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公開番号2024091589
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-04
出願番号2023216452
出願日2023-12-22
発明の名称混合錯体石鹸を主成分とするグリース組成物、及びその調製方法
出願人インディアン オイル コーポレイション リミテッド,INDIAN OIL CORPORATION LIMITED
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C10M 169/02 20060101AFI20240627BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】優れた添加剤応答性、良好な機械的安定性、低温特性、ポンプ輸送性及び耐食性を示す、亜鉛-アルカリ/アルカリ土類金属混合錯体グリース組成物及びプロセスを提供する。
【解決手段】潤滑基油;ケン化性物質;酸化金属;アルカリ又はアルカリ土類金属の水酸化物;及び錯化酸を含む混合錯体石鹸を主成分とするグリース組成物である。前記組成物を調製する為のオープンケトルの単一工程プロセスは、a)基油に、ケン化性物質を混合する工程、b)工程a)で得られた混合物に、錯化酸、酸化亜鉛、及びアルカリ又はアルカリ土類金属の酸化物又は水酸化物の水溶液を加える工程、c)工程b)で得られた混合物を、継続的に撹拌しながら加熱及び脱水する工程、d)工程c)で得られた固体塊に基油を加える工程、e)工程d)で得られた混合物を冷却し、必要に応じて性能向上添加剤を加える工程、及びf)工程e)で得られた混合物を均質化する工程、を含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
i)基油、
ii)ケン化性物質、
iii)酸化亜鉛又は水酸化亜鉛、
iv)アルカリ又はアルカリ土類金属の酸化物又は水酸化物、
v)錯化酸、及び、
vi)必要に応じて性能向上添加剤、
を含む、亜鉛-アルカリ/アルカリ土類金属混合錯体グリース組成物。
続きを表示(約 2,300 文字)【請求項2】
前記基油は、ISO VG2~3200の範囲の粘度を有し又はその混合物であり、
前記基油は、APIグループI~IIIの鉱物基油、APIグループIVの合成基油、エステル基油、パラフィン系基油、ナフテン系基油及び再精製基油から選択され、
前記合成基油は、ポリアルファオレフィン(PAO)、ポリアルキルグリコール(PAG)、ポリオールエステル、ジエステル及びアルキル化芳香族化合物から選択される、
請求項1に記載のグリース組成物。
【請求項3】
前記基油は、65.0~90.0wt%の範囲で存在し、
前記ケン化性物質は、8.0~18.0wt%の範囲で存在し、
前記アルカリ又はアルカリ土類金属の酸化物又は水酸化物は、0.20~3.0wt%の範囲で存在し、
前記錯化酸は、1.0~5.0wt%の範囲で存在し、及び
前記性能向上添加剤は、0.01~3wt%の範囲で存在する、
請求項1に記載のグリース組成物。
【請求項4】
前記ケン化性物質は、12-ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸、オレイン酸又はその混合物から選択される脂肪酸であり、
前記アルカリ又はアルカリ土類金属の酸化物又は水酸化物は、水酸化ナトリウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、消石灰、水酸化リチウム又は水酸化リチウム一水和物から選択され、
前記錯化酸は、マロン酸(C3)、コハク酸(C4)、グルタル酸(C5)、アジピン酸(C6)、ピメリン酸(C7)、スベリン酸(C8)、アゼライン酸(C9)又はセバシン酸(C10)から選択されるC3~C10のジカルボン酸であり、
前記性能向上添加剤は、錆防止剤、腐食防止剤、金属不活性化剤、金属不動態化剤、酸化防止剤、圧力添加剤、ポリマー、粘着付与剤、染料、化学マーカー、芳香付与剤、耐摩耗添加剤又はその組み合わせから選択される、
請求項1に記載のグリース組成物。
【請求項5】
a)混合物を形成する為に、基油に、ケン化性物質を混合する工程、
b)工程a)で得られた混合物に、錯化酸、酸化亜鉛、及びアルカリ又はアルカリ土類金属の酸化物又は水酸化物の水溶液を加える工程、
c)固体塊を得るために、工程b)で得られた混合物を、継続的に撹拌しながら加熱及び脱水する工程、
d)混合物を形成する為に、工程c)で得られた固体塊に基油を加える工程、
e)工程d)で得られた混合物を冷却し、必要に応じて性能向上添加剤を加える工程、及び、
f)混合錯体グリース組成物を得るために、工程e)で得られた混合物を均質化する工程、
を含む、亜鉛-アルカリ/アルカリ土類金属混合錯体グリース組成物を調製する為のオープンケトルの単一工程プロセス。
【請求項6】
工程a)の混合は、25~80℃の範囲の温度で実行される、
請求項5に記載のプロセス。
【請求項7】
工程c)の加熱は、
i)1時間の間、90~100℃の範囲の温度で加熱すること、
ii)追加の1時間の間、130~140℃の範囲の温度で加熱すること、及び、
iii)更に追加の0.5~1.0時間の間、167~175℃の範囲の温度で加熱すること、
を含む、一連の特定の工程の3つの連続する工程で実行される、
請求項5に記載のプロセス。
【請求項8】
前記基油は、ISO VG2~3200の範囲の粘度を有し又はその混合物であり、
前記基油は、APIグループI~IIIの鉱物基油、APIグループIVの合成基油、エステル基油、パラフィン系基油、ナフテン系基油及び再精製基油から選択され、
前記合成基油は、ポリアルファオレフィン(PAO)、ポリアルキルグリコール(PAG)、ポリオールエステル、ジエステル及びアルキル化芳香族化合物から選択される、
請求項5に記載のプロセス。
【請求項9】
前記ケン化性物質は、12-ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸、オレイン酸又はその混合物から選択される脂肪酸であり、
