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公開番号2024080219
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-13
出願番号2022193228
出願日2022-12-02
発明の名称循環式濾過システム
出願人大成建設株式会社,株式会社Waqua
代理人個人
主分類C02F 1/00 20230101AFI20240606BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】循環式濾過システムで発電を行えるようにする。
【解決手段】貯水タンク10に貯められた水11は、主流路管31を通って、主流路管31の途中にある逆浸透膜浄水ユニット51で浄化されてから蛇口71に向かい、蛇口71から出た後貯水タンク10に戻るという循環を行う。他方、貯水タンク10に貯められた水11は、定期的に駆動される第2ポンプ23によって、蛇口71の開閉とは無関係に副流路管32を循環し浄化される。副流路管32から吐出された水11は貯水タンク10内の発電機100の水車101に当たり、それにより発電機100が発電する。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
循環させて繰返し使用される水を貯める貯水タンクと、
前記貯水タンク内の水を、前記貯水タンクから、前記水を浄化する浄化設備である第1浄化設備、水の排出の許否を決定する蛇口、蛇口の下に設けられた水を受ける受皿を経て前記貯水タンクに戻す主流路を形成する管であるである主流路管と、
前記貯水タンク内の水を、前記貯水タンクから、前記水を浄化する浄化設備である第2浄化設備を経て前記貯水タンクに戻す副流路を形成する管である副流路管と、
前記主流路管と、前記副流路管内とで水を流すポンプと、
を備えており、前記副流路管内を水が流れる時間の方が、前記主流路管内を水が流れる時間よりも長くなっている、
循環式濾過システムであって、
前記貯水タンクの内部には、前記副流路管から前記貯水タンク内に吐出される水を受けて回転する水車を備えた発電機が設けられている、
循環式濾過システム。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記水車は、カップ状でありすべて同じ形状、大きさであるバケットを多数備えたペルトン水車である、
請求項1記載の循環式濾過システム。
【請求項3】
前記副流路管の前記水車に臨む開口は、前記水車に吐出される水の勢いを増すように狭められている、
請求項1、又は2記載の循環式濾過システム。
【請求項4】
前記水車は、カップ状でありすべて同じ形状、大きさであるバケットを多数備えたペルトン水車であり、
前記副流路管の前記水車に臨む開口の面積は、前記水車に吐出される水の勢いを増すように狭められており、前記バケットの開口の面積よりも小さくされている、
請求項1記載の循環式濾過システム。
【請求項5】
前記副流路管の前記水車に臨む開口の面積は、前記バケットの開口の面積の20%よりも小さくされている、
請求項4記載の循環式濾過システム。
【請求項6】
前記副流路管の前記水車に臨む開口の面積は、前記バケットの開口の面積の5%よりも大きくされている、
請求項4記載の循環式濾過システム。
【請求項7】
前記副流路管の前記水車に臨む開口の面積は、前記バケットの開口の面積の14%より小さく、5%より大きくされている、
請求項4記載の循環式濾過システム。
【請求項8】
前記副流路管の前記水車に臨む開口の面積は、前記バケットの開口の面積の12%より小さく、7%より大きくされている、
請求項7記載の循環式濾過システム。
【請求項9】
前記副流路菅は、前記第1浄化設備よりも基端側の位置で前記主流路管にその基端を接続されており、前記主流路管から分岐している、
請求項1記載の循環式濾過システム。
【請求項10】
前記第1浄化設備は、逆浸透膜浄水ユニットを含んでいるとともに、
前記ポンプは、前記主流路管における、前記主流路管に対して最も先端側に位置する前記逆浸透膜浄水ユニットの基端側の位置であり、前記副流路管との分岐位置よりも先端側に設けられた、それが駆動した場合に、前記主流路管内の前記水を、前記主流路管内において前記主流路管の先端側に流すサブポンプと、前記サブポンプが駆動したときに前記サブポンプと連動して駆動する、前記主流路管の前記貯水タンク内の前記水と接する部分に設けられた、それが駆動した場合に、前記貯水タンク内の水を前記主流路管の先端側に流すメインポンプと、を含んでいる、
請求項7記載の循環式濾過システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、同じ水を繰返し使用する循環式濾過システムに関する。
