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公開番号2024103441
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-01
出願番号2023180115
出願日2023-10-19
発明の名称有価物選別システム、その運転方法およびプログラム
出願人日工株式会社
代理人個人
主分類B07C 5/342 20060101AFI20240725BHJP(固体相互の分離;仕分け)
要約【課題】コンプレッサの能力を極力小さく抑えつつ、歩留まり低下を軽減できるとともに、有価物の純度を所要値に維持できる技術を提供する。
【解決手段】有価物選別システム1は、搬送経路上の選別対象物Obを撮像する撮像手段4と、複数の吸引ノズルNx,nxと、撮像データから選別対象物Ob中の異物Cxを検出可能な学習済モデルを備える情報処理装置とを有する。学習済モデルは、異物Cxを特定する識別情報を推定可能である。情報処理装置は、識別情報に基づいて異物Cxの吸引に要する吸引時間帯を算出し、吸引時間帯が重複する吸引ノズルNx,nxの数が最大同時作動可能数を超える競合状態において、複数の異物Cxの吸引優先度を規定し、吸引優先度に基づいて、作動対象の吸引ノズルNx,nxの数が最大同時作動可能数内に収まるよう、吸引対象とする異物Cxを限定する。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
搬送経路上の選別対象物を撮像して撮像データを取得する撮像手段と、
前記撮像手段の下流側に配置された複数の吸引ノズルと、
前記吸引ノズルおよび前記撮像手段の双方と通信可能に接続された情報処理装置と、
を備え、有価物および異物の混在した前記選別対象物から前記異物を検出・除去することで前記有価物を回収する有価物選別システムであって、
前記情報処理装置は、
前記撮像データが入力されることで前記選別対象物に含まれる前記異物の存在を検出し、かつ、前記異物を特定する識別情報を推定可能な学習済モデル
を備え、
前記情報処理装置は、
前記識別情報に基づいて、前記異物の吸引に要する吸引時間帯を算出し、
複数の前記異物の吸引時間帯が重複することにより、全ての前記異物を吸い残しなく吸引しようとすると、作動対象の前記吸引ノズルの数が最大同時作動可能数を超えることを条件に、全ての前記異物を吸い残しなく吸引することが不可能な競合状態であると判定し、
前記識別情報に基づいて、前記競合状態であると判定された複数の前記異物の吸引優先度を決定し、
前記吸引優先度に基づいて、作動対象の前記吸引ノズルの数が前記最大同時作動可能数内に収まるよう、吸引対象とする前記異物を限定することを特徴とする有価物選別システム。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
前記識別情報は、
前記異物が前記搬送経路上に占める範囲を示すエリア情報
を含む、請求項1に記載の有価物選別システム。
【請求項3】
前記識別情報は、
前記異物の種類情報
をさらに含み、
前記情報処理装置には、前記種類情報に紐づいた各種異物の標準密度値が予め設定登録され、
前記情報処理装置は、
前記エリア情報のサイズと前記標準密度値とに基づいて前記異物の重量情報を算出し、
前記重量情報に基づいて、前記吸引優先度を決定することを特徴とする、請求項2に記載の有価物選別システム。
【請求項4】
複数の前記吸引ノズルは、互いに口径の異なる吸引ノズルを含み、
前記情報処理装置は、前記エリア情報に基づいて、前記異物の吸引に必要最小な口径の前記吸引ノズルを作動対象として選択することを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の有価物選別システム。
【請求項5】
前記搬送経路の全幅に亘って配設された、同一口径を有する複数の前記吸引ノズルで構成されるノズル列
を前記吸引ノズル口径毎に複数有し、
前記識別情報は、
前記異物の位置情報
をさらに含み、
前記情報処理装置は、前記エリア情報のサイズおよび前記位置情報に基づいて、必要最小な口径を有し、かつ、前記位置情報に対応する位置に配置された前記吸引ノズルを作動対象として選択することを特徴とする、請求項4に記載の有価物選別システム。
【請求項6】
前記情報処理装置は、前記異物の検出時に、前記エリア情報のサイズが所定のサイズ下限値を下回ることを条件に、前記異物に対する前記吸引ノズルの作動を見送ることを特徴とする、請求項2または請求項3に記載の有価物選別システム。
【請求項7】
前記識別情報は、
前記異物の検出結果の確度を表す信頼度情報
をさらに含み、
前記情報処理装置は、前記異物の検出時に、前記信頼度情報が所定の信頼度下限値を下回ることを条件に、前記異物に対する前記吸引ノズルの作動を見送ることを特徴とする、請求項6に記載の有価物選別システム。
【請求項8】
有価物および異物の混在した選別対象物中の異物を、互いに口径の異なる吸引ノズルを含む複数の吸引ノズルを用いて有価物中の異物を吸引する方法であって、
a)搬送経路上の選別対象物を撮像して撮像データを取得する工程と、
b)学習済モデルが、前記撮像データに含まれる前記異物を検出する工程と、
c)前記学習済モデルが、検出した前記異物を特定する識別情報を推定する工程と、
