TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024071748
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-24
出願番号2024059434,2020031533
出願日2024-04-02,2020-02-27
発明の名称廃液の処理方法
出願人太平洋セメント株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C02F 1/58 20230101AFI20240517BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】リン酸イオン及び硫酸イオンを含む廃液に含まれるリン酸イオンの量を低減することができる廃液の処理方法を提供する。
【解決手段】(A)下記工程(a)の後に、下記工程(b)を行う方法、(B)下記工程(b)の後に、下記工程(a)を行う方法、または、(C)下記工程(a)と下記工程(b)を同時に行う方法、によって、上記廃液中にリン含有固体物を生成させるリン含有固体物生成工程、を含む廃液の処理方法。
(a)廃液に塩化カルシウムを添加する工程であって、上記廃液中、リン(P)に対するカルシウム(Ca)のモル比(Ca/P)が2.1以上になるように、塩化カルシウムの量を調整するカルシウム化合物添加工程
(b)廃液にアルカリ金属の水酸化物を添加して、廃液のpHを、10.5以上、11.5未満に調整するpH調整工程
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
リン酸イオン及び硫酸イオンを含む廃液の処理方法であって、
(A)下記工程(a)の後に、下記工程(b)を行う方法、
(B)下記工程(b)の後に、下記工程(a)を行う方法、または、
(C)下記工程(a)と下記工程(b)を同時に行う方法、
によって、上記廃液中にリン含有固体物を生成させるリン含有固体物生成工程、を含むことを特徴とする廃液の処理方法。
(a)上記廃液に、カルシウム化合物である塩化カルシウムを添加する工程であって、上記廃液中、リン(P)に対するカルシウム(Ca)のモル比(Ca/P)が2.1以上になるように、上記カルシウム化合物の量を調整するカルシウム化合物添加工程
(b)上記廃液に、pH調整剤であるアルカリ金属の水酸化物を添加して、上記廃液のpHを、10.5以上、11.5未満に調整するpH調整工程
続きを表示(約 200 文字)【請求項2】
上記廃液が、リン酸イオンをリン換算で10mg/リットル以上の濃度で含み、かつ、硫酸イオンを30,000mg/リットル以上の濃度で含む廃液である請求項1に記載の廃液の処理方法。
【請求項3】
上記リン含有固体物生成工程の後、上記廃液を固液分離して、リン酸イオン濃度が低減した液分である処理済みの廃液を得る固液分離工程を含む請求項1又は2に記載の廃液の処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、廃液の処理方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
リンは栄養塩類の一種であり、水中のリン濃度が大きい場合、植物プランクトンである藻類を大量増殖させる原因となる。藻類が大量に増殖した場合、該藻類が水中の酸素を消費することで、水中が嫌気性雰囲気となり、水質の悪化が起こる。特に、湖沼や内湾等の閉鎖性の水域では、リンを原因とする水質の悪化が起こりやすい。
環境省では、排水基準として、排水中のリン含有量を、日間平均8mg/リットルと定めている。
廃水中のリン濃度を減少させる方法として、特許文献1には、廃水中のフルオロリン酸化合物を分解して廃水中のフッ素及びリンの濃度を減少させる方法であり、該方法は、硫酸濃度10~20重量%となるように硫酸を廃水に加えながら、廃水の温度を65~85℃に調整する工程、廃水を該温度範囲内に保持する工程、及びカルシウム化合物を廃水に添加する工程を有することを特徴とする廃水中のフッ素及びリンの濃度を減少させる方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2010-94573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
閉鎖性の水域等では、水質の悪化を防ぐために、廃液(廃水)中のリン濃度(mg/リットル)について、より厳しい基準が設けられる場合がある。
また、廃水の中には、リン(特に、リン酸イオン)の他に、硫酸イオンを含むものがある。この場合、硫酸イオンが存在することを前提にして、廃水中のリンの除去処理を行う必要がある。
本発明の目的は、リン酸イオン及び硫酸イオンを含む廃液に含まれるリン酸イオンの量を低減することができる廃液の処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、リン酸イオン及び硫酸イオンを含む廃液の処理方法であって、廃液中のリン(P)に対するカルシウム(Ca)のモル比(Ca/P)が特定の値以上になる量のカルシウム化合物を、廃液に添加すること、及び、廃液にpH調整剤を添加して、廃液のpHを10.5以上に調整すること、の両方を行うことによって、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[4]を提供するものである。
【0006】
[1] リン酸イオン及び硫酸イオンを含む廃液の処理方法であって、(A)下記工程(a)の後に、下記工程(b)を行う方法、(B)下記工程(b)の後に、下記工程(a)を行う方法、または、(C)下記工程(a)と下記工程(b)を同時に行う方法、によって、上記廃液中にリン含有固体物を生成させるリン含有固体物生成工程、を含むことを特徴とする廃液の処理方法。
(a)上記廃液にカルシウム化合物を添加する工程であって、上記廃液中、リン(P)に対するカルシウム(Ca)のモル比(Ca/P)が2.1以上になるように、上記カルシウム化合物の量を調整するカルシウム化合物添加工程
