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公開番号2024061337
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-07
出願番号2022169223
出願日2022-10-21
発明の名称潤滑油用添加剤、潤滑油用摩擦低減剤、及び潤滑油組成物
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C10M 145/14 20060101AFI20240425BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】摩擦低減効果に優れ、低粘度な潤滑油組成物が得られる潤滑油用添加剤、潤滑油用摩擦低減剤、及び潤滑油組成物を提供すること。
【解決手段】特定の条件でGPECを測定した場合に、(ピークトップの高さ)/(ピークの面積)で表される値が0.10~0.50であり、質量平均分子量が1万~30万である(メタ)アクリル系グラフト共重合体を含む潤滑添加剤、潤滑油用摩擦低減剤、及び前記潤滑油用添加剤を含む潤滑油組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記条件でGPECを測定したときの下記式(1)の値が0.10~0.50であり、質量平均分子量が1万~30万である(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aを含有する潤滑油用添加剤。
[(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aのピーク高さ]/[(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aのピーク面積]・・・・(1)
[GPEC測定条件]
高速液体クロマトグラフィーシステムにおいて、装置としてサーモフィッシャーサイエンティフィック社製 Ultimate3000、検出器としてサーモフィッシャーサイエンティフィック社製 Corona Veo RS、及び逆相カラムとして東ソー社製 TSKgel ODS-100V(内径4.6mm、長さ150mm、粒子径5μm)を用い、カラム温度を40℃とし、(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aを0.035質量%含有するTHF(ただし安定剤を含まない。)溶液を調製し、これをサンプルとして10μl注入し、移動相としてアセトニトリル/テトラヒドロフランの体積比が100/0から開始し、10分後に50/50、15分後に50/50、25分後に0/100、30分後に0/100となるようにグラジエントをかけ、流量を1.0ml/minとして測定を行う。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aの前記式(1)の値が0.20~0.45である、請求項1に記載の潤滑油用添加剤。
【請求項3】
前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aの質量平均分子量が1.5万~20万である、請求項1に記載の潤滑油用添加剤。
【請求項4】
前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aが、直鎖状または分岐状のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(a)由来の構成単位を含有する、請求項1に記載の潤滑油用添加剤。
【請求項5】
前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aが、ビニル系ラジカル重合性単量体(m1)由来の構成単位と、マクロモノマー(M)由来の構成単位を含む、請求項1に記載の潤滑油用添加剤。
【請求項6】
前記マクロモノマー(M)が、ビニル系ラジカル重合性単量体(m2)由来の構成単位を含む、請求項5に記載の潤滑油用添加剤。
【請求項7】
前記マクロモノマー(M)が、下記式(2)の構造を有する、請求項5に記載の潤滑油用添加剤。
TIFF
2024061337000006.tif
42
170
(式中、X

~X
n-1
は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基又はCH

OHを示し、Y

~Y

は、それぞれ独立して、前記マクロモノマー(M)の構成単位であるビニル系ラジカル重合性単量体(m2)のビニル基に結合するX

~X
n-1
以外の置換基を示す。Zは末端基を表し、nは2~10000の整数を表す。)
【請求項8】
潤滑油用摩擦低減剤である、請求項1に記載の潤滑油用添加剤。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の潤滑油用添加剤を含む、潤滑油組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、潤滑油に使用される潤滑油用添加剤、潤滑油用摩擦低減剤、及び潤滑油組成物に関する。
続きを表示(約 3,900 文字)【背景技術】
【0002】
自動車のエンジン油や駆動系油等に代表される潤滑油には、摩擦によるエネルギー損失の削減や、焼き付き防止による機器の長寿命化を目的として、各種摩擦摩低減剤が配合されている。近年の省燃費化を目的とした潤滑油の低粘度化を背景に、金属同士の接触面の負荷は過酷さを増しており、摩擦低減剤の役割は一層重要なものとなってきている。
摩擦低減剤としては、長鎖脂肪酸エステル及び脂肪酸アミド等の油性向上剤や、リン酸エステル及びジチオリン酸亜鉛等の摩耗防止剤、有機硫黄化合物及び有機ハロゲン化合物等の極圧剤、有機モリブデン化合物等の摩擦調整剤等の添加剤が挙げられるが、使用条件や使用環境によっては、これらの添加剤だけでは、摩擦低減効果が不十分となる課題があった。この課題を克服するために、摩擦低減剤としてポリマー材料を用いる検討が進められている。
例えば、特許文献1には、(メタ)アクリル系グラフト共重合体が摩擦調整剤として、好適に使用できることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-113676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の方法では、摩擦の低減効果が不十分である。また、潤滑油組成物の粘度が高く、攪拌抵抗によるエネルギー損失が大きくなるため、省燃費性能が悪化する。
本発明の目的は、摩擦低減効果が高く、低粘度な潤滑油組成物が得られる潤滑油用添加剤、潤滑油用摩擦低減剤、及び潤滑油組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は以下の態様を有する。
[1]下記条件でGPECを測定したときの下記式(1)の値が0.10~0.50であり、質量平均分子量が1万~30万である(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aを含有する潤滑油用添加剤。
[(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aのピーク高さ]/[(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aのピーク面積]・・・・(1)
[GPEC測定条件]
高速液体クロマトグラフィーシステムにおいて、装置としてサーモフィッシャーサイエンティフィック社製 Ultimate3000、検出器としてサーモフィッシャーサイエンティフィック社製 Corona Veo RS、及び逆相カラムとして東ソー社製 TSKgel ODS-100V(内径4.6mm、長さ150mm、粒子径5μm)を用い、カラム温度を40℃とし、(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aを0.035質量%含有するTHF(ただし安定剤を含まない。)溶液を調製し、これをサンプルとして10μl注入し、移動相としてアセトニトリル/テトラヒドロフランの体積比が100/0から開始し、10分後に50/50、15分後に50/50、25分後に0/100、30分後に0/100となるようにグラジエントをかけ、流量を1.0ml/minとして測定を行う。
[2]前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aの前記式(1)の値が0.20~0.45である、[1]に記載の潤滑油用添加剤。
[3]前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aの質量平均分子量が1.5万~20万である、[1]または[2]のいずれかに記載の潤滑油用添加剤。
[4]前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aが、直鎖状または分岐状のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(a)由来の構成単位を含有する、[1]~[3]のいずれかに記載の潤滑油用添加剤。
[5]前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aが、ビニル系ラジカル重合性単量体(m1)由来の構成単位と、マクロモノマー(M)由来の構成単位を含む、[1]~[4]のいずれかに記載の潤滑油用添加剤。
[6]前記マクロモノマー(M)が、ビニル系ラジカル重合性単量体(m2)由来の構成単位を含む、[5]に記載の潤滑油用添加剤。
[7]前記マクロモノマー(M)が、下記式(2)の構造を有する、[5]または[6]のいずれかに記載の潤滑油用添加剤。
TIFF
2024061337000001.tif
42
170
(式中、X

