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公開番号2024083931
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-24
出願番号2022198029
出願日2022-12-12
発明の名称熱交換器及び伝熱管外表面の洗浄方法
出願人栗田工業株式会社
代理人個人,個人
主分類F28G 1/08 20060101AFI20240617BHJP(熱交換一般)
要約【課題】伝熱管の外表面に付着した汚れを掻き取り、掻き取り後の汚れを装置系外に確実に排出させる。
【解決手段】本実施形態による熱交換器は、複数の伝熱管2を収容し、入口側ヘッダから流入した第1流体が複数の伝熱管2を通過して出口側ヘッダから流出する容器1を有する。容器1の一端部に設けられた第1給排口から流入される第2流体と伝熱管2内の第1流体で熱交換を行い、熱交換後の第2流体を容器1の他端部に設けられた第2給排口から排出する。この熱交換器は、容器1内に配置され、伝熱管2の延伸方向に沿って前記一端部と前記他端部との間を移動可能な移動板10を備える。移動板10は、複数の伝熱管2がそれぞれ挿通される複数の貫通孔11が形成されており、前記一端部へ向かって伝熱管2の外表面を摺動しながら、前記外表面の汚れを掻き取って前記一端部側に集め、集めた汚れを前記一端部側の流体とともに前記第1給排口から排出する。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
複数の伝熱管を収容し、入口側ヘッダから流入した第1流体が前記複数の伝熱管を通過して出口側ヘッダから流出する容器を有し、前記容器の一端部に設けられた第1給排口から流入される第2流体と前記伝熱管内の第1流体で熱交換を行い、熱交換後の前記第2流体を前記容器の他端部に設けられた第2給排口から排出する熱交換器であって、
前記容器内に配置され、前記伝熱管の延伸方向に沿って前記一端部と前記他端部との間を移動可能な移動板を備え、
前記移動板は、前記複数の伝熱管がそれぞれ挿通される複数の貫通孔が形成されており、前記一端部へ向かって前記伝熱管の外表面を摺動しながら、前記外表面の汚れを掻き取って前記一端部側に集め、集めた汚れを前記一端部側の流体とともに前記第1給排口から排出する、熱交換器。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
洗浄用流体が前記第2給排口から流入され、前記一端部側に集めた汚れを洗浄用流体とともに前記第1給排口から排出するか、または、
前記第1給排口が複数個あり、洗浄用流体が1以上の前記第1給排口から流入され、前記一端部側に集めた汚れを洗浄用流体とともに別の前記第1給排口から排出する、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記移動板は、前記他端部へ向かって前記伝熱管の外表面を摺動しながら、前記外表面の汚れを掻き取って前記他端部側に集め、集めた汚れを前記他端部側の流体とともに前記第2給排口から排出する、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項4】
洗浄用流体が前記第1給排口から流入され、前記他端部側に集めた汚れを洗浄用流体とともに前記第2給排口から排出するか、または、
前記第2給排口が複数個あり、洗浄用流体が1以上の前記第2給排口から流入され、前記他端部側に集めた汚れを洗浄用流体とともに別の前記第2給排口から排出する、請求項3に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記移動板の前記貫通孔以外の領域には、前記貫通孔より径の小さい複数の小孔が形成されている、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記移動板はワイヤにより引っ張られて前記容器内を移動する、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記移動板の中央の貫通孔の両面に第1摺動ガイド及び第2摺動ガイドが取り付けられており、
前記伝熱管が、前記第1摺動ガイド、前記中央の貫通孔及び前記第2摺動ガイドを挿通し、
前記第1摺動ガイドに第1ワイヤの一端が連結され、前記第2摺動ガイドに第2ワイヤの一端が連結されている、請求項6に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記ワイヤが、ワイヤ誘導管を介して前記容器の外部へ引き出され、ウインチに接続され、
前記ワイヤ誘導管の出口にはバルブが設置されている、請求項6に記載の熱交換器。
【請求項9】
前記第2流体は、生物処理装置の入口水である、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項10】
請求項1に記載の熱交換器を用いた伝熱管外表面の洗浄方法であって、
