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公開番号2024065742
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-15
出願番号2022174754
出願日2022-10-31
発明の名称プラスチックの油化方法
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人
主分類C10G 1/10 20060101AFI20240508BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】使用済みプラスチックを原料として分解反応を行い、含酸素化合物の生成を抑制しつつ、廃水処理が不要であり、かつ油分を収率よく得ることができるプラスチックの油化方法を提供することである。
【解決手段】亜臨界又は超臨界状態の二酸化炭素の存在下でプラスチックを分解し、油化することを特徴とする、プラスチックの油化方法である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
亜臨界又は超臨界状態の二酸化炭素の存在下でプラスチックを分解し、油化することを特徴とする、プラスチックの油化方法。
続きを表示(約 330 文字)【請求項2】
前記分解の温度が300~550℃である、請求項1に記載のプラスチックの油化方法。
【請求項3】
前記分解の圧力が5.0~50MPaである、請求項1に記載のプラスチックの油化方法。
【請求項4】
前記プラスチック中にポリオレフィンを30質量以上%含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のプラスチックの油化方法。
【請求項5】
前記ポリオレフィンがポリエチレン及びポリプロピレンから選ばれる少なくとも一種である、請求項4に記載のプラスチックの油化方法。
【請求項6】
前記プラスチック中にポリスチレンを30質量以上%含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のプラスチックの油化方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はプラスチックの油化方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
石油由来のプラスチックは、優れた加工性、耐熱性、導電性、透明性、耐薬品性などから様々な用途に使用されている一方で、その廃棄量は世界全体で年々増加している。廃プラスチックは、性質の異なるプラスチックが混在していることや異物に汚染されていること等もあって、PETボトルなどマテリアルリサイクルの進んでいる一部のプラスチックを除き、使用後は焼却や埋立処理されているのが現状である。そのため、廃プラスチックを再利用や再資源化できるリサイクル技術が必要であり、なかでも廃プラスチックを分解して分解油などの化学原料やモノマー化するケミカルリサイクルが近年注目されている。化学原料やモノマー化は、ガス化と油化の2つの技術に大別される。ガス化については一般的に600℃以上の高温となる場合が多く、エネルギー的なロスが大きいため、より低温でエネルギー効率のよい化学原料に変換できる油化技術の開発が求められている。
プラスチックをエネルギー効率や収率よく油化する手法の一つとして超臨界流体を処理媒体としてプラスチックと混合し、熱分解する方法が知られている。例えば、非特許文献1では、超臨界水技術に注目し、超臨界水中でのポリエチレン分解における水の反応物としての作用について開示されている。非特許文献1では、超臨界水の特徴として、水分子中の水素原子や水酸基が分解生成物ラジカルに付加することによってコーク(炭化物)の生成が抑えられるため、水が存在しない通常の熱分解に比べて油分の収率が高くなる、と記載されている。
【0003】
また、特許文献1では、超臨界流体の熱エネルギーの一部を炭素質の供給原料に移送し、熱分解プロセスを実行する方法が開示されている。特許文献1では、超臨界流体は粘性および表面張力が低いので、超臨界流体は容易に有機物質に浸透することができる、と記載されている。
【0004】
さらに、非特許文献2には、ポリウレタンやポリオレフィンの水素化分解を、超臨界二酸化炭素を処理媒体として行ったことが開示されている。非特許文献2によれば、鉄あるいはニッケルを5wt%担持した活性炭触媒が380℃程度で機能し、処理の難しい混合プラスチックの分解を速やかにサポートすることができる、と記載されている。
【0005】
また、特許文献2では、超臨界状態の窒素中でポリエチレンを加熱分解したことが開示されている。特許文献2によれば、超臨界状態の窒素中では、液体状態と気体状態との区別が無いため、常圧のときに比べて樹脂の分解反応をはるかに進行させることができ、その結果低分子量成分である軽質油の生成量を増やすことができる、と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特表2016-522836
特開平10-237215
【非特許文献】
【0007】
高分子論文集,Vol.58,No.12,pp.661-673(Dec.,2001)
プラスチックリサイクル化学研究会(FSRJ)討論会予稿集,2003/6 P.73-74
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記非特許文献1では、超臨界水を処理媒体として用いたポリエチレンの分解が開示されるが、生成物にアルコールや酸などの含酸素化合物が不純物として含まれるという課題が残されている。例えば、反応後に生成物と処理媒体の分離に際してアルコール等の水溶性有機物が処理媒体側に一部混入するため、廃水処理が必要になりコスト高となる。
また、特許文献1には、超臨界二酸化炭素を処理媒体として用い、プラスチックを油化できることが開示されている。しかしながら、特許文献1は、供給原料として炭素質の物質を用い、炭素質の物質としては、石炭、バイオマス、混合原料のバイオマテリアル、泥炭、タール、プラスチック、廃棄物、および埋立廃棄物が挙げられ(特許文献1、請求項42、段落0042)、プラスチックの例示はあるものの、具体的なプラスチックの分解反応についての言及はない。また、プラスチックを原料とした実施例もなく、具体的な分解条件についての記載も一切ない。
さらに、非特許文献2には、超臨界二酸化炭素を処理媒体として用い、活性炭触媒の存在下、ポリウレタン、ポリウレタンを含む混合プラスチックから炭化水素ガスを得ることが開示されている。しかしながら、非特許文献2に開示される技術は生成物として、メタンなどの軽質な炭化水素系ガスが得られ、得られた軽質炭化水素系ガスの用途は限られる、という課題がある。
また、特許文献2には、超臨界状態の窒素を処理媒体としてポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂の廃棄物を分解できることが開示されている。しかしながら、窒素は臨界温度が―147.1℃と極めて低温であり、昇圧する際に莫大なエネルギーが必要になるため処理媒体として使用するためには分解処理のプロセスの経済性に課題が残されている。
【0009】
本発明は上記したような状況下で、使用済みプラスチックを原料として分解反応を行い、含酸素化合物の生成を抑制しつつ、廃水処理が不要であり、かつガスではなく油分を収率よく得ることができるプラスチックの油化方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、亜臨界又は超臨界状態の二酸化炭素の存在下でプラスチックを分解させることで、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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