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公開番号2024089875
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-04
出願番号2022205386
出願日2022-12-22
発明の名称鉄鉱石の選別方法及び脱リン方法
出願人日本製鉄株式会社
代理人弁理士法人まこと国際特許事務所
主分類C22B 1/00 20060101AFI20240627BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】鉄鉱石をリン含有率に応じた複数の区分に効率良く分類、選別可能な選別方法等を提供する。
【解決手段】本発明は、しきい値決定用鉄鉱石を撮像したしきい値決定用画像を用いて、第1しきい値及び第2しきい値を決定するしきい値決定工程ST1と、選別対象鉄鉱石を撮像した選別対象画像と、第1しきい値及び第2しきい値とを用いて、選別対象鉄鉱石を第1~第3区分の3つの区分に分類し、選別する選別工程ST2と、を有する。しきい値決定工程ST1では、しきい値決定用画像において、黄褐色系のしきい値決定用鉄鉱石に対応する画素領域のR成分の強度値≧第1しきい値となり、第2しきい値≦赤褐色系のしきい値決定用鉄鉱石に対応する画素領域のR成分の強度値<第1しきい値となり、黒色系のしきい値決定用鉄鉱石に対応する画素領域のR成分の強度値<第2しきい値となるように、第1しきい値及び第2しきい値を決定する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
選別対象である選別対象鉄鉱石と同種の鉄鉱石であるしきい値決定用鉄鉱石を撮像したカラー画像であるしきい値決定用画像を用いて、カラー画像のRGB各成分のうち、R成分の強度値に対する第1しきい値R
t1
及び第2しきい値R
t2
を決定するしきい値決定工程と、
前記選別対象鉄鉱石を撮像したカラー画像である選別対象画像と、前記第1しきい値R
t1
及び前記第2しきい値R
t2
とを用いて、前記選別対象鉄鉱石を3つの区分に分類し、選別する選別工程と、を有し、
前記しきい値決定工程は、
前記しきい値決定用鉄鉱石を撮像して前記しきい値決定用画像を取得する画像取得ステップと、
前記しきい値決定用画像のRGB各成分のうち、R成分の強度値を抽出する抽出ステップと、
前記しきい値決定用画像において、前記しきい値決定用鉄鉱石のうち、黄褐色系のしきい値決定用鉄鉱石に対応する画素領域の前記R成分の強度値が前記第1しきい値R
t1
以上となり、赤褐色系のしきい値決定用鉄鉱石に対応する画素領域の前記R成分の強度値が前記第1しきい値R
t1
未満で且つ前記第2しきい値R
t2
以上となり、黒色系のしきい値決定用鉄鉱石に対応する画素領域の前記R成分の強度値が前記第2しきい値R
t2
未満となるように、前記第1しきい値R
t1
及び前記第2しきい値R
t2
を決定する決定ステップと、を含み、
前記選別工程は、
前記選別対象鉄鉱石を撮像して前記選別対象画像を取得する画像取得ステップと、
前記選別対象画像のRGB各成分のうち、R成分の強度値を抽出する抽出ステップと、
前記選別対象鉄鉱石を、前記選別対象画像において前記R成分の強度値が前記第1しきい値R
t1
以上である画素領域に対応する第1区分の選別対象鉄鉱石と、前記選別対象画像において前記R成分の強度値が前記第1しきい値R
t1
未満で且つ前記第2しきい値R
t2
以上である画素領域に対応する第2区分の選別対象鉄鉱石と、前記選別対象画像において前記R成分の強度値が前記第2しきい値R
t2
未満である画素領域に対応する第3区分の選別対象鉄鉱石と、の3つの区分の選別対象鉄鉱石に分類し、分類された前記3つの区分の選別対象鉄鉱石のうち、少なくとも1つの区分の選別対象鉄鉱石を選別する選別ステップと、を含む、
鉄鉱石の選別方法。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記しきい値決定工程の前記画像取得ステップでは、目視によって、前記しきい値決定用鉄鉱石を、黄褐色系のしきい値決定用鉄鉱石、赤褐色系のしきい値決定用鉄鉱石及び黒色系のしきい値決定用鉄鉱石の3つの区分のしきい値決定用鉄鉱石に分類し、分類した前記3つの区分のしきい値決定用鉄鉱石毎に前記しきい値決定用画像を取得し、
前記しきい値決定工程の前記抽出ステップでは、前記3つの区分のしきい値決定用鉄鉱石毎の前記しきい値決定用画像のそれぞれについて、R成分の強度値を抽出し、
前記しきい値決定工程の前記決定ステップでは、前記黄褐色系のしきい値決定用鉄鉱石について取得した前記しきい値決定用画像における前記黄褐色系のしきい値決定用鉄鉱石に対応する画素領域の前記R成分の強度値の平均値R
yave
と、前記赤褐色系のしきい値決定用鉄鉱石について取得した前記しきい値決定用画像における前記赤褐色系のしきい値決定用鉄鉱石に対応する画素領域の前記R成分の強度値の平均値R
rave
と、前記黒色系のしきい値決定用鉄鉱石について取得した前記しきい値決定用画像における前記黒色系のしきい値決定用鉄鉱石に対応する画素領域の前記R成分の強度値の平均値R
bave
とを算出し、以下の式(1)によって前記第1しきい値R
t1
を決定し、以下の式(2)によって前記第2しきい値R
t2
を決定する、
請求項1に記載の鉄鉱石の選別方法。

