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公開番号2024095502
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-10
出願番号2023113112
出願日2023-07-10
発明の名称ニューロモルフィックコンピューティング回路、及び、制御方法
出願人富士通株式会社
代理人弁理士法人真田特許事務所,個人
主分類G06N 3/049 20230101AFI20240703BHJP(計算;計数)
要約【課題】ニューロモルフィックコンピューティングのハードウェアの拡張性を向上させる。
【解決手段】スパイクの存在時間に関するカウンタを含むスパイクを発生させる複数のノード11と、複数のノード間を相互に接続し、スパイクの伝送経路を形成する伝送アレイ2とを備え、伝送アレイは、スパイクに応じた伝送経路上の1以上の伝送回路によりスパイクを転送する複数の伝送回路3,4を備える。各伝送回路は、スパイクを転送する際に、スパイクのカウンタの値を更新し、第1ノードから第2ノードに送信される第1スパイクと、第2ノードから第1ノードに送信される第2スパイクとの合流を検出した場合に、第1及び第2スパイクの各々のカウンタの値に基づき算出した時差を、転送する第1スパイクにセットする。
【選択図】図12
特許請求の範囲【請求項1】
スパイクの存在時間に関するカウンタを含む前記スパイクを発生させる複数のノードと、
前記複数のノード間を相互に接続し、前記スパイクの伝送経路を形成する伝送アレイと、を備え、
前記伝送アレイは、前記スパイクに応じた伝送経路上の1以上の伝送回路により前記スパイクを転送する、複数の伝送回路を備え、
前記複数の伝送回路の各々は、
前記スパイクを転送する際に、前記スパイクの前記カウンタの値を更新し、
前記複数のノードのうちの第1ノードから第2ノードに送信される第1スパイクと、前記第2ノードから前記第1ノードに送信される第2スパイクとの合流を検出した場合に、前記第1スパイク及び前記第2スパイクの各々の前記カウンタの値に基づき算出した時差を、転送する前記第1スパイクにセットする、
ニューロモルフィックコンピューティング回路。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
前記複数の伝送回路の各々は、前記第2スパイクの前記カウンタの値から前記第1スパイクの前記カウンタの値を減じることで前記時差を算出する、
請求項1に記載のニューロモルフィックコンピューティング回路。
【請求項3】
前記複数の伝送回路の各々は、前記スパイクが1つの伝送回路を移動する時間区間であるクロック内で、前記第1スパイクと、前記第2スパイクとを自身の前記伝送回路が受信した場合に、前記合流を検出する、
請求項1又は請求項2に記載のニューロモルフィックコンピューティング回路。
【請求項4】
前記第2ノードは、前記伝送アレイから受信した前記第1スパイクにセットされた前記時差に基づき、前記第2ノードと前記第1ノードとの間の結合強度を更新する、
請求項1又は請求項2に記載のニューロモルフィックコンピューティング回路。
【請求項5】
前記スパイクは、合流有無を示す合流情報を含み、
前記伝送回路は、前記第1スパイクと前記第2スパイクとの合流を検出した場合に、前記第1スパイクの前記合流情報を初期値とは異なる値に更新し、
前記第2ノードは、受信した前記第1スパイクの前記合流情報の値が前記初期値とは異なる場合に、前記第1スパイクにセットされた前記時差に基づき、前記結合強度を更新する、
請求項4に記載のニューロモルフィックコンピューティング回路。
【請求項6】
前記第2ノードは、前記伝送アレイから受信した前記第1スパイクの前記合流情報の値が前記初期値である場合に、
前記スパイクが1つの伝送回路を移動する時間区間であるクロックごとに、前記第1スパイクの前記カウンタの値を更新し、
前記第2ノードが前記第2スパイクを発生させたクロックにおいて、前記第1スパイク及び前記第2スパイクの各々の前記カウンタの値に基づき前記時差を算出し、
前記時差に基づき、前記結合強度を更新する、
請求項5に記載のニューロモルフィックコンピューティング回路。
【請求項7】
前記第1ノードは、前記伝送アレイから前記第2スパイクを受信した場合に、
前記スパイクが1つの伝送回路を移動する時間区間であるクロックごとに、前記第2スパイクの前記カウンタの値を更新し、
前記第1ノードが前記第1スパイクを発生させたクロックにおいて、前記第1スパイク及び前記第2スパイクの各々の前記カウンタの値に基づき算出した前記時差を前記第1スパイクにセットし、
前記第1スパイクの前記合流情報を前記初期値とは異なる値に更新し、
前記第1スパイクを前記伝送アレイに送信する、
請求項5に記載のニューロモルフィックコンピューティング回路。
【請求項8】
前記複数の伝送回路の各々は、前記合流を検出し、前記時差を算出した場合に、前記第2スパイクを破棄する、
