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公開番号2024115564
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-27
出願番号2021115205
出願日2021-07-12
発明の名称信号処理装置、信号処理方法、及びプログラム
出願人ソニーグループ株式会社
代理人弁理士法人南青山国際特許事務所
主分類G10K 15/00 20060101AFI20240820BHJP(楽器;音響)
要約【課題】空間内の波動特性を容易に測定する信号処理装置、信号処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】音響測定システム100において、コントローラ30は、信号取得部31、音響測定部32及び音響処理部33を備える。信号取得部32は、音波に関するインパルス応答を測定可能なように構成された測定信号とそれに対応する解析信号とを取得する。音響測定部32は、帯域が互いに異なるように複数の測定信号を再生させ、測定信号を再生した波形の受信データを読み込む。音響処理部33は、受信データに対して解析信号を作用させて複数の参照点と対象点との間のインパルス応答を算出し、そこから対象点の位置と対象点における波動特性とを算出する。測定信号及び解析信号の少なくとも一方は、時間波形が原点に対して非対称となる第1のタイプの窓関数により各々の元信号が帯域分割された信号を含む。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
測定波に関するインパルス応答を測定可能なように構成された測定信号と、前記測定信号に対応する解析信号とを取得する信号取得部と、
複数の参照点と単一の対象点との間で測定波を再生して受信する測定部に各参照点に対応する測定波の帯域が互いに異なるように前記測定信号を再生させ、前記測定部から前記測定信号を再生した波形の受信データを読み込む信号測定部と、
前記受信データに対して前記解析信号を作用させて前記複数の参照点と前記対象点との間のインパルス応答を算出し、当該算出結果に基づいて前記対象点の位置と前記対象点における波動特性とを算出する信号処理部と
を具備し、
前記測定信号及び前記解析信号の少なくとも一方は、時間波形が原点に対して非対称となる第1のタイプの窓関数により各々の元信号が帯域分割された信号を含む
信号処理装置。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
請求項1に記載の信号処理装置であって、
前記第1のタイプの窓関数は、時間波形が正時間側に寄るように構成された関数である
信号処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の信号処理装置であって、
前記第1のタイプの窓関数は、最小位相特性となる関数である
信号処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の信号処理装置であって、
前記測定波は、音波であり、
前記信号処理部は、前記波動特性として、前記対象点での音響特性を算出する
信号処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の信号処理装置であって、
前記測定部は、前記複数の参照点の各々に配置された複数のスピーカと、前記対象点に配置されたマイクロホンとを有し、
前記信号測定部は、前記複数のスピーカから複数の再生スピーカを選択し、各再生スピーカが再生する音波の帯域が互いに異なるように前記測定信号を再生させ、
前記信号処理部は、前記受信データに対して前記解析信号を作用させて前記複数の再生スピーカの各々についてインパルス応答を算出する
信号処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の信号処理装置であって、
前記複数のスピーカは、4以上のスピーカを含み、
前記信号測定部は、前記複数のスピーカのうち、前記再生スピーカとして、3つの参照スピーカと、1つの対象スピーカとを選択し、
前記信号処理部は、前記3つの参照スピーカに関するインパルス応答から、前記対象点の位置を算出し、前記対象スピーカに関するインパルス応答から、前記対象スピーカに関する前記対象点での音響特性を算出する
信号処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の信号処理装置であって、
前記信号処理部は、前記3つの参照スピーカが再生した音波の到達時間から、各参照スピーカが配置された前記参照点と前記対象点との距離を算出し、当該算出結果と各参照スピーカが配置された前記参照点の位置とに基づいて、前記対象点の位置を算出する
信号処理装置。
【請求項8】
請求項6に記載の信号処理装置であって、
前記信号測定部は、前記複数の再生スピーカから同一の期間内に互いに異なる帯域の音波が再生されるように、前記測定信号を再生させる
信号処理装置。
【請求項9】
請求項6に記載の信号処理装置であって、
前記対象スピーカが再生する音波の帯域は、音響測定の対象帯域に設定され、
前記参照スピーカが再生する音波の帯域は、前記対象帯域以外の帯域に設定される
信号処理装置。
【請求項10】
請求項6に記載の信号処理装置であって、
前記測定信号及び前記解析信号の少なくとも一方は、時間波形が原点に対して対称であり音響測定の上限周波数よりも低い帯域を通過させる第2のタイプの窓関数により各々の元信号が帯域分割された信号を含む
信号処理装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本技術は、波動特性の測定に適用可能な信号処理装置、信号処理方法、及びプログラムに関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、空間を伝搬する波について、その空間内での波動特性を測定する技術が開発されている。例えば空間内を伝搬する音波の波動特性として、空間の音響特性を測定する方法が知られている。
