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公開番号2024088602
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-02
出願番号2023206661
出願日2023-12-07
発明の名称鋼腐食を制御するための低灰分潤滑組成物
出願人アフトン・ケミカル・コーポレーション,Afton Chemical Corporation
代理人弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
主分類C10M 169/04 20060101AFI20240625BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】鋼腐食への合格、高温堆積物形成への合格、及びエマルション安定性を達成する、低灰分潤滑組成物を提供する。
【解決手段】乗潤滑組成物は、酸性、ヒドロキシ、又はアミン部分を有するが、イミン、イミド、及び/又はアミジン部分を含まない、油溶性非環式構造を有する1つ以上の選択された腐食抑制剤又は錆抑制剤の化学物質を含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
乗用車のエンジンの潤滑に使用するのに好適な低灰分潤滑油組成物であって、
潤滑粘度の1つ以上の基油と、
約0.5重量パーセント以下の総硫酸灰分(SASH)と、
約0.03~約0.2重量パーセントの1つ以上の非環式腐食抑制剤であって、その酸性、ヒドロキシ、又はアミン部分を有し、かつイミン、イミド、アミジン構造単位、又はそれらのヒドロキシ誘導体を含む化合物を実質的に含まない、1つ以上の非環式腐食抑制剤と、を含み、
前記潤滑油組成物が、ASTM D7563のE85エマルション試験に従って、0℃及び/又は25℃で安定なエマルションを示し、GMW 16073の湿潤腐食試験に従って鋼腐食を示さない、低灰分潤滑油組成物。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記1つ以上の非環式腐食抑制剤が、油溶性酸、二酸、酸-エステル、ポリオール、アミド、若しくはそれらの混合物を含み、かつ/又は前記1つ以上の非環式腐食抑制剤が、C6以上のヒドロカルビル鎖を含む、請求項1に記載の低灰分潤滑油組成物。
【請求項3】
最大約100ppmのホウ素を更に含む、請求項1に記載の低灰分潤滑油組成物。
【請求項4】
前記潤滑油組成物が、金属性清浄剤を実質的に含まず、かつ/又は前記潤滑油組成物が、約10ppm以下のカルシウム、マグネシウム、若しくはそれらの組み合わせを有する、請求項1に記載の低灰分潤滑油組成物。
【請求項5】
前記潤滑油組成物が、ジアルキルジチオリン酸金属を実質的に含まず、かつ/又は前記潤滑油組成物が、約10ppm以下の亜鉛を有する、請求項1に記載の低灰分潤滑油組成物。
【請求項6】
前記非環式腐食抑制剤が、(a)ペンタエリスリトールモノ-オレエート、(b)N,N-ジアルカノール脂肪アミン、(c)C10~C20脂肪アミド、(d)C10~C20ジカルボン酸、C10~C20酸-エステル、若しくはそれらの組み合わせ、又は(e)ドデセニルコハク酸若しくは無水物の縮合生成物、又は(f)それらの混合物から選択される、請求項1に記載の低灰分潤滑油組成物。
【請求項7】
乗用車のエンジンの潤滑に使用するのに好適な低灰分潤滑油組成物であって、
潤滑粘度の1つ以上の基油と、
約0.5重量パーセント以下の総計算硫酸灰分(SASH)と、
C6以上のヒドロカルビル鎖を有する1つ以上の油溶性酸、二酸、酸-エステル、又はそれらの組み合わせを含み、かつイミン、イミド、アミジン構造単位、又はそれらのヒドロキシ誘導体を有する化合物を実質的に含まない、最大約0.3重量パーセントの非環式腐食抑制剤と、を含み、
前記潤滑油組成物が、ASTM D7563のE85エマルション試験に従って、0℃及び/又は25℃で安定なエマルションを示し、GMW 16073の湿潤腐食試験に従って鋼腐食を示さない、低灰分潤滑油組成物。
【請求項8】
最大約100ppmのホウ素を更に含む、請求項7に記載の低灰分潤滑油組成物。
【請求項9】
前記潤滑油組成物が、金属性清浄剤を実質的に含まず、かつ/又は前記潤滑油組成物が、約10ppm以下のカルシウム、マグネシウム、若しくはそれらの組み合わせを有する、請求項7に記載の低灰分潤滑油組成物。
【請求項10】
前記潤滑油組成物が、ジアルキルジチオリン酸金属を実質的に含まず、かつ/又は前記潤滑油組成物が、約10ppm以下の亜鉛を有する、請求項7に記載の低灰分潤滑油組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この開示は、改善された鋼腐食及びエマルション安定性のために構成された低灰分添加剤系及び添加剤系を含む潤滑組成物に関し、具体的には、安定なエマルションを維持し、鋼腐食性能試験において錆を低減又は排除することが可能である選択された腐食抑制剤化学物質を有する低灰分潤滑組成物に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
自動車製造業者は、効率及び燃費の向上を求め続けており、そのため、エンジン、潤滑油、及びそれらの構成成分に対する需要は増加し続けている。今日の乗用車エンジンは、多くの場合、燃費、性能、及び出力を向上させるように設計された技術を用いて、より小型化、より軽量化、及びより効率化されている。これらの要件はまた、エンジンオイルの性能が、そのような現代のエンジンのより高い要求と、それらの独自の使用及び用途に関連付けられたそれらの対応する性能基準と、を満たすように進化しなければならないことも意味している。エンジン油に対するこのような厳しい要求により、潤滑剤製造業者は、多くの場合、潤滑剤及びそれらの添加剤を、各独自の用途のため特定の性能要件を満たすように調整する。
