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公開番号2024118781
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-02
出願番号2023025273
出願日2023-02-21
発明の名称コスト低減BWR4 MARK-2改原子炉
出願人個人
代理人
主分類G21C 1/06 20060101AFI20240826BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】炭酸ガス放出はないがコスト高の再生可能エネルギー発電が建設ラッシュである。売電価格が上がる。売電価格を低減するためには、炭酸ガスを放出しない原子炉のコストを低減すること。
【解決手段】BWR4MARK-2改原子炉に、ホウ酸水建屋100を別棟として新設する。原子炉建屋内の核燃料プール40に、原子炉運転中に核燃料集合体が無いことを監視する監視カメラを敷設し、原子炉運転中には耐震ランクS相当と見做し、非常用水源を確保する。かくて、安全性向上の余裕分を出力増加にあてて、発電原価を安くする。試しに、既設のBWR4MARK-2改原子炉を再稼働させ、次に本発明を適用し、従来の出力から徐々に出力上昇すれば確認できる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
原子炉形式がBWR4であり、格納容器形式がMARK-2改である原子炉において、
BWR4原子炉(20)を内蔵するBWR4原子炉建屋(10)内の核燃料プール(40)に原子炉起動時に核燃料集合体が無いことを監視する監視装置を敷設し、当該核燃料プール(40)が耐震ランクS相当と見做せるようにし、
MARK-2改格納容器(11)に隣接褪させてホウ酸水建屋(100)を別棟として新設してなり、
当該ホウ酸水建屋(100)は耐震ランクSであって、ホウ酸水タンク(130)と注水ポンプ(110)とディーゼル発電機(120)を敷設してなり、
上記ホウ酸水建屋(100)に隣接させて耐震ランクSとした別棟の燃料油貯蔵タンク(200)を新設し、
MARK-2改格納容器(11)に隣接させて地中に耐震ランクSの別棟に空冷の使用済核燃料集合体貯蔵庫(410)と、別棟に空冷の未燃焼核燃料集合体貯蔵庫(420)を新設し、
使用済核燃料集合体貯蔵庫(410)容量は炉心装荷全核燃料集合体の体数N0と同じとし、
未燃焼核燃料集合体貯蔵庫(420)容量は N0/4~N0/2としたことを特徴とするコスト低減BWR4 MARK-2改原子炉。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、BWR4 MARK-2改原子炉の出力アップによるコスト低減に係る。
続きを表示(約 5,200 文字)【背景技術】
【0002】
先の福島地震津波で、従来の原子力発電所である第二サイト2号~4号は、なんとか安全性確保が確保できていたように見受けられる。第一サイト1号~4号は外部交流全電源喪失と分電盤水没により大きな被害を受けたと見受けられる。
原子力利用発電は、a:化石燃料利用発電よりも燃料費用が安い、b:シーレーン途中での安全性に係る頻度が比較的少ない、c:海外紛争の影響が比較的小さい。
そもそも、安全性が高いから原子炉を利用するのではなく、原子力の発電単価が安いから安全性に十分な配慮をして建設する。
炭酸ガス放出はないがコスト高の再生可能エネルギー発電が建設ラッシュである。売電価格が上がる。売電価格を低減するためには、炭酸ガスを放出しない原子炉のコスト低減が重要である。気まぐれな自然相手の再生可能エネルギー発電容量分だけ、低コスト原子炉を建設しなければならない。蓄電池設置では間に合わない。
米国は核兵器の増産をし続ける。中濃縮ウラン~微濃縮ウランが大量に発生する。これを売らないことには核兵器級高濃縮ウランは非常に高価になってしまう。微濃縮ウランの売り込み先は米国内外の軽水炉原子炉発電所である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の原子力発電所の改良であるなら発注側も理解し易い。審査側も審査し易い。
福島地震津波を回避できたという実績のある第二サイト1号~4号はBWR4 MARK-2改原子炉である。さらなるコスト低減ができると考えられる。なお、BWR4 MARK-2改原子炉の後継基であるABWRは、出力増加によるコスト低減や作業員被ばく低減が図られている。
審査に合格していた形式原子力の改良なら、審査員・先生方・製造社・運転者の理解が得られ易く、早期の審査が進む。
【課題を解決するための手段】
【0004】
手段1はコスト低減BWR4 MARK-2改原子炉である。
原子炉形式がBWR4であり、格納容器形式がMARK-2改である原子炉におけるコスト低減の手段である。