続きを表示(約 4,300 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、山奥の工事現場において手洗い場が必要となる。そのような場所では、同じ水を繰返し使用する循環式濾過システムが必要とされる。
なぜなら、そのような場所では、綺麗な水、もっと言えば水自体を確保することが難しいことがあるためであり、また、手洗い後の汚れた水を環境中に放出することが難しいためである。
したがって、そのような場所では、同じ水を繰返し使用することによって、必要な水の量を減らすことができ、且つ環境中に放出される汚れた水の量を減らすことができるという利点を持つ、循環式濾過システムが重宝される。
もちろんこの2つの利点の一方のみが要求されるような場合においても、循環式濾過システムは利用可能であるし、利用される場合がある。
【0003】
大雑把にいえば、循環式濾過システムは、次のようなものである。手洗い場に循環式濾過システムが用いられる場合を例にとって説明する。
循環式濾過システムは、水を貯める貯水タンクを備えている。貯水タンクには、水を循環させるための流路を構成する流路管の基端が接続されている。流路管のどこかにポンプが設けられており、ポンプによって、貯水タンク中の水は、流路管の基端側から先端側に向けて送られる。
流路管の途中には、水を浄化するための浄化設備が適宜設けられている。浄化設備は、例えば、水の中の固形物を除去するための濾過装置であり、或いは水の中の化学物質や微生物(細菌、ウイルス等)を除去するためのオゾン発生装置や紫外線殺菌装置である。水は、浄化設備を通過することにより、浄水となる。
流路管の先端には、蛇口が設けられており、蛇口の下には例えばシンクである、受皿が設けられている。蛇口を操作すると、流路管内の水である浄水が流れ出る。その水で手洗いをすることによって生じた汚水が、受皿によって受けられる。
受皿で受けられた水である汚水は、貯水タンクに至る。例えば、受皿が貯水タンクの真上に設けられているのであれば、受皿が受けた水である汚水は、その真下の貯水タンクに落下する。何らかの管によって受皿と貯水タンクを接続し、その管を介して、受皿から貯水タンクに汚水を導くようになっている場合もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで上述のごとき循環式濾過システムは、ポンプを駆動させて水を循環させる。ポンプを駆動させるには、電力が必要なことが多い。しかしながら、山奥の工事現場などの人里離れたところに循環式濾過システムが存在する場合には電力を確保するのが難しい場合もあり、また、循環式濾過システムで使用する電力のすべてを賄えないまでも、循環式濾過システム中を循環する水の運動エネルギーを電力として取出すことにより、例えば、循環式濾過システムで必要な電力の一部を賄えれば、コスト面、或いは環境面での利益がある。
しかしながらそのような循環式濾過システムは今のところ存在していない。
【0005】
本願発明は、中を循環する水の運動エネルギーを電力として取出すことのできる循環式濾過システムを提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明は、循環させて繰返し使用される水を貯める貯水タンクと、前記貯水タンク内の水を、前記貯水タンクから、前記水を浄化する浄化設備である第1浄化設備、水の排出の許否を決定する蛇口、蛇口の下に設けられた水を受ける受皿を経て前記貯水タンクに戻す主流路を形成する管である主流路管と、前記貯水タンク内の水を、前記貯水タンクから、前記水を浄化する浄化設備である第2浄化設備を経て前記貯水タンクに戻す副流路を形成する管である副流路管と、前記主流路管と、前記副流路管内とで水を流すポンプと、を備えており、前記副流路管内を水が流れる時間の方が、前記主流路管内を水が流れる時間よりも長くなっている、循環式濾過システムである。
この循環式濾過システムの前記貯水タンクの内部には、前記副流路管から前記貯水タンク内に吐出される水を受ける水車を備えた発電機が設けられている。
【0007】
この循環式濾過システムは、主流路管によって形成される主流路と副流路管によって形成される副流路という2つの流路を備えている。
2つの流路のうち主流路は、従来の循環式濾過システムに存在していた流路と同様の性格の流路であり、その先端に蛇口が設けられている。対して副流路は、水を浄化することに特化した従来には存在しない流路である。
主流路はその途中に第1浄化設備を、副流路はその途中に第2浄化設備を備えている。第1浄化設備、第2浄化設備はともに、水を浄化させる機能を持つ。第1流路を循環する水は、蛇口から出て受皿を経て貯水タンクに戻るときに汚れた汚水となっている場合がある。したがって、循環式濾過システムには、水の汚れを除去する機能がどうしても必要となる。
