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公開番号2024102866
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-01
出願番号2023006925
出願日2023-01-20
発明の名称ロータ
出願人株式会社アイシン
代理人Knowledge Partners弁理士法人
主分類H02K 1/28 20060101AFI20240725BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】ロータコアに対するシャフトの常温での圧入と、シャフトとロータコアとが滑ることの防止と、を両立することが可能な技術の提供。
【解決手段】軸方向に延びるシャフト挿入孔が形成されたロータコアと、前記シャフト挿入孔に挿入される中空のシャフトと、を備え、前記シャフトは、軸方向における異なる位置に形成された2個以上のスリットを有する、ロータが構成される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
軸方向に延びるシャフト挿入孔が形成されたロータコアと、
前記シャフト挿入孔に挿入される中空のシャフトと、を備え、
前記シャフトは、軸方向における異なる位置に形成された2個以上のスリットを有する、
ロータ。
続きを表示(約 880 文字)【請求項2】
2個以上の前記スリットは、
前記シャフトの周方向における同じ位置に形成されている、
請求項1に記載のロータ。
【請求項3】
2個以上の前記スリットは、
前記シャフトの周方向における異なる位置に形成されている、
請求項1または請求項2に記載のロータ。
【請求項4】
前記周方向における異なる位置は、
予め決められた一定の角度ずつ周方向に離間した位置である、
請求項3に記載のロータ。
【請求項5】
前記周方向における異なる位置は、
N(Nは2以上の整数)個存在し、
前記シャフトの軸を中心とした周方向の角度において、互いに360°/Nずつ離間している、
請求項3に記載のロータ。
【請求項6】
前記周方向における異なる位置は、特定の径方向を0°とした場合に、0°,90°,180°,270°の位置であり、
前記軸方向における異なる位置は、軸方向の一方の端部から順に合計4個存在し、
周方向における前記0°の位置および前記180°の位置においては、軸方向において前記端部から数えて1番目および3番目の位置に前記スリットが形成され、
周方向における前記90°の位置および前記270°の位置においては、軸方向において前記端部から数えて2番目および4番目の位置に前記スリットが形成されている、
請求項3に記載のロータ。
【請求項7】
前記シャフトの軸方向における一方の端部にはフランジ部が形成されており、
前記フランジ部の外径は前記フランジ部以外の部分の外径より大きく、
軸方向において前記ロータコアと、前記フランジ部と、の間には隙間が存在する、
請求項1に記載のロータ。
【請求項8】
前記フランジ部に最も近い位置に形成された前記スリットの少なくとも一部は、軸方向において前記隙間に重なる、
請求項7に記載のロータ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、ロータコアに形成されたシャフト挿入孔にシャフトが挿入され、摩擦固定されたロータが知られている。例えば、特許文献1には、焼き嵌めによってシャフトをロータコアに固定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2015-186298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
モータは使用過程において回転するが、回転時には、径方向外側に向けた遠心力がロータに作用し、モータの回転数が大きくなるほど遠心力は大きくなる。一般に、シャフトよりも径が大きく体積も大きいロータコアの方が、遠心力の影響が大きく、径方向外側方向への変形量が大きい。このため、モータの回転数が増加すると、シャフトとロータコアとの間に作用する面圧が小さくなる。そこで、モータが回転してもシャフトとロータコアとが滑らないようにするため、従来は、特許文献1に開示されたようにシャフトとロータコアとの間に充分な大きさの締め代が設けられていた。
従来技術のようにシャフトとロータコアとの間に充分な大きさの締め代を設けた場合、常温でシャフトをロータコアに圧入することは困難になる。そこで、従来は、特許文献1のように焼き嵌めによってシャフトとロータコアとを組み付ける構成が採用されている。
【0005】
一方、中空のシャフトにスリットを1つ形成すると、径方向の弾性変形が可能になるため、常温でシャフトをロータコアに圧入することが可能になる。しかし、シャフトをロータコアに圧入するためには、シャフトが軸方向のほぼ全長にわたって弾性変形する必要がある。このため、1つのスリットでシャフトを変形させ、圧入可能にする場合、スリットは、シャフトの軸方向のほぼ全長にわたって存在することになる。しかし、圧入後の状態においてスリットが存在する部位は、シャフトとロータコアとが接触しない部位となり、この部位の周辺においてシャフトとロータコアとの間に作用する面圧は小さくなる。従って、シャフトの軸方向のほぼ全長にわたる大きいスリットが1つ存在する場合、モータの回転数が増加すると充分な面圧を確保することが困難になり、シャフトとロータコアとが滑ってしまう。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、ロータコアに対するシャフトの常温での圧入と、シャフトとロータコアとが滑ることの防止と、を両立することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、ロータは、軸方向に延びるシャフト挿入孔が形成されたロータコアと、前記シャフト挿入孔に挿入される中空のシャフトと、を備え、前記シャフトは、軸方向における異なる位置に形成された2個以上のスリットを有する。
【0007】
シャフトにスリットが形成されると、スリットが形成されない場合と比較して変形が容易になる。このため、シャフトをロータコアに挿入(圧入)する際にシャフトが変形可能になり、スリットが形成されないシャフトを挿入する場合と比較して摩擦力を低減することができる。この結果、常温でロータコアに対してシャフトを圧入することが可能になり、摩擦固定のための昇温工程を廃止することが可能である。さらに、スリットが軸方向に2個以上形成される場合、スリットを軸方向に分散して配置することができる。スリットが軸方向に分散して配置されると、スリットが存在しない部位も軸方向に分散して配置される。スリットおよびその周囲においては、シャフトとロータコアとの間に大きい面圧を作用させることができないが、スリットが存在しない部位であれば、シャフトとロータコアとの間に大きい面圧を作用させることができる。従って、スリットが存在しない部位が軸方向に分散して配置されることにより、シャフトとロータコアとの間の面圧が過度に低下することを防ぎ、ロータ回転時にシャフトとロータコアとが滑ることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1Aはロータの断面図あり、図1Bはシャフトの斜視図である。
図2Aはシャフトに形成されたスリットの位置を説明するための図であり、図2Bはシャフトをフランジ部側から軸方向に沿って眺めた状態を示す図である。
回転数と平均面圧との関係を示す模式図である。
図4Aは、シャフトの変形量を示す図であり、図4Bは、シャフトに作用する面圧を示す図である。
図5A、図5Bはスリットの位置を説明するための図である。
図6A、図6Bはスリットの位置を説明するための図である。
図7A、図7Bはスリットの位置を説明するための図である。
図8A、図8Bはスリットの位置を説明するための図である。
図9A、図9Bはスリットの位置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)ロータの構成:
(1-2)シャフトの構成:
(2)他の実施形態:
【0010】
(1)ロータの構成:
図1Aは発明の一実施形態にかかるロータ1を示す断面図である。ロータ1は図示しないモータに組み込まれ、軸を中心に回転する。本明細書においては、ロータ1の軸に沿った方向を軸方向と呼び、軸に垂直な方向を径方向と呼ぶ。また、径方向における軸側を径方向内側と呼び、径方向における軸と反対側を径方向外側と呼ぶ。さらに、軸を中心とした回転方向、すなわち、軸を中心とした円の周に沿った方向を周方向と呼ぶ。図1Aは、ロータ1の軸Axを含む切断面でロータ1を切断した状態を示している。従って、図1Aの左右方向は軸方向であり、図1Aの上下方向は径方向である。なお、図1Aにおいては、締め代などの細部が省略され、簡略化されている場合がある。
(【0011】以降は省略されています)

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