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公開番号2024087243
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-01
出願番号2022201946
出願日2022-12-19
発明の名称設備診断システム、設備診断方法
出願人株式会社明電舎
代理人個人,個人,個人,個人
主分類G01M 99/00 20110101AFI20240624BHJP(測定;試験)
要約【課題】設備の稼働音に絞った診断を実現し、診断の正確性の向上を図る。
【解決手段】設備診断システム10の時系列信号取得部11は、音響センサ6cにより取得された回転機設備の音響信号をA/D変換し、変換後の音響信号を定期的に任意の時間幅の音響データに記録する。時間周波数変換部12は、音響データから時間周波数情報を表す振幅スペクトログラムを生成する。特徴量算出部13は、振幅スペクトログラムに基づきNNDSVDによる初期値を与えたCNMFを用いて特徴量を算出する。正常情報算出部14は、あらかじめ回転機設備の正常状態の特徴量から正常情報を生成し、正常情報を保持する。異常検知部15は、回転機設備の診断時の特徴量から診断時情報を生成し、正常情報と診断情報との差を異常値として算出し、異常値が閾値を超えていれば異常と判定する。表示部16は、判定の結果をモニタなどに表示させる。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
対象設備の稼働時に取得された振動波形データに基づき異常を検出し、対象設備を診断するシステムであって、
前記振動波形データから時間周波数情報を表す振幅スペクトログラムを生成する時間周波数変換部と、
前記振幅スペクトログラムに基づき制約付きNMF(Constrained Non-negative Matrix Factorization:CNMF)を用いて特徴量を算出する特徴量算出部と、
あらかじめ前記対象設備の正常状態の前記特徴量から正常情報を生成し、前記正常情報を保持する正常情報算出部と、
前記対象設備の診断時における前記特徴量を診断情報として生成し、前記正常情報と前記診断情報との差を異常値として算出し、前記異常値と閾値との対比に応じて前記対象設備の異常を検出する異常検知部と、
を備え、
前記特徴量算出部は、行列「I×J」で表される振幅スペクトログラムに対して、基底数KとしてCNMFを適用し、「I×K」の基底行列と「K×J」の係数行列とを前記特徴量として算出し、
前記正常情報算出部は、前記対象設備の正常稼働時に算出された複数の前記基底行列および前記係数行列から前記正常情報を生成し、
前記異常検知部は、前記診断時情報の基底行列および係数行列に対して、正常情報と同列同行から基底ベクトルおよび係数ベクトルとを抽出し、該両ベクトルに基づき前記異常値を算出する
ことを特徴とする設備診断システム。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記特徴量算出部は、CNMFの初期値に非負2重特異分解(Nonnegative Double Singular Value Decomposition:NNDSVD)を用いる
ことを特徴とする請求項1記載の設備診断システム。
【請求項3】
前記特徴量算出部は、
前記振幅スペクトログラムを「I行J列」の2次元行列とすると、前記初期値を求める際に特異値分解を行った後、第1特異値と該特異値に対応する左特異値ベクトルとの積からI次元ベクトルを求め、前記第1特異値と該特異値に対応する右特異ベクトルとの積からJ次元ベクトルを求め、
第2特異値以降は、非負になるように負の値を取り除きながら基底数K分の列ベクトルと行ベクトルとを求め、
I次元列ベクトルをK個並べた「I×K」の行列を基底行列の初期値に与え、J次元ベクトルをK個並べた「K×J」行列を係数行列の初期値に与える
ことを特徴とする請求項2記載の設備診断システム。
【請求項4】
コンピュータを用いて対象設備の稼働時に取得された振動波形データに基づき異常を検出し、対象設備を診断する方法であって、
前記振動波形データから時間周波数情報を表す振幅スペクトログラムを生成する時間周波数変換ステップと、
前記振幅スペクトログラムに基づき制約付きNMF(Constrained Non-negative Matrix Factorization:CNMF)を用いて特徴量を算出する特徴量算出ステップと、
あらかじめ前記対象設備の正常状態の前記特徴量から正常情報を生成し、前記正常情報を保持する正常情報算出ステップと、
前記対象設備の診断時における前記特徴量を診断情報として生成し、前記正常情報と前記診断情報との差を異常値として算出し、前記異常値と閾値との対比に応じて前記対象設備の異常を検出する異常検知ステップと、
