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公開番号2024091062
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-04
出願番号2022207347
出願日2022-12-23
発明の名称潤滑油組成物
出願人トヨタ自動車株式会社,シエル・インターナシヨネイル・リサーチ・マーチヤツピイ・ベー・ウイ,SHELL INTERNATIONALE RESEARCH MAATSCHAPPIJ BESLOTEN VENNOOTSHAP
代理人個人,個人
主分類C10M 169/04 20060101AFI20240627BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】高出力、高回転のギヤ機構に対してギヤオイルとして適用できる耐久性を維持しつつ、さらなる燃費低減を実現することができる潤滑油組成物を提供する。
【解決手段】
本発明のある態様は、潤滑油組成物である。当該潤滑油組成物は、100℃における動粘度が2~8mm2/sであるフィッシャー・トロプシュ由来基油(A-1)と、100℃における動粘度が3~6mm2/sであり3価以上のポリオールのエステルであるエステル化合物(A-2)と、ポリブテン(A-3)と、構造中に窒素を有するポリメタアクリレート(B-1)と、リン化合物(C-1)と、を含む潤滑油組成物であり、前記ポリメタアクリレート(B-1)の含有量が、1.5~10質量%であり、リンの含有量が前記潤滑油組成物の全質量に対して0.18~0.30質量%であり、40℃における動粘度が25mm2/s~45mm2/sである。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
100℃における動粘度が2~8mm

/sであるフィッシャー・トロプシュ由来基油(A-1)と、
100℃における動粘度が3~6mm

/sであり3価以上のポリオールのエステルであるエステル化合物(A-2)と、
ポリブテン(A-3)と、
構造中に窒素を有するポリメタアクリレート(B-1)と、
リン化合物(C-1)と、
を含む潤滑油組成物であり、
前記ポリメタアクリレート(B-1)の含有量が、1.5~10質量%であり、
リンの含有量が前記潤滑油組成物の全質量に対して0.18~0.30質量%であり、かつ、40℃における動粘度が25mm

/s~45mm

/sである、潤滑油組成物。
続きを表示(約 570 文字)【請求項2】
前記ポリブテン(A-3)の100℃における動粘度が50mm

/s以上である請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項3】
前記フィッシャー・トロプシュ由来基油(A-1)を前記潤滑油組成物の全質量に対して30~80質量%含有し、前記エステル化合物(A-2)を前記潤滑油組成物の全質量に対して5~20質量%含有し、かつ前記ポリブテン(A-3)を前記潤滑油組成物の全質量に対して2~30質量%含有する、請求項1または2に記載の潤滑油組成物。
【請求項4】
100℃における動粘度が30~50mm

