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公開番号2024094941
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-10
出願番号2022211872
出願日2022-12-28
発明の名称二次元ホウ化水素含有シート、水素貯蔵放出材料、発光材料、二次元ホウ化水素含有シートの製造方法
出願人国立大学法人 筑波大学
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C01B 35/04 20060101AFI20240703BHJP(無機化学)
要約【課題】水素放出速度を制御した二次元ホウ化水素含有シート、その二次元ホウ化水素含有シートから構成される水素貯蔵放出材料および発光材料、並びに二次元ホウ化水素含有シートの製造方法を提供する。
【解決手段】(BH)n(n≧4)からなる二次元ネットワークを有し、赤外線吸収スペクトルにおいて、2500cm-1近傍におけるBH結合に由来する最大吸収値に対する、1360cm-1近傍におけるBHB結合に由来する最大吸収値の比(BHB/BH)が0.7以上である、二次元ホウ化水素含有シート。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(BH)

(n≧4)からなる二次元ネットワークを有し、
赤外線吸収スペクトルにおいて、2500cm
-1
近傍におけるBH結合に由来する最大吸収値に対する、1360cm
-1
近傍におけるBHB結合に由来する最大吸収値の比(BHB/BH)が0.7以上である、二次元ホウ化水素含有シート。
続きを表示(約 820 文字)【請求項2】
請求項1に記載の二次元ホウ化水素含有シートから構成され、0.7≦BHB/BH<2.0を満たす、水素貯蔵放出材料。
【請求項3】
請求項1に記載の二次元ホウ化水素含有シートから構成され、BHB/BH≧1.5を満たす、発光材料。
【請求項4】
請求項1に記載の二次元ホウ化水素含有シートの製造方法であって、
MB

(但し、Mは、Al、Mg、Ta、Zr、Re、Cr、TiおよびVからなる群から選択される少なくとも1種である。)型構造の二ホウ化金属と、前記二ホウ化金属を構成する金属イオンとイオン交換可能なイオンを配位したイオン交換樹脂とを極性有機溶媒中で混合し、二次元ホウ化水素含有シート前駆体を得る工程と、
前記二次元ホウ化水素含有シート前駆体を加熱処理する工程と、を有し、
前記二次元ホウ化水素含有シート前駆体を得る工程において、前記イオン交換樹脂の添加量を調整することにより、前記二次元ホウ化水素含有シートの赤外線吸収スペクトルにおいて、2500cm
-1
近傍におけるBH結合に由来する最大吸収値に対する、1360cm
-1
近傍におけるBHB結合に由来する最大吸収値の比(BHB/BH)を制御する、二次元ホウ化水素含有シートの製造方法。
【請求項5】
前記二次元ホウ化水素含有シート前駆体を得る工程において、前記イオン交換樹脂をイオン交換容量の1.5倍超、9倍未満添加する、請求項4に記載の二次元ホウ化水素含有シートの製造方法。
【請求項6】
前記イオン交換樹脂は、スルホ基を有する、請求項4に記載の二次元ホウ化水素含有シートの製造方法。
【請求項7】
前記極性有機溶媒は、アセトニトリルである、請求項4に記載の二次元ホウ化水素含有シートの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、二次元ホウ化水素含有シート、その二次元ホウ化水素含有シートから構成される水素貯蔵放出材料および発光材料、並びに二次元ホウ化水素含有シートの製造方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
水素は、燃焼または反応により排出される物質が水であるため、クリーンエネルギーとして注目されている。例えば、水素を燃料電池の負極活物質として用い、自動車や電源設備の燃料とする技術開発が精力的に進められている。
【0003】
水素と酸素を同時に発生することがなく、水から水素を貯蔵し、また貯蔵した水素を放出することができる水素貯蔵放出材料として、二次元ホウ化水素含有シートから構成されるものが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第7057569号公報
特開2019-218251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、水素(H)とホウ素(B)とから構成される二次元ホウ化水素含有シートの合成方法が記載されている。しかしながら、特許文献1では、得られる二次元ホウ化水素含有シートにおいて、BH結合部位とBHB結合部位の存在比率を制御する方法が記載されていなかった。
【0006】
特許文献2には、(BH)

(n≧4)からなる二次元ホウ化水素含有シートに光を照射することにより、加熱プロセスを経ずに二次元ホウ化水素含有シートから水素放出する方法が記載されている。しかしながら、特許文献2では、材料の合成方法を変えることで二次元ホウ化水素含有シートの水素放出速度を制御できるか明らかではなかった。また、従来、材料の合成方法を変えることで二次元ホウ化水素含有シートの水素放出速度を制御する技術は開発されていなかった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、水素放出速度を制御した二次元ホウ化水素含有シート、その二次元ホウ化水素含有シートから構成される水素貯蔵放出材料および発光材料、並びに二次元ホウ化水素含有シートの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の態様を有する。
[1](BH)

