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公開番号2024085643
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-27
出願番号2022200268
出願日2022-12-15
発明の名称金属皮膜の成膜装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人弁理士法人平木国際特許事務所
主分類C25D 17/00 20060101AFI20240620BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】金属皮膜を均一に成膜でき、かつ装置を小型化できる金属皮膜の成膜装置を提供することにある。
【解決手段】本発明の成膜装置は、不溶性の多孔質体からなる陽極と、陽極及び陰極となる基材の間に配置された電解質膜と、陽極及び電解質膜の間に金属イオンを含むめっき液を収容する収容室が設けられたハウジングと、を備え、電解質膜で基材を押圧しながら電圧を印加することで、電解質膜に含浸させた金属イオンを還元し、基材に金属皮膜を成膜する装置であって、陽極の陰極側を覆い、陽極の陰極側に接触するように取付けられた隔膜をさらに備え、隔膜は、水及び水素イオンを透過させ、かつ酸素ガスを透過させず、陽極は、陰極側が隔膜を介して収容室に露出し、かつ陰極側とは反対側が収容ハウジングの外部に露出するように、収容ハウジングの陰極側とは反対側の開口部を塞ぐように取付けられることを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
陽極と、
前記陽極及び陰極となる基材の間に配置された電解質膜と、
前記陽極及び前記電解質膜の間に金属イオンを含むめっき液を収容する収容室が設けられた収容ハウジングと、
前記陽極及び前記基材の間に電圧を印加する電源装置と、
前記収容室に収容されるめっき液を加圧する加圧装置と、を備え、
前記電解質膜は、前記収容室に連通した前記収容ハウジングの前記陰極側の開口部を覆うように取付けられ、
前記電解質膜で前記基材の表面を押圧しながら前記電圧を印加することで、前記電解質膜に含浸させた前記金属イオンを還元することにより、前記基材の表面に金属皮膜を成膜する成膜装置であって、
前記成膜装置は、前記陽極の前記陰極側の面を覆い、前記陽極の前記陰極側の面に接触するように取付けられた隔膜をさらに備え、
前記隔膜は、水及び水素イオンを透過させ、かつ酸素ガスを透過させない膜であり、
前記陽極は、前記陰極側の面が前記隔膜を介して前記収容室に露出し、かつ前記陰極側とは反対側の面が前記収容ハウジングの外部に露出するように、前記収容室に連通した前記収容ハウジングの前記陰極側とは反対側の開口部を塞ぐように取付けられ、
前記陽極は、前記めっき液に対して不溶性の多孔質体からなることを特徴とする金属皮膜の成膜装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、金属皮膜の成膜装置に関し、特に、基材の表面に金属皮膜を成膜することができる金属皮膜の成膜装置に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、めっき液に含まれる金属イオンを還元することで金属イオン由来の金属を析出させることにより、基材の表面に金属皮膜を成膜する成膜技術が知られている。このような成膜技術においては、近年、陽極と、陽極及び陰極となる基材の間に配置された電解質膜と、陽極及び基材(陰極)の間に電圧を印加する電源装置と、陽極及び電解質膜の間に金属イオンを含むめっき液を収容する収容室が設けられたハウジングと、めっき液を加圧する加圧装置と、を備え、めっき液の液圧により電解質膜で基材の表面を押圧しながら、陽極及び基材の間に電圧を印加することで、電解質膜に含有される金属イオンを還元することにより、基材の表面に金属皮膜を成膜する成膜装置が用いられている。
【0003】
このような成膜装置の中でも、陽極として不溶性の陽極が適用された金属皮膜の成膜装置が注目されている。しかしながら、不溶性の陽極が適用された成膜装置では、収容室内の陽極の表面でめっき液の水が電気分解し、酸素ガスが発生する。成膜時間が経過するに従って、酸素ガスの発生量が増加することで酸素ガスが凝集して陽極の表面に滞留する。上記のように金属皮膜の成膜時にめっき液の液圧により電解質膜で基材の表面を押圧する場合において、収容室内に酸素ガスが残留すると、酸素ガスはめっき液に比べて圧縮性が高いため、電解質膜で基材の表面を均一に押圧することが難しくなることがある。この結果、金属皮膜を均一に成膜できなくなるおそれがある。