前記錯化酸は、マロン酸(C3)、コハク酸(C4)、グルタル酸(C5)、アジピン酸(C6)、ピメリン酸(C7)、スベリン酸(C8)、アゼライン酸(C9)又はセバシン酸(C10)から選択されるC3~C10のジカルボン酸であり、
前記アルカリ又はアルカリ土類金属の酸化物又は水酸化物は、水酸化ナトリウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、消石灰、水酸化リチウム又は水酸化リチウム一水和物から選択され、
前記性能向上添加剤は、錆防止剤、腐食防止剤、金属不活性化剤、金属不動態化剤、酸化防止剤、圧力添加剤、ポリマー、粘着付与剤、染料、化学マーカー、香料付与剤、耐摩耗添加剤又はその組み合わせから選択される、
請求項5に記載のプロセス。
【請求項10】
前記基油は、65.0~90.0wt%の範囲で存在し、
前記ケン化性物質は、8.0~18.0wt%の範囲で存在し、
前記アルカリ又はアルカリ土類金属の酸化物又は水酸化物は、0.20~3.0wt%の範囲で存在し、
前記錯化酸は、1.0~5.0wt%の範囲で存在し、及び
前記性能向上添加剤は、0.01~3wt%の範囲で存在する、
請求項5に記載のプロセス。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、混合錯体石鹸を主成分とするグリース組成物に関する。具体的には、本発明は、亜鉛-アルカリ/アルカリ土類金属混合錯体グリース組成物に関する。より具体的には、本発明は、固有の酸化安定性、極圧および耐摩耗性および耐水性を有する、亜鉛-Na/Li/Ca混合錯体石鹸を主成分とするグリース組成物に関する。また、本発明は、所望の粘度を維持するにも関わらず増粘剤の含有量が比較的低く、滑らかな質感のグリース組成物を与える、亜鉛-アルカリ/アルカリ土類金属混合錯体石鹸を主成分とするグリース組成物の調製の為の単一工程、オープンケトル、エネルギー効率の優れた工程を開示する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
リチウムグリースに匹敵し、180~300℃の滴点に適合する滴点を有する亜鉛(Zn)錯体グリースは、米国特許第11236285号明細書、欧州特許出願公開第3845622号明細書、インド特許出願第202021000297号明細書及びインドネシア特許出願第P00 2020 10687号明細書に開示されている。また、これらの先行技術の書類は、潤滑油中の酸化亜鉛とともに行う錯化剤と脂肪酸の反応を通して、亜鉛錯体グリースを製造する工程を開示する。米国特許第11236285号明細書は、NLGI2グレードのグリースを作るために約34wt%の増粘剤の含有量を必要とし、工程中に大量の金属酸化物を必要とする純粋な亜鉛錯体グリースを開示する。増粘剤の高い含有量は、亜鉛錯体グリースを、比較的密度が高く、高価にし、これは適用と生産の障害になる場合がある。この点から見て、より低い増粘剤の含有量であるグリースと、改善された特性が、これらの組成物をより実行可能にするために望まれる。
【0003】
米国特許第2457582号明細書は、微量成分としてステアリン酸亜鉛を含有するナトリウム獣脂石鹸を含む組成物を開示する。滴点は130~176℃の範囲であり、錯化剤は使用されていない。ナトリウムと亜鉛の比率は、この発明のもとで開示された組成物において、5:1~1:1に変化する。米国特許第2445936号明細書は、ナトリウムとリチウムグリースの耐水性を改善する為に、1~3%の12-ヒドロキシステアリン酸亜鉛の使用を開示する。英国特許第1039753号明細書は、表面積を改良した亜鉛酸化物微粒子を有機カルボン酸で被覆することにより、耐水性、高温安定性に優れた改良されたグリースを生じさせる潤滑ゲルの作製方法を開示する。
【0004】
しかしながら、従来技術は、いくつかの混合石鹸を主成分とするグリース組成物を開示するが、亜鉛を主成分とする混合錯体石鹸を主成分とするグリース組成物は存在していない。上述の通り報告した従来技術文献では、亜鉛錯体グリース組成物は、開示されたように高い温度で使用されることができる100%亜鉛錯体石鹸で作られ、これらのグリース組成物は、それらを比較的密度が高く高価にする、比較的高い増粘剤の含有量を有する。
【0005】
それゆえ、適合する滴点と高温の範囲で使用できる高性能特性を備えた経済的なグリース組成物と、そのようなグリース組成物の調製方法が必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
米国特許第11236285号明細書
欧州特許出願公開第3845622号明細書
米国特許第2457582号明細書
米国特許第2445936号明細書
英国特許第1039753号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
混合錯体石鹸を主成分とするグリース組成物を提供することは、本願発明の第一の目的である。
【0008】
固有の酸化安定性、極圧性、耐摩耗性、および耐水性を有するリチウムを主成分とするグリースとリチウム錯体グリースの組成物と比較し、滴点が180~300℃である混合錯体石鹸を主成分とするグリース組成物を供給することは、本願発明の他の目的である。
【0009】
優れた添加剤応答性、良好な機械的安定性、低温特性、ポンプ能力、耐腐食性を有する混合錯体石鹸を主成分とするグリース組成物を供給することは、本願発明の他の目的である。
【0010】
所望の粘稠度を維持しながら、増粘剤の含有量が比較的少なく、滑らかな質感の、混合錯体石鹸を主成分とするグリース組成物を与える単一工程、オープンケトルの、エネルギー効率の高いプロセスを提供することは、本願発明のさらなる目的である。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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