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公開番号2024083718
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-24
出願番号2022197689
出願日2022-12-12
発明の名称合成樹脂類の製鉄原料化方法およびコークスの製造方法
出願人JFEスチール株式会社
代理人弁理士法人銀座マロニエ特許事務所
主分類C10B 57/04 20060101AFI20240617BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】コークス強度の低下を抑制可能な合成樹脂類の製鉄原料化方法およびコークスの製造方法を提案する。
【解決手段】合成樹脂類を含む廃棄物を成形してから、所定量以上を石炭と混合しコークス炉に装入する際、装入原料質量あたりの前記合成樹脂類の成形物個数が所定数以下となるように制御する、合成樹脂類の製鉄原料化方法である。その合成樹脂類の製鉄原料化方法を用いて調製された合成樹脂類の成形物を装入原料質量あたりの個数が所定数以下となるように制御して、所定量以上を石炭とともにコークス炉に装入し、所定以上の強度を有するコークスを製造する、コークスの製造方法である。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
合成樹脂類を成形してから、所定量以上を石炭と混合しコークス炉に装入する際、装入原料質量あたりの前記合成樹脂類の成形物個数が所定数以下となるように制御する、合成樹脂類の製鉄原料化方法。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
前記合成樹脂類の成形物の直径が4.0cm以上となるように成形する、
請求項1に記載の合成樹脂類の製鉄原料化方法。
【請求項3】
前記合成樹脂類の成形物の見かけ密度が0.7g/cm

以上となるように成形する、
請求項1に記載の合成樹脂類の製鉄原料化方法。
【請求項4】
前記合成樹脂類を、押出成形機において150℃以上180℃未満の温度に加熱した状態で押出成形して前記合成樹脂類の成形物を得るとともに、得られた合成樹脂類の成形物を常温の空冷で40℃以下まで冷却することで、体積が200cm

以上、見かけ密度が0.9~1.1g/cm

の成形物とする、請求項1に記載の合成樹脂類の製鉄原料化方法。
【請求項5】
押出成形で得られた前記合成樹脂類の成形物を常温の空冷で40℃以下まで冷却する際の平均冷却速度が10℃/分以下である、請求項4に記載の合成樹脂類の製鉄原料化方法。
【請求項6】
押出成形で得られた前記合成樹脂類を切断機で体積200~1000cm

の大きさに切断して前記合成樹脂類の成形物とする、請求項4に記載の合成樹脂類の製鉄原料化方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の製鉄原料化方法を用いて調製された合成樹脂類の成形物を装入原料質量あたりの個数が所定数以下となるように制御して、所定量以上を石炭とともにコークス炉に装入し、所定以上の強度を有するコークスを製造する、コークスの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、コークス炉において廃プラスチックに代表される合成樹脂類を製鉄原料としてリサイクルする方法に関する。以下の記載において、質量の単位である「t」は10

kgを表す。本明細書中で、「合成樹脂類」には、廃プラスチックと呼称される一般廃棄物の使用済みプラスチックのほか、製造工程で発生する合成樹脂の端材や不良品、使用済みプラスチックなど産業廃棄物となるプラスチックも含まれる。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、廃プラスチックによる海洋汚染が世界的な問題となっており、海洋に流出する廃プラスチックの量は全世界でおよそ年間800万tに上ると言われている。海洋汚染の解決は2015年に国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)において目標の一つとして挙げられている。これに対応するため欧州では「EUプラスチック戦略」を掲げてプラスチックのリサイクルの強化と使い捨てプラスチックの削減に取り組んでいる。日本においては、1995年に容器包装リサイクル法が制定され、早くから廃プラスチックのリサイクルが進められてきた。さらなる廃プラスチック削減の気運の高まりを受け、2022年から「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が施行され、さらなる廃プラスチックのリサイクル強化が求められている。鉄鋼業においては、廃プラスチックをコークス炉において、原料として石炭に混合し装入することにより、製鉄原料としてリサイクルする技術が実用化されている。容器包装リサイクル法における廃プラスチックのケミカルリサイクル技術として実施されている。しかしながら、石炭に廃プラスチックを混合してコークスを製造するとコークス強度が低下することが知られており、コークス強度が低下しない廃プラスチックの混合率の限界は約1質量%が上限とされている(非特許文献1)。そこで、廃プラスチック混合によるコークス強度劣化を抑制するため、これまで様々な技術開発が行われてきた。
【0003】
たとえば、特許文献1においては、表面から内部に抜ける穴または亀裂を有しておらず、かつ見かけ密度が0.85~1.1g/cm

で体積が6000~200000mm

(6~200cm

)であるプラスチック粒状物を用いてコークス炉で乾留する方法が開示されている。そのような粒状物を成形するために、熱可塑性樹脂を含む廃プラスチックをノズルから押し出す成形装置内で180~260℃の温度とし、ガスを吸引した状態からノズルで押し出し、水冷する手法が示されている。
【0004】
また特許文献2においては、コークス炉炭化室に原料を装入したのち、少なくても1時間経ってから炭化室の装入原料上部に廃プラスチックを装入し、熱分解リサイクルする方法が開示されている。コークス炉上部の空間を利用し、コークス強度に影響を与えず大量の廃プラスチックをリサイクルできるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2009-293032号公報
特開2019-135281号公報
【非特許文献】
【0006】
野村誠治、加藤健次、中川朝之、古牧育男 日本エネルギー学会誌 第81巻第8号(2002) PP728-737
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来技術では、以下のような課題があった。
特許文献1に開示された技術では、表面から内部に抜ける穴もしくは亀裂を有していないプラスチック粒状物が特徴となっている。二軸押し出し成形機で合成樹脂類を成形する場合、一定の長さに揃えるためノズルから押し出した合成樹脂類成形物をカッターで切断する手法が取られ、亀裂や穴を有しないように切断することは実質的に困難である。また、加熱温度を180~260℃とするとしているが、装置内のどの部分の温度を示しているか、具体的に記載されていない。さらに、加熱温度を180℃以上とする場合、合成樹脂類の熱分解によりガスが発生し、溜まったガスが溶融した合成樹脂類内で空隙となるため、密度が低下するといった問題がある。また、見かけ密度が0.85~1.1g/cm

の合成樹脂類の粒状物において、粒状物の容積が6000~200000mm

であればコークス強度低下への影響は少ないとしている。ところが、従来用いられている二軸押し出し成形機による合成樹脂類の成形において得られる、合成樹脂類成形物の密度は0.65~0.75g/cm

程度である。これらを用いた際にコークス強度低下を抑制可能な粒状物の体積については検討されていない。
【0008】
また、特許文献2に開示された技術では、石炭装入後に原料装入蓋を開けて合成樹脂類を装入しなければならないため、ガスの漏洩を防ぐためには、ガス発生量が吸引量を上回らないようにする必要がある。しかしながら石炭の品位の変動やその他の原因により炭化室で発生するガス量が増加した場合、発生ガスが外部に漏洩し異常燃焼を起こす危険性がある。また、石炭塔に原料を装入した後で合成樹脂類を装入するため、送炭車上部に廃プラスチック専用ホッパーを用意する必要があり、さらに原料装入の手順が増えるため、コークス炉の生産性が低下する要因となる。
【0009】
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであって、コークス強度の低下を抑制可能な合成樹脂類の製鉄原料化方法およびコークスの製造方法を提案することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を有利に解決する本発明にかかる合成樹脂類の製鉄原料化方法は、合成樹脂類を成形してから、所定量以上を石炭と混合しコークス炉に装入する際、装入原料質量あたりの前記合成樹脂類の成形物個数が所定数以下となるように制御することを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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