発明の詳細な説明【技術分野】 【0001】 本発明は、対象設備のセンシングデータに基づき異常を検出し、対象設備を診断する技術に関する。 続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】 【0002】 電気設備や生産設備においては、老朽化による故障や異常を早期に発見するための予防保全が行われている。この予防保全では、設備の稼働状況や劣化状態に応じてメンテナンスを行う状態監視保全が注目されている。 【0003】 状態監視保全では、不要な部品交換や修理によるメンテナンスコストを抑えられる一方で、故障や不具合を見逃さないために熟練者の経験や勘に頼ることが多い。ところが、近年の人口減少により熟練者不足が問題なため、以下のようなセンシングデータを活用した設備診断の自動化が求められている。 【0004】 まず、音響や振動センサによるデータから目的の設備情報を分析と診断する方法が考えられるが、実際の計測データには目的の設備情報だけでなく、周囲の環境音やノイズ等が含まれることがある。そのため、設備が正常に稼働していても、それらの要因により誤って異常として判断される問題がある。 【0005】 つぎに対象設備の稼働音に基づいて診断する方法も考えられるが、複数の設備がある環境下では、様々な種類の稼働音が複雑に混ざりあってしまい、どの設備に異常があるかどうかを判断ができないという問題がある。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0006】 特開2020-123229 【非特許文献】 【0007】 Lee,D.D.,Seung,H.S.,“Algorithms for nonnegative matrix factorization”,Advances in Neural Information Processing Systeme 13,pp.556-562,(2000) Judith C. Brown: Calculation of a constant Q spectral transform, J. Acoust. Soc. Am., 89(1):425-434, 1991 V. Paul Pauca, J. Piper, Robert J. Plemmons,“Nonnegative matrix factorization for spectral data analysis”, Linear Algebra and its Applications 416 (2006) 29-47 C. Boutsidisa, E. Gallopoulosb,“SVD based initialization:Ahead start for nonnegative matrix factorization”,Pattern Recognition 41 (2008) 1350-1362 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 (1)そこで、特許文献1に示すように、設備の状態を示すセンシングデータをもとに振幅スペクトログラムと非負値行列因子分解(Non-negative Matrix Factorization:NMF)を組み合わせた診断方法が提案されている この診断方法は、電気設備などの設備に設置した加速度/音響センサから得られる断続的な振動波形データを対象に、振幅スペクトログラムに変換後にNMFを用いて基底行列と係数行列とに分解し、これを特徴量として異常検出を行っている。 【0009】 このとき異常検出には、診断データの係数行列とあらかじめ正常データで求めておいた基底行列との乗算値を求め、当該の振幅スペクトログラムとの差分から異常を判定する方法が用いられている。 【0010】 (2)NMFは、非特許文献1に示すように、非負の行列をより低ランクの2つの非負の行列に分解する次元圧縮手法である。このNMFを用いた特許文献1の診断手法では、前述した問題を解決できないおそれがある。 (【0011】以降は省略されています) この特許をJ-PlatPatで参照する