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公開番号
2024121790
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-06
出願番号
2024012635
出願日
2024-01-31
発明の名称
人工皮革およびその製造方法ならびに衣料、靴、鞄
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
D06N
3/14 20060101AFI20240830BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約
【課題】 天然皮革調、特に豚革調の微細な小柄模様と立毛が不均一で粗い表面外観を有しながら、長期間の使用に耐えうる耐摩耗性を両立する人工皮革を提供すること。
【解決手段】 平均単繊維直径が0.01μm以上10.00μm以下の極細繊維からなる不織布を構成要素として含む繊維絡合体と、ポリウレタンと、からなる、少なくとも一方の表面が立毛を有する立毛面である人工皮革であって、前記立毛面のうち少なくとも1つの立毛面が以下の要件を満たす、人工皮革。
要件1:前記立毛面に露出しているポリウレタンの面積割合が1.0%以上5.0%未満である
要件2:前記立毛面に0.2mm
2
以上1.0mm
2
以下のポリウレタンの集合体が露出している
要件3:前記立毛面における単位面積当たりの前記ポリウレタンの集合体の個数が0.25個/cm
2
以上5.00個/cm
2
以下である
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
平均単繊維直径が0.01μm以上10.00μm以下の極細繊維からなる不織布を構成要素として含む繊維絡合体と、ポリウレタンと、で構成されてなる、少なくとも一方の表面が立毛を有する立毛面である人工皮革であって、前記立毛面のうち少なくとも1つの立毛面が以下の要件を満たす、人工皮革。
要件1:前記立毛面に露出しているポリウレタンの面積割合が1.0%以上5.0%未満である
要件2:前記立毛面に0.2mm
2
以上1.0mm
2
以下のポリウレタンの集合体が露出している
要件3:前記立毛面における単位面積当たりの前記ポリウレタンの集合体の個数が0.25個/cm
2
以上5.00個/cm
2
以下である
続きを表示(約 890 文字)
【請求項2】
前記立毛の平均長さが200μm以上600μm以下である、請求項1に記載の人工皮革。
【請求項3】
前記立毛の長さの変動係数が30%以上100%以下である、請求項1または2に記載の人工皮革。
【請求項4】
平均単繊維直径が0.01μm以上10.00μm以下の極細繊維からなる不織布を構成要素として含む繊維絡合体と、ポリウレタンと、で構成されてなるシート状物の、少なくとも一方の表面を研削手段で複数回研削し、該表面を立毛面とする工程を含み、前記立毛面のうち少なくとも1つの立毛面が以下の要件1~3を満たす人工皮革の製造方法であって、
前記研削する工程において、研削速度v
B
(m/分)に対するシート状物の搬送速度v
A
(m/分)の比v
A
/v
B
を常に0.020以上0.050以下とし、かつ、シート状物の搬送方向を研削方向の逆方向とする、人工皮革の製造方法。
要件1:前記立毛面に露出しているポリウレタンの面積割合が1.0%以上5.0%未満である
要件2:前記立毛面に0.2mm
2
以上1.0mm
2
以下のポリウレタンの集合体が露出している
要件3:前記立毛面における単位面積当たりの前記ポリウレタンの集合体の個数が0.25個/cm
2
以上5.00個/cm
2
以下である
【請求項5】
前記研削する工程の後に、研削されたシート状物を液流染色機で染色する工程を有する、人工皮革の製造方法であって、研削されたシート状物の立毛の方向と液流染色機のノズル通過方向とが逆方向である、請求項4に記載の人工皮革の製造方法。
【請求項6】
請求項1または2に記載の人工皮革を含む、衣料。
【請求項7】
請求項1または2に記載の人工皮革を含む、靴。
【請求項8】
請求項1または2に記載の人工皮革を含む、鞄。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は人工皮革に関し、特に衣料、靴、鞄などの身の回り品に好適な豚革調の表面外観を有する人工皮革に関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
主として極細繊維からなる不織布を構成要素として含む繊維絡合体とポリウレタンとからなる人工皮革は、耐久性の高さや品質の均一性などの天然皮革対比で優れた特徴を有しており、車両内装材、インテリア、衣料や靴および鞄など様々な分野で使用されている。しかしながら、衣料、靴、鞄などの分野においては、天然皮革ならではの微細な小柄模様や立毛が不均一で粗い表面外観が評価され、依然として豚革などの天然皮革が好適に使用されている。
【0003】
これまでに、人工皮革においても、豚革調の微細な小柄模様と高級感のある立毛を有する表面外観を達成することが試みられている。例えば、特許文献1では、凸部銀面層は極細立毛繊維が弾性重合体により固定された複合層であり、該シートの全表面積の特定の範囲、かつ、凸部銀面の大部分が一定の面積の非連続層となるような銀面層を形成し、一方凹部には特定の極細繊維立毛が存在する、銀付ヌバック調皮革様シート物が提案されている。そして、このシート状物によれば、きめ細かいヌバックライクなライティング効果が得られ、通気、透湿性に優れることなどが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平09-67779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されるような技術においては、人工皮革の表面に均一に立毛を形成した後、エンボス加工を施し、凸部に弾性重合体を塗布している。このようにすることで、天然皮革にある程度近似した、ある程度、微細な小柄模様と高級感のある立毛とを有する人工皮革を得ることは可能である。しかしながら、そのような人工皮革においては、天然皮革ならではの立毛が不均一で粗い表面外観までを表現させることはできず、さらには、長期間の使用において、凸部に塗布した弾性重合体からなる微細な小柄模様を表面に保持することはできない。
【0006】
そこで本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、天然皮革調、特に豚革調の微細な小柄模様と立毛が不均一で粗い表面外観を有しながら、長期間の使用に耐えうる耐摩耗性を両立する人工皮革を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成すべく本発明者らが検討を重ねた結果、繊維絡合体にポリウレタンが付与されてなるシートの表面を研削する工程において、シート搬送速度に対して研削速度を所定の速度比としつつ、シート搬送方向に対して研削方向を所定の方向として、多段階にわたって研削し立毛を形成した後、染色処理を施すことで、豚革調の微細な小柄模様と立毛が不均一で粗い表面外観を有しながら、滑らかな触感と長期間の使用に耐えうる耐摩耗性を両立した人工皮革とすることができるようになった。本発明は、これら知見に基づいて完成に至ったものであり、本発明によれば、以下の発明が提供される。
【0008】
[1] 平均単繊維直径が0.01μm以上10.00μm以下の極細繊維からなる不織布を構成要素として含む繊維絡合体と、ポリウレタンと、で構成されてなる、少なくとも一方の表面が立毛を有する立毛面である人工皮革であって、前記立毛面のうち少なくとも1つの立毛面が以下の要件を満たす、人工皮革
要件1:前記立毛面に露出しているポリウレタンの面積割合が1.0%以上5.0%未満である
要件2:前記立毛面に0.2mm
2
以上1.0mm
2
以下のポリウレタンの集合体が露出している
要件3:前記立毛面における単位面積当たりの前記ポリウレタンの集合体の個数が0.25個/cm
2
以上5.00個/cm
2
以下である。
【0009】
[2] 前記立毛の平均長さが200μm以上600μm以下である、前記[1]に記載の人工皮革。
【0010】
[3] 前記立毛の長さの変動係数が30%以上100%以下である、前記[1]または[2]に記載の人工皮革。
(【0011】以降は省略されています)
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