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公開番号2024071365
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-24
出願番号2023193141
出願日2023-11-13
発明の名称廃プラスチック熱分解油の精製方法および精製装置
出願人エスケー イノベーション カンパニー リミテッド,SK INNOVATION CO.,LTD.,エスケー ジオ セントリック カンパニー リミテッド
代理人個人,個人
主分類C10G 9/00 20060101AFI20240517BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】廃プラスチック熱分解油の精製方法および装置を提供する。
【解決手段】廃プラスチック熱分解油原料1をロータリーキルン型反応器100に装入し、前記反応器を昇温して、廃プラスチック熱分解油原料を熱処理するステップと、前記ステップの生成物からガス成分2を回収するステップと、回収されたガス成分から高沸点ワックス成分3を分離し、分離された高沸点ワックス成分を前記反応器に再供給するステップと、高沸点ワックス成分が除去されたガス成分から精製油10を回収するステップと、を含む、廃プラスチック熱分解油の精製方法を提供する。また、ロータリーキルン型反応器と、前記反応器からガス成分を受け入れるガス分離器200と、ガス分離器からの軽質ガス成分を受け入れる凝縮器300と、を含み、ガス分離器で分離された高沸点ワックス成分が、前記反応器に再供給されるように構成された再供給ラインを含む精製装置を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
廃プラスチック熱分解油原料をロータリーキルン型反応器に装入し、前記ロータリーキルン型反応器を昇温して、廃プラスチック熱分解油原料を熱処理する(S1)ステップと、
前記(S1)ステップの生成物からガス成分を回収する(S2)ステップと、
回収された前記ガス成分から高沸点ワックス成分を分離し、分離された前記高沸点ワックス成分を、前記(S1)ステップの前記ロータリーキルン型反応器に再供給する(S3)ステップと、
前記高沸点ワックス成分が除去されたガス成分から精製油を回収する(S4)ステップと、
を含む、廃プラスチック熱分解油の精製方法。
続きを表示(約 910 文字)【請求項2】
前記廃プラスチック熱分解油原料は、ナフサ:10~30重量%、KERO:20~30重量%、LGO:10~30重量%、およびVGO:30~50重量%を含む液状熱分解油である、請求項1に記載の廃プラスチック熱分解油の精製方法。
【請求項3】
前記(S1)ステップは、前記ロータリーキルン型反応器を第3温度に昇温して熱処理する、請求項1に記載の廃プラスチック熱分解油の精製方法。
【請求項4】
前記第3温度は400~600℃である、請求項3に記載の廃プラスチック熱分解油の精製方法。
【請求項5】
前記(S1)ステップにおいて、第3温度に昇温時の昇温速度は0.5℃/分~5℃/分である、請求項3に記載の廃プラスチック熱分解油の精製方法。
【請求項6】
前記(S1)ステップの前に、
前記ロータリーキルン型反応器を第1温度に昇温して、前記廃プラスチック熱分解油原料を第1熱処理する(S1-1)ステップと、
前記ロータリーキルン型反応器を第2温度に昇温して、前記廃プラスチック熱分解油原料を第2熱処理する(S1-2)ステップと、
をさらに含み、前記ロータリーキルン型反応器の温度は、前記ロータリーキルン型反応器を前記第1温度から前記第3温度に順次加熱することによって、上昇する、請求項3に記載の廃プラスチック熱分解油の精製方法。
【請求項7】
前記第1温度は50~150℃である、請求項6に記載の廃プラスチック熱分解油の精製方法。
【請求項8】
前記第2温度は220~300℃である、請求項6に記載の廃プラスチック熱分解油の精製方法。
【請求項9】
前記(S1)ステップにおける熱処理は、添加剤を投入して行われる、請求項1に記載の廃プラスチック熱分解油の精製方法。
【請求項10】