(b)上記廃液にpH調整剤を添加して、上記廃液のpHを10.5以上に調整するpH調整工程
[2] 上記カルシウム化合物が、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、水酸化カルシウム 、酸化カルシウム、及び、炭酸カルシウムからなる群より選ばれる一種以上からなる前記[1]に記載の廃液の処理方法。
[3] 上記pH調整剤が、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、または、無機酸である前記[1]又は[2]に記載の廃液の処理方法。
[4] 上記リン含有固体物生成工程の後、上記廃液を固液分離して、リン酸イオン濃度が低減した液分である処理済みの廃液を得る固液分離工程を含む前記[1]~[3]のいずれかに記載の廃液の処理方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明の廃液の処理方法によれば、廃液に含まれるリンの量を低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の廃液の処理方法は、リン酸イオン及び硫酸イオンを含む廃液の処理方法であって、(A)下記工程(a)の後に、下記工程(b)を行う方法、(B)下記工程(b)の後に、下記工程(a)を行う方法、または、(C)下記工程(a)と下記工程(b)を同時に行う方法、によって、廃液中にリン含有固体物を生成させるリン含有固体物生成工程 、を含むものである。
(a)上記廃液にカルシウム化合物を添加する工程であって、上記廃液中、リン(P)に対するカルシウム(Ca)のモル比(Ca/P)が2.1以上になるように、上記カルシウム化合物の量を調整するカルシウム化合物添加工程
(b)上記廃液にpH調整剤を添加して、上記廃液のpHを10.5以上に調整するpH調整工程
【0009】
本発明において、処理の対象となる廃液は、リン酸イオン及び硫酸イオンを含む廃液であれば特に限定されるものではなく、例えば、下水処理場において、下水を脱水処理して得られるろ液(下水処理場における下水を処理する過程において、余剰汚泥を脱水処理した際に発生する水等)や、食品製造工場等の工場において排出される水や、農業または畜産業において排出される水や、日常生活において排出される水(生活排水)等の廃液(廃水)が挙げられる。また、上述した廃液を水で希釈してなる希釈液を対象としてもよい。
廃液中のリンの濃度は、廃液に含まれるリンの量を低減する本発明の目的を考慮すると、好ましくは10mg/リットル以上、より好ましくは100mg/リットル以上、さらに好ましくは500mg/リットル以上、特に好ましくは800mg/リットル以上である。
上記リンの濃度の上限値は、特に限定されないが、実際に処理の対象となる廃液中のリンの濃度を考慮すると、通常、5,000mg/リットル、好ましくは4,000mg/リットル、より好ましくは3,000mg/リットルである。
なお、廃液中のリンは、通常、リン酸イオンの形態で存在している。
【0010】
廃液中の硫酸イオンの濃度は、好ましくは30,000mg/リットル以上、より好ましくは32,000mg/リットル以上、さらに好ましくは35,000mg/リットル以上、特に好ましくは40,000mg/リットル以上である。
上記硫酸イオンの濃度の上限値は、特に限定されないが、実際に処理の対象となる廃液中の硫酸イオンの濃度を考慮すると、好ましくは90,000mg/リットル、より好ましくは80,000mg/リットル、特に好ましくは75,000mg/リットルである。
上記硫酸イオンの濃度が上述の好ましい範囲内であると、本発明の効果をより高めることができる。具体的には、カルシウム化合物の添加後の廃液中に、より大きな量の石膏を生成させることができ、粒成長する前の石膏に、リン含有固体物をより大きな量で吸着させることができる。リン含有固体物を吸着した石膏は、固液分離によって固形物として回収することができる。その結果、廃液(固液分離後の液分)中のリン酸イオン濃度を、より大きく低減させることができる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

株式会社オメガ
水質浄化装置
14日前
株式会社環境機器
磁気処理装置
17日前
株式会社環境機器
磁気処理装置の取付方法
17日前
栗田工業株式会社
水回収装置及び水回収方法
19日前
東芝ライテック株式会社
液体処理装置
12日前
大成建設株式会社
循環式濾過システム
4日前
キョーラク株式会社
水質浄化システム
7日前
アクアス株式会社
リン含有排水の処理方法
7日前
水ing株式会社
脱水システムの運転制御方法および脱水システム
11日前
JFEエンジニアリング株式会社
有機性排水の処理方法及び有機性排水の処理装置
20日前
メタウォーター株式会社
添加システム及び処理システム
18日前
株式会社ディーピーエス
有価金属回収装置及び有価金属回収装置の運転方法
今日
西日本高速道路エンジニアリング関西株式会社
スカム除去装置
4日前
ニッコー株式会社
排水処理装置及び排水処理装置の製造方法
今日
メタウォーター株式会社
気体供給システム及び発電システム
18日前
メタウォーター株式会社
水処理システム、制御装置及び水処理方法
7日前
太平洋セメント株式会社
廃液の処理方法
24日前
太平洋セメント株式会社
廃液の処理方法
24日前
国立研究開発法人土木研究所
下水処理水中のアンモニア性窒素とレボフロキサシンの低減方法及び装置
18日前
ユニチカ株式会社
フィルタ部材及び該フィルタ部材を含む浄水カートリッジ
17日前
株式会社タカノ機械製作所
感光性樹脂版の現像廃液の処理方法、及び、感光性樹脂版の現像廃液処理装置
18日前
パナソニックIPマネジメント株式会社
バブルおよびバブル集合体、バブル水、酸化剤、還元剤、バブル製造方法
21日前
株式会社合同資源
フッ化物イオンとリン酸イオンの選択除去性を持つ無機系凝集剤によるヨウ素成分含有水溶液の製造方法
6日前
インストラクション・ゲーエムベーハー
飲料水精製装置
13日前
株式会社合同資源
ヨウ化物イオンに非選択的な無機系凝集剤で処理したリサイクル水溶液
6日前