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公開番号2024092267
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-08
出願番号2022208075
出願日2022-12-26
発明の名称インクジェットプリントヘッド用洗浄液
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類C11D 1/72 20060101AFI20240701BHJP(動物性または植物性油,脂肪,脂肪性物質またはろう;それに由来する脂肪酸;洗浄剤;ろうそく)
要約【課題】インク固化物の再分散性及び消泡性に優れ、インクジェットプリントヘッドの洗浄後のインクの吐出不良を抑制できる、インクジェットプリントヘッド用洗浄液に関する。
【解決手段】〔1〕アセチレングリコール系界面活性剤(a)を含む界面活性剤(A)と、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(b)を含む水溶性有機溶媒(B)と、水とを含有し、20℃におけるpHが10.5以上である、インクジェットプリントヘッド用洗浄液、及び〔2〕前記〔1〕に記載のインクジェットプリントヘッド用洗浄液を用いるインクジェットプリントヘッドの洗浄方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
アセチレングリコール系界面活性剤(a)を含む界面活性剤(A)と、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(b)を含む水溶性有機溶媒(B)と、水とを含有し、20℃におけるpHが10.5以上である、インクジェットプリントヘッド用洗浄液。
続きを表示(約 560 文字)【請求項2】
アセチレングリコール系界面活性剤(a)のHLBが、14以下である、請求項1に記載のインクジェットプリントヘッド用洗浄液。
【請求項3】
界面活性剤(A)中のアセチレングリコール系界面活性剤(a)の質量比が0.7以上である、請求項1又は2に記載のインクジェットプリントヘッド用洗浄液。
【請求項4】
インクジェットプリントヘッド用洗浄液中のアセチレングリコール系界面活性剤(a)の含有量が0.01質量%以上0.5質量%以下である、請求項1~3のいずれかに記載のインクジェットプリントヘッド用洗浄液。
【請求項5】
水溶性有機溶媒(B)中のジエチレングリコールモノブチルエーテル(b)の質量比が0.5以上である、請求項1~4のいずれかに記載のインクジェットプリントヘッド用洗浄液。
【請求項6】
インクジェットプリントヘッド用洗浄液中のジエチレングリコールモノブチルエーテル(b)の含有量が5質量%以上20質量%以下である、請求項1~5のいずれかに記載のインクジェットプリントヘッド用洗浄液。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載のインクジェットプリントヘッド用洗浄液を用いる、インクジェットプリントヘッドの洗浄方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリントヘッド用洗浄液に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
インクジェット印刷法は、インクジェットプリンターを用いて、非常に微細なノズルからインク液滴を記録媒体に直接吐出し、付着させて、文字や画像が記録された印刷物を得る方法である。インクジェットプリンターの使用現場では、ノズルの吐出不良等が生じないよう、ノズル面や吐出口に付着した余分なインクを除去するためにゴムワイプや洗浄液を染み込ませた不織布等での拭き取りが行われる。また、種類の異なるインクを使用する場合には、インク変更の前後にプリンター内のインク経路を洗浄液で洗浄する必要がある。また、長期間記録ヘッドを使用しない場合には記録ヘッドからインクを抜き取り、該記録ヘッドに洗浄液を充填しキャッピングして保存すること等が行われる。そこで、種々の洗浄液が提案されてきた。
【0003】
例えば、特許文献1では、濡れ性と洗浄性等に優れ、印字に顔料インクを使用した場合においても、該インクとの相溶性に優れ、インクを再充填した際に吐出不良を起こさないインクジェット記録装置用洗浄液兼充填液として、界面活性剤が少なくともフッ素系界面活性剤とエチレンオキシドの平均付加モル数が0~30であるアセチレングリコール系界面活性剤とを含むインクジェット記録装置用洗浄液兼充填液が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2013-241552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、インクジェットプリンターに用いられる水系インクとして、顔料の分散性の向上や得られる印刷物の定着性を向上するために、顔料や水不溶性ポリマーを含む水系インクが用いられる。このような水系インクの顔料や水不溶性ポリマーが固化すると、インクジェットプリントヘッドのノズル孔が該固化物によって閉塞し、吐出不良を引き起こす原因となる。そのため、顔料と水不溶性ポリマーを含む水系インクの固化物を、再び液中に分散状態とさせる、高い再分散性を有する洗浄液が望まれる。