を有し、
前記特徴量算出ステップにおいて、行列「I×J」で表される振幅スペクトルに対して、基底数KとしてCNMFを適用し、「I×K」の基底行列と「K×J」の係数行列とを前記特徴量として算出し、
前記正常情報算出ステップにおいて、前記対象設備の正常稼働時に算出された複数の前記基底行列および前記係数行列から前記正常情報を生成し、
前記異常検知ステップにおいて、前記診断時情報の基底行列および係数行列に対して、正常情報と同列同行から基底ベクトルおよび係数ベクトルとを抽出し、該両ベクトルに基づき前記異常値を算出する
ことを特徴とする設備診断方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、対象設備のセンシングデータに基づき異常を検出し、対象設備を診断する技術に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
電気設備や生産設備においては、老朽化による故障や異常を早期に発見するための予防保全が行われている。この予防保全では、設備の稼働状況や劣化状態に応じてメンテナンスを行う状態監視保全が注目されている。
【0003】
状態監視保全では、不要な部品交換や修理によるメンテナンスコストを抑えられる一方で、故障や不具合を見逃さないために熟練者の経験や勘に頼ることが多い。ところが、近年の人口減少により熟練者不足が問題なため、以下のようなセンシングデータを活用した設備診断の自動化が求められている。
【0004】
まず、音響や振動センサによるデータから目的の設備情報を分析と診断する方法が考えられるが、実際の計測データには目的の設備情報だけでなく、周囲の環境音やノイズ等が含まれることがある。そのため、設備が正常に稼働していても、それらの要因により誤って異常として判断される問題がある。
【0005】
つぎに対象設備の稼働音に基づいて診断する方法も考えられるが、複数の設備がある環境下では、様々な種類の稼働音が複雑に混ざりあってしまい、どの設備に異常があるかどうかを判断ができないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2020-123229
【非特許文献】
【0007】
Lee,D.D.,Seung,H.S.,“Algorithms for nonnegative matrix factorization”,Advances in Neural Information Processing Systeme 13,pp.556-562,(2000)
Judith C. Brown: Calculation of a constant Q spectral transform, J. Acoust. Soc. Am., 89(1):425-434, 1991
V. Paul Pauca, J. Piper, Robert J. Plemmons,“Nonnegative matrix factorization for spectral data analysis”, Linear Algebra and its Applications 416 (2006) 29-47
C. Boutsidisa, E. Gallopoulosb,“SVD based initialization:Ahead start for nonnegative matrix factorization”,Pattern Recognition 41 (2008) 1350-1362
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
(1)そこで、特許文献1に示すように、設備の状態を示すセンシングデータをもとに振幅スペクトログラムと非負値行列因子分解(Non-negative Matrix Factorization:NMF)を組み合わせた診断方法が提案されている
この診断方法は、電気設備などの設備に設置した加速度/音響センサから得られる断続的な振動波形データを対象に、振幅スペクトログラムに変換後にNMFを用いて基底行列と係数行列とに分解し、これを特徴量として異常検出を行っている。
【0009】
このとき異常検出には、診断データの係数行列とあらかじめ正常データで求めておいた基底行列との乗算値を求め、当該の振幅スペクトログラムとの差分から異常を判定する方法が用いられている。
【0010】
(2)NMFは、非特許文献1に示すように、非負の行列をより低ランクの2つの非負の行列に分解する次元圧縮手法である。このNMFを用いた特許文献1の診断手法では、前述した問題を解決できないおそれがある。
(【0011】以降は省略されています)

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