~X
n-1
は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基又はCH

OHを示し、Y

~Y

は、それぞれ独立して、前記マクロモノマー(M)の構成単位であるビニル系ラジカル重合性単量体(m2)のビニル基に結合するX

~X
n-1
以外の置換基を示す。Zは末端基を表し、nは2~10000の整数を表す。)
[8]潤滑油用摩擦低減剤である、[1]~[7]のいずれかに記載の潤滑油用添加剤。
[9][1]~[8]のいずれかに記載の潤滑油用添加剤を含む、潤滑油組成物。
【発明の効果】
【0006】
本発明の目的は、摩擦低減効果が高く、低粘度な潤滑油組成物が得られる潤滑油用添加剤、潤滑油用摩擦低減剤、及び潤滑油組成物を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
実施例4のGPECの測定結果である。
実施例6のGPECの測定結果である。
比較例2のGPECの測定結果である。
比較例3のGPECの測定結果である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。以下の実施の形態は、本発明を説明するための単なる例示であって、本発明をこの実施の形態にのみ限定することは意図されない。本発明は、その趣旨を逸脱しない限り、様々な態様で実施することが可能である。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」は「アクリル」及び「メタクリル」の総称である。「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」及び「メタクリレート」の総称である。「(メタ)アクリロイル基」は「アクリロイル基」及び「メタクリロイル基」の総称であり、CH

=C(R)-C(=O)-(Rは水素原子又はメチル基)で表される基である。「マクロモノマー」とは、ラジカル重合性基又は付加反応性の官能基を有する重合物を意味する。「ビニル系ラジカル重合性単量体」とは、マクロモノマーではないエチレン性不飽和結合を有する単量体を意味する。
【0009】
本発明の潤滑油用添加剤は、(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aを含む。
前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aは、構成単位の少なくとも一部が(メタ)アクリル系単量体由来の構成単位であるグラフト共重合体である。(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aは、(メタ)アクリル系単量体以外の単量体(たとえばスチレン等)由来の構成単位をさらに含んでいてもよい。
前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aは、主鎖ポリマー構造と、主鎖ポリマー構造(幹ポリマー構造)に化学結合する側鎖ポリマー構造(枝ポリマー構造)で構成されたグラフト共重合体である。
本明細書において、グラフト共重合体とは、主鎖ポリマー構造に、側鎖ポリマー構造として接続された1種以上のブロックを持つ高分子である。主鎖ポリマーと側鎖ポリマーの構造は、異なってもよいし、同じであってもよい。グラフト共重合体の製造方法としては特に限定されないが、末端にラジカル重合性二重結合を有するマクロモノマーを側鎖ポリマー構造として製造した後に、主鎖ポリマーの構成単位となるモノマーとラジカル重合する方法や、反応点を有する主鎖ポリマーと反応点を有するマクロモノマーを予め製造した後、それらを反応させる方法、主鎖ポリマーの製造後に水素引き抜き能を有する開始剤を使用して主鎖ポリマー上にラジカルを発生させ、側鎖ポリマーの構成単位となるモノマーを反応させて側鎖ポリマー構造を製造する方法等が挙げられる。
【0010】
前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aは、以下の条件でGPECを測定した場合に、下記式(1)の値が0.10~0.50である。
[(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aのピーク高さ]/[(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aのピーク面積]・・・・(1)
[GPEC測定条件]
高速液体クロマトグラフィーシステムにおいて、装置としてサーモフィッシャーサイエンティフィック社製 Ultimate3000、検出器としてサーモフィッシャーサイエンティフィック社製 Corona Veo RS、及び逆相カラムとして東ソー社製 TSKgel ODS-100V(内径4.6mm、長さ150mm、粒子径5μm)を用い、カラム温度を40℃とし、(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aを0.035質量%含有するTHF(ただし安定剤を含まない。)溶液を調製し、これをサンプルとして10μl注入し、移動相としてアセトニトリル/テトラヒドロフランの体積比が100/0から開始し、10分後に50/50、15分後に50/50、25分後に0/100、30分後に0/100となるようにグラジエントをかけ、流量を1.0ml/minとして測定を行う。
(【0011】以降は省略されています)

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