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公開番号2024073185
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-29
出願番号2022184263
出願日2022-11-17
発明の名称水回収装置及び水回収方法
出願人栗田工業株式会社
代理人個人,個人
主分類C02F 1/461 20230101AFI20240522BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】閉鎖系空間で生じた人体排出水、生活排水などの排水を、高温高圧電解装置の電極の損耗を抑制しつつ、有機物やその他の窒素化合物を十分に分解することができる水回収装置及び水回収方法を提供する。
【解決手段】人体排出水などの被処理水から軟化装置1で硬度成分を除去し、軟化処理水と電解処理水とを熱交換器2で熱交換した後、高温高圧電解装置3,4で、高温高圧下での電気分解により有機物、尿素、アンモニアなどを分解除去する。電解処理水を脱気膜装置8で脱気処理した後、アニオン交換カラム10に通し、次いで拡散透析装置11に通した後、脱気膜装置12で脱気処理する。次いで2段に直列に設けた酸・アルカリ製造用電気透析装置21,22で脱塩処理する。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
排水を処理して処理水を生産水として回収する装置において、
該排水中の硬度成分を除去する軟化装置と、
該軟化装置の軟化処理水を、100℃以上であって、該軟化処理水の臨界温度以下の温度において、該軟化処理水が液相を維持する圧力下、直流電流を供給して電気分解することにより、該軟化処理水中の被酸化性物質を分解して第1電解処理水とする第1の高温高圧電解装置と、
該第1電解処理水を100℃以上であって、該軟化処理水の臨界温度以下の温度において、該第1電解処理水が液相を維持する圧力下、直流電流を供給して電気分解することにより、該第1電解処理水中の被酸化性物質を分解して第2電解処理水とする第2の高温高圧電解装置と、
該第2電解処理水を脱塩処理して脱塩水を得る電気透析装置とを備える水回収装置であって、
前記第1及び第2の高温高圧電解装置は、陽極以外は少なくとも接液面がAl含有率が1~6%のチタン合金、溶融アルミめっきを施したチタン又は陽極酸化チタンよりなる
ことを特徴とする水回収装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記第1の高温高圧電解装置の陽極は、少なくとも表面が導電性ダイヤモンドよりなり、
前記第2の高温高圧電解装置の陽極は、少なくとも表面がイリジウム又はイリジウム合金よりなる、請求項1の水回収装置。
【請求項3】
前記イリジウム合金は、白金含有率が80~95%のイリジウム白金合金である請求項2の水回収装置。
【請求項4】
前記第2の高温高圧電解槽からの第2電解処理水が導入される滞留槽が設けられており、前記第1及び第2の高温高圧電解装置で発生する水素により第2電解処理水中の塩素酸イオン又は過塩素酸イオンが該滞留槽にて還元される請求項1の水回収装置。
【請求項5】
前記滞留槽を通った前記第2電解処理水と前記軟化装置からの軟化処理水とを熱交換させて該軟化処理水を加熱する熱交換器を有する請求項4の水回収装置。
【請求項6】
前記電気透析装置の前段に、前記第2電解処理水が通水されるアニオン交換カラムが設置されている請求項1の水回収装置。
【請求項7】
前記第2の高温高圧電解装置からの第2電解処理水を脱気処理して第1脱気処理水とする第1の脱気手段を有する請求項1の水回収装置。
【請求項8】
前記第2の高温高圧電解装置からの第2電解処理水を脱気処理して第1脱気処理水とする第1の脱気手段を備えており、
該第1脱気処理水が前記アニオン交換カラムに供給される請求項6の水回収装置。
【請求項9】
カチオン交換膜で隔てられた主室と副室とを有する拡散透析装置と、
第2の脱気手段とを備えており、
前記電気透析装置で生成した酸溶液を該副室に通水するとともに、前記第2電解処理水を該主室に通水して拡散透析処理し、該第2電解処理水のpHを低下させた拡散透析処理水とし、
この拡散透析処理水を該第2の脱気手段にて脱気処理して第2脱気処理水とし、この第2脱気処理水が前記電気透析装置に供給される請求項1~5及び7のいずれかの水回収装置。
【請求項10】
カチオン交換膜で隔てられた主室と副室とを有する拡散透析装置と、
第2の脱気手段とを備えており、
前記電気透析装置で生成した酸溶液を該副室に通水し、前記アニオン交換カラムからのアニオン交換処理水を該主室に通水して拡散透析処理し、該アニオン交換処理水のpHを低下させた拡散透析処理水とし、