しかしながら、第1浄化設備を水が通過するのは、蛇口が開放され主流路を水が先端に向かって移動するときのみである。したがって、第1浄化設備による水の浄化は蛇口が開放されたときにしか行われない。したがって、場合によっては第1浄化設備のみでは水の浄化能力が不足する場合がある。そのような点を考慮して本願の循環式濾過システムに設けられたのが、副流路である。副流路は蛇口が設けられた主流路とは別の流路であり、蛇口の開放と無関係に水を流すことが可能である。本願の循環式濾過システムでは、副流路に、主流路に水が流れるか否かと無関係に、主流路を水が流れるよりも長い時間(例えば、一日のうち8時間以上、場合によっては24時間)水を流すことによって第2浄化設備によって、長時間水を浄化することとしているのである。
加えて、本願の循環式濾過システムでは、貯水タンクの内部に、副流路管から貯水タンク内に吐出される水の運動エネルギーを用いて発電を行う発電機を設けることとしている。これは、主流路はその内部を水が流れる時間が少ないから主流路の水の運動エネルギーを用いて発電を行ったとしても得られる電力は大して大きくならないものの、長時間流れる副流路の水を用いて発電を行えば、得られる電力が相対的に大きくなるからである。発電機を貯水タンク内に設けるのは、発電機を設置するスペースを確保しやすいからである。なお、水車と発電機は、貯水タンク内で水没しないようにされる。
【0008】
前記水車は、カップ状でありすべて同じ形状、大きさであるバケットを多数備えたペルトン水車であってもよい。ペルトン水車は、小型であっても高効率での水力による発電が可能となるため、貯水タンクの中に配置して本願の循環式濾過システムに応用するのに適している。
前記副流路管の前記水車に臨む開口は、前記水車に吐出される水の勢いを増すように狭められていてもよい。副流路管は上述したように、貯水タンク内の発電機における水車に水を吐出する。そのとき、吐出される水の勢いがある程度大きい程水車は勢いよく回転し、発電機により得られる電力が大きくなる。
水車が上述の如きペルトン水車である場合、前記副流路管の前記水車に臨む開口の面積は、前記水車に吐出される水の勢いを増すように狭められており、前記バケットの開口の面積よりも小さくされていてもよい。そうすることにより、副流路管からバケット外に吐出され水車を回転させるのに寄与しない水が発生することを防止できるため、発電機による発電効率が向上する。
前記副流路管の前記水車に臨む開口の面積は、前記バケットの開口の面積の20%よりも小さくされていてもよい。本願の発明者の行った実験によれば、副流路管の水車に臨む開口の面積をその程度まで絞ることによって、発電機による発電効率が直線的ではなく向上することがわかっている。前記副流路管の前記水車に臨む開口の面積は、前記バケットの開口の面積の14%よりも小さくされているのがより好ましい。そこでも、発電機による発電効率が直線的でなくより大きくなる。
他方、前記副流路管の前記水車に臨む開口の面積は、バケットの開口の面積に対してあまり小さくし過ぎると発電機による発電効率が却って小さくなることがわかっている。副流路管の前記水車に臨む開口の面積は、バケットの開口の面積の5%よりも大きい方が良い。
本願発明者が行った試験によれば、前記副流路管の前記水車に臨む開口の面積は、前記バケットの開口の面積の14%よりも小さく、5%よりも大きくするのが良く、より好ましくは12%より小さく、7%より大きくされているのがよい。副流路管の開口の面積をこのような範囲、特に後者の範囲にすると、ポンプによって発生する副流路管内の水圧に多少変動があったとしても、発電機による発電効率が最も高く保たれることがわかっている。
【0009】
前記副流路菅は、前記第1浄化設備よりも基端側の位置で前記主流路管にその基端を接続されており、前記主流路管から分岐していてもよい。
つまり、副流路は、主流路と一部において重複していても良い。この場合、主流路管の副流路管の基端が接続される部分よりも基端側の範囲は、副流路管を兼ねることとなる。
もちろん、副流路と主流路はそれらの全長にわたってそれぞれ重複していなくても良い。その場合、主流路管に副流路管を兼ねる部分は存在しないことになる。
【0010】
前記第1浄化設備は、上述のように水を浄化する機能を有する。その限りにおいて第1浄化設備は適宜のものを選択することができる。例えば、第1浄化設備は、逆浸透膜浄水ユニットを少なくとも1つ含んでいてもよい。第1浄化設備を構成するものの他の例は、逆浸透膜浄水ユニットではない濾材、オゾン発生装置、紫外線殺菌装置、曝気装置であって、逆浸透膜浄水ユニットも含めてこれらは組合せ可能である。
第2浄化設備は上述のように水を浄化する機能を有する。その限りにおいて第2浄化設備は適宜のものを選択することができる。第2浄化設備は、例えば、逆浸透膜浄水ユニットではない濾材、オゾン発生装置、紫外線殺菌装置、曝気装置のうちの少なくとも1つを含んでいても良い。
(【0011】以降は省略されています)

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