BWR4原子炉(20)を内蔵するBWR4原子炉建屋(10)内の核燃料プール(40)に原子炉起動時に核燃料集合体が無いことを監視する監視装置を敷設し、当該核燃料プール(40)が耐震ランクS相当と見做せるようにする。
MARK-2改格納容器(11)に隣接褪させてホウ酸水建屋(100)を別棟として新設してなる。
当該ホウ酸水建屋(100)は耐震ランクSであって、ホウ酸水タンク(130)と注水ポンプ(110)とディーゼル発電機(120)を敷設してなる。
上記ホウ酸水建屋(100)に隣接させて耐震ランクSとした別棟の燃料油貯蔵タンク(200)を新設する。
MARK-2改格納容器(11)に隣接させて地中に耐震ランクSの別棟に空冷の使用済核燃料集合体貯蔵庫(410)と、別棟に空冷の未燃焼核燃料集合体貯蔵庫(420)を新設する。
使用済核燃料集合体貯蔵庫(410)容量は炉心装荷全核燃料集合体の体数N0と同じとする。
未燃焼核燃料集合体貯蔵庫(420)容量は N0/4~N0/2としたことを特徴とするコスト低減BWR4 MARK-2改原子炉。
【発明の効果】
【0005】
先の大地震で福島サイト原子炉は事故に見舞われた。地震直後原子炉は停止し、約1日間に炉心温度は上昇しなかったから、制御棒系や核燃料集合体配置や炉心冷却系の健全性に関する実績を積んだ。
健全性に関する実績を積んだ制御棒系や核燃料集合体配置や炉心冷却系技術は実証済みとして使用続けることができる。
運転中の核燃料プール(40)に核燃料集合体が搭載されていなければ、その分、大量の水が確保できたことになる。冷却材喪失事故が生じても余裕を以って対処できる。その余裕を出力上昇に充てれば発電コスト低減になる。
ホウ酸水建屋(100)を別棟として新設したことにより、何らかの事故による再臨界の恐れに対する余裕ができる。その余裕を出力上昇に充てれば発電コスト低減になる。ホウ酸水は残留熱除熱にも役立つから、冷却材喪失もしくは冷却材不足事故による除熱不足の恐れに対する余裕ができる。その余裕を出力上昇に充てれば発電コスト低減になる。ホウ酸水は残留熱除熱にも役立つ。
従来の残留熱除熱は、圧力抑制プール(60)の水を海水により間接除熱して圧力抑制プール(60)水温上昇を抑制していた。本発明では、ホウ酸水建屋(100)の中にウ酸水タンク(130)を敷設して、当該タンクのホウ酸水を原子炉再循環ポンプ(30)の突出側管(31)から直接BWR4原子炉(20)内に注水できる。原子炉内の高温水が蒸発または漏洩するのを放置することができる。高温水または蒸気を原子炉外に放出し、低温のホウ酸水を原子炉内に注水すれば原子炉内の温度上昇は抑制でき、余裕ができる。その余裕を出力上昇に充てれば発電コスト低減になる。
ホウ酸水はステンレス製管が考えられるがポリイミド樹脂管束(320)で流してもよい。ポリイミド樹脂は500度程度までの耐熱性がある。柔軟性もあるから配管引き回しが容易になる。束にしたことにより、万一漏洩が生じても当該管のみであるから、残りの管で注水できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
BWR4 MARK-2改原子炉の出力アップ版を提供できた。発電単価の低減が期待できる。
【 実施例】
【0007】
実施例1はBWR4 MARK-2改原子炉の出力アップのための改良である。
図1は、コスト低減BWR4 MARK-2改原子炉の概観図である。
BWR4原子炉(20)は核燃料集合体を内蔵した原子炉形式BWR4の原子炉である。
BWR4原子炉建屋(10)は上記BWR4原子炉(20)を内蔵した耐震ランクBの建屋である。主要な冷却系が内蔵されている。非常用炉心冷却系(ECCS)も内蔵されている。
MARK-2改格納容器(11)は前記BWR4原子炉建屋(10)に内蔵されている格納容器形式がMARK-2改である耐震ランクSの格納容器である。主冷却水を循環させる再循環ポンプ(30)2台PA,PBが内蔵されている。主冷却水は再循環ポンプ(30)の吐出側管(31)から原子炉内に送水される。
原子炉起動時に、BWR4原子炉建屋(10)内の核燃料プール(40)に核燃料集合体が無いことを監視する監視カメラ(500)を、核燃料プール(40)斜め上のBWR4原子炉建屋(10)壁面に敷設する。これにより、BWR4原子炉建屋(10)は原子炉運転中には耐震ランクS相当と見做すことができ非常用水源を確保したことになる。なお、監視カメラ(500)の映像は中央捜査室のモニターに映し出され、運転員が核燃料集合体の無いことを確認してから原子炉を起動する。映像はビデオデッキに保存されている。厳密に核燃料集合体の無い映像と比較してソフトウエアで一致を確認し、起動スイッチに連動することも考えられるが、やりすぎるとかえって安全性や操作性を損なう事がある。
