TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024089964
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-04
出願番号2022205540
出願日2022-12-22
発明の名称堤防の補強構造および堤防の補強方法
出願人日本製鉄株式会社
代理人弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類E02B 3/10 20060101AFI20240627BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】鋼矢板二重式工法によって補強された堤防において、既設構造物を撤去することなく施工を完了する。
【解決手段】天端および法面を有する堤体の川表側および川裏側にそれぞれに打設され、堤体の延長方向に延びる第1の鋼矢板壁および第2の鋼矢板壁と、堤体の天端下に埋設され、第1の鋼矢板壁および第2の鋼矢板壁の間に架設される中空断面部材とを備える堤防の補強構造を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
天端および法面を有する堤体の川表側および川裏側にそれぞれに打設され、前記堤体の延長方向に延びる第1の鋼矢板壁および第2の鋼矢板壁と、
前記堤体の天端下に埋設され、前記第1の鋼矢板壁および前記第2の鋼矢板壁の間に架設される中空断面部材とを備える堤防の補強構造。
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】
前記中空断面部材は、前記第1の鋼矢板壁および前記第2の鋼矢板壁に接合される鋼管である、請求項1に記載の堤防の補強構造。
【請求項3】
前記第1の鋼矢板壁および前記第2の鋼矢板壁と前記鋼管とは溶接されている、請求項2に記載の堤防の補強構造。
【請求項4】
前記第1の鋼矢板壁および前記第2の鋼矢板壁と前記鋼管とは、
前記第1の鋼矢板壁および前記第2の鋼矢板壁を構成する鋼矢板に接合された固定用部材と、
各々の内周面が対向し、前記固定用部材内に前記鋼管が配置された場合に前記鋼管の外周面に沿うような位置に配置され、前記鋼管の外周面に密着するように移動可能な一対の押さえプレートと
を有する継手によって接合されている、請求項2に記載の堤防の補強構造。
【請求項5】
前記第1の鋼矢板壁および前記第2の鋼矢板壁に連結される棒状の連結部材をさらに備え、
前記連結部材は、前記中空断面部材に挿通される、請求項1に記載の堤防の補強構造。
【請求項6】
前記中空断面部材の内部には計測機器が配置されている、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の堤防の補強構造。
【請求項7】
請求項2に記載の堤防の補強構造を用いた堤防の補強方法であって、
前記堤体の天端下に前記中空断面部材を打ち込む工程と、
前記第1の鋼矢板壁および前記第2の鋼矢板壁を打設する工程と、
前記中空断面部材と前記第1の鋼矢板壁および前記第2の鋼矢板壁とを連結する工程とを含む堤防の補強方法。
【請求項8】
請求項5に記載の堤防の補強構造を用いた堤防の補強方法であって、
前記堤体の天端下に前記中空断面部材を打ち込む工程と、
前記第1の鋼矢板壁を打設する工程と、
前記第1の鋼矢板壁に前記連結部材を連結するとともに、前記連結部材を前記中空断面部材に挿通する工程と、
前記第2の鋼矢板壁を打設する工程と、
前記連結部材を前記第2の鋼矢板壁に連結する工程とを含む堤防の補強方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、堤防の補強構造および堤防の補強方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、豪雨災害が頻発しており、河川などの堤防では越流水による洪水や堤体の浸食による破堤、決壊などが懸念される。このような災害への対策として、例えば堤体の両方の法肩部にそれぞれ鋼矢板を打設することによって堤防の延長方向に沿って延びる2列の鋼矢板壁を構築し、これらの鋼矢板壁同士をタイ材などの連結部材によって連結する補強構造(鋼矢板二重式工法)が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2003-13451号公報
特開2018-119336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような補強構造では、施工の際に堤体の天端を掘削し、2列の鋼矢板壁の打設およびタイ材による連結作業を行った後、堤体を復旧している。すなわち、タイ材を設置する位置よりも低い高さまで天端を掘削する必要があるため、天端に既設構造物(道路、ガードレール、歩道、フェンス等)がある場合はそれらを撤去して工事後に再設置する必要がある。また、交通規制の実施など、供用中断に伴う対応が必要になるため、これらの対応に伴い発生する追加費用や周辺地域への影響が問題となる場合もある。