/sであるポリアルファオレフィン(A-4)を含有する、請求項1または2に記載の潤滑油組成物。
【請求項5】
前記エステル化合物(A-2)は、3価又は4価のポリオールと飽和脂肪酸とのエステルである、請求項1または2に記載の潤滑油組成物。
【請求項6】
前記エステル化合物(A-2)は、トリメチロールプロパンと直鎖の炭素数8乃至炭素数10の飽和カルボン酸とのエステル化合物である、請求項5に記載の潤滑油組成物。
【請求項7】
GL-5自動車用ハイポイドギヤ油として用いられる、請求項1または2に記載の潤滑油組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、潤滑油組成物に関する。特に、本発明は、自動車用ギヤ油、自動車用ハイポイドギヤ油として使用される潤滑油組成物に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、自動車用のギヤ油に要求される耐荷重性能は、自動車の高出力化に伴いAPI(American Petroleum Institute)のギヤ油タイプのGL-4からGL-5のレベルが必要となってきている。
また、様々な道路状況に対応して運転される自動車用ギヤユニットは、油膜の形成されにくい低速条件での駆動を想定する必要がある上に、ユニットの小型化に伴うギヤ油充填量の減少による発熱によりギヤ油温度が上昇し、粘度低下に起因する油膜破断も発生しやすい傾向にもあるため、ギヤ油にはさらなる耐久性が求められている。
このような耐久性を求められるギヤ油はギヤ歯面上の油膜形成を保持するためSAE(Society of Automotive Engineers)の粘度番号90を採用するのが一般的であった。
【0003】
しかし、一方では省燃費性も求められており、これを実現するためには、攪拌抵抗を低減させ、これに対処するために低粘度化が必要となる。こうした、ギヤ歯面の保護と低粘度化の双方の要求を満足するために、従来手法に基づいて低粘度基油に対して極圧添加剤の添加量を増量させるといった方法を採用すると、極圧添加剤として用いられているリン・硫黄系添加剤が、銅成分を含む部品に対する腐食性の悪影響を高め、装置寿命の短命化を招来する危険性が多い。そのため、このような銅や銅合金の腐食を低下させるギヤ油用の添加剤組成物も提案されている(特許文献1)。
また、基油に炭化水素系合成油とエステル系合成油を採用してGL-5レベルを維持し、一方で低粘度化を図り、耐久性と省燃費性の両立を達成する技術も提案されている(特許文献2)。
【0004】
さらに、フィッシャー・トロプシュ由来基油とポリアルファオレフィン及びエステル化合物とを組み合わせることで、ディファレンシャルギヤ部の良好な耐焼き付き性を実現することができるような技術も提案されているが(特許文献3および特許文献4)、一方で、低粘度化によるベアリングやギヤにおける耐疲労性の低下については、使用負荷条件の制限や軸受の構造変更などでの対応が必要であり、低粘度油で従来のSAE粘度番号90を要求するギヤユニットへの完全置き換えは困難であった。ここでいう疲労とは、ギヤやベアリングの摺動面に繰り返し荷重がかかった際に、金属表面あるいは表面直下に生じる応力の蓄積により発生する材料損傷の一種であり、一般的には低粘度化による油膜厚さの減少により問題となることが知られている。すなわち、省燃費性と耐疲労性能は潤滑油設計においては背反する性能であり、低粘度化しても耐疲労性能を悪化させない技術が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2004-323850号公報
特開2008-179780号公報
特開2017-115038号公報
特開2021-66795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、高出力の自動車、およびその他の高出力、高回転のギヤ機構において、耐久性を維持しつつさらなる燃費低減を実現できる、GL-5レベルの自動車用ギヤ油などに適用可能な潤滑油組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様は、潤滑油組成物である。当該潤滑油組成物は、100℃における動粘度が2~8mm

/sであるフィッシャー・トロプシュ由来基油(A-1)と、100℃における動粘度が3~6mm

/sであり3価以上のポリオールのエステルであるエステル化合物(A-2)と、ポリブテン(A-3)と、構造中に窒素を有するポリメタアクリレート(B-1)と、リン化合物(C-1)と、を含む潤滑油組成物であり、前記ポリメタアクリレート(B-1)の含有量が、1.5~10質量%であり、リンの含有量が前記潤滑油組成物の全質量に対して0.18~0.30質量%であり、40℃における動粘度が25mm

/s~45mm

/sである。
上記態様の潤滑油組成物において、前記ポリブテン(A-3)の100℃における動粘度が50mm

/s以上であってもよい。
前記フィッシャー・トロプシュ由来基油(A-1)を前記潤滑油組成物の全質量に対して30~80質量%含有し、前記エステル化合物(A-2)を前記潤滑油組成物の全質量に対して5~20質量%含有し、かつ前記ポリブテン(A-3)を前記潤滑油組成物の全質量に対して2~30質量%含有してもよい。
100℃における動粘度が30~50mm

/sであるポリアルファオレフィン(A-4)を含有してもよい。
前記エステル化合物(A-2)は、3価又は4価のポリオールと飽和脂肪酸とのエステルであってもよい。
前記エステル化合物(A-2)は、トリメチロールプロパンと直鎖の炭素数8乃至炭素数10の飽和カルボン酸とのエステル化合物であってもよい。
また、GL-5自動車用ハイポイドギヤ油として用いられてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、高出力の自動車その他の高出力、高回転のギヤ機構に対してギヤオイルとして適用できる耐久性を維持しつつ、さらなる燃費低減を実現することができるGL-5レベルの自動車用ギヤ油などに適用できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明について詳細に説明する。
ギヤ機構について省燃費を図るには、主として、(1)金属同士の接触によって生ずるギヤ歯面間のすべりを低減すること、(2)回転するギヤ歯車が潤滑油を攪拌することに要するエネルギーを低減すること、(3)潤滑油膜を介在したギヤ歯面間でおこる高圧力条件下でのすべり摩擦を低減すること、の3点を高度にバランスさせることによって行う必要がある。
【0010】
こうしたバランスをとる為に、通常、上記(1)のためには添加する油性剤の効果的活用によって摩擦係数の低下を図り、上記(2)のためには低粘度基油の採用によって低粘度化を図り、上記(3)のためにはせん断力の小さな基油を選択することによってトラクション係数の低下を図るという手段を講じることが考えられる。
(【0011】以降は省略されています)

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