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公開番号2024070569
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-23
出願番号2022181153
出願日2022-11-11
発明の名称グリース組成物、及びステアリングギヤ装置
出願人株式会社ジェイテクト
代理人弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
主分類C10M 169/00 20060101AFI20240516BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】 貧潤滑状態になりやすい部位に使用した場合にも優れた潤滑性能を発揮するグリース組成物を提供する。
【解決手段】 基油と、増ちょう剤と、添加剤とを含み、前記基油は、トリメリット酸エステルとポリ-α-オレフィンとを含み、前記増ちょう剤は、12-ヒドロキシステアリン酸リチウムとステアリン酸リチウムとを含み、前記添加剤は、ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデンとウレア系添加剤とを含み、基油、増ちょう剤、及び添加剤のそれぞれを、基油、増ちょう剤、及び添加剤の合計量に対して所定の割合で含有するグリース組成物。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
基油と、増ちょう剤と、添加剤とを含み、
前記基油は、トリメリット酸エステルとポリ-α-オレフィンとを含み、
前記トリメリット酸エステルは、前記トリメリット酸エステル及び前記ポリ-α-オレフィンの合計量に対する割合が、10.0質量%以上60.0質量%以下であり、
前記増ちょう剤は、12-ヒドロキシステアリン酸リチウムとステアリン酸リチウムとを含み、
前記12-ヒドロキシステアリン酸リチウムは、前記12-ヒドロキシステアリン酸リチウム及び前記ステアリン酸リチウムの合計量に対する割合が、5.0質量%以上95.0質量%以下であり、
前記添加剤は、ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデンとウレア系添加剤とを含み、
前記ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデンは、前記トリメリット酸エステル、前記ポリ-α-オレフィン、前記12-ヒドロキシステアリン酸リチウム、前記ステアリン酸リチウム、前記ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン、及び前記ウレア系添加剤の合計量に対する割合が、1.5質量%以上8.0質量%以下であり、
前記ウレア系添加剤は、直径0.2μm以上の粒子の直径の平均値が0.2μm以上1.0μm以下であり、
前記ウレア系添加剤は、前記トリメリット酸エステル、前記ポリ-α-オレフィン、前記12-ヒドロキシステアリン酸リチウム、前記ステアリン酸リチウム、前記ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン、及び前記ウレア系添加剤の合計量に対する割合が、1.2質量%以上3.4質量%以下である、
グリース組成物。
続きを表示(約 320 文字)【請求項2】
前記ウレア系添加剤は、ウレア化合物とスチレン系ポリマーとの混合物である、請求項1に記載のグリース組成物。
【請求項3】
ハウジングと、
ラック歯を有し、軸方向に沿って往復移動可能なラック軸と、
前記ラック歯と噛み合うピニオン歯を有するピニオン軸と、
前記ラック歯を前記ピニオン歯に付勢するラックガイド機構と、
互いに噛み合う前記ラック歯と前記ピニオン歯の間、及び、前記ラック軸の周面と前記ラックガイド機構の前記ラック軸に押し付けられる部分との間、に介在するグリース組成物と、を備え
前記グリース組成物が請求項1、又は2に記載のグリース組成物である、ステアリングギヤ装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、グリース組成物、及びステアリングギヤ装置に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
電動パワーステアリング装置に使用されるステアリングギヤ装置が備えるラックアンドピニオンは、ラック歯を有するラック軸とピニオン歯を有するピニオン軸とを備えている。このステアリングギヤ装置は、ラック歯とピニオン歯との噛み合い部分にグリースを介在させて、ラック歯及びピニオン歯の摩耗を抑制している。このステアリングギヤ装置は、この摩耗の抑制によって、ラック歯とピニオン歯とのクリアランスの変化量を小さくし、電動パワーステアリング装置の操舵性能を維持している。
ステアリングギヤ装置に用いるグリースとして、例えば特許文献1~3に提案されたグリースがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2001-064665号公報
特開2009-203374号公報
