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公開番号2024080513
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-13
出願番号2022193771
出願日2022-12-02
発明の名称潤滑油組成物
出願人出光興産株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類C10M 107/02 20060101AFI20240606BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】粘度指数が大きく、低温流動性に優れる潤滑油組成物を提供する。
【解決手段】下記基油(a)及び下記基油(b)を含み、基油(b)に対する基油(a)の質量比[(a)/(b)]が50/50~95/5である、潤滑油組成物。基油(a)は100℃動粘度が40~130mm2/sであるメタロセン触媒系ポリ-α-オレフィンであり、基油(b)は100℃動粘度が1~30mm2/sである基油である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記基油(a)及び下記基油(b)を含み、基油(b)に対する基油(a)の質量比[(a)/(b)]が50/50~95/5である、潤滑油組成物。
基油(a):100℃動粘度が40~130mm

/sであるメタロセン触媒系ポリ-α-オレフィン
基油(b):100℃動粘度が1~30mm

/sである基油
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
基油(a)が下記基油(a1)であり、基油(b)に対する基油(a1)の質量比[(a1)/(b)]が80/20~95/5である、請求項1に記載の潤滑油組成物。
基油(a1):100℃動粘度が40~50mm

/sであるメタロセン触媒系ポリ-α-オレフィン
【請求項3】
基油(b)が下記基油(b1)及び下記基油(b2)からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項2に記載の潤滑油組成物。
基油(b1):100℃動粘度が1~10mm

/sである非メタロセン触媒系ポリ-α-オレフィン
基油(b2):100℃動粘度が10~15mm

/sであるエステル
【請求項4】
基油(b)が下記基油(b3)であり、基油(b3)に対する基油(a1)の質量比[(a1)/(b3)]が90/10~95/5である、請求項2に記載の潤滑油組成物。
基油(b3):100℃動粘度が5~10mm

/sである非メタロセン触媒系ポリ-α-オレフィン
【請求項5】
基油(b)が下記基油(b2)、又は基油(b2)と基油(b1)であり、基油(b1)に対する基油(b2)の質量比[(b2)/(b1)]が80/20~100/0である、請求項3に記載の潤滑油組成物。
【請求項6】
基油(a)が下記基油(a2)であり、基油(b)が下記基油(b2)と下記基油(b4)であり、基油(b)に対する基油(a2)の質量比[(a2)/(b)]が50/50~70/30であり、基油(b4)に対する基油(b2)の質量比[(b2)/(b4)]が25/75~60/40である、請求項1に記載の潤滑油組成物。
基油(a2):100℃動粘度が120~130mm

/sであるメタロセン触媒系ポリ-α-オレフィン
基油(b2):100℃動粘度が10~15mm

/sであるエステル
基油(b4):100℃動粘度が1~30mm

/sである非メタロセン触媒系ポリ-α-オレフィン
【請求項7】
更に、極圧剤、耐摩耗剤、無灰清浄分散剤、酸化防止剤、防錆剤、金属不活性化剤及び流動点降下剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の添加剤を1~30質量%含有する、請求項1~6のいずれか1つに記載の潤滑油組成物。
【請求項8】
40℃動粘度が288~352mm

/sである、請求項1~6のいずれか1つに記載の潤滑油組成物。
【請求項9】
請求項1~6のいずれか1つに記載の潤滑油組成物を含有する風力発電用ギヤオイル。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、潤滑油組成物に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、環境への負荷を軽減し、枯渇が懸念される化石燃料の使用を削減するために、再生可能なエネルギーを活用した風力発電は、今後さらなる需要の増加が予想されている。
風力を利用した風力発電は、風を受けて回転するプロペラその他のロータを使用して風の運動エネルギーを動力に変換し、この動力で発電機を駆動して電気エネルギーに変換する。
風力発電においては、ロータの回転速度が遅いため、発電機の発電効率を考慮し、増速機が使用される。この増速機としては、様々なものが知られているが、その中で遊星歯車式動力伝達装置が多用されている。
このような遊星歯車式動力伝達装置には、高性能のギヤオイルが必要とされ、更にオイル交換の頻度が少なく、長期間メンテナンスフリーで運用可能であることが要求される。
こうした要求に対して、潤滑油基油や添加剤の検討が行われている。
たとえば、特許文献1には、スラッジ発生量の低減、高粘度指数、極圧性の向上を目的として、鉱油及び合成油から選ばれた少なくとも1種の潤滑油基油、分子量が1200~50000のオレフィンとアルキルメタアクリレートとの共重合体を含有する潤滑油組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2013-249461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的な機械用潤滑油においても、高温及び低温においても粘度の変化が少なく、安定した潤滑性能を示すことが好ましいが、特に風力発電機は、温度変化の大きな過酷な環境下で使用されるため、風力発電機に用いられるギヤオイルには、大きな温度変化に対する安定性が要求される。特に低温での粘度上昇を低減することが望まれる。
そのため、粘度指数が大きく、低温流動性の良好な潤滑油が求められていた。
本発明の目的は、粘度指数が大きく、低温流動性に優れる潤滑油組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の動粘度であるメタロセン触媒系ポリ-α-オレフィンと、特定の動粘度である基油を特定比率で含む潤滑油組成物が前記の課題を解決することを見出した。
【0006】
すなわち、本発明は、以下の<1>~<9>に関する。
<1>下記基油(a)及び下記基油(b)を含み、基油(b)に対する基油(a)の質量比[(a)/(b)]が50/50~95/5である、潤滑油組成物。
基油(a):100℃動粘度が40~130mm