(n≧4)からなる二次元ネットワークを有し、
赤外線吸収スペクトルにおいて、2500cm
-1
近傍におけるBH結合に由来する最大吸収値に対する、1360cm
-1
近傍におけるBHB結合に由来する最大吸収値の比(BHB/BH)が0.7以上である、二次元ホウ化水素含有シート。
[2][1]に記載の二次元ホウ化水素含有シートから構成され、0.7≦BHB/BH<2.0を満たす、水素貯蔵放出材料。
[3][1]に記載の二次元ホウ化水素含有シートから構成され、BHB/BH≧1.5を満たす、発光材料。
[4][1]に記載の二次元ホウ化水素含有シートの製造方法であって、
MB

(但し、Mは、Al、Mg、Ta、Zr、Re、Cr、TiおよびVからなる群から選択される少なくとも1種である。)型構造の二ホウ化金属と、前記二ホウ化金属を構成する金属イオンとイオン交換可能なイオンを配位したイオン交換樹脂とを極性有機溶媒中で混合し、二次元ホウ化水素含有シート前駆体を得る工程と、
前記二次元ホウ化水素含有シート前駆体を加熱処理する工程と、を有し、
前記二次元ホウ化水素含有シート前駆体を得る工程において、前記イオン交換樹脂の添加量を調整することにより、前記二次元ホウ化水素含有シートの赤外線吸収スペクトルにおいて、2500cm
-1
近傍におけるBH結合に由来する最大吸収値に対する、1360cm
-1
近傍におけるBHB結合に由来する最大吸収値の比(BHB/BH)を制御する、二次元ホウ化水素含有シートの製造方法。
[5]前記二次元ホウ化水素含有シート前駆体を得る工程において、前記イオン交換樹脂をイオン交換容量の1.5倍超、9倍未満添加する、[4]に記載の二次元ホウ化水素含有シートの製造方法。
[6]前記イオン交換樹脂は、スルホ基を有する、[4]または[5]に記載の二次元ホウ化水素含有シートの製造方法。
[7]前記極性有機溶媒は、アセトニトリルである、[4]~[6]のいずれかに記載の二次元ホウ化水素含有シートの製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、水素放出速度を制御した二次元ホウ化水素含有シート、その二次元ホウ化水素含有シートから構成される水素貯蔵放出材料および発光材料、並びに二次元ホウ化水素含有シートの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の一実施形態に係る二次元ホウ化水素含有シートの分子構造を示す模式図である。
実験例1~実験例6で得られた生成物の赤外分光分析の結果を示す図である。
実験例1~実験例6において、2500cm
-1
近傍におけるBH結合に由来する最大吸収値に対する、1360cm
-1
近傍におけるBHB結合に由来する最大吸収値の比(BHB/BH)とイオン交換樹脂の添加量(体積)の関係を示す図である。
実験例1~実験例6で得られた生成物のX線光電子分光分析の結果を示す図である。
実験例1~実験例6で得られた生成物のX線光電子分光分析の結果を示す図である。
実験例1~実験例6で得られた生成物の昇温脱離ガス分析の結果を示す図である。
実験例1~実験例6で得られた生成物のX線回折測定の結果を示す図である。
実験例1~実験例6で得られた生成物の蛍光分析から得られた蛍光最大強度(発光強度)とイオン交換樹脂の添加量(体積)の関係を示す図である。
実験例11で得られた生成物の蛍光分析の結果を示す図である。
実験例1~実験例6で得られた生成物、および実験例11で得られた生成物について、2500cm
-1
近傍におけるBH結合に由来する最大吸収値に対する、1360cm
-1
近傍におけるBHB結合に由来する最大吸収値の比(BHB/BH)と発光強度の関係を示す図である。
実験例1~実験例6で得られた二次元ホウ化水素含有シートの発光強度を示す図である。
実験例11で得られた二次元ホウ化水素含有シートの発光強度を示す図である。
実験例1~実験例6で得られた生成物について、水素発生に要する時間と水素発生量の関係を示す図である。
実験例1~実験例6で得られた生成物について、水素発生量とイオン交換樹脂の添加量(体積)の関係を示す図である。
実験例1、実験例2、実験例4~実験例6で得られた二次元ホウ化水素含有シートについて、2500cm
-1
近傍におけるBH結合に由来する最大吸収値に対する、1360cm
-1
近傍におけるBHB結合に由来する最大吸収値の比(BHB/BH)と水素発生量の関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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