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公開番号2024107576
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-09
出願番号2023011574
出願日2023-01-30
発明の名称除染用ショットブラスト装置
出願人株式会社ニッチュー
代理人個人,個人
主分類G21F 9/28 20060101AFI20240802BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】放射能により汚染されたタンク等の構造体を解体することなく、当該構造体の壁面を除染可能な装置を提供する。
【解決手段】除染用ショットブラスト装置100は、ローター12と投射口14を有する投射部10と、投射部10から投射された研削材を回収する研削材回収部20と、研削材回収部20において回収された回収研削材を、大径の研削材と大径の研削材に対し相対的に小径の小粒子とに分離する分離部30と、分離部30において分離された小粒子を集塵する集塵部40と、を備え、放射能により汚染された構造物の壁面(タンク内壁面90)に研削材を投射し当該壁面を除染する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ローターと投射口を有する投射部と、
前記投射部から投射された研削材を回収する研削材回収部と、
前記研削材回収部において回収された回収研削材を、大径の研削材と前記大径の研削材に対し相対的に小径の小粒子とに分離する分離部と、
前記分離部において分離された前記小粒子を集塵する集塵部と、を備え、
放射能により汚染された構造物の壁面に研削材を投射することによって当該壁面を除染することを特徴とする除染用ショットブラスト装置。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
前記集塵部は、当該集塵部に導入された空気と前記小粒子を分離するためのフィルタと、
前記フィルタを通過した空気を外部に排出する排出口を備え、
前記フィルタが、粒径0.3μm以下の粒子を捕集可能な高機能フィルタである請求項1に記載の除染用ショットブラスト装置。
【請求項3】
磁性体である前記壁面と前記除染用ショットブラスト装置の正面とを引き寄せるための磁石を備え、
前記磁石は、前記壁面に対し非接触な位置に配置されている請求項1または2に記載の除染用ショットブラスト装置。
【請求項4】
前記磁石と前記壁面との距離を所定に維持するためのスペーサーを有し、
前記スペーサーは、前記除染用ショットブラスト装置の移動方向に対し直交する方向に伸長する回転軸と、前記磁石よりも前記壁面に側に突出し前記回転軸により前記壁面上において軸回転可能なローラーとを有する請求項3に記載の除染用ショットブラスト装置。
【請求項5】
前記ショット投射口より放出された研削材の飛散を防止するための遮蔽部を有し、
前記遮蔽部は、正面視において前記投射口の周りを連続的に囲む第一遮蔽部材と当該第一遮蔽部材の外周に設けられた第二遮蔽部材とを少なくとも有し、
前記第一遮蔽部材および前記第二遮蔽部材の間に、空気を排出可能なエアノズルを備える請求項1または2に記載の除染用ショットブラスト装置。
【請求項6】
クレーンに装着するための吊り具装着部を備える請求項1または2に記載の除染用ショットブラスト装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、放射性物質により壁面が汚染されたタンク等の構造物の当該壁面を除染するための除染用ショットブラスト装置に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、原子炉の系統機器や配管内面など金属材料に付着し堆積した放射性汚染物質を除去するため、レーザーを用いた除染方法に関する技術が提案されている(例えば特許文献1)。これは、被処理面に対しレーザービームを照射し、当該非処理面の表層を溶融・蒸散させることで当該非処理面を除染する技術に関する。以下ではレーザーによる除染をレーザー除染と呼ぶ場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平8-110396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで近年、原子炉冷却水等の放射能に汚染された水(以下、汚染水ともいう)を貯蔵するタンクの取り扱いが問題となっている。貯蔵された原子炉冷却水は、規定値以下の放射線量であることが確認された後、たとえば海洋などに放水される。
【0005】
汚染水を貯蔵するためのタンクは、一般的に大型であり、直径が数m~数十m、高さ数m~数十mのものが多い。汚染水が外部に放水され空になったタンクは、分解され所定寸法に小片化された後、たとえば上述する特許文献1のような技術を用い、除染されることが一般的であった。
しかしながら大型であり、かつ内壁面が放射能で汚染されたタンクを解体し小片化するためには専門の知識を有する技術者等を多数必要とする上、処理コストも高く、問題であった。そのため、解体せずにタンクの内壁面を除染可能とすることが望まれる。
【0006】
これに対し、特許文献1に例示されるレーザー除染は、比較的小規模の被処理物の除染には対応可能であるが、大型タンクの内壁面のような大面積の領域の除染を想定した技術ではなかった。
また大面積の領域をレーザー除染する場合、高い出力と速い処理速度が求められ、エネルギー効率が悪いという問題があった。また大面積である被処理面を除染するための、レーザー除染以外の技術も未だ提案されていない。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものである。即ち、本発明は放射能により汚染されたタンク等の構造体を解体することなく、当該構造体の壁面を除染可能な装置として提供されるものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の除染用ショットブラスト装置は、ローターと投射口を有する投射部と、上記投射部から投射された研削材を回収する研削材回収部と、上記研削材回収部において回収された回収研削材を、大径の研削材と上記大径の研削材に対し相対的に小径の小粒子とに分離する分離部と、上記分離部において分離された上記小粒子を集塵する集塵部と、を備え、放射能により汚染された構造物の壁面に研削材を投射することによって当該壁面を除染することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の除染用ショットブラスト装置は、ショットブラストの技術を活用し、原子炉冷却水貯蔵用のタンクなどの大型の構造物において、放射能で汚染された当該構造物の壁面を除染することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の一実施形態にかかる除染用ショットブラスト装置の側面図である。
本発明の一実施形態にかかる除染用ショットブラスト装置の正面図である。
本発明の一実施形態にかかる除染用ショットブラスト装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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