムの幅方向において、前記光学フィルム片を1つのみ打ち抜く、製造方法。
続きを表示(約 420 文字)
【請求項2】
前記長尺状光学フィルムの長尺方向における前記遅相軸方向のばらつきが、0.5°以下である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記長尺状光学フィルムの幅が、前記光学フィルム片の打ち抜き幅の3.0倍以下である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記長尺状光学フィルムの長さが、50m以上1000m以下である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記長尺状光学フィルムを準備する工程が、広幅の長尺状光学フィルムを長尺方向に沿って所定のスリット幅でスリットすることを含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
前記長尺状光学フィルムの先端の2箇所以上において遅相軸方向を測定する、請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
前記長尺状光学フィルムの末端の2箇所以上においてさらに遅相軸方向を測定する、請求項6に記載の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ付きゴーグル等の表示システムに用いられる光学フィルム片の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置およびエレクトロルミネセンス(EL)表示装置(例えば、有機EL表示装置)に代表される画像表示装置が急速に普及している。画像表示装置においては、画像表示を実現し、画像表示の性能を高めるために、一般的に、偏光部材、位相差部材等の光学部材が用いられている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
近年、画像表示装置の新たな用途が開発されている。例えば、Virtual Reality(VR)を実現するためのディスプレイ付きゴーグル(VRゴーグル)が製品化され始めている。VRゴーグルは様々な場面での利用が検討されていることから、その高精細化が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-103286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、高精細なディスプレイ付きゴーグル等の表示システムの製造に適した光学部材の提供を主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]本発明の実施形態による光学フィルム片の製造方法は、位相差部材を含む、長尺状光学フィルムを準備する工程と、上記長尺状光学フィルムの遅相軸方向を測定する工程と、上記長尺状光学フィルムを長尺方向に搬送しながら、上記光学フィルム片の第一方向と上記遅相軸方向とのなす角度が所定の角度になるように上記光学フィルム片を連続的に打ち抜く工程と、を含み、上記打ち抜く工程において、上記長尺状光学フィルムの幅方向において、上記光学フィルム片を1つのみ打ち抜く。
[2]上記[1]において、上記長尺状光学フィルムの長尺方向における上記遅相軸方向のばらつきが、0.5°以下であり得る。
[3]上記[1]または[2]において、上記長尺状光学フィルムの幅が、上記光学フィルム片の打ち抜き幅の3.0倍以下であり得る。
[4]上記[1]から[3]のいずれかにおいて、上記長尺状光学フィルムの長さが、50m以上1000m以下であり得る。
[5]上記[1]から[4]のいずれかにおいて、上記長尺状光学フィルムを準備する工程が、広幅の長尺状光学フィルムを長尺方向に沿って所定のスリット幅でスリットすることを含み得る。
[6]上記[1]から[5]のいずれかにおいて、上記長尺状光学フィルムの先端の2箇所以上において遅相軸方向を測定し得る。
[7]上記[6]において、上記長尺状光学フィルムの末端の2箇所以上においてさらに遅相軸方向を測定し得る。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態による光学フィルム片の製造方法によれば、軸精度に優れた光学フィルム片を効率的に得ることができる。このような光学フィルム片を用いることにより、高精細なディスプレイ付きゴーグル等の表示システムを好適に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の実施形態による製造方法で得られる光学フィルム片が適用され得る表示システムの概略の構成を示す模式図である。
図2(a)および2(b)はそれぞれ、長尺状光学フィルムの構成の一例を説明する概略断面図である。
本発明の実施形態による光学フィルム片の製造方法の工程Iの一例を説明する模式図である。
本発明の実施形態による光学フィルム片の製造方法の工程IIの一例を説明する模式図である。
図5(a)および5(b)はそれぞれ、光学フィルム片の第一方向を説明する模式図である。
本発明の実施形態による光学フィルム片の製造方法の工程IIIの一例を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。また、図面は説明をより明確にするため、実施の形態に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。本明細書において「長尺状」とは、幅に対して長さが十分に長い細長形状を意味し、例えば、幅に対して長さが10倍以上、好ましくは20倍以上の細長形状を含む。
【0010】
(用語および記号の定義)
本明細書における用語および記号の定義は下記の通りである。
(1)屈折率(nx、ny、nz)
「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。
(2)面内位相差(Re)
「Re(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した面内位相差である。例えば、「Re(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した面内位相差である。Re(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Re(λ)=(nx-ny)×dによって求められる。
(3)厚み方向の位相差(Rth)
「Rth(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した厚み方向の位相差である。例えば、「Rth(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した厚み方向の位相差である。Rth(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Rth(λ)=(nx-nz)×dによって求められる。
(4)Nz係数
Nz係数は、Nz=Rth/Reによって求められる。
(5)角度
本明細書において角度に言及するときは、特段の言及がない限り、当該角度は基準方向に対して時計回りおよび反時計回りの両方を包含する。したがって、例えば「45°」は±45°を意味する。また、本明細書において、「略平行」は、0°±10°である場合を包含し、例えば0°±5°、好ましくは0°±3°、より好ましくは0°±1°の範囲内であり、「略直交」は、90°±10°である場合を包含し、例えば90°±5°、好ましくは90°±3°、より好ましくは90°±1°の範囲内である。
(【0011】以降は省略されています)
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