【0005】
そこで、本発明は、鋼矢板二重式工法によって補強された堤防において、既設構造物を撤去することなく施工を完了できる堤防の補強構造および堤防の補強方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]天端および法面を有する堤体の川表側および川裏側にそれぞれに打設され、前記堤体の延長方向に延びる第1の鋼矢板壁および第2の鋼矢板壁と、前記堤体の天端下に埋設され、前記第1の鋼矢板壁および前記第2の鋼矢板壁の間に架設される中空断面部材とを備える堤防の補強構造。
[2]前記中空断面部材は、前記第1の鋼矢板壁および前記第2の鋼矢板壁に接合される鋼管である、[1]に記載の堤防の補強構造。
[3]前記第1の鋼矢板壁および前記第2の鋼矢板壁と前記鋼管とは溶接されている、[2]に記載の堤防の補強構造。
[4]前記第1の鋼矢板壁および前記第2の鋼矢板壁と前記鋼管とは、前記第1の鋼矢板壁および前記第2の鋼矢板壁を構成する鋼矢板に接合された固定用部材と、各々の内周面が対向し、前記固定用部材内に前記鋼管が配置された場合に前記鋼管の外周面に沿うような位置に配置され、前記鋼管の外周面に密着するように移動可能な一対の押さえプレートとを有する継手によって接合されている、[2]に記載の堤防の補強構造。
[5]前記第1の鋼矢板壁および前記第2の鋼矢板壁に連結される棒状の連結部材をさらに備え、前記連結部材は、前記中空断面部材に挿通される、[1]に記載の堤防の補強構造。
[6]前記中空断面部材の内部には計測機器が配置されている、[1]から[5]のいずれか一項に記載の堤防の補強構造。
[7][2]に記載の堤防の補強構造を用いた堤防の補強方法であって、前記堤体の天端下に前記中空断面部材を打ち込む工程と、前記第1の鋼矢板壁および前記第2の鋼矢板壁を打設する工程と、前記中空断面部材と前記第1の鋼矢板壁および前記第2の鋼矢板壁とを連結する工程とを含む堤防の補強方法。
[8][5]に記載の堤防の補強構造を用いた堤防の補強方法であって、前記堤体の天端下に前記中空断面部材を打ち込む工程と、前記第1の鋼矢板壁を打設する工程と、前記第1の鋼矢板壁に前記連結部材を連結するとともに、前記連結部材を前記中空断面部材に挿通する工程と、前記第2の鋼矢板壁を打設する工程と、前記連結部材を前記第2の鋼矢板壁に連結する工程とを含む堤防の補強方法。
【発明の効果】
【0007】
上記の構成によれば、鋼矢板壁の間に架設される部材として断面積の小さい中空断面部材を採用したことによって、中空断面部材を打設する際に堤体土から受ける抵抗が少なくなる。これにより、天端を掘削することなく、鋼管を天端下に埋設し、天端に設置されている既設構造物を撤去することなく堤防の補強構造の施工を完了させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の第1の実施形態に係る堤防の補強構造の断面図である。
本発明の第1の実施形態に係る堤防の補強方法の鋼管打設工程を説明する図である。
本発明の第1の実施形態に係る堤防の補強方法の第1の鋼矢板壁打設工程を説明する図である。
本発明の第1の実施形態に係る堤防の補強方法のタイ材挿入締結工程を説明する図である。
本発明の第1の実施形態に係る堤防の補強方法の第2の鋼矢板壁打設工程およびタイ材締結工程を説明する図である。
本発明の第1の実施形態に係る堤防の補強方法の第2の鋼矢板壁打設工程およびタイ材締結工程を説明する図である。
本発明の第1の実施形態に係る堤防の補強構造の変形例を示す図である。
本発明の第2の実施形態に係る堤防の補強構造の断面図である。
本発明の第3の実施形態に係る堤防の補強構造における連結構造を示す拡大図である。
図9のA-A線に沿った断面図である。
本発明の第3の実施形態に係る堤防の補強構造における連結構造の変形例を示す断面図である。
本発明の第3の実施形態に係る堤防の補強構造における連結構造の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る堤防の補強構造の断面図である。図1に示すように、堤防の補強構造1は、第1の鋼矢板壁31および第2の鋼矢板壁32と、第1の鋼矢板壁31と第2の鋼矢板壁32とを互いに連結する連結構造2と備える。第1の鋼矢板壁31および第2の鋼矢板壁32は、川表側の法面21、天端22および川裏側の法面23を有する堤体20の法肩部、すなわち天端22と法面21,23との境界付近に打設されている。
各々の鋼矢板壁31,32は、堤体20の延長方向に配列されて互いに連結される鋼矢板によって構成される。従って、鋼矢板壁31,32は全体として堤体20の延長方向に延びる。鋼矢板壁31,32には例えばハット形鋼矢板、U形鋼矢板または直線鋼矢板などの各種の鋼矢板が利用可能である。
【0010】
図1に示す例では、鋼矢板壁31,32の頭部は法面21,23上に突出しているが、鋼矢板壁31,32が頭部まで堤体20下に埋設されていてもよい。また、鋼矢板壁31,32は、天端22側に打設されていてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許