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公開番号2024070854
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-23
出願番号2023192987
出願日2023-11-13
発明の名称廃プラスチック熱分解油の軽質オレフィンの高収率転化方法および転化装置
出願人エスケー イノベーション カンパニー リミテッド,SK INNOVATION CO.,LTD.,エスケー ジオ セントリック カンパニー リミテッド
代理人個人,個人
主分類C10G 11/18 20060101AFI20240516BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】廃プラスチック熱分解油の軽質オレフィンの高収率転化方法、および廃プラスチック熱分解油の軽質オレフィンの高収率転化装置を提供する。
【解決手段】廃プラスチック熱分解油を反応器に投入する第1ステップと、前記反応器にて廃プラスチック熱分解油を第1金属および第2金属を含む接触分解触媒下で反応させる第2ステップと、前記第2ステップの生成物から触媒とオイルを分離して軽質オレフィンを回収する第3ステップと、を含む、廃プラスチック熱分解油の軽質オレフィンの高収率転化方法を提供する。また、本開示は、廃プラスチック熱分解油が流入し、接触分解反応が行われる流動層反応器と、前記流動層反応器から生成物が流入し、触媒とオイルに分離されるサイクロンと、前記サイクロンからオイルが流入し、ガス成分と液状成分に分離されるスタビライザと、を含む、廃プラスチック熱分解油の軽質オレフィンの高収率転化装置を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
廃プラスチック熱分解油を反応器に投入する第1ステップと、
前記反応器にて廃プラスチック熱分解油を第1金属および第2金属を含む接触分解触媒下で反応させる第2ステップと、
前記第2ステップの生成物から接触分解触媒とオイルを分離して軽質オレフィンを回収する第3ステップと、
を含む、廃プラスチック熱分解油の軽質オレフィンの高収率転化方法。
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】
前記第1金属は、マンガン、スズ、または亜鉛から選択される少なくとも1つ以上の金属を含む、請求項1に記載の廃プラスチック熱分解油の軽質オレフィンの高収率転化方法。
【請求項3】
前記第2金属は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、またはバナジウムから選択される少なくとも1つ以上を含む、請求項1に記載の廃プラスチック熱分解油の軽質オレフィンの高収率転化方法。
【請求項4】
前記接触分解触媒は、ゼオライト、粘土、およびバインダーをさらに含む、請求項1に記載の廃プラスチック熱分解油の軽質オレフィンの高収率転化方法。
【請求項5】
前記ゼオライトは、ZSM-5、ZSM-11、Y-ゼオライト、フェリエライト(Ferrierite)、モルデナイト(Mordenite)、MCM-22、SUZ-4、またはL型ゼオライトを含む、請求項4に記載の廃プラスチック熱分解油の軽質オレフィンの高収率転化方法。
【請求項6】
前記接触分解触媒は、第1金属と第2金属の重量比が6:0.1~6:1である、請求項1に記載の廃プラスチック熱分解油の軽質オレフィンの高収率転化方法。
【請求項7】
前記接触分解触媒は、ゼオライト20~70重量%、粘土10~60重量%、バインダー10~50重量%、第1金属1~6重量%、および第2金属0.1~1重量%を含む、請求項4に記載の廃プラスチック熱分解油の軽質オレフィンの高収率転化方法。
【請求項8】
前記接触分解触媒は、平均粒子サイズが50~2000μmである、請求項1に記載の廃プラスチック熱分解油の軽質オレフィンの高収率転化方法。
【請求項9】
前記廃プラスチック熱分解油は、常圧で、沸点340℃以上の減圧ガスオイル(VGO)成分を含む、請求項1に記載の廃プラスチック熱分解油の軽質オレフィンの高収率転化方法。
【請求項10】
前記反応器が流動層反応器である、請求項1に記載の廃プラスチック熱分解油の軽質オレフィンの高収率転化方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、廃プラスチック熱分解油の軽質オレフィンの高収率転化方法および転化装置に関し、詳細には、オレフィン選択度が高く、かつ、コークスの生成を最小化することができる廃プラスチック熱分解油の軽質オレフィンの高収率転化方法および転化装置を提供する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