【0003】
潤滑剤の仕様は、多くの場合、硫酸灰分の許容レベルに関する組成的制約を含み、最新の潤滑剤基準の高まる要求を依然として満たしながら、このような制約を維持することは、困難である傾向がある。例えば、潤滑剤中の灰分レベルを減少させることが多くの場合所望されるが、いくつかの事例では、より低い灰分レベルは、潤滑剤の他の性能特性を劣化させる傾向がある。例えば、より低い灰分レベル及びより低い灰分含有量を考慮した潤滑剤組成物への関連する変化は、鋼腐食、高温堆積物、及び/又は潤滑剤のエマルション安定性に影響を及ぼし得る。鋼腐食は、GMW 16073などの様々なエンジン油水分腐食試験を使用して評価され得、エマルション安定性は、例えば、ASTM D7563などのE85エマルション試験を使用して評価され得、高温堆積物は、ASTM D6335又はTEOST-33C試験を使用して評価され得る。
【0004】
しかしながら、多くの状況において、性能特性を改善するために潤滑剤組成物内の1つの成分を変動させることは、1つ以上の他の性能特徴に悪影響を及ぼす傾向がある。例えば、潤滑油組成物中の灰分の主要な供給源は、概して、金属清浄添加剤及び/又は耐摩耗添加剤である。しかしながら、灰分含有量の量を低減させることは、他の性能特性に悪影響を及ぼす傾向があり、具体的には、極低灰分レベルを有する潤滑剤は、鋼腐食を劣化させ、かつ/又は高温堆積物に伴う問題を引き起こす傾向があることが見出された。鋼腐食性能を補助するために、腐食抑制剤の使用が潤滑剤中に含まれ得るが、従来の腐食抑制剤の添加は、いくつかの事例では、潤滑剤のエマルション安定性を劣化させ得る。
【発明の概要】
【0005】
1つのアプローチ又は実施形態では、乗用車のエンジンの潤滑に使用するのに好適な低灰分潤滑油組成物が記載される。アプローチでは、低灰分潤滑油組成物は、1つ以上の潤滑粘度の基油と、約0.5重量パーセント以下の総硫酸灰分(sulfated ash、SASH)と、約0.03~約0.2重量パーセントの1つ以上の非環式腐食抑制剤であって、その酸性、ヒドロキシ、又はアミン部分を有し、かつイミン、イミド、アミジン構造単位、又はそれらのヒドロキシ誘導体を含む化合物を実質的に含まない、1つ以上の非環式腐食抑制剤と、を含み、潤滑油組成物は、ASTM D7563のE85エマルション試験に従って、0℃及び/又は25℃で安定なエマルションを示し、GMW 16073の湿潤腐食試験に従って鋼腐食を示さない。
【0006】
他のアプローチ又は実施形態では、前段落に記載される低灰分潤滑油組成物は、1つ以上の任意選択的な特性又は実施形態を含み得る。これらの任意選択的な特性又は実施形態は、以下のうちの1つ以上を含み得る:1つ以上の非環式腐食抑制剤は、油溶性酸、二酸、酸エステル、ポリオール、アミド、又はそれらの混合物を含み、かつ/あるいは1つ以上の非環式腐食抑制剤は、C6以上のヒドロカルビル鎖を含み、かつ/あるいは最大約100ppmのホウ素を更に含み、かつ/あるいは潤滑油組成物は、金属性清浄剤を実質的に含まず、かつ/あるいは潤滑油組成物は、約10ppm以下のカルシウム、マグネシウム、又はそれらの組み合わせを有し、かつ/あるいは潤滑油組成物は、ジアルキルジチオリン酸金属を実質的に含まず、かつ/あるいは潤滑油組成物は、約10ppm以下の亜鉛を有し、かつ/あるいは非環式腐食抑制剤は、(a)ペンタエリスリトールモノ-オレエート、(b)N,N-ジアルカノール脂肪アミン、(c)C10~C20脂肪アミド、(d)C10~C20ジカルボン酸、C10~C20酸-エステル、若しくはこれらの組み合わせ、又は(e)ドデセニルコハク酸若しくは無水物の縮合生成物、又は(f)それらの混合物から選択される。
【0007】
別の実施形態又はアプローチでは、乗用車のエンジンの潤滑に使用するのに好適な低灰分潤滑油組成物も本明細書に記載され、低灰分潤滑油組成物は、1つ以上の潤滑粘度の基油と、約0.5重量パーセント以下の総計算硫酸灰分(SASH)と、C6以上のヒドロカルビル鎖を有する1つ以上の油溶性酸、二酸、酸-エステル、又はそれらの組み合わせを含み、かつイミン、イミド、アミジン構造単位、又はそれらのヒドロキシ誘導体を有する化合物を実質的に含まない、最大約0.3重量パーセントの非環式腐食抑制剤と、を含み、潤滑油組成物は、ASTM D7563のE85エマルション試験に従って、0℃及び/又は25℃で安定なエマルションを示し、GMW 16073の湿潤腐食試験に従って鋼腐食を示さない。
【0008】
他の実施形態又はアプローチでは、前段落に記載される低灰分潤滑油組成物はまた、1つ以上の任意選択的な特性又は実施形態も含み得る。これらの任意選択的な特性又は実施形態は、以下のうちの1つ以上を含み得る:最大約100ppmのホウ素を更に含み、かつ/又は潤滑油組成物は、金属性清浄剤を実質的に含まず、かつ/又は潤滑油組成物は、約10ppm以下のカルシウム、マグネシウム、若しくはそれらの組み合わせを有し、かつ/又は潤滑油組成物は、ジアルキルジチオリン酸金属を実質的に含まず、かつ/又は潤滑油組成物は、約10ppm以下の亜鉛を有し、かつ/又は非環式腐食防止剤は、式Iの構造を有する1つ以上の化合物であり、
【0009】
TIFF
2024088602000001.tif
48
128


