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公開番号2024095332
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-10
出願番号2022212546
出願日2022-12-28
発明の名称光電変換素子
出願人株式会社エネコートテクノロジーズ
代理人個人,個人
主分類H10K 30/50 20230101AFI20240703BHJP()
要約【課題】優れた光電変換特性を示し、かつ特性の偏りが少ない光電変換素子の提供する。
【解決手段】光電変換素子10は、第1の電極12、正孔輸送層13、ペロブスカイト化合物を含む光電変換層14、電子輸送層15、及び第2の電極16。正孔輸送層13は、化学式(I)および(II)で表される。
Ar1-(L1-X1)n...(I)
化学式(I)中、Ar1は、芳香環を含む構造である。L1は、Ar1とX1とを結合する2価の連結基、または単結合である。X1は、前記第1の電極と化学結合あるいは水素結合が可能な基である。
A1-L2-X2...(II)
化学式(II)中、A1は親水性を有する置換基または構造を1つ以上含む原子団である。L2はA1とX2を結合する2価の連結基、または単結合である。X2は前記第1の電極と化学結合あるいは水素結合が可能な基である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
第1の電極、正孔輸送層、光電変換層、電子輸送層、及び第2の電極が、この順序で積層され、
前記光電変換層が、ペロブスカイト化合物を含み、
前記正孔輸送層が、下記化学式(I)で表される化合物および下記化学式(II)で表される化合物を含む、光電変換素子。
Ar

-(L

-X

)n...(I)
前記化学式(I)において、Ar

は、芳香環を含む構造であり、前記芳香環を構成する原子中にヘテロ原子を含んでいてもよく、Ar

は、-L

-X

以外の置換基を有していてもよい。nは1以上の整数であり、nが2以上の場合は、-L

-X

で表される構造は、互いに同一であっても異なっていてもよい。L

は、Ar

とX

とを結合する2価の連結基、または単結合である。X

は、前記第1の電極と化学結合あるいは水素結合が可能な基である。


-L

-X

...(II)


は、アルコキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ジヒドロキシホスホリル基、ジアルキルホスホリル基、ヒドロキシスルホニル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、モノアリールアミノ基、ジアリールアミノ基、モノアルキルアミノカルボニル基、ジアルキルアミノカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、アミノカルボニルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アミノスルホニル基、窒素含有ヘテロ環基からなる群より選ばれる置換基または構造を1つ以上含む原子団である。L

はA

とX

を結合する2価の連結基、または単結合である。X

は前記第1の電極と化学結合あるいは水素結合が可能な基である。
続きを表示(約 730 文字)【請求項2】
前記正孔輸送層の前記第1の電極とは反対側の主表面における水接触角が30~63°である、請求項1に記載の光電変換素子。
【請求項3】
前記化学式(I)で表される化合物が単分子層を形成している、請求項1または2に記載の光電変換素子。
【請求項4】
前記化学式(I)で表される化合物に対する前記化学式(II)で表される化合物のモル比が、1:100~1:1である、請求項1または2に記載の光電変換素子。
【請求項5】
前記化学式(I)におけるX

、前記化学式(II)におけるX

が、それぞれ独立に、ジヒドロキシホスホリル基(-P=O(OH)

)、カルボキシ基(-COOH)、スルホ基(-SO

H)、ボロン酸基(-B(OH)

)、トリハロゲン化シリル基(-SiX

、ただしXはハロ基)、トリアルコキシシリル基(-Si(OR)