請求項1又は請求項2に記載のニューロモルフィックコンピューティング回路。
【請求項9】
前記伝送アレイは、前記複数の伝送回路を二次元又は三次元のメッシュ状に配置し、次元順のルーティングにより前記スパイクに応じた前記伝送経路を形成する、
請求項1又は請求項2に記載のニューロモルフィックコンピューティング回路。
【請求項10】
複数のノードと、前記複数のノード間を相互に接続する伝送アレイとを備えるニューロモルフィックコンピューティング回路の制御方法であって、
前記複数のノードの各々が、スパイクの存在時間に関するカウンタを含む前記スパイクを発生させ、
前記伝送アレイに備えられる、前記スパイクに応じた伝送経路上の1以上の伝送回路により前記スパイクを転送する複数の伝送回路の各々が、
前記スパイクを転送する際に、前記スパイクの前記カウンタの値を更新し、
前記複数のノードのうちの第1ノードから第2ノードに送信される第1スパイクと、前記第2ノードから前記第1ノードに送信される第2スパイクとの合流を検出した場合に、前記第1スパイク及び前記第2スパイクの各々の前記カウンタの値に基づき算出した時差を、転送する前記第1スパイクにセットする、
制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ニューロモルフィックコンピューティング回路、及び、制御方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
自然言語処理又は汎用AI(Artificial Intelligence)等の大規模ニューラルネットワーク(Neural Network)では、CPU(Central Processing Unit)又はGPU(Graphical Processing Unit)等のハードウェアを用いて非常に多くの計算が行なわれる。これらのハードウェアを機械学習に用いる場合、ハードウェアの拡張性(スケーラビリティ)の制限とハードウェアを拡張する際の消費電力の増加とが懸念される。
【0003】
これらの懸念に対する別のアプローチとして、脳の機能及び構造を模倣したニューロモルフィックコンピューティング(Neuromorphic Computing:以下、NCと表記する場合がある)が知られている。
【0004】
NCは、神経細胞(ニューロン:Neuron)どうしをシナプスにより接続することで形成される神経回路網(脳神経網)における、スパイクの発火(Fire)の仕組みを模倣する計算モデルであり、ハードウェア(回路)によって実装される。
【0005】
スパイクの発火とは、或るニューロンにおいて、先行するニューロンから流入したイオン分子が閾値を超えると、スパイクと呼ばれる高い電位を、スパイクの伝送路である軸索(Axon)を介して前後のニューロンに発する事象をいう。
【0006】
発火と、それにより発生するスパイクの伝送とにより、神経回路網が機能する。神経回路網における一連のニューロンは、入力の特徴を捉え全体として何らかの意味を形成する。スパイクは、意味形成上の通信情報に相当する。
【0007】
NCの学習則の1つとして、スパイクタイミング依存可塑性(Spike-Timing Dependent Plasticity:以下、STDPと表記する場合がある)モデルが知られている。STDPとは、或るニューロンにおける発火によるスパイクがそのシナプスに到着する時刻と、先行接続しているニューロンにおける発火によるスパイクがそのシナプスに到着する時刻との差により決まる可塑性を意味する。
【0008】
例えば、NCは、ニューロンが発火したスパイクを転送し、複数のスパイクをシナプスで合流させるように動作する。各スパイクの発火からこれらのスパイクのシナプスでの合流までの時間差(時差)は、シナプスにおけるニューロン間の結合の度合い(結合強度W)を変化させる。シナプスの結合強度Wは、シナプスからニューロンに流入するイオン分子(イオン化合物電流,イオン電流)の電流量を変化させ、それにより、ニューロンにおいてスパイクを発火するための電流量も変化する。すなわち、スパイクの伝送は、ニューロン間のシナプスにおける結合強度Wの影響を受ける。結合強度Wは、深層学習におけるパラメータ(重み)に相当する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
米国特許出願公開第2017/0286827号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
機械学習及び推論を実行可能なNCのハードウェアをデジタル回路によって実現(デジタル実装)する際、NCのハードウェアのスケーラビリティに制約が存在するため、ハードウェアの大規模化が阻害されることがある。
(【0011】以降は省略されています)

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