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公開番号2024109164
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-14
出願番号2023013795
出願日2023-02-01
発明の名称羊毛製品の処理方法及び羊毛製品
出願人東北整練株式会社,山形県
代理人個人
主分類D06M 11/38 20060101AFI20240806BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約【課題】羊毛を含む製品についてアルカリを使用した新規の処理方法を提供すること。
【解決手段】羊毛を含む繊維物をBh2~18のアルカリ水溶液に対して10~200秒間、接触させるアルカリ処理工程を含むことを特徴とする羊毛を含む繊維物の処理方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
羊毛を含む繊維物をBh2~18のアルカリ水溶液に対して10~200秒間、接触させるアルカリ処理工程を含むことを特徴とする羊毛を含む繊維物の処理方法。
続きを表示(約 440 文字)【請求項2】
上記アルカリ水溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの少なくとも一方を含有することを特徴とする請求項1に記載の羊毛を含む繊維物の処理方法。
【請求項3】
上記羊毛を含む繊維物は、羊毛を含む繊維を含む糸を含む織編み物であることを特徴とする請求項1に記載の羊毛を含む繊維物の処理方法。
【請求項4】
上記羊毛を含む繊維物は、羊毛を含む繊維を含む糸、及び、再生セルロース繊維を含む糸を含む織編み物であることを特徴とする請求項1に記載の羊毛を含む繊維物の処理方法。
【請求項5】
上記アルカリ処理工程を行った後に、更にセルロースナノファイバーを含む水溶液に羊毛を含む繊維物を接触させるセルロースナノファイバー処理工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の羊毛を含む繊維物の処理方法。
【請求項6】
上記請求項1~5のいずれかに記載の処理方法によって処理されたことを特徴とする羊毛を含む繊維物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、羊毛製品の処理方法及び羊毛製品に関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
例えばJIS L 1030-2には、5%の水酸化ナトリウム水溶液中で2分間の煮沸を行うことで、毛(羊毛)は当該水溶液中に溶解すると記載されている。これは、羊毛を主に構成するケラチンと呼ばれる繊維状タンパク質に含まれるシスチンのジスルフィド結合がアルカリ溶液中において切断されると共に、ケラチンが加水分解される等の機構に由来するものであり、このような知見に基づいてアルカリは羊毛の特性を阻害するものと認識されている。このために、羊毛の品質の向上を目的とした処理において、アルカリ水溶液等を使用することは必ずしも一般的でなかった。
【0003】
一方、例えば、非特許文献1には、衣類のドライクリーニングに使用される溶剤等を含む液相中に、少量の水酸化ナトリウム水溶液を分散保持したエマルション(分散溶液)を使用して羊毛を処理することによって、水による羊毛の膨潤を抑制しながら羊毛の表面部分の改質を行うことが記載されている。
【0004】
上記処理によれば、処理を行った羊毛についてフェルトボール試験を行った際のボールの直径が未処理の羊毛に比べて拡大することで耐フェルト性が向上すること、また、アルベルデン反応による気泡の発生が見られないことからエピクチクル層が除去されたと考えられるにも関わらず所定の撥水性が観察されること、染料の吸尽率が向上すること等、羊毛の使用において好ましい特性が付与されることが記載されている。
上記のように、羊毛の品質の向上を目的とした処理において、従来は一般的でなかったアルカリ水溶液等を使用することに関して、近年、改めて種々の手法が模索されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
Textile Research Journal,2018,Vol.89(3),P.254~260
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
羊毛製品は特有の風合いを有すると共に、吸/放湿性や保温性、撥水性を備える等の理由で衣料等の用途に広く使用される付加価値の高い製品である。また、石油由来の繊維と比較した際に、生分解性を有し、その生産の際に基本的に二酸化炭素の排出が必要とされない等、環境負荷が低い点からも各種の展開が展望されている。
【0007】
一方、羊毛製品においては、羊毛の表面に存在する鱗状のスケールが吸湿によって立ち上がり、隣接するスケール間の噛み合いを生じて絡み合うことによってフェルト化を生じ、また、着用時に毛玉が形成され易いピリング性を有することが知られている。そして、当該フェルト化やピリングを防止して羊毛製品の商品性を高めることを目的として各種の処理が行われるが、当該処理に使用される薬剤等が示す環境負荷が問題になっている。
【0008】
例えば、羊毛の表面のスケールを除去する等して耐収縮性を付与する手段として、塩素を使用した処理が一般的に使用されるが、当該処理を行った際には有機ハロゲンの廃液を生じ、水や土壌を汚染する原因となることが知られている。また、上記非特許文献1に記載の処理においても多量の有機溶剤が必要とされ、それに起因する環境負荷やコストが懸念される等、羊毛製品の商品性を向上させるための処理が羊毛製品の活用の障害となる問題を孕んでいる。
【0009】
本発明は、上記の問題に着目し、羊毛を含む製品についてのアルカリを使用した新規の処理方法を提供することを主な課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、以下の手段を提供する。
(1)羊毛を含む繊維物をBh2~18のアルカリ水溶液に対して10~200秒間、接触させるアルカリ処理工程を含む羊毛を含む繊維物の処理方法。
(2)上記アルカリ水溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの少なくとも一方を含有する羊毛を含む繊維物の処理方法。
(3)上記羊毛を含む繊維物は、羊毛を含む繊維を含む糸を含む織編み物である羊毛を含む繊維物の処理方法。
(4)上記羊毛を含む繊維物は、羊毛を含む繊維を含む糸、及び、再生セルロース繊維を含む糸を含む織編み物である羊毛を含む繊維物の処理方法。
(5)上記アルカリ処理工程を行った後に、更にセルロースナノファイバーを含む水溶液に羊毛を含む繊維物を接触させるセルロースナノファイバー処理工程を含む羊毛を含む繊維物の処理方法。
(6)上記のいずれかに記載の処理方法によって処理された羊毛を含む繊維物。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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