【0004】
このような問題に対応するために、例えば、特許文献1に記載された成膜装置が提案されている。特許文献1に記載された成膜装置では、ハウジングにおいて、第1電解液が収容される陽極側の第1収容室と、金属イオンを含む第2電解液(めっき液)が収容される電解質膜側の第2収容室とに、収容室を仕切る仕切部材が、陽極と電解質膜の間に配置されている。仕切部材は、多孔質体に陽イオン交換樹脂を含浸した隔膜である。第1収容室には、第1電解液に対して不溶性の陽極が収容されている。第2収容室は、電解質膜と仕切部材とにより、ハウジング内で第2電解液が封入される密閉空間を形成する。従って、成膜時に、第1収容室内の陽極の表面で第1電解液に含まれる水が電気分解し、酸素ガスが発生しても、陽極からの酸素ガスが第2収容室内の第2電解液(めっき液)に混入することがないので、第2収容室内に酸素ガスを残留させることなく、第2電解液を加圧できる。これにより、第2電解液の液圧が作用した電解質膜で基材の表面を均一に押圧でき、金属皮膜を均一に成膜できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2020-152987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、例えば、特許文献1に記載された成膜装置のような構造では、めっき液が収容される一の収容室とは別に、当該一の収容室とは隔膜で仕切られた、不溶性の陽極が収容される他の収容室を設ける必要があるため、装置の小型化に限界があり、陽極及び基材の間の距離を数mm程度の短距離とする構造で使用することが難しい。さらに、めっき液を加圧するときに、めっき液が収容される一の収容室と、不溶性の陽極が収容される他の収容室との差圧が大きくなる場合には、隔膜が変形、破損し、隔膜としての機能を果たせないことがある。
【0007】
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、金属皮膜を均一に成膜でき、かつ装置を小型化できる金属皮膜の成膜装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく、本発明の金属皮膜の成膜装置は、陽極と、上記陽極及び陰極となる基材の間に配置された電解質膜と、上記陽極及び上記電解質膜の間に金属イオンを含むめっき液を収容する収容室が設けられた収容ハウジングと、上記陽極及び上記基材の間に電圧を印加する電源装置と、上記収容室に収容されるめっき液を加圧する加圧装置と、を備え、上記電解質膜は、上記収容室に連通した上記収容ハウジングの上記陰極側の開口部を覆うように取付けられ、上記電解質膜で上記基材の表面を押圧しながら上記電圧を印加することで、上記電解質膜に含浸させた上記金属イオンを還元することにより、上記基材の表面に金属皮膜を成膜する成膜装置であって、上記成膜装置は、上記陽極の上記陰極側の面を覆い、上記陽極の上記陰極側の面に接触するように取付けられた隔膜をさらに備え、上記隔膜は、水及び水素イオンを透過させ、かつ酸素ガスを透過させない膜であり、上記陽極は、上記陰極側の面が上記隔膜を介して上記収容室に露出し、かつ上記陰極側とは反対側の面が上記収容ハウジングの外部に露出するように、上記収容室に連通した上記収容ハウジングの上記陰極側とは反対側の開口部を塞ぐように取付けられ、上記陽極は、上記めっき液に対して不溶性の多孔質体からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、金属皮膜を均一に成膜でき、かつ装置を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
一の実施形態に係る金属皮膜の成膜装置を示す概略断面図である。
一の実施形態に係る金属皮膜の成膜装置を使用して金属皮膜を成膜する成膜方法を説明するための概略断面図である。
一の実施形態に係る金属皮膜の成膜装置の作用効果の原理を説明するための概略断面図であり、陽極及びめっき液の間の構造を示す。
金属皮膜の成膜装置の試験系1を示す概略断面図である。
金属皮膜の成膜装置の試験系2を示す概略断面図である。
参考例1及び2並びに比較例における金属皮膜の成膜時の定電流(10mA)での電圧の経時変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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