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公開番号
2024130673
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-30
出願番号
2023040528
出願日
2023-03-15
発明の名称
保温容器
出願人
トヨタ自動車株式会社
代理人
弁理士法人プロスペック特許事務所
主分類
G01N
25/00 20060101AFI20240920BHJP(測定;試験)
要約
【課題】内部温度をPN計の使用周囲温度範囲内に保持できる保温容器を提供する。
【解決手段】保温容器10は、所定の距離をおいて離間しており互いに略平行に配置されるとともに通気口が設けられる第一側板部21および第二側板部22を含み、上下方向視においてPN計90を囲む平板状の4つの側板部11と、第一側板部21の第一通気口211の開口面積を調整可能な第一調整部材212と、第二側板部22の第二通気口221の開口面積を変更可能な第二調整部材222と、PN計90の外周面に接触することにより、PN計90の外周面と4つの側板部11の内周面との距離が略均一になるように、PN計90の外周面と4つの側板部11の内周面とを離間させるスペーサ30と、を備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
車両の排ガスに含まれる粒子状物質を計測する粒子状物質計測装置を内部に収容可能な保温容器であって、
所定の距離をおいて離間しており互いに略平行に配置されるとともに通気口が設けられる2つの通気用側板部を含み、上下方向視において前記粒子状物質計測装置を囲む平板状の複数の側板部と、
前記2つの側板部の前記通気口の開口面積を互いに独立して変更可能な調整部材と、
前記内部に収容された前記粒子状物質計測装置の外周面に接触することにより、前記粒子状物質計測装置の外周面と前記複数の側板部の内周面との距離が略均一になるように、前記粒子状物質計測装置の外周面と前記複数の側板部の内周面とを離間させるスペーサと、
を備える、保温容器。
続きを表示(約 270 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の保温容器であって、
複数の前記側板部は、開き戸式に開閉可能に構成される開閉用側板部を含む、
保温容器。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の保温容器であって、
前記保温容器は、複数の前記側板部と、複数の前記側板部により囲まれる空間の一方端を閉塞する天板部とを有し、前記空間の他方端が開口した箱型形状に形成され、
前記スペーサは、前記保温容器の内部に収容される前記粒子状物質計測装置を所定の位置に位置決めすることができるように構成される、
保温容器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、保温容器に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
車両の排ガスに含まれる粒子状物質を測定する試験(以下、「排ガス試験」と記すことがある)には、粒子状物質計測装置(以下、「PN計」と記すことがある)が用いられる。PN計には使用周囲温度範囲(PN計を使用可能な周囲温度の許容範囲)があらかじめ規定されているため、排ガス試験の際には、PN計の実際の周囲温度をPN計の使用周囲温度範囲内に保持しなければならない。低温環境での走行を模擬した排ガス試験では、試験室内の気温がPN計の使用周囲温度範囲よりも低くなることがあるため、PN計の実際の周囲温度を使用周囲温度範囲内に保持するためにPN計を保温容器に収容して排ガス試験が行われる。一方で、PN計が保温容器に収容されると、PN計自身が発する熱によって、PN計の実際の周囲温度(すなわち、保温容器の内部の気温)がPN計の使用周囲温度範囲よりも高くなるおそれがある。また、PN計の使用に当たっては、PN計の周囲温度を使用周囲温度範囲に加熱するため、加熱装置が必要になる。そして、保温容器の内部温度をPN計の使用周囲温度範囲に保持するために加熱装置が用いられる構成であると、加熱装置の設置スペースが必要になるため、設置スペースの不足を招くことがあるほか、加熱装置により加熱された空気の経路など、加熱装置に付帯する設備が必要になることがある。
【0003】
特許文献1には、計測ボックスを備える分光計測システムが開示されている。この分光計測システムの計測ボックスには、内部に冷媒の経路が設けられた温調パネルが取り付けられている。そして、この分光計測システムは、ポンプにより温調パネルに温度調節された冷媒を循環させることにより、計測ボックスの内部の気温を調節できるように構成される。さらに、特許文献1には、計測ボックスに放熱フィンを設けることにより、測定対象の温度を調節する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2014-2000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の計測ボックスは、調温パネル、冷媒、および冷媒を循環させるためのポンプが必要であるため、この計測ボックスをPN計の保温容器に適用すると、排ガス試験のための設備が複雑化および大型化する。また、保温容器に放熱フィンが設けられる構成であると、保温容器が大型化するため、排ガス試験を行う試験室における設置スペースの確保が困難になることがある。さらに、冷媒を用いる構成では、冷媒が漏出した場合に、漏出した冷媒が排ガス試験の試験室のピットに設けられた設備や装置(例えばシャシダイナモメータの動力系など)を濡らすおそれがある。
【0006】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複雑化および大型化することなくPN計の周囲温度を使用周囲温度範囲内に保持できる保温容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の保温容器は、
車両の排ガスに含まれる粒子状物質を計測する粒子状物質計測装置を内部に収容可能な保温容器であって、
所定の距離をおいて離間しており互いに略平行に配置されるとともに通気口が設けられる2つの通気用側板部を含み、上下方向視において前記粒子状物質計測装置を囲む平板状の複数の側板部と、
前記2つの側板部の前記通気口の開口面積を互いに独立して変更可能な調整部材と、
前記内部に収容された前記粒子状物質計測装置の外周面に接触することにより、前記粒子状物質計測装置の外周面と前記複数の側板部の内周面との距離が略均一になるように、前記粒子状物質計測装置の外周面と前記複数の側板部の内周面とを離間させるスペーサと、
を備える。
【0008】
本発明によれば、保温容器に保温性をもたせることができる。そして、保温容器の内部に、2つの通気用側板部の一方の通気口から流入し、他方の通気口から流出するという空気の流れを形成できる。そして、保温容器の内部に収容されたPN計(粒子状物質計測装置)の外周面と複数の側板部の内周面との距離が略均一になるように、スペーサによってPN計の外周面と複数の側板部の内周面とが離間している。このような構成であると、保温容器の内部(換言するとPN計の周囲)に空気の流れが形成されやすくなる(換言すると、保温容器の内部に、空気が流れにくい箇所や空気が滞留する箇所が形成されない)。したがって、保温容器の設置環境の温度に係らず、保温容器内の空気の流れによって、PN計の周囲の温度をPN計の使用周囲温度範囲内に保持できる。また、保温容器が保温性を有するため、PN計の周囲の温度をPN計の使用周囲温度範囲内に加熱するための加熱装置が不要である。このため、設置スペースの不足を招くことが少なくなる。また、加熱装置に付帯する設備も不要である。
【0009】
複数の前記側板部は、開き戸式に開閉可能に構成される開閉用側板部を含む、という構成が適用できる。
【0010】
このような構成によれば、開閉用側板部を開くことにより、保温容器を撤去することなく、保温容器の外部からPN計にアクセスしてPN計を操作することができる。したがって、作業性の向上を図ることができる。
(【0011】以降は省略されています)
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