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公開番号2024070613
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-23
出願番号2022181225
出願日2022-11-11
発明の名称高強度固体バイオ燃料およびその製造方法
出願人国立研究開発法人産業技術総合研究所,学校法人近畿大学
代理人個人
主分類C10L 5/44 20060101AFI20240516BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】石炭コークスの代替品もしくは混合品としての固体バイオ燃料としては、燃焼比が高く、長時間の燃焼と、燃焼中の形状維持が可能な固体バイオ燃料が求められている。
【解決手段】光合成に起因するバイオマスをチップ化した原料を、半炭化処理し、前記原料中の水分・揮発分の一部を放出させる半炭化済原料を得る第一段工程と、
前記半炭化済原料を加熱加圧し、圧密成型物を得る第二段工程を有する製造方法で得られた固体バイオ燃料は燃料比が0.4を超え、700℃における熱間圧縮強度が0MPaを超え、石炭コークスの代替品としても利用することができ、CO2の削減に寄与することができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
光合成に起因するバイオマスをチップ化した原料だけを用い、前記原料を少なくとも1個以上押し固めた固体バイオ燃料であって、700℃における熱間圧縮強度が0MPaを超える固体バイオ燃料。
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
燃料比が0.4以上2.0以下であり、密度が0.65g/cm

以上である請求項1に記載された固体バイオ燃料。
【請求項3】
前記バイオマスがスギである請求項1または2に記載された固体バイオ燃料。
【請求項4】
光合成に起因するバイオマスをチップ化した原料を、半炭化処理し、前記原料中の水分・揮発分の一部を放出させる半炭化済原料を得る第一段工程と、
前記半炭化済原料を常に最大圧力を更新しながら加熱加圧し加熱加圧品を得る加熱加圧工程と、
前記加熱加圧品に、常に最大圧力を更新しながら所定時間成型し、成型品を得る成型工程と、
冷却開始時の前記成型品にかかる圧力を維持した状態で、前記成型品を冷却する冷却工程によって圧密成型物を得る第二段工程を有する固体バイオ燃料の製造方法。
【請求項5】
前記第一段工程は、前記原料を300℃まで加熱させる前加熱工程と、
前記前加熱工程より低い昇温レートで400℃まで加熱させる後加熱工程と、
前記400℃で前記原料を維持する工程と、
前記原料を冷却する工程を有する請求項4に記載された固体バイオ燃料の製造方法。
【請求項6】
前記第二段工程の最大成型温度は190℃より高い請求項4または5に記載された固体バイオ燃料の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、植物由来バイオマスから褐炭から瀝青炭に匹敵する固体バイオ燃料を製造する方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
バイオマスは、原料、燃料として利用できる生物起源の有機物である。例えば、木材、乾燥草木、農産廃棄物、畜産廃棄物、食品・飲料廃棄物、生物学的廃水処理設備や下水処理場における初沈汚泥、余剰汚泥などの有機性汚泥やその脱水汚泥などがこれに該当する。
【0003】
近年では、石油や石炭などの代替燃料または一部代替燃料として、上記のようなバイオマスを用いた燃料の利用促進が図られている。特にバイオマスは、カーボンニュートラルの観点からCO

排出削減には非常に効果的であるため、世界的に利用が推奨されている。
【0004】
バイオマス固体燃料は、バイオマスを圧縮・成型する成型工程と、成型工程を経て得た未加熱塊状物を150~400℃で加熱する加熱工程とで製造されるため、石炭と比較し揮発分が多く、それゆえ燃料比(固定炭素量/揮発分量)が低い。例えば、石炭のグレードは、無煙炭、瀝青炭、褐炭と分けられるが、燃料比としては、無煙炭が4.0以上、瀝青炭は1.5以上と1.5未満のものにわかれ、褐炭は1.0以下とされている。それに対して、バイオマス固体燃料としては、0.8程度のものとされる(特許文献1)。
【0005】
燃料比が低いと、着火性は高くなるものの、燃焼時間は短くなり、燃焼中の形状維持性も低くなる。高炉において、石炭コークスの代替品若しくは石炭コークスとの混合品として用いる場合は、高炉上端から底に向かって燃焼しながら落下する必要があり、下方からの燃焼風で吹き上げられたり、落下の間に燃え尽きてしまうのは好ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2020-90673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
石炭コークスの代替品もしくは混合品としての固体バイオ燃料としては、燃料比が高く、長時間の燃焼と、燃焼中の形状維持が可能な固体バイオ燃料が求められている。また、固体バイオ燃料が、高炉の投入口から供給する際には、炉底まで崩壊せずに燃焼しながら落下することが望まれる。本発明はバイオマスだけで製造され、燃料比が褐炭を超えるような値を有し、従来の固体バイオ燃料よりも熱間圧縮強度の高い固体バイオ燃料を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
より具体的に本発明に係る固体バイオ燃料は、
光合成に起因するバイオマスをチップ化した原料だけを用い、前記原料を少なくとも1個以上押し固めた固体バイオ燃料であって、700℃における熱間圧縮強度が0MPaを超えることを特徴とする。
【0009】
また本発明に係る固体バイオ燃料の製造方法は、
光合成に起因するバイオマスをチップ化した原料を、半炭化処理し、前記原料中の水分・揮発分の一部を放出させる半炭化済原料を得る第一段工程と、
前記半炭化済原料を常に最大圧力を更新しながら加熱加圧し加熱加圧品を得る加熱加圧工程と、
前記加熱加圧品に、常に最大圧力を更新しながら所定時間成型し、成型品を得る成型工程と、
冷却開始時の前記成型品にかかる圧力を維持した状態で、前記成型品を冷却する冷却工程によって圧密成型物を得る第二段工程を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る固体バイオ燃料は、バイオマスの原料を半炭化させ半炭化済原料を得た後、さらに常に最大圧力を更新しながら加熱し半炭化処理を進める二段階の工程を経ることによって得ることができ、燃料比が0.4を超え、密度が0.65g/cm

以上で、700℃での熱間圧縮強度が0MPaを超える特性を有する。この燃料比の値は褐炭から瀝青炭に匹敵する燃料比であり、従来の固体バイオ燃料より、長時間燃焼させることができるという効果を奏する。また、密度が0.65g/cm

以上であるので、高炉の落下中に吹き上げる燃焼風で崩壊する若しくは、飛ばされるという事態を抑制することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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