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公開番号2024103354
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-01
出願番号2023007638
出願日2023-01-20
発明の名称トリチウム含有水からのトリチウム分離方法
出願人国立大学法人大阪大学,国立大学法人富山大学,国立大学法人福井大学
代理人弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類G21F 9/06 20060101AFI20240725BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】トリチウム含有水から選択的にトリチウム原子を分離するトリチウム分離方法を実現する。
【解決手段】本発明の一態様に係るトリチウム分離方法は、トリチウム水(HTO分子)における酸素-トリチウム結合(O-T結合)の振動を励起する波長範囲の光、および振動が励起された酸素-トリチウム結合を切断する波長範囲の紫外線を、トリチウム含有水に照射することにより、前記酸素-トリチウム結合を切断してトリチウム原子(T)を分離する分離工程を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
トリチウム水(HTO分子)における酸素-トリチウム結合(O-T結合)の振動を励起する波長範囲の光、および振動が励起された酸素-トリチウム結合を切断する波長範囲の紫外線を、トリチウム含有水に照射することにより、前記酸素-トリチウム結合を切断してトリチウム原子(T)を分離する分離工程を含む、
トリチウム分離方法。
続きを表示(約 660 文字)【請求項2】
前記光の波長範囲が、2439nm~2857nm、4000nm~5000nm、6250nm~9090nm、2156nm~2253nm、または1636nm~1692nmのいずれかである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記紫外線が、酸素-水素結合(O-H結合)を切断しない波長範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記紫外線の波長範囲が、200nm~250nmである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
酸素-トリチウム結合(O-T結合)の振動を励起する波長範囲の前記光は、パルスレーザである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記紫外線は、パルスレーザである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記トリチウム含有水は有機化合物を含み、当該有機化合物に含まれる水素原子と、前記分離工程において得られたトリチウム原子とを反応させ、水素分子状トリチウム(HT)を生成する生成工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記有機化合物が、アルコールおよび/またはフロン系のガスである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記生成工程において得られた水素分子状トリチウム(HT)を含むトリチウム含有水を気化させた後、液化または固化させることにより、前記トリチウム含有水から水素分子状トリチウムを回収する回収工程をさらに含む、請求項7に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、トリチウム含有水からのトリチウム分離方法に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
福島第一原子力発電所等では、使用した冷却水は多核種除去施設(ALPS)に移され、冷却水からトリチウム以外が除去され、トリチウムを含有する処理水として貯蔵されている。前記処理水からトリチウムを分離する技術としては、例えば「低トリチウム濃度の大量トリチウム含有水」を「高トリチウム濃度の少量トリチウム含有水」に減容する技術がある。
【0003】
非特許文献1には、HDO分子(重水素分子)からD(重水素原子)を分離(解離)させる方法が記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
H. Akagi et. al.,“Selective OD bond dissociation of HOD: Photodissociation of vibrationally excited HOD in the 5v OD state”, J. Chem. Phys. 123, 184305(2005)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の技術では、トリチウム含有水から選択的にトリチウム原子を分離することができない。結果的に、最終的に数十~数百m

程度の大量の高トリチウム濃度のトリチウム含有水が残るという問題がある。
【0006】
そこで、本発明の一態様は、トリチウム含有水から選択的にトリチウム原子を分離するトリチウム分離方法を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るトリチウム分離方法は、トリチウム水(HTO分子)における酸素-トリチウム結合(O-T結合)の振動(伸縮振動および/または変角振動)を励起する波長範囲の光、および振動(伸縮振動および/または変角振動)が励起された酸素-トリチウム結合を切断する波長範囲の紫外線を、トリチウム含有水に照射することにより、前記酸素-トリチウム結合を切断してトリチウム原子(T)を分離する分離工程を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、トリチウム含有水から選択的にトリチウム原子を分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の一実施形態に係るトリチウム分離方法の一例の概略図を示す。
本発明の一実施形態に係る処理フローの一例を示す。
O-T結合に吸収される光の波数の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態の一例について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A~B」は、「A以上、B以下」を意味する。また、本明細書中に記載された文献の全てが、本明細書中において参考文献として援用される。
(【0011】以降は省略されています)

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