t1
=(R
yave
+R
rave
)/2 ・・・(1)

t2
=(R
rave
+R
bave
)/2 ・・・(2)
【請求項3】
前記しきい値決定工程の前記決定ステップでは、前記しきい値決定用画像における前記しきい値決定用鉄鉱石に対応する画素領域の前記R成分の強度値の最大値R
max
と、前記しきい値決定用画像における前記しきい値決定用鉄鉱石に対応する画素領域の前記R成分の強度値の最小値R
min
とを算出し、以下の式(3)によって前記第1しきい値R
t1
を決定し、以下の式(4)によって前記第2しきい値R
t2
を決定する、
請求項1に記載の鉄鉱石の選別方法。

t1
=R
max
-(R
max
-R
min
)/3 ・・・(3)

t2
=R
min
+(R
max
-R
min
)/3 ・・・(4)
【請求項4】
請求項1から3の何れかに記載の鉄鉱石の選別方法によって分類された前記3つの区分の選別対象鉄鉱石のうち、一部の区分の選別対象鉄鉱石に対してのみ、脱リン処理を実行する脱リン工程を有する、
鉄鉱石の脱リン方法。
【請求項5】
前記脱リン工程において、前記第1区分の選別対象鉄鉱石及び前記第2区分の選別対象鉄鉱石に対してのみ、脱リン処理を実行する、
請求項4に記載の鉄鉱石の脱リン方法。
【請求項6】
前記脱リン工程において、前記第1区分の選別対象鉄鉱石に対してのみ、脱リン処理を実行する、
請求項4に記載の鉄鉱石の脱リン方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄鉱石の選別方法及び脱リン方法に関する。特に、本発明は、鉄鉱石をリン含有率に応じた複数の区分に効率良く分類、選別可能な選別方法、及び、この選別方法を用いて一部の区分の鉄鉱石に対してのみ効率良く脱リン処理を実行可能な脱リン方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、良質な鉄鉱石の枯渇によって、従来使用されていなかったリンの含有率が0.1質量%を超える高リン鉄鉱石を、製鉄原料として使用せざるを得ない状況になっている。鉄鉱石のリン含有率が高すぎると、製造される鉄鋼製品の品質に悪影響を及ぼすため、脱リン処理を実行することが必要であるが、製鉄原料として使用する全ての鉄鉱石について一律に脱リン処理を実行することは、効率が悪く、コストも多大になるという問題がある。
このため、使用する鉄鉱石をリン含有率に応じて分類し、リン含有率の高い鉄鉱石を選別して、リン含有率の高い鉄鉱石に対してのみ、脱リン処理を実行することが望まれるが、このためには、鉄鉱石をリン含有率に応じて分類、選別する必要がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、JIG選別(ジグ選別)や重液選別等の比重選別によって、高リン鉄鉱石からゲーサイトリッチ鉱石を選別し、このゲーサイトリッチ鉱石に対してのみ、脱リン処理を実行することが提案されている。
しかしながら、ゲーサイトリッチ鉱石とそれ以外の鉱石(例えばヘマタイトリッチ鉱石)との比重差は、工業的に効率良く選別可能なほど大きくないため、比重選別では、鉄鉱石をリン含有率に応じて効率良く分類、選別できないという問題がある。
【0004】
また、非特許文献1には、鉄鉱石粒子をその外観色を目視することで、ゲーサイトが主体である黄色粒子と、ヘマタイトが主体である黒粒子と、中間粒子との3つに分類することが記載されている。
しかしながら、非特許文献1には、鉄鉱石を自動的に分類、選別する方法や、脱リン処理について、何ら提案されていない。
【0005】
なお、非特許文献2には、鉄鉱石に対する脱リン処理の方法について提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2020-20010号公報
【非特許文献】
【0007】