特許文献1には、複数のスピーカから聴取位置までの音波の遅延特性を測定するオーディオシステムについて記載されている。このシステムには、周波数特性が異なる2つのスピーカが設けられる。各スピーカからは帯域の異なる音波が切り替えて放射され、聴取位置に配置されたマイクロホンによりそれぞれ検出される。この検出結果から、各スピーカから聴取位置までの群遅延時間が算出され、各スピーカが再生する音波を遅延させる遅延時間が設定される。これにより、高域や低域の音波が聴取位置に達するタイミングを一致させることが可能となっている(特許文献1の明細書段落[0012][0014][0017-0023]図1等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2001-211493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように空間を伝搬する音波等の波に関して、その空間内の各位置における波動特性を測定しておくことで、各位置に生じる波の制御や検出の精度が向上すると期待される。このため、空間内の波動特性を容易に測定する技術が求められている。
【0005】
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、空間内の波動特性を容易に測定することが可能な信号処理装置、信号処理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る信号処理装置は、信号取得部と、信号測定部と、信号処理部とを具備する。
前記信号取得部は、測定波に関するインパルス応答を測定可能なように構成された測定信号と、前記測定信号に対応する解析信号とを取得する。
前記信号測定部は、複数の参照点と単一の対象点との間で測定波を再生して受信する測定部に各参照点に対応する測定波の帯域が互いに異なるように前記測定信号を再生させ、前記測定部から前記測定信号を再生した波形の受信データを読み込む。
前記信号処理部は、前記受信データに対して前記解析信号を作用させて前記複数の参照点と前記対象点との間のインパルス応答を算出し、当該算出結果に基づいて前記対象点の位置と前記対象点における波動特性とを算出する。
前記測定信号及び前記解析信号の少なくとも一方は、時間波形が原点に対して非対称となる第1のタイプの窓関数により各々の元信号が帯域分割された信号を含む。
【0007】
この信号処理装置では、複数の参照点と対象点との間で、インパルス応答の測定に用いる測定信号の測定波が再生・受信される。測定信号は、各参照点に対応する測定波の帯域が互いに異なるように再生される。この測定波の受信データに解析信号を作用させて、各参照点と対象点との間のインパルス応答が算出され、その結果から対象点の位置及び波動特性が算出される。ここで、測定信号及び解析信号の少なくとも一方は、第1のタイプの窓関数により帯域分割されている。これにより、例えば測定波を受信する機器のみを利用して対象点の位置を適正に算出することが可能となり、空間内の波動特性を容易に測定することが可能となる。
【0008】
本技術の一形態に係る信号処理方法は、コンピュータシステムにより実行される信号処理方法であって、測定波に関するインパルス応答を測定可能なように構成された測定信号と、前記測定信号に対応する解析信号とを取得することを含む。
複数の参照点と単一の対象点との間で測定波を再生して受信する測定部に各参照点に対応する測定波の帯域が互いに異なるように前記測定信号を再生させ、前記測定部から前記測定信号を再生した波形の受信データが読み込まれる。
前記受信データに対して前記解析信号を作用させて前記複数の参照点と前記対象点との間のインパルス応答を算出し、当該算出結果に基づいて前記対象点の位置と前記対象点における波動特性とが算出される。
また、前記測定信号及び前記解析信号の少なくとも一方は、時間波形が原点に対して非対称となる第1のタイプの窓関数により各々の元信号が帯域分割された信号を含む。
【0009】
本技術の一形態に係るプログラムは、コンピュータシステムに以下のステップを実行させる。
測定波に関するインパルス応答を測定可能なように構成された測定信号と、前記測定信号に対応する解析信号とを取得するステップ。
複数の参照点と単一の対象点との間で測定波を再生して受信する測定部に各参照点に対応する測定波の帯域が互いに異なるように前記測定信号を再生させ、前記測定部から前記測定信号を再生した波形の受信データを読み込むステップ。
前記受信データに対して前記解析信号を作用させて前記複数の参照点と前記対象点との間のインパルス応答を算出し、当該算出結果に基づいて前記対象点の位置と前記対象点における波動特性とを算出するステップ。
また、前記測定信号及び前記解析信号の少なくとも一方は、時間波形が原点に対して非対称となる第1のタイプの窓関数により各々の元信号が帯域分割された信号を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本技術の第1の実施形態に係る音響測定システムの構成例を示す模式図である。
音響測定システムの機能的な構成例を示すブロック図である。
インパルス応答の測定方法について説明するための模式図である。
音響測定システムの動作概要を示す模式図である。
比較例として挙げる矩形窓により生成された測定信号の一例を示すグラフである。
図5に示す矩形窓を用いたインパルス応答の測定結果を示すグラフである。
比較例として挙げるハン窓により生成された測定信号の一例を示すグラフである。
図7に示すハン窓を用いたインパルス応答の測定結果を示すグラフである。
最小位相特性のハン窓により生成された測定信号の一例を示すグラフである。
図9に示すハン窓により帯域分割された測定信号に対応する解析信号の一例を示すグラフである。
図9に示すハン窓を用いたインパルス応答の測定結果を示すグラフである。
音響測定システムによる測定処理の流れを示すブロック図である。
音響測定システムによる測定処理の一例を示すフローチャートである。
音波を再生する処理の流れを示す模式図である。
収音データに対する処理の流れを示す模式図である。
第2の実施形態に係る音響測定システムの構成例を示す模式図である。
音波を再生する処理の流れを示す模式図である。
最小位相特性の高域通過窓関数により生成された測定信号の一例を示すグラフである。
収音データに対する処理の流れを示す模式図である。
最小位相特性のハン窓により生成された解析信号の一例を示すグラフである。
図18及び図20に示す各窓関数によるインパルス応答の測定結果を示すグラフである。
第3の実施形態に係る音響測定システムの構成例を示す模式図である。
音波を再生する処理の流れを示す模式図である。
収音データに対する処理の流れを示す模式図である。
UI表示の一例を示す模式図である。
UI表示の他の例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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