前記添加剤は、金属酸化物触媒、または活性金属が金属酸化物担体に担持された複合触媒を含む、請求項9に記載の廃プラスチック熱分解油の精製方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、廃プラスチック熱分解油の精製方法および精製装置に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
廃プラスチックは、石油を原料として製造されたものであり、リサイクル度が低く、ゴミとして廃棄処分されることが多い。このような廃棄物は、自然状態で分解されるのに長時間がかかるため、土壌を汚染させ、深刻な環境汚染を引き起こす。廃プラスチックをリサイクルするための方法として、廃プラスチックを熱分解して利用可能なオイルに転換させる方法があり、そのオイルを廃プラスチック熱分解油という。
【0003】
しかし、廃プラスチックを熱分解して得られた熱分解油は、一般的な方法で原油から製造されるオイルと比較して塩素、窒素、金属などの不純物含量が高い(多い)ため、ガソリン、ディーゼル油などの高付加価値燃料として直ちに用いることができず、後処理工程を経る必要がある。
【0004】
従来の後処理工程として、廃プラスチック熱分解油を水素化触媒下で水素化処理して塩素、窒素、またはその他の金属不純物を除去する工程が行われているが、この過程で廃プラスチック熱分解油に含まれた高含量の塩素により過剰なHClが生成され、これは装置の腐食および反応異常、製品の性状悪化などの問題を引き起こす。特に前記HClと窒素化合物が反応してアンモニウム塩(NH

Cl)が生成され、アンモニウム塩は反応器の腐食を引き起こして耐久性を低下させるだけでなく、差圧発生、反応器の閉塞、工程効率の低下などの様々な工程的問題を引き起こす。
【0005】
一方、廃プラスチック熱分解油は、様々な沸点および様々な分子量分布を有する炭化水素オイル混合物であり、前記炭化水素混合物の沸点および分子量分布特性に応じて熱分解油中の不純物の組成や反応活性が異なるため、石油化学産業または現場で直ちに用いることができず、沸点別の分離工程または軽質化工程などの高付加価値化工程を行う必要がある。炭化水素オイル混合物の中でもオレフィン、特にエチレン、プロピレンなどの軽質オレフィンは、石油化学産業で広く用いられている。
【0006】
廃プラスチック熱分解油の高付加価値化のための軽質化工程として水素化分解工程が行われているが、廃プラスチック熱分解油には原油、天然ガス、またはナフサ留分などと比較して塩素、窒素、硫黄、酸素、または金属などの不純物が過剰に含まれており、水素化分解過程で前記不純物により反応活性が著しく低下するという問題があり、水素化処理工程とは別に水素化分解工程を別途に行う必要があるため、工程効率が低下するという問題もある。
【0007】
そこで、水素化処理または水素化分解などの後処理工程を用いることなく、熱分解油中の不純物を効果的に除去するとともに熱分解油の軽質化を図ることができる技術が必要な状況である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示の目的は、廃プラスチック熱分解油中の不純物を効果的に低減するとともに熱分解油の高付加価値化が可能な廃プラスチック熱分解油の精製方法および精製装置を提供することにある。
【0009】
本開示の他の目的は、反応器を腐食または閉塞させずに安定して実施することができる廃プラスチック熱分解油の精製方法および精製装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示は、廃プラスチック熱分解油原料をロータリーキルン型反応器に装入し(charge)、前記ロータリーキルン型反応器を昇温して、廃プラスチック熱分解油原料を熱処理する(S1)ステップと、前記(S1)ステップの生成物からガス成分を回収する(S2)ステップと、前記回収されたガス成分から高沸点ワックス成分を分離し、分離された前記高沸点ワックス成分を、前記(S1)ステップのロータリーキルン型反応器に再供給する(S3)ステップと、前記高沸点ワックス成分が除去されたガス成分から精製油を回収する(S4)ステップと、を含む、廃プラスチック熱分解油の精製方法を提供する。
(【0011】以降は省略されています)

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