岡崎潤,他2名,“鉄鉱石粒子の分類およびそれらの鉱物特性と焼結性”,鉄と鋼,2006年,Vol.92,No.12,p.21-28
雀部実,他2名,“高リン鉄鉱石からの直接脱リン”,鉄と鋼,2014年,Vol.100,No.2,p.217-222
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記のような従来技術の課題を解決するべくなされたものであり、鉄鉱石をリン含有率に応じた複数の区分に効率良く分類、選別可能な選別方法、及び、この選別方法を用いて一部の区分の鉄鉱石に対してのみ効率良く脱リン処理を実行可能な脱リン方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明者は鋭意検討した結果、鉄鉱石の外観色が、リン含有率の高いものから順に、黄褐色系、赤褐色系、黒色系の色を示すことを見出した。また、本発明者は、鉄鉱石を撮像したカラー画像のRGB各成分のうち、R成分の強度値の大小によって、黄褐色系、赤褐色系及び黒色系の鉄鉱石を分類可能であることを見出した。このため、鉄鉱石を撮像したカラー画像のR成分の強度値を抽出すれば、その大小に応じて、鉄鉱石をリン含有率と相関を有する黄褐色系、赤褐色系及び黒色系の各区分に自動的に効率良く分類、選別できることに想到した。
本発明は、上記の本発明者の知見によって完成したものである。
【0010】
すなわち、前記課題を解決するため、本発明は、選別対象である選別対象鉄鉱石と同種の鉄鉱石であるしきい値決定用鉄鉱石を撮像したカラー画像であるしきい値決定用画像を用いて、カラー画像のRGB各成分のうち、R成分の強度値に対する第1しきい値R
t1
及び第2しきい値R
t2
を決定するしきい値決定工程と、前記選別対象鉄鉱石を撮像したカラー画像である選別対象画像と、前記第1しきい値R
t1
及び前記第2しきい値R
t2
とを用いて、前記選別対象鉄鉱石を3つの区分に分類し、選別する選別工程と、を有し、前記しきい値決定工程は、前記しきい値決定用鉄鉱石を撮像して前記しきい値決定用画像を取得する画像取得ステップと、前記しきい値決定用画像のRGB各成分のうち、R成分の強度値を抽出する抽出ステップと、前記しきい値決定用画像において、前記しきい値決定用鉄鉱石のうち、黄褐色系のしきい値決定用鉄鉱石に対応する画素領域の前記R成分の強度値が前記第1しきい値R
t1
以上となり、赤褐色系のしきい値決定用鉄鉱石に対応する画素領域の前記R成分の強度値が前記第1しきい値R
t1
未満で且つ前記第2しきい値R
t2
以上となり、黒色系のしきい値決定用鉄鉱石に対応する画素領域の前記R成分の強度値が前記第2しきい値R
t2
未満となるように、前記第1しきい値R
t1
及び前記第2しきい値R
t2
を決定する決定ステップと、を含み、前記選別工程は、前記選別対象鉄鉱石を撮像して前記選別対象画像を取得する画像取得ステップと、前記選別対象画像のRGB各成分のうち、R成分の強度値を抽出する抽出ステップと、前記選別対象鉄鉱石を、前記選別対象画像において前記R成分の強度値が前記第1しきい値R
t1
以上である画素領域に対応する第1区分の選別対象鉄鉱石と、前記選別対象画像において前記R成分の強度値が前記第1しきい値R
t1
未満で且つ前記第2しきい値R
t2
以上である画素領域に対応する第2区分の選別対象鉄鉱石と、前記選別対象画像において前記R成分の強度値が前記第2しきい値R
t2
未満である画素領域に対応する第3区分の選別対象鉄鉱石と、の3つの区分の選別対象鉄鉱石に分類し、分類された前記3つの区分の選別対象鉄鉱石のうち、少なくとも1つの区分の選別対象鉄鉱石を選別する選別ステップと、を含む、鉄鉱石の選別方法を提供する。
(【0011】以降は省略されています)

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