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公開番号2024106679
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-08
出願番号2023011070
出願日2023-01-27
発明の名称フェロニッケル合金とその製造方法
出願人日本冶金工業株式会社
代理人個人
主分類C22C 33/04 20060101AFI20240801BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】ステンレス鋼および特殊鋼の原料として用いるのに良好な形状を持ち、高純度であり、特に、微量の硫黄分を有効に活用した、フェロニッケル合金を提供する。
【解決手段】以下質量%にて、Ni:10~50%、C:1%以下、S:0.1~2%、P:0.04%以下、Co:2%以下、Cr:2%以下、残部Feおよび不可避的不純物から成り、その粒度が0.05mm~50mmであって、粒子はFe-Ni相およびFe-Ni-S相から構成されるフェロニッケル合金。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
以下質量%にて、Ni:10~50%、C:1%以下、S:0.1~2%、P:0.04%以下、Co:2%以下、Cr:2%以下、残部Feおよび不可避的不純物から成り、その粒度が0.05mm~50mmであって、粒子はFe-Ni相およびFe-Ni-S相から構成されることを特徴とするフェロニッケル合金。
続きを表示(約 910 文字)【請求項2】
前記フェロニッケル合金粒子中のFe-Ni相はNi:10~50%、Fe-Ni-S相はFe:10~80%、Ni:5~50%、S:10~40%で構成されることを特徴とする請求項1に記載のフェロニッケル合金。
【請求項3】
前記フェロニッケル合金粒子中において、前記Fe-Ni-S相は前記Fe-Ni相間に分布することを特徴とする請求項1に記載のフェロニッケル合金。
【請求項4】
前記フェロニッケル合金粒子中において、前記Fe-Ni-S相中に前記Fe-Ni相が分散することを特徴とする請求項1に記載のフェロニッケル合金。
【請求項5】
前記フェロニッケル合金粒子中において、単一の前記Fe-Ni相の周囲に前記Fe-Ni-S相が被覆することを特徴とする請求項1に記載のフェロニッケル合金。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載のフェロニッケル合金の製造方法であって、
以下質量%で、SiO

:36~52%、Al



:0.2 ~3%、Fe:6~20%、MgO:17~30%、Ni:1.5~3%、Co:0.5%以下、Cr



:2%以下、P:0.005%以下、不可避的不純物を含有する酸化ニッケル鉱石と、Fixed-C:70~80%、SiO

、Al



、CaO等のアッシュ分10~15%、S:0.3~1.0%、Ig-loss:10~15%の炭材を100~180kg/oreトンと、スラグ溶融剤を10~100kg/oreトンとを粉砕混合して水分を8~30%に調整してブリケットに製団し、
前記ブリケットをロータリーキルンに装入し、
空気を炉内に導入してクリンカー排出側から加熱しつつ、
前記ブリケットを転動させながら半溶融還元してクリンカーとし、
排出された前記クリンカーを冷却、破砕、選鉱することを特徴するフェロニッケル合金の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ステンレス鋼、特殊鋼などの製鋼工程においてNi源として用いられるフェロニッケル合金に関し、特に、化学成分および粒度を向上させることで製鋼工程において最適な形で原料として扱えることを可能としたフェロニッケル合金に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
フェロニッケル合金は、ニッケルを含有するオーステナイトステンレス鋼、二相ステンレス鋼、合金鋼等のニッケル源として、広く使用されている。このフェロニッケル合金は、従来、酸化ニッケル鉱石に含まれる酸化ニッケル、並びに酸化鉄を還元してフェロニッケル合金を製造している。
【0003】
フェロニッケル合金の製造方法としては、特許文献1に示されるロータリーキルンを用いて乾燥、還元を行う方法、特許文献2で示されるロータリードライヤーと電気炉を組み合わせて乾燥、還元を行う方法、特許文献3に示される電気を用いた還元炉を用いて還元を行う方法が挙げられる。
【0004】
特許文献1で開示されているフェロニッケル合金製錬方法は、ロータリーキルンを用いて、ニッケル鉱石を半溶融状態として、石炭で還元製錬するものである。その工程では、フェロニッケル合金を効果的に凝集合体として、スラグとフェロニッケル合金粒子の混合体であるクリンカーを製造する。ここで、キーとなるのがフェロニッケル合金粒子を十分に成長させないと、その後のクリンカー粉砕、水中での浮遊選鉱、磁力選鉱を経てのフェロニッケル合金粒子の回収が難しいという技術課題がある。つまり、ニッケルの収率では不利点があるという課題があった。
【0005】
一方、特許文献2及び3は、フェロニッケル合金を製造するにあたり、最も広く利用されている方法である。その方法とは、ニッケル鉱石と石炭を混合して、ロータリーキルンで予備乾燥、予備還元を行い、その後、電気炉に投入して、フェロニッケル合金とスラグを完全溶融させるものである。つまり、溶融フェロニッケル合金上に溶融スラグが分離してフェロニッケル合金を回収するため、Niの収率としては有利である。しかしながら、そのための三相黒鉛電極を配した放電アーク溶解設備を必要として、かつ、多大な電力を使用するため、コスト的には不利であるという難点がある。なおかつ、数多くの設備を初期投資せねばならないという課題がある。
【0006】
また、ロータリーキルンで製錬する方法においては、特許文献4に記載されているように、ロータリーキルンの内壁にスラグリングが形成して、生産性を著しく損なうという課題も挙げられていた。さらに、特許文献5に示されている通り、ニッケル鉱石の組み合わせを厳選しないと、適切な操業を実施できないという難点も抱えていた。
【0007】
上記したニッケル収率に関する技術については、特許文献6で示されている通り、ロータリーキルンを使う特許文献1、4、5に開示された技術において、ロータリーキルンから1300℃で排出され水冷されたクリンカーは、主としてスラグとフェロニッケル粒とからなり、このフェロニッケル合金粒子の表面はFeとNiの硫化物相で覆われているとしている。しかし、硫化物の働きについては何ら開示が無い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開平3-10026号公報
特開2016-211032号公報
特開2016-35085号公報
特開2011-047020号公報
特開2006-336028号公報
特開平05-295469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ステンレス鋼および特殊鋼に用いるのに良好な形状を持ち、高純度のフェロニッケル合金を提供する。特に微量の硫黄分を有効に活用したフェロニッケル合金を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明者らは、新たなフェロニッケル合金を提供するために鋭意研究を行った。直径3.6m、長さ72mのロータリーキルンを用いて実験を重ねた。キルンの炉前側つまり、クリンカーを排出する側から、微粉炭バーナーを用いて原料を加熱した。その原料は、粉砕したニッケル鉱石と、還元剤、且つ、熱源となる石炭、およびスラグ溶融材の石灰石を配合し、水分を20%程度に調整しブリケット成型した。石炭は主として無煙炭を用い、その原単位は150kg/oreトン(Ni鉱石1トン当たりの配合量)とした。石灰石は焼成していない炭酸カルシウムの形態であり、60kg/oreトンとした。このブリケットを炉の奥側から装入し、上記バーナーで加熱されると共に、排ガス系統に配置された排風機で炉前から空気を炉内に導入し、最高到達温度1400℃、排出位置で1300℃に制御した。
(【0011】以降は省略されています)

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