この拡散透析処理水を該第2の脱気手段にて脱気処理して第2脱気処理水とし、この第2脱気処理水が前記電気透析装置に供給される請求項6又は8の水回収装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、スケール成分、有機物、無機イオン等を含む排水、特に、閉鎖系空間で生じた人体排出水、生活排水などの排水を処理して水を回収する水回収装置及び水回収方法に関するものである。詳しくは、本発明は、核シェルター、災害避難所、宇宙ステーション又は月・火星ミッションの有人宇宙船、月面基地などの閉鎖系空間で生じる排水を、この閉鎖系空間内において、簡易な構成の装置で効率的に処理する水回収装置及び水回収方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
核シェルター、災害避難所、宇宙ステーション又は月・火星ミッションの有人宇宙船、月面基地などの閉鎖系空間で発生した尿などの人体排出水や生活排水をこの閉鎖系空間内で処理して水回収を図る場合、
(1) 宇宙空間などでは重力が微少であるため、重力による気液分離、固液分離は困難である。
(2) 閉鎖系空間であるため、放出ガス種や放出量に制限がある。
(3) 高い水回収率が要求され、また消費電力や設置スペースを小さくする必要がある。
といった制約がある。
【0003】
このような制約を克服する水回収装置として、閉鎖系空間で生じた人体排出水、生活排水などの排水を、軟化装置で処理して硬度成分を十分除去した後、高温高圧下での電気分解で有機物やアンモニアなどの被酸化性物質を分解し、その後電気透析装置でイオン類を除去して生産水を得る水回収装置がある(特許文献1、2)。
【0004】
高温高圧下での電気分解であれば、排水中の被酸化性物質を、後段の電気透析装置で直接除去することができる炭酸や有機酸、硝酸等のイオンに変換することができる。
【0005】
この高温高圧下での電気分解で、排水中の有機物の一部は炭酸ガスに分解され、アンモニアや硝酸の一部は分解されて窒素ガスとなる。また、高圧下では、その圧力によって、電気分解で発生するガスが水に溶解し、気泡による電極面への被分解物接触妨害を抑制することができる。また、高温で処理することによって熱分解の効果を利用するとともに物質移動速度を高めることで、電気分解効率を高めることもできる。更には、水の電気分解で生じた水素と酸素のガスを、再度水に戻す反応を引き起こすことができるため、爆発性の高い水素/酸素の混合ガスから、酸素濃度を低減させることができ、副生ガスを、爆発限界値を下回る安全性の高いものとすることができる上に、水回収率を高いものとすることができる。また、電気分解での酸化物の生成が抑制されることから、電解装置の後段にある電気透析装置への負荷を低減することもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2015-80778号公報
特開2016-87573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1、2の水回収装置で用いられている高温高圧電解装置では、陽極材として、導電性ダイヤモンドのほか、ルテニウム、イリジウム、白金、パラジウム、ロジウム、錫、これらの合金やこれらの酸化物が用いられる。
【0008】
本発明者が研究を重ねた結果、陰極材料として特許文献1,2に記載された材料を用いると、いずれも水素脆化により長期間の耐久性が十分でないことがわかった。また、ダイヤモンドについては施工が困難であるという課題もある。さらに、ダイヤモンド電極による陽極を備えた高温高圧電解装置単独での処理で有機物やその他の窒素化合物を十分に低い濃度にまで分解するには、電流密度を大きくする必要があり、この結果、特に有機物その他の窒素化合物の濃度が低い領域では、ClO


やClO


の濃度が上昇し易いことが認められた。一方、イリジウムや白金等の金属製の陽極では、特に有機物やその他の窒素化合物濃度が高い領域では溶出量が多く、この溶出した金属が電解セル内で再析出する際に電極間のショートを引き起こすおそれがあるなどの問題があった。
【0009】
本発明は、閉鎖系空間で生じた人体排出水、生活排水などの排水を、高温高圧電解装置の電極の損耗を抑制しつつ、有機物やその他の窒素化合物を十分に分解することができる水回収装置及び水回収方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の水回収装置は、次を要旨とする。
(【0011】以降は省略されています)

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