TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024088135
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-02
出願番号2022203162
出願日2022-12-20
発明の名称フェライト系ステンレス鋼
出願人JFEスチール株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C22C 38/00 20060101AFI20240625BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】耐酸化性、熱疲労特性(熱疲労寿命および熱疲労破断寿命)、高温疲労特性、ならびに靭性に優れるフェライト系ステンレス鋼を提供する。
【解決手段】本発明のフェライト系ステンレス鋼は、質量%で、C:0.015%以下、Si:0.50~0.90%、Mn:1.00%以下、P:0.040%以下、S:0.010%以下、Al:0.25~0.38%、N:0.015%以下、Cr:16.0~17.5%、Cu:1.00~1.30%、Nb:0.48~0.65%、Ni:0.50%以下、V:0.005~0.080%、Ti:0.005~0.30%を含有し、Si含有量とAl含有量の比(Si/Al)が、Si/Al≧2.0を満たし、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
質量%で、
C:0.015%以下、
Si:0.50~0.90%、
Mn:1.00%以下、
P:0.040%以下、
S:0.010%以下、
Al:0.25~0.38%、
N:0.015%以下、
Cr:16.0~17.5%、
Cu:1.00~1.30%、
Nb:0.48~0.65%、
Ni:0.50%以下、
V:0.005~0.080%、
Ti:0.005~0.30%を含有し、
Si含有量とAl含有量の比(Si/Al)が、Si/Al≧2.0を満たし、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有するフェライト系ステンレス鋼。
続きを表示(約 280 文字)【請求項2】
さらに、質量%で、
B:0.0050%以下、
REM:0.08%以下、
Zr:0.50%以下、
Co:0.50%以下、
Sn:0.50%以下、
Sb:0.50%以下
のうちから選ばれる1種または2種以上を含有する請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼。
【請求項3】
さらに、質量%で、
Ca:0.0050%以下、
Mg:0.0050%以下
のうちから選ばれる1種または2種を含有する請求項1または2に記載のフェライト系ステンレス鋼。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、フェライト系ステンレス鋼に関するものであり、詳細にはCr含有鋼に係り、とくに自動車やオートバイの排気管やコンバータケース、火力発電プラントの排気ダクト等の高温下で使用される排気系部材に用いて好適な、優れた耐酸化性、熱疲労特性(熱疲労寿命および熱疲労破断寿命)、高温疲労特性、ならびに靭性を有するフェライト系ステンレス鋼に関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
自動車のエキゾーストマニホールドや排気パイプ、コンバータケースおよびマフラー等の排気系部材には、優れた耐酸化性、熱疲労特性および高温疲労特性(以下、これらをまとめて耐熱性と記すこともある。)が要求されている。熱疲労とは、排気系部材が、エンジンの始動および停止に伴って加熱および冷却を繰り返し受ける際、周辺の部品との関係で拘束された状態にあることにより、上記排気系部材の熱膨張および収縮が制限されて、素材自体に発生する熱ひずみに起因した低サイクル疲労現象のことをいう。一方、高温疲労とは、加熱された状態で振動を受け続けることで亀裂が生じる高サイクル疲労現象のことであり、上記の熱疲労とは全く異なる現象である。
【0003】
上記の耐酸化性、熱疲労特性および高温疲労特性が求められる部材に用いられる素材としては、現在、NbとSiを含有したType429(14mass%Cr-0.9mass%Si-0.4mass%Nb系)のようなCr含有鋼が多く使用されている。しかし、エンジン性能の向上に伴い、排ガス温度が800℃を超えるような温度まで上昇してくると、Type429では特に、熱疲労特性を十分に満たすことができなくなってきている。
【0004】
この問題に対応できる素材として、例えば、NbとMoを含有して高温耐力を向上させたCr含有鋼、JIS G4305に規定されるSUS444(19mass%Cr-0.5mass%Nb-2mass%Mo)が開発されている。また、Nb、Mo、およびWを含有したフェライト系ステンレス鋼等が開発されている。しかし、MoやWといったレアメタルは可採地域が限られていることなどの理由で、資源の枯渇や、価格の高騰といったリスクを抱えており、MoやWを含まずに高い耐熱性を有するフェライト系ステンレス鋼が求められている。
