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公開番号2024073971
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-30
出願番号2022184986
出願日2022-11-18
発明の名称潤滑油組成物
出願人コスモ石油ルブリカンツ株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類C10M 101/04 20060101AFI20240523BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】低温特性とせん断安定とに優れた潤滑油組成物を提供すること。
【解決手段】100℃における動粘度をX、テトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定によって得られる重量平均分子量(Mw)をYとしたときに、下記関係式(1)を満たす植物由来の基油を含有する、潤滑油組成物。関係式(1):Y≧70X+305。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
100℃における動粘度をX、テトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定によって得られる重量平均分子量(Mw)をYとしたときに、下記関係式(1)を満たす植物由来の基油を含有する、潤滑油組成物。
関係式(1):Y≧70X+305
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
前記植物由来の基油の含有量が、潤滑油組成物の全量に対して、10質量%以上である、請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項3】
さらに、鉱物油である基油を含有する、請求項1又は請求項2に記載の潤滑油組成物。
【請求項4】
前記植物由来の基油と前記鉱物油である基油との含有比率が、質量基準で、10:90~100:0の範囲である請求項3に記載の潤滑油組成物。
【請求項5】
粘度指数向上剤を含有しており、潤滑油組成物の全量に対して、前記粘度指数向上剤の含有量をA質量%、前記植物由来の基油の含有量をB質量%としたときに、下記関係式(A1)を満たす、請求項1又は請求項2に記載の潤滑油組成物。
関係式(A1):0.01≦A/(A+B)≦0.50
【請求項6】
-40℃におけるBF粘度が、18000mPa・s以下である、請求項1又は請求項2に記載の潤滑油組成物。
【請求項7】
農業機械用潤滑油である、請求項1又は請求項2に記載の潤滑油組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、潤滑油組成物に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
農業機械、建設機械、運搬機械等の各種の産業機械に、潤滑油組成物が適用されている。例えば、農業機械には、整地用作業機としてのトラクター、育成管理用作業機としての田植え機、収穫用作業機としてのバインダー、コンバイン等があり、農業機械の中でもトラクターは最も広く用いられている。
【0003】
このような農業機械では、油圧ポンプ部、変速装置部、パワー・テイク・オフ(PTO)クラッチ部、差動歯車装置部、湿式ブレーキ部等の金属同士の接触箇所を多く備えているのにも関わらず、これら接触箇所に対して、1種類の農業機械用潤滑油が使用されている場合が多い。このため、農業機械に適用される潤滑油組成物には、摩擦特性、耐摩耗性、酸化安定性、さび止め性、有機材料適合性等の多機能の役割が要求されている。これらの性能を確保し、さらに高めるために、従来より様々な検討がなされている(例えば、特許文献1~4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平3-20396号公報
特開2004-59930号公報
特開2009-144097号公報
特開2009-144098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、農業機械等の産業機械は冬季の寒冷地においても使用されることから、潤滑油組成物には、低温環境下(例えば-40℃の環境下)であっても潤滑性能が発揮される特性(以下「低温特性」とも称する。)が求められる。しかしながら、従来の潤滑油組成物は、低温環境下における粘度(以下「低温粘度」とも称する。)が高くなり、低温特性に劣る場合がある。特に、鉱油系基油のみを基油として用いた潤滑油組成物は、低温特性に劣る傾向が高い。低温特性に劣る潤滑油組成物の使用は、潤滑油組成物を適用した産業機械の低温環境下における始動性(低温始動性)を低下させる。
【0006】
低温粘度の上昇を抑制して低温特性を発揮させる方策として、粘度指数を高めて低温環境下における粘性抵抗を軽減する方策が挙げられる。粘度指数は、粘度指数向上剤(VII:Viscosity Index Improvers)の配合により向上させることが可能である。しかし、VIIの高配合による粘度指数の向上は、潤滑油組成物が機械の摺動部分やギア部などのせん断力を長期間受けた際に粘度を低下させてしまい、潤滑部位に油膜が十分に保持されずに、耐摩擦摩耗性が悪化する可能性がある。即ち、せん断安定性の低下は、VIIの分子鎖が切れて分子量が低下することに起因するためと考えられることから、粘度指数向上剤の増量はせん断安定性をより一層低下させる可能性がある。
【0007】
このように、潤滑油組成物において、低温特性とせん断安定性との両立はトレードオフの関係にあり、粘度指数向上剤の増量に依らない方策が望まれているが、そのような潤滑油組成物は未だ提供されるに至っていないのが現状である。
【0008】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであり、本開示の一実施形態が解決しようとする課題は、低温特性とせん断安定性とに優れた潤滑油組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、以下の態様を含む。
<1> 100℃における動粘度をX、テトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定によって得られる重量平均分子量(Mw)をYとしたときに、下記関係式(1)を満たす植物由来の基油を含有する、潤滑油組成物。
関係式(1):Y≧70X+305
<2> 上記植物由来の基油の含有量が、潤滑油組成物が含有する基油の全量に対して、10質量%以上である、<1>に記載の潤滑油組成物。
<3> さらに、鉱物油である基油を含有する、<1>又は<2>に記載の潤滑油組成物。
<4> 上記植物由来の基油と鉱物油である基油との含有比率が、質量基準で、10:90~100:0の範囲である<3>に記載の潤滑油組成物。
<5> 粘度指数向上剤を含有しており、潤滑油組成物の全量に対して、上記粘度指数向上剤の含有量をA質量%、上記植物由来の基油の含有量をB質量%としたときに、下記関係式(A1)を満たす植物由来の基油を含有する、<1>~<4>のいずれか1つに記載の潤滑油成物。
関係式(A1):0.01≦A/(A+B)≦0.50
<1>~<4>のいずれか1つに記載の潤滑油成物。
<6> -40℃におけるBF粘度が、18000mPa・s以下である、<1>~<5>のいずれか1つに記載の潤滑油組成物。
<7> 農業機械用潤滑油である、<1>~<6>のいずれか1つに記載の潤滑油組成物。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一実施形態によれば、低温特性とせん断安定性とに優れた潤滑油組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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