特開2004-269722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ラックアンドピニオンを有するステアリングギヤ装置は、ラックアンドピニオンにおけるラック歯とピニオン歯との噛み合い部分にグリース組成物を介在させ、このグリース組成物は、ラック歯及びピニオン歯の摩耗を抑制している。また、上記ステアリングギヤ装置は、ラック歯をピニオン歯に付勢するためのラックガイド機構を備えており、このグリース組成物は、ラック軸と、ラックガイド機構のラック軸に押し付けられる部分との間に介在し、両者の摩耗を抑制している。
従って、上記ステアリングギヤ装置に使用されるグリース組成物は、ラックアンドピニオンにおけるラック歯とピニオン歯との噛み合い部分だけでなく、ラック軸とラックガイド機構との摺接部分も良好に潤滑することができる性能が求められている。
【0005】
しかしながら、特許文献1~3が提案するグリース組成物は、このような要求に充分に応えられなかった。
ラック歯とピニオン歯との噛み合い部分や、ラック軸とラックガイド機構との摺接部分は、貧潤滑状態になりやすい被潤滑部位であり、このような部位を良好に潤滑することは容易ではなかった。
また、ラックガイド機構のラック軸に押し付けられる部分は、例えばPTFE等の樹脂で構成されており、鉄鋼製のラック歯と鉄鋼製のピニオン歯との噛合い部分の潤滑のために設計されたグリース組成物は、ラック軸とラックガイド機構との摺接部分を十分に良好に潤滑できない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、このような状況のもと、貧潤滑状態になりやすい被潤滑部位に入り込みやすく、被潤滑部材の摩擦面を良好に潤滑することができるグリース組成物を見出し、本発明を完成した。
【0007】
(1)本発明のグリース組成物は、基油と、増ちょう剤と、添加剤とを含み、
上記基油は、トリメリット酸エステルとポリ-α-オレフィンとを含み、
上記トリメリット酸エステルは、上記トリメリット酸エステル及び上記ポリ-α-オレフィンの合計量に対する割合が、10.0質量%以上60.0質量%以下であり、
上記増ちょう剤は、12-ヒドロキシステアリン酸リチウムとステアリン酸リチウムとを含み、
上記12-ヒドロキシステアリン酸リチウムは、上記12-ヒドロキシステアリン酸リチウム及び上記ステアリン酸リチウムの合計量に対する割合が、5.0質量%以上95.0質量%以下であり、
上記添加剤は、ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデンとウレア系添加剤とを含み、
上記ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデンは、上記トリメリット酸エステル、上記ポリ-α-オレフィン、上記12-ヒドロキシステアリン酸リチウム、上記ステアリン酸リチウム、上記ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン、及び上記ウレア系添加剤の合計量に対する割合が、1.5質量%以上8.0質量%以下であり、
上記ウレア系添加剤は、直径0.2μm以上の粒子の直径の平均値が0.2μm以上1.0μm以下であり、
上記ウレア系添加剤は、上記トリメリット酸エステル、上記ポリ-α-オレフィン、上記12-ヒドロキシステアリン酸リチウム、上記ステアリン酸リチウム、上記ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン、及び上記ウレア系添加剤の合計量に対する割合が、1.2質量%以上3.4質量%以下である。
【0008】
上記グリース組成物は、貧潤滑環境になりやすい被潤滑部材の摩擦面を潤滑し、この摩擦面の摩耗を抑制するのに適している。
上記グリース組成物は、基油が所定量のトリメリット酸エステルとポリ-α-オレフィンとを含み、増ちょう剤が所定量のステアリン酸リチウム及び12-ヒドロキシステアリン酸リチウムを含むため、被潤滑部材の摩擦面に吸着しやすく、かつ上記摩擦面から抜け出しにくい。
また、上記グリース組成物は、所定量のジアルキルジチオカルバミン酸モリブデンを含有するため、上記摩擦面にトライボ反応膜を生成しやすい。
更に、上記グリース組成物は、特定のサイズのウレア系添加剤(ウレア化合物を含有する添加剤)を所定量含有するため、被潤滑部材の摩擦面同士の間に介在し、摩擦面同士の接触を抑制することができる。また、ウレア系添加剤は摩擦面を傷付けにくい。
【0009】
(2)上記(1)のグリース組成物において、上記ウレア系添加剤は、ウレア化合物とスチレン系ポリマーとの混合物であることが好ましい。
この場合、摩擦面を傷付けることなく、被潤滑部材の摩擦面同士の接触を抑制するのにより適している。この理由は、上記ウレア系添加剤は、適度な凝集状態を保った状態で、被潤滑部材の摩擦面同士の間に介在しやすいためと考えられる。
【0010】
(3)本発明のステアリングギヤ装置は、
ハウジングと、
ラック歯を有し、軸方向に沿って往復移動可能なラック軸と、
上記ラック歯と噛み合うピニオン歯を有するピニオン軸と、
上記ラック歯を上記ピニオン歯に付勢するラックガイド機構と、
互いに噛み合う上記ラック歯と上記ピニオン歯の間、及び、上記ラック軸の周面と上記ラックガイド機構の上記ラック軸に押し付けられる部分との間、に介在するグリース組成物と、を備え
上記グリース組成物が上記(1)又は(2)のグリース組成物である。
(【0011】以降は省略されています)

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