【0005】
MoやWを含まずに高い耐熱性を有するフェライト系ステンレス鋼として、例えば、特許文献1~3には、CuおよびAlの含有によって耐酸化性と熱疲労特性、高温疲労特性を高めたフェライト系ステンレス鋼が開示されている。一方で、耐熱性を高めるために各種合金元素を含有すると、鋼が硬質化し脆くなり、部品成形時に脆性割れが生じてしまうリスクがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第4386144号公報
特許第4702493号公報
特許第5900715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者らの研究によれば、特許文献1~3には、CuとAlの含有によって耐酸化性や熱疲労特性、高温疲労特性を向上させた鋼が開示されているが、最重要特性である熱疲労特性については、さらに高い特性が求められるようになってきている。また、特許文献1~3では、部品成形時に求められる靭性については考慮されていない。
【0008】
以下に詳細を記述する。
【0009】
従来、熱疲労試験において、その寿命(熱疲労寿命)は、応力値が初期値に対して一定の割合(例えば70%や75%)まで低下したサイクル数で定義して評価していた。しかしながら、実際、その時点で破断は生じておらず、その後破断にまで至る間の挙動については従来の熱疲労試験では考慮されていない。実部品における耐久性の評価に際しては、貫通亀裂が生じ、排ガスのリーク(漏れ)が生じるかどうかで評価されることが多いため、熱疲労試験における寿命到達後から、試験片の破断に至るまでに要する時間(サイクル)についても考慮が必要となる。
【0010】
例えば、応力値が一定の割合まで低下したサイクル数で定義された熱疲労寿命が同等の鋼があったとしても、熱疲労寿命到達後から破断に至るまでのサイクル数が長ければ、実部品における貫通亀裂が生じるまでにはより多くの時間がかかる。すなわち、熱疲労寿命到達後から破断に至るまでのサイクル数が長い鋼の方が優れた耐久性を示すことになる。本発明のフェライト系ステンレス鋼は、従来の試験上定義された熱疲労寿命に加えて、熱疲労寿命から破断に至るまでのサイクル数まで考慮して開発されたものである。以降、この熱疲労寿命から破断に至るまでのサイクル数を熱疲労破断寿命と呼ぶ。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

ハイモ株式会社
水中の金属の回収方法
1か月前
大同特殊鋼株式会社
鋼材及び金型
2か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
1か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
1か月前
日本製鉄株式会社
接合継手
2か月前
日本製鉄株式会社
接合継手
2か月前
住友金属鉱山株式会社
銀粉の製造方法
2か月前
日本冶金工業株式会社
抗菌性に優れるNi合金
2か月前
石福金属興業株式会社
プローブピン用合金材料
5日前
住友金属鉱山株式会社
有価金属の製造方法
27日前
MAアルミニウム株式会社
アルミニウム合金圧延材
7日前
住友金属鉱山株式会社
銅製錬転炉の操業方法
1か月前
住友金属鉱山株式会社
銅製錬原料の供給方法
28日前
住友金属鉱山株式会社
銅製錬転炉の操業方法
1か月前
日本製鉄株式会社
スチールピストン
2か月前
株式会社タンガロイ
被覆超硬合金
今日
株式会社タンガロイ
被覆超硬合金
今日
大同特殊鋼株式会社
浸炭用鋼およびその製造方法
1か月前
株式会社トウネツ
金属溶湯炉
1か月前
日本製鉄株式会社
オーステナイト系合金材
11日前
国立研究開発法人物質・材料研究機構
マグネシウム基合金伸展材
1か月前
日本精線株式会社
ステンレス鋼極細線
1か月前
学校法人福岡工業大学
触媒の処理方法
1か月前
住友金属鉱山株式会社
ニッケル酸化鉱石の製錬方法
18日前
日本製鉄株式会社
シャフト部材
1か月前
日本製鉄株式会社
鋼板およびその製造方法
6日前
住友金属鉱山株式会社
硫化水素ガスの除害設備
1か月前
武生特殊鋼材株式会社
刃物用鋼
1か月前
日本ピストンリング株式会社
焼結体、焼結体の製造方法
4日前
株式会社タンガロイ
立方晶窒化硼素焼結体
2か月前
大同特殊鋼株式会社
軟磁性金属粉体
20日前
株式会社プロテリアル
金属の回収方法
1か月前
山陽特殊製鋼株式会社
真空浸炭用鋼および真空浸炭鋼部品
1か月前
日本製鉄株式会社
塊成化状高炉用原料の製造方法
1か月前
日本製鉄株式会社
焼結鉱の製造方法
28日前
山陽特殊製鋼株式会社
結晶粒度特性に優れた真空浸炭用鋼
1か月前
続きを見る