また、水系インクを用いたインクジェットプリントヘッドのノズル孔の閉塞を取り除くため、インクジェットプリントヘッドのノズル面や吐出口を、洗浄液を染み込ませた不織布等で拭き取った後、水系インクによるノズルパージを実行し、更にゴムワイパーで拭取る作業が行われるが、この時、ノズル孔の内部に気泡が生じ、この気泡が残留することにより、水性インクの吐出不良を引き起こす場合があった。
本発明は、インク固化物の再分散性及び消泡性に優れ、インクジェットプリントヘッドの洗浄後のインクの吐出不良を抑制できる、インクジェットプリントヘッド用洗浄液に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、特定の界面活性剤と、特定のグリコールエーテルを含む水溶性有機溶媒とを含み、特定のpHを示す洗浄液を用いることで、上記課題を解決できることを見出した。
本発明は、以下の〔1〕~〔2〕に関する。
〔1〕アセチレングリコール系界面活性剤(a)を含む界面活性剤(A)と、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(b)を含む水溶性有機溶媒(B)と、水とを含有し、20℃におけるpHが10.5以上である、インクジェットプリントヘッド用洗浄液。
〔2〕前記〔1〕に記載のインクジェットプリントヘッド用洗浄液を用いる、インクジェットプリントヘッドの洗浄方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、インク固化物の再分散性及び消泡性に優れ、インクジェットプリントヘッドの洗浄後のインクの吐出不良を抑制できる、インクジェットプリントヘッド用洗浄液を提供できる。また、本発明によれば、インクの吐出不良を抑制できる、インクジェットプリントヘッドの洗浄方法を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[インクジェットプリントヘッド用洗浄液]
本発明のインクジェットプリントヘッド用洗浄液(以下、単に「洗浄液」ともいう)は、アセチレングリコール系界面活性剤(a)を含む界面活性剤(A)と、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(b)を含む水溶性有機溶媒(B)と、水とを含有し、20℃におけるpHが10.5以上である。
【0009】
本発明の洗浄液を用いてインクジェットプリントヘッドを洗浄した際に、インクの吐出不良の不具合を抑制できる理由は定かではないが、以下のように考えられる。
本発明の洗浄液は、20℃におけるpHが10.5以上であることから、インク固化物を構成する水不溶性ポリマーを再溶解させる性能に優れ、更に、再溶解させた水不溶性ポリマーの電気的な反発力を高め、洗浄液内で分散させた状態で維持できる性能に特に優れると考えられる。
また、本発明の洗浄液は、界面活性剤(A)として、アセチレングリコール系界面活性剤(a)を含むため、インジェットヘッドの洗浄において、気泡の発生を抑制し、また発生した気泡を消滅させることができる。更に、アセチレングリコール系界面活性剤(a)は、後述のように、特徴的な構造を有しているため、インク固化物への浸透性と剥離性に優れると考えられる。
また、本発明の洗浄液は、水溶性有機溶媒(B)として、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(b)を含むため、本発明の洗浄液の疎水性を向上でき、また、インク固化物を構成する水不溶性ポリマーに対する親和力が高く、これらを膨潤させる作用を有する。このため、インク固化物を構成する水不溶性ポリマーの再分散を促進させることができると考えられる。更に、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(b)は、親水性と疎水性のバランスがよいため、界面活性剤(A)、特にアセチレングリコール系界面活性剤(a)の機能をより発揮させることができる。このため、インクジェットプリントヘッドのノズル孔に付着しているインク固化物への浸透性をより高めることができ、インク固化物をノズル孔から剥離させる性能を、より向上させることができると考えられる。
以上の効果により、本発明の洗浄液を用いてインクジェットプリントヘッドの洗浄を行った後には、ノズル孔に気泡を残さず、また、次の印刷に備えて印刷用のインクが充填されるときに本発明の洗浄液から印刷用のインクへの置き換えを円滑に行うことができる。このため、本発明の洗浄液は、印刷品質確保のために行われるインクジェットプリントヘッドの洗浄後に発生する、インクの吐出不良の不具合を抑制できると考えられる。
【0010】
<界面活性剤(A)>
本発明の洗浄液は、インク固化物の再分散性及び消泡性を向上させ、インクジェットプリントヘッドの洗浄後のインクの吐出不良を抑制させる観点から、界面活性剤(A)を含有する。
(【0011】以降は省略されています)

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