及びR

の各々は、独立して、-OH又は-OR

OHから選択され、R

及びR

のうちの少なくとも1つは、-OHであり、R

は、線状若しくは分岐C6~C20ヒドロカルビル基であり、R

は、線状若しくは分岐C1~C4ヒドロカルビル基であり、その-OHが、一級又は二級アルコールであり、かつ/又は非環式腐食抑制剤は、各々が式Iの構造を有する油溶性二酸と油溶性酸-エステルとのブレンドであり、かつ/又は潤滑油組成物は、約0.02~約0.3重量パーセントの非環式腐食抑制剤を含み、かつ/又は潤滑油組成物は、ASTM D6335の高温堆積物形成試験に供された場合、約30mg以下の堆積物を更に有し、かつ/又は潤滑油組成物は、ASTM D6335の高温堆積物形成試験に供された場合、約15mg以下の堆積物を更に有する。
【0010】
更に他のアプローチ又は実施形態では、本明細書の開示は、この発明の概要の低灰分潤滑油組成物を使用して燃焼エンジンを潤滑する方法、及び/又は以下のうちの1つ以上を達成するためのこの発明の概要に記載されるような低灰分潤滑油組成物の任意の実施形態の使用を含む:ASTM D7563のE85エマルション試験に従って0℃及び/若しくは25℃で安定なエマルション;GMW 16073の湿度腐食試験に従って鋼腐食がないこと;並びに/又はASTM D6335の高温堆積物形成試験に供された場合、約30mg以下の堆積物であること。
(【0011】以降は省略されています)

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