/sであるメタロセン触媒系ポリ-α-オレフィン
基油(b):100℃動粘度が1~30mm

/sである基油
<2>基油(a)が下記基油(a1)であり、基油(b)に対する基油(a1)の質量比[(a1)/(b)]が80/20~95/5である、上記<1>に記載の潤滑油組成物。
基油(a1):100℃動粘度が40~50mm

/sであるメタロセン触媒系ポリ-α-オレフィン
<3>基油(b)が下記基油(b1)及び下記基油(b2)からなる群より選ばれる少なくとも1種である、上記<2>に記載の潤滑油組成物。
基油(b1):100℃動粘度が1~10mm

/sである非メタロセン触媒系ポリ-α-オレフィン
基油(b2):100℃動粘度が10~15mm

/sであるエステル
<4>基油(b)が下記基油(b3)であり、基油(b3)に対する基油(a1)の質量比[(a1)/(b3)]が90/10~95/5である、上記<2>に記載の潤滑油組成物。
基油(b3):100℃動粘度が5~10mm

/sである非メタロセン触媒系ポリ-α-オレフィン
<5>基油(b)が基油(b2)、又は基油(b2)と基油(b1)であり、基油(b1)に対する基油(b2)の質量比[(b2)/(b1)]が80/20~100/0である、上記<3>に記載の潤滑油組成物。
<6>基油(a)が下記基油(a2)であり、基油(b)が下記基油(b2)と下記基油(b4)であり、基油(b)に対する基油(a2)の質量比[(a2)/(b)]が50/50~70/30であり、基油(b4)に対する基油(b2)の質量比[(b2)/(b4)]が25/75~60/40である、上記<1>に記載の潤滑油組成物。
基油(a2):100℃動粘度が120~130mm

/sであるメタロセン触媒系ポリ-α-オレフィン
基油(b2):100℃動粘度が10~15mm

/sであるエステル
基油(b4):100℃動粘度が1~30mm

/sである非メタロセン触媒系ポリ-α-オレフィン
<7>更に、極圧剤、耐摩耗剤、無灰清浄分散剤、酸化防止剤、防錆剤、金属不活性化剤及び流動点降下剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の添加剤を1~30質量%含有する、上記<1>~<6>のいずれか1つに記載の潤滑油組成物。
<8>40℃動粘度が288~352mm

/sである、上記<1>~<7>のいずれか1つに記載の潤滑油組成物。
<9>上記<1>~<8>のいずれか1つに記載の潤滑油組成物を含有する風力発電用ギヤオイル。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、粘度指数が大きく、低温流動性に優れる潤滑油組成物を提供することができる。当該潤滑油組成物は、風力発電用ギヤオイルとして好適である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[潤滑油組成物]
本発明の潤滑油組成物は、下記基油(a)及び下記基油(b)を含み、基油(b)に対する基油(a)の質量比[(a)/(b)]が50/50~95/5である、潤滑油組成物である。
基油(a):100℃動粘度が40~130mm

/sであるメタロセン触媒系ポリ-α-オレフィン
基油(b):100℃動粘度が1~30mm

/sである基油
【0009】
本発明の潤滑油組成物は、下記基油(a)及び下記基油(b)を配合して得られ、基油(b)に対する基油(a)の質量比[(a)/(b)]が50/50~95/5である潤滑油組成物である。基油(a)と基油(b)を上記割合で配合することによって、粘度指数が大きく、低温流動性に優れる潤滑油組成物を得ることができる。
基油(a):100℃動粘度が40~130mm

/sであるメタロセン触媒系ポリ-α-オレフィン
基油(b):100℃動粘度が1~30mm

/sである基油
以下に、本発明の潤滑油組成物の各成分及び組成、特性等について詳細に説明する。
【0010】
[基油(a)]
本発明の潤滑油組成物には、100℃動粘度が40~130mm

/sであるメタロセン触媒系ポリ-α-オレフィンである基油(a)を含む。
基油(a)は、メタロセン触媒系ポリ-α-オレフィンであり、「メタロセン触媒系ポリ-α-オレフィン」とは、「重合触媒としてメタロセン触媒を用いて重合されたポリ-α-オレフィン」のことをいう。
メタロセン触媒系ポリ-α-オレフィンは、重合触媒として従来の触媒を用いて重合されたポリ-α-オレフィン(非メタロセン触媒系ポリ-α-オレフィン)に比べ、組成分布が狭く、規則性の低い成分が少なく、分子量分布が狭いといった特徴を有する。本発明の潤滑油組成物では、このような特徴を有し、特定の動粘度を有するメタロセン触媒系ポリ-α-オレフィンを主成分として含有することで、粘度指数が大きく、低温流動性に優れる潤滑油組成物とすることができるものと考えられる。
(【0011】以降は省略されています)

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