MARK-2改格納容器(11)に隣接させてホウ酸水建屋(100)を別棟として新設する。耐震ランクSとした当該ホウ酸水建屋(100)に、ホウ酸水タンク(130)と注水ポンプ(110)とディーゼル発電機(120)を敷設する。注水ポンプ(110)から出た、ホウ酸水タンク(130)のホウ酸水はステンレス製管またはポリイミド樹脂管束(310)から再循環ポンプ(30)の吐出側管(31)を通ってBWR4原子炉(20)内に注水される。運転員が冷却不十分と判断した時、ディーゼル発電機(120)を稼働させて注水する。
各吐出側管(31)までの格納容器内のポリイミド樹脂管束(310)を鉛で被覆し鉛被覆ポリイミド樹脂管束(320)として、当該管束が放射線劣化するのを抑制する。
上記別棟のホウ酸水建屋(100)に隣接させて耐震ランクSとした別棟の燃料油(軽油)貯蔵タンク(200)を新設し、ディーゼル発電機(120)が長時間稼働できるようにした。ホウ酸水建屋(100)にシュノーケル(140)を敷設すれば、万一、当該建屋が冠水してもディーゼル発電機(120)は停止することなく稼働し続ける。シュノーケル(140)外部からホウ酸水をホウ酸水タンク(130)に注水すればいつまでも原子炉へホウ酸水(または淡水または海水)を注水できる。
MARK-2改格納容器(11)に隣接させて地中に耐震ランクSの別棟の空冷の使用済核燃料集合体貯蔵庫(410)と、別棟の空冷の未燃焼核燃料集合体貯蔵庫(420)を新設する。
空冷の使用済核燃料集合体庫(410)容量は炉心装荷全核燃料集合体の体数N0であると同じにする。事故などで、万一、原子炉から核燃料集合体を炉外にとり出さねばならない事態になってもいいようにしている。当該運転サイクルを無事終了したら、使用済核燃料集合体を使用済核燃料集合体庫(410)に移動する。そして、次の原子炉運転が始まる前に、できるだけ遠く(再処理場やサイト内外周部)に移動する。
空冷の未燃焼核燃料集合体庫(420)容量は N0/4~N0/2である。BWRでは、通常、N0/4ずつ核燃料集合体交換をする。したがって、搬入される未燃焼核燃料集合体の体数もN0/4である。余裕を持たせてN0/2までとする。未燃焼核燃料集合体の搬入はジャストオンタイムが望ましい。搬入されたそばから原子炉の中に装荷する。
両貯蔵庫に保管する時は、搬入出の際の輸送容器のままであることが効率よく望ましい。未燃焼核燃料集合体の場合でも、フルMOXを想定して輸送容器のままの保管や輸送が望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0008】
再生可能エネルギー発電は、炭酸ガスを放出しないから地球温暖化阻止に寄与することになっている。ただ、自然は気まぐれだから、必要な時に必要なだけ電力が得られとは限らない。これを補完するために蓄電池が候補に挙がっているが、1日以上の蓄電をするために設置しておくとなると莫大な金が掛かる。ノアの箱舟での風雨は6日間続いた。月額電気料金を30日で割って6日間乗ずればよい。毎日使う電子レンジは大電力を消費する。ちゃちな蓄電池では動かないと思われるし、蓄電量の消耗は激しい。23区内の狭い庭や集合住宅では大規模の設置は困難だろう。時々、田園地帯や山間部で大災害の時に太陽光発電と蓄電池があったから停電を免れたとの記事が出るが、都会で6日間は無理だろう。庶民の判断を狂わせる。東京都が新築住宅屋上に太陽光発電設置を義務付けたがペロプスカイト系でも6日間は無理だろう。住宅火災での消火活動に支障をきたすだろう。往々にして、災害の程度は東京都で対処できる程度の災害を想定して計画は立てられる。対処できない大災害の計画は立てようがないから、起こらないことにする。国としては許されないから、自衛省内部計画書を数例用意しておく。
蓄電池は電源ではなく、あくまでも電気の保管庫である。保管庫に蓄えるには、余分の再生可能エネルギー発電装置を具備しなければならない。余分な金が掛かる。
そこで、炭酸ガスを放出しない安価な電源として原子力発電が候補になる。本発明のコスト低減BWR4 MARK-2改原子炉が必要になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
コスト低減BWR4 MARK-2改原子炉の概観図。
【符号の説明】
【0010】
10はBWR4原子炉建屋
11はMARK-2改格納容器
20はBWR4原子炉
30は再循環ポンプ
31は吐出側管
40は核燃料プール
60は圧力抑制プール
100はホウ酸水建屋
110は注水ポンプ
120はディーゼル発電機
130はホウ酸水タンク
140はシュノーケル
200は燃料油(軽油)貯蔵タンク
310はポリイミド樹脂管束
320は鉛被覆ポリイミド樹脂管束
410は使用済核燃料集合体貯蔵庫
420は未燃焼核燃料集合体貯蔵庫
500は監視カメラ

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