廃プラスチックは、石油を原料として製造されたものであり、リサイクル度が低く、ゴミとして廃棄処分されていることが多い。このような廃棄物は、自然状態で分解されるのに長時間がかかるため、土壌を汚染させ、深刻な環境汚染を引き起こしている状況である。廃プラスチックをリサイクルするための方法として、廃プラスチックを熱分解して使用可能なオイルに転化させることができ、それを廃プラスチック熱分解油という。
【0003】
一方、石油系オイルなどの炭化水素オイル混合物の中でもオレフィン、特にエチレン、プロピレンなどの軽質オレフィンは、石油化学産業で広く用いられている。現在までにほとんどのエチレンまたはプロピレンは、主に天然ガスやナフサ留分、ガスオイルなどの炭化水素オイルを対象に、触媒のない無触媒条件下で、800℃以上の高温の水蒸気雰囲気で熱分解して製造されているが、前記方法は、オレフィン選択度および製造収率が低いという問題がある。
【0004】
オレフィン選択度または転化率などの製造収率や反応効率を向上させるための方法として流動接触分解(Fluid Catalytic Cracking、FCC)工程が行われており、代表的に酸触媒を用いた接触分解工程を例に挙げることができる。特に、様々な酸触媒の中でもゼオライトが最も広く用いられており、代表的な接触分解用ゼオライトとしては、ZSM-5ゼオライト、USYゼオライト、β-ゼオライトなどが用いられている。石油系原料などの炭化水素オイルを対象に、固体酸の活性点を有するゼオライト触媒を用いて、カルベニウムイオン(carbenium ion)によるクラッキング反応を誘導することで接触分解工程を行っているが、廃プラスチック熱分解油は、主に直鎖状炭化水素構造を有する炭化水素オイル混合物であるため、石油系原料に比べて相対的にカルベニウムイオン濃度が低く、クラッキング反応を誘導することが難しいという問題がある。すなわち、従来の石油系原料技術分野で用いられるゼオライト触媒を用いた接触分解工程は、廃プラスチック熱分解油に適用するのに限界がある。
【0005】
これを解決するために、従来、脱水素化/水素化反応が可能な強い水素伝達活性を有するニッケル、鉄、バナジウム、パラジウム、または白金などの活性金属を接触分解触媒に導入して接触分解工程を行っているが、活性金属の導入による水素伝達反応の増加がクラッキング活性を向上させることができるが、一方でオレフィンを飽和させるため、オレフィン選択度が低下し、軽質オレフィン製造収率が著しく低減されるという深刻な問題がある。
【0006】
また、熱分解過程で生成されるコークスにより触媒が不活性化され、転化収率が低く、品質が低下するため、熱分解油の軽質オレフィン転化工程は、経済的および商業的に実用化することが困難である。
そこで、廃プラスチック熱分解油から軽質オレフィンを高収率で製造できる技術が必要な状況である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示の目的は、オレフィン選択度が高く、かつ、コークスの生成を最小化することができる廃プラスチック熱分解油の軽質オレフィンの高収率転化方法および転化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、廃プラスチック熱分解油を反応器に投入する第1ステップと、前記反応器にて廃プラスチック熱分解油を第1金属および第2金属を含む接触分解触媒下で反応させる第2ステップと、前記第2ステップの生成物から接触分解触媒とオイルを分離して軽質オレフィンを回収する第3ステップと、を含む、廃プラスチック熱分解油の軽質オレフィンの高収率転化方法を提供する。
【0009】
一実施形態において、前記第1金属は、マンガン、スズ、または亜鉛から選択される少なくとも1つ以上の金属を含んでもよい。
一実施形態において、前記第2金属は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、またはバナジウムから選択される少なくとも1つ以上を含んでもよい。
【0010】
一実施形態において、前記接触分解触媒は、ゼオライト、粘土、およびバインダーをさらに含んでもよい。
一実施形態において、前記ゼオライトは、ZSM-5、ZSM-11、Y-ゼオライト、フェリエライト(Ferrierite)、モルデナイト(Mordenite)、MCM-22、SUZ-4、またはL型ゼオライトを含んでもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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