前記第2流体の供給停止後に、前記移動板を前記一端部へ向かって前記伝熱管の外表面を摺動させ、前記外表面の汚れを掻き取って前記一端部側に集める第1集積工程と、
前記一端部側に集めた汚れを前記一端部側の流体とともに前記第1給排口から排出する第1排出工程と、
を含む伝熱管外表面の洗浄方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、伝熱管の外表面に付着した汚れを掻き取って装置系外に排出する熱交換器及び伝熱管外表面の洗浄方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
工場排水は、工場内に設置された排水処理設備において適正に処理し、放流水質基準を満たした状態で、河川等に放流する必要がある。工場排水中に有機物が多く含まれる場合、好気性又は嫌気性の生物処理装置が設置される場合が多い。
【0003】
生物処理の効率は、入口水温の影響を受けやすい。例えば、一般的な活性汚泥処理の適正温度は20~37℃とされており、低すぎても高すぎても処理効率が低下する。冬期に水温が低下しすぎる場合や夏期に水温が高くなりすぎる場合には、効率維持のために生物処理装置の前工程で水温調整が必要になる。例えば、夏期に生物処理装置入口温度が上がりすぎる場合には、比較的水温の低い井水を混合させたり、冷却塔を循環する冷却水と熱交換させたりする。
【0004】
しかし、温度調整のためだけに井水を利用することは水資源の無駄であるとともに、排水処理コストの増加につながる。一方、熱交換器を介して間接冷却する方法は、伝熱面が汚れやすく伝熱効率が低下しやすいという問題がある。伝熱面に微生物がスライム状に付着すると、流路を妨げて送水抵抗が増加し、同じ冷却水循環量を維持するための電力使用量が増加するという問題も生じる。なお、生物処理装置の前工程での熱交換であるため、殺菌剤を含む薬品を連続注入することは難しい。
【0005】
熱交換器における上記の問題を回避するため、従来、下記の方法1又は方法2が採用されていた。
方法1:生物処理装置の前工程に設置された熱交換器において、運転停止・開放・洗浄・組立・運転再開の操作を定期的に行う。
方法2:物理的な洗浄機構を有する熱交換器を使用する。
【0006】
しかし、方法1には、開放・洗浄・組立に要するコストの問題があった。洗浄頻度は様々であるが、場合によっては、「数週間に一度」という高い頻度となり、洗浄コストが増加する。例えば、シェル&チューブ型の熱交換器では、伝熱管内部に付着した汚れを除去するために、装置開放後に個々の伝熱管の内部に高圧水を送入するなどの操作が必要であり、運転停止時間が長いという問題も生じていた。
【0007】
方法2の物理的な洗浄機構を有する熱交換器としては、境膜掻取方式、ボール洗浄方式、かき取りレバー方式、移動掃除板方式などが知られている。境膜掻取方式は、内部に回転軸を有する二重管構造の熱交換器であり、回転軸に設けられた掻き取り羽根によって高粘性液が伝熱面に滞留することを抑制する。このような構造は、高付加価値商品の製造に適しているが、排水処理には高コストであり適当ではない。また、伝熱面積を確保するには大型化や複数系列化が必要である。
【0008】
ボール洗浄方式は、直径10mm~20mm前後の専用スポンジボールを熱交換器のチューブ内に入れて洗浄する。このような構造では、並列に配置された多数の伝熱管に対して、洗浄用のボールを均等に送りこむことは難しいと推定される。例えば、汚れが多く付着した伝熱管は、流路抵抗が大きくなってボールが送られにくくなり、洗浄が不十分な伝熱管が残留しやすいと推定される。
【0009】
かき取りレバー方式の熱交換器としては、特許文献1に、樹脂製の多数本のチューブと、樹脂製かつ板状であって、チューブの外径とほぼ等しい内径に形成された複数の貫通孔を有し、貫通孔のそれぞれにチューブを挿入させて設置される複数のバッフル板とを備え、複数のバッフル板をチューブに沿って摺動させることで、チューブ表面に付着した汚れを掻き取る構成が開示されている。しかし、チューブ表面に付着した汚れがスライムのように粘着性の高い汚れの場合、掻き取り洗浄後、粘着質の汚れが、多段構成のバッフル板の上に残留・蓄積することが推定される。また、チューブが樹脂製であるため、金属製と比較して伝熱性能が著しく劣るという欠点がある。また、通常の熱交換運転の際に、掻き取りレバーと本体の接合部から水漏れ等が起きないように、製造上の工夫が不可欠である。
【0010】
移動掃除板方式の熱交換器としては、特許文献2に、エアシリンジを用いて掃除板(伝熱管クリーニング装置)を移動させ、伝熱管外表面の汚れを掻き取る構成が開示されている。特許文献2の熱交換器は、開放型温水槽に伝熱管を浸漬した構造であるため、伝熱管の外表面近傍における流速を高くできず、伝熱効率が低いという問題があった。また、水平方向の流れが不均一で熱交換量の予測が難しいという問題もあった。
(【0011】以降は省略されています)

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