、ただしRはアルキル基)、トリヒドロキシシリル基、ジアルキルホスホリル基からなる群より選ばれる、請求項1または2に記載の光電変換素子。
【請求項6】
前記ペロブスカイト化合物が有機無機ペロブスカイト化合物である、請求項1または2に記載の光電変換素子。
【請求項7】
前記ペロブスカイト化合物が、スズあるいは鉛の少なくとも一方を含む、請求項1または2に記載の光電変換素子。
【請求項8】
前記有機無機ペロブスカイト化合物が、スズあるいは鉛の少なくとも一方を含む、請求項6に記載の光電変換素子。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換素子に関する。
続きを表示(約 3,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、クリーンエネルギーとして、太陽光発電が注目を浴びており、太陽電池の開発が進んでいる。その一つとして、低コストで製造可能な次世代型の太陽電池として、ペロブスカイト材料を光吸収層に用いた太陽電池が急速に注目を集めている。例えば、非特許文献1では、ペロブスカイト材料を光吸収層に用いた溶液型の太陽電池が報告されている。また、非特許文献2には、固体型のペロブスカイト型太陽電池が高効率を示すことも報告されている。
【0003】
ペロブスカイト型太陽電池の基本構造としては、電極の上に、電子輸送層、光吸収層(ペロブスカイト層)、正孔輸送層(ホール輸送層とも言う)及び裏面電極をこの順に積層する順型構造、電極の上に、正孔輸送層、光吸収層、電子輸送層及び裏面電極を個の順に積層する逆型構造が知られている。電子輸送層とペロブスカイト層との間に多孔質形状からなる電子輸送層を備えることもある。このうち、正孔輸送層には、一般的には、有機半導体の正孔輸送性材料が用いられている(例えば、非特許文献3~10)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Journal of the American Chemical Society, 2009, 131, 6050-6051.
Science, 2012, 388, 643-647.
ACS Appl. Mater. Interfaces, 2017, 9, 24778-24787.
Energy Environ. Sci., 2014, 7, 1454-1460.
J. Mater. Chem. A, 2014, 2, 6305-6309.
J. Mater. Chem. A, 2015, 3, 12139-12144.
J. Mater. Chem. A, 2018, 6, 7950-7958.
ACS Appl. Mater. Interfaces, 2015, 7, 11107-11116.
Energy & Environmental Science 2014, 7, 2963-2967.
Adv. Energy Mater., 2018, 8, 1801892.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のペロブスカイト型太陽電池は、その光電変換効率が十分とは言えない。太陽電池の光電変換効率を改善するためには、特に、正孔輸送層の特性の改善が重要である。正孔輸送層に用いる正孔輸送性材料としては、例えば、これまでに、トラクセン化合物(非特許文献3)、ジケトピロロピロール化合物(非特許文献4)、チオフェン化合物(非特許文献5、6)、ジチエノピロール(非特許文献7)等が報告されている。しかし、ペロブスカイト型太陽電池として有用と言えるほどの光電変換効率を発揮することができる化合物はほとんど報告されていない。そこで、色素増感型太陽電池用の正孔輸送材料として開発されたSpiro-OMeTAD([2,2‘,7,7’-テトラキス(N,N-ジ-p-メトキシフェニルアミノ)-9,9‘-スピロビフルオレン])が提案されているが、耐熱性が低いことが知られている(非特許文献8)。また、PTAA(ポリ[ビス(4-フェニル)(2,4,6-トリメチルフェニル)アミン])とよばれるトリフェニルアミン骨格をもつポリマー材料も耐光性が低いことが知られている。さらに、これらの材料をpバッファ層用の正孔輸送材料として用いる場合、添加物としてLiTFSI塩(リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)を加えて導電性を改良する必要があり、これが素子の劣化の原因の一つになってしまうと考えられる(非特許文献9)。また、近年、ホスホン酸を有するカルバゾール型の正孔輸送材料が報告された(非特許文献10)。この化合物は透明電極として用いられているインジウムスズ化合物(ITO)と反応し、透明電極上で単分子層を形成するものである。この単分子層を形成する正孔輸送化合物は、20%を超える光電変換効率が報告されており非常に優れた化合物であるが、正孔輸送層表面が疎水性になってしまい、この正孔輸送層上に光電変換層(ペロブスカイト層)を形成する際に、ペロブスカイト溶液のはじきの原因となってしまう。正孔輸送層の面内に一部でもはじきが発生してしまうと、光電変換特性に偏りが生じ、大型化の際には大きな問題となってしまう。
【0006】
そこで、本発明は、優れた光電変換特性を示し、かつ特性の偏りが少ない光電変換素子の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様は光電変換素子である。当該光電変換素子は、第1の電極、正孔輸送層、光電変換層、電子輸送層、及び第2の電極が、この順序で積層され、
前記光電変換層が、ペロブスカイト化合物を含み、
前記正孔輸送層が、下記化学式(I)で表される化合物および下記化学式(II)で表される化合物を含む、光電変換素子。
Ar

-(L

-X

)n...(I)
前記化学式(I)において、Ar

は、芳香環を含む構造であり、前記芳香環を構成する原子中にヘテロ原子を含んでいてもよく、Ar

は、-L

-X

以外の置換基を有していてもよい。nは1以上の整数であり、nが2以上の場合は、-L

-X

で表される構造は、互いに同一であっても異なっていてもよい。L

は、Ar

とX

とを結合する2価の連結基、または単結合である。X

は、前記第1の電極と化学結合あるいは水素結合が可能な基である。


-L

-X

...(II)


は、アルコキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ジヒドロキシホスホリル基、ジアルキルホスホリル基、ヒドロキシスルホニル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、モノアリールアミノ基、ジアリールアミノ基、モノアルキルアミノカルボニル基、ジアルキルアミノカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル基、アミノカルボニルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アミノスルホニル基、窒素含有ヘテロ環基からなる群より選ばれる置換基または構造を1つ以上含む原子団である。L

はA

とX

を結合する2価の連結基、または単結合である。X

は前記第1の電極と化学結合あるいは水素結合が可能な基である。
【0008】
上記態様の光電変換素子において、前記正孔輸送層の前記第1の電極とは反対側の主表面における水接触角が30~63°であってもよい。
前記化学式(I)で表される化合物が単分子層を形成していてもよい。
前記化学式(I)で表される化合物に対する前記化学式(II)で表される化合物のモル比が、1:100~1:1であってもよい。
前記化学式(I)におけるX

、前記化学式(II)におけるX

が、それぞれ独立に、ジヒドロキシホスホリル基(-P=O(OH)

)、カルボキシ基(-COOH)、スルホ基(-SO

H)、ボロン酸基(-B(OH)

)、トリハロゲン化シリル基(-SiX

、ただしXはハロ基)、トリアルコキシシリル基(-Si(OR)

、ただしRはアルキル基)、トリヒドロキシシリル基、ジアルキルホスホリル基からなる群より選ばれてもよい。
前記ペロブスカイト化合物が有機無機ペロブスカイト化合物であってもよい。
前記ペロブスカイト化合物が、スズ及び鉛の少なくとも一方を含んでもよい。
前記有機無機ペロブスカイト化合物が、スズ及び鉛の少なくとも一方を含んでもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、優れた光電変換特性を示し、特性の偏りが少ない光電変換素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、実施形態に係る光電変換素子の構成の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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