d)前記識別情報に基づいて、検出した前記異物の吸引に用いる前記吸引ノズルと、前記吸引ノズルの吸引時間帯とを決定する工程と、
を有し、
前記識別情報は、
検出された前記異物が前記搬送経路上に占める範囲を示すエリア情報
を含み、
前記工程d)は、
d1)前記エリア情報に基づいて、前記異物の吸引に必要最小な口径の前記吸引ノズルを作動対象として選択する工程と、
d2)前記識別情報に基づいて、前記異物のそれぞれの吸引に要する吸引時間帯を算出する工程と、
d3)複数の前記異物の吸引時間帯が重複することにより、全ての前記異物を吸い残しなく吸引しようとすると、作動対象の前記吸引ノズルの数が最大同時作動可能数を超えることを条件に、全ての前記異物を吸い残しなく吸引することが不可能な競合状態であると判定する工程と、
d4)前記識別情報に基づいて、前記競合状態であると判定された複数の前記異物の吸引優先度を決定する工程と、
d5)前記吸引優先度に基づいて、作動対象の前記吸引ノズルの数が前記最大同時作動可能数内に収まるよう、吸引対象とする前記異物を限定する工程と、
d6)前記吸引対象となった前記異物の吸引に用いる前記ノズルと、前記吸引ノズルの前記吸引時間帯とを決定する工程と、
を含み、
前記工程d4)、前記工程d5)および前記工程d6)は、前記工程d3)において競合状態であると判断されたことを条件に、実施される、有価物選別方法。
【請求項9】
前記識別情報は、
前記異物の種類を示す種類情報
を含み、
前記工程d4)において、前記種類情報に紐づいた密度標準値および前記エリア情報のサイズに基づいて前記異物の重量情報を算出し、前記重量情報に基づいて前記吸引優先度を決定する、請求項8に記載の有価物選別方法。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載の有価物選別方法をコンピュータに実行させるプログラム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、有価物と各種の異物とを選別する有価物選別システム、その運転方法およびプログラムに関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
各種の廃棄物から有価物を回収する資源リサイクル工場では、異物を選別・除去することで、回収される有価物の純度を高めている。例えば、ガラス材料リサイクル工場では、廃棄物である太陽光パネルを破砕したガラス屑から各種の異物(例えば、樹脂、非磁性金属片等)を選別し、有価物であるガラス材料を回収している。選別作業では、例えば、ガラス屑の搬送経路上に複数の作業員を配備し、作業員が各種の異物を目視によって検出し、各作業員が吸引装置を手動で作動させて異物を除去する。
【0003】
こうした手動の選別作業は、複数名の作業員を要し、かつ、作業負担もそれなりに大きい。このため、選別作業を可能な限り機械化・自動化することが望まれる。
【0004】
特許文献1(特開2000-143256号公報)には、石英ガラス原料粉から異物を除去する装置が開示されている。特許文献1の装置では、石英ガラス原料粉を撮影する撮像装置から得られた画像デ-タを画像処理し、その画像処理の結果に基づいて異物を検出し、異物を検出した場合には搬送経路上に配置した吸引ノズルを作動させることで、石英ガラス原料粉から異物を除去している。
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の上記従来技術では、有価物であるガラス材料を各種の異物と共に除去してしまうといった問題への対策についての具体的な記載がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2000-143256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本出願人は、吸引手段として口径の異なる複数の吸引ノズルを採用し、異物のサイズ等に見合った吸引ノズルを作動するよう制御を行うことで、工程全体の歩留まり(選別工程に投入した廃棄物の総量に対する有価物の回収率)低下への対策をとれる有価物選別システム、選別方法およびプログラムを発明した。
【0008】
このような有価物選別システムにおいて、吸引手段として複数の吸引ノズルを採用する場合は、同時に作動するノズルの数が多いほど作動用空気供給源(コンプレッサー)の要求能力も高くなるので、費用対効果の観点から全てのノズルを同時に作動可能とするのではなく、コンプレッサの能力に応じてノズルの同時吸引可能数に所定の上限値を設けることが望まれる場合がある。
【0009】
コンプレッサの能力を小さくした場合、複数の異物が検出された時、当該同時吸引可能数を超える分の異物について吸引を断念せざるを得ない場合がある。しかしながら、吸引を断念した異物が選別・回収後の有価物に残存することにより、有価物の純度(異物濃度)といった所要の生産目標値を達成できないという問題が生じ得る。
【0010】
本発明は上記の点に鑑み、コンプレッサの能力を極力小さく抑えつつ、歩留まり低下を軽減できるとともに、有価物の純度を所要値に維持できる有価物選別システム、有価物選別方法及びプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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