TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024120662
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-05
出願番号2023027620
出願日2023-02-24
発明の名称軟水化装置
出願人パナソニックIPマネジメント株式会社
代理人個人,個人
主分類C02F 1/42 20230101AFI20240829BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】軟水化性能の低下を抑制し、軟水の品質を長期間維持しつつ、析出物の除去が可能な軟水化装を提供する。
【解決手段】軟水化装置は、原水を軟水化する軟水槽と、軟水のpHを弱塩基性陰イオン交換樹脂により中和する中和槽と、酸性電解水とアルカリ性電解水とを生成する電解槽と、軟水槽再生流路と、中和槽再生流路と、硬度成分に起因する析出物を捕捉する捕捉部と、軟水化工程及び再生工程を制御する制御部とを備える。制御部は、再生工程終了後に、軟水槽再生流路内の硬度成分を含む水を装置外に排出する再生流路洗浄工程と、電解槽内と中和槽再生流路内の硬度成分に起因する析出物を除去する電解槽洗浄工程と、を実行し、再生流路洗浄工程と電解槽洗浄工程の終了後に、捕捉部で捕捉した析出物を除去する捕捉部洗浄工程を実行し、捕捉部洗浄工程終了後に、軟水化工程を実行する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
硬度成分を含む原水を弱酸性陽イオン交換樹脂により軟水化する軟水槽と、
前記軟水槽を通過した軟水を弱塩基性陰イオン交換樹脂により中和する中和槽と、
前記弱塩基性陰イオン交換樹脂の再生に用いるアルカリ性電解水を生成する電解槽と、
前記アルカリ性電解水の水酸化物イオン濃度を取得する水酸化物イオン濃度測定部と、
前記アルカリ性電解水の流速を調整する流速調整部と、
を備え、
前記流速調整部は、
前記水酸化物イオン濃度が水酸化物イオン濃度基準値を超えた場合に、前記アルカリ性電解水の流速を上昇させる軟水化装置。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記弱塩基性陰イオン交換樹脂の再生工程を制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記アルカリ性電解水の前記流速の上限値である流速上限値を記憶する流速記憶部を備え、
前記流速上限値での前記再生工程実施時に、前記水酸化物イオン濃度が前記水酸化物イオン濃度基準値を超過した場合には、前記再生工程を終了する請求項1に記載の軟水化装置。
【請求項3】
前記流速上限値は、
前記アルカリ性電解水を送水する送水ポンプの性能値と前記弱塩基性陰イオン交換樹脂の交換効率とに基づいて決定される値である請求項2に記載の軟水化装置。
【請求項4】
前記アルカリ性電解水を前記中和槽に送水する送水ポンプと、
前記送水ポンプの電流値を検知する電流値検知部と、
前記弱塩基性陰イオン交換樹脂の再生工程を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記電流値に基づいて、前記電解槽の入口側に送水される前記アルカリ性電解水であるアルカリ性再生水の流速を算出する流速算出部と、
前記水酸化物イオン濃度測定部が取得した前記水酸化物イオン濃度と前記流速算出部が算出した前記流速とに基づいて、前記電解槽にて生成する前記アルカリ性電解水の水酸化物イオン濃度を算出する水酸化物イオン濃度算出部と、
所定の水酸化物イオン濃度基準値を記憶する水酸化物イオン濃度記憶部と、
前記水酸化物イオン濃度算出部が算出した前記アルカリ性電解水の水酸化物イオン濃度値と前記記憶部が記憶する前記水酸化物イオン濃度基準値とを比較する水酸化物イオン濃度比較部と、を備え、
前記アルカリ性電解水の前記水酸化物イオン濃度値が前記水酸化物イオン濃度基準値以上の場合に、前記送水ポンプの前記電流値を所定電流上限値まで上昇させる請求項1に記載の軟水化装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記アルカリ性電解水の前記水酸化物イオン濃度値が前記水酸化物イオン濃度基準値以上の場合、前記電流値が前記所定電流上限値に到達した時に前記再生工程を終了する請求項4に記載の軟水化装置。
【請求項6】
前記水酸化物イオン濃度基準値は、
前記硬度成分と前記アルカリ性電解水中のイオンとの反応により生じる特定の析出物が頻出する水酸化物イオン濃度である、請求項2または請求項4のいずれか一項に記載の軟水化装置。
【請求項7】
前記所定電流上限値は、
前記送水ポンプの性能閾値と前記弱塩基性陰イオン交換樹脂の交換効率とに基づいて決定される値である請求項4に記載の軟水化装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記アルカリ性電解水の前記水酸化物イオン濃度が前記水酸化物イオン濃度基準値以上に達する場合に、前記送水ポンプの前記電流値を一定値上昇させて前記再生工程を継続し、
前記電流値が前記所定電流上限値に達した場合且つ前記水酸化物イオン濃度が前記水酸化物イオン濃度基準値に達した場合に前記再生工程を終了する請求項4に記載の軟水化装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、軟水化装置に関するものである。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来の軟水化装置では、食塩を使用しない陽イオン交換樹脂の再生方法として、電気分解で生成した酸性電解水により陽イオン交換樹脂を再生する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。弱酸性陽イオン交換樹脂は、官能基の末端にプロトンを有しており、原水中の硬度成分(例えば、カルシウムイオン、マグネシウムイオン)を水素イオンに交換して原水を軟水化している。そして、弱酸性陽イオン交換樹脂で軟水化された原水は、水素イオンを含み、酸性となっている。この軟水中の水素イオンは、弱塩基性陰イオン交換樹脂に吸着され、これにより軟水化された原水が中和される。従来の軟水化装置では、弱塩基性陰イオン交換樹脂の再生方法として、電気分解で生成したアルカリ性電解水により弱塩基性陰イオン交換樹脂を再生する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2011-30973号公報
特開2010-142674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来の軟水化装置においては、弱酸性陽イオン交換樹脂および弱塩基性陰イオン交換樹脂の再生が進行するにつれ、軟水槽から硬度成分(例えば、カルシウムイオン、マグネシウムイオン)が放出される。放出された硬度成分により、酸性電解水及びアルカリ性電解水の硬度成分濃度が上昇する。硬度成分濃度が上昇した水が電解槽内に流入すると、酸性電解水及びアルカリ性電解水を生成する際に、電気分解を行う電解槽内の陰極室で炭酸カルシウムもしくは水酸化マグネシウムが析出しやすくなる。生じた析出物がイオン交換樹脂に流入するとイオン交換性能が低下するため、電解槽からイオン交換樹脂の間に、析出物を捕捉する捕捉部を設けることが考えられる。
【0005】
しかし、析出物が捕捉部に徐々に堆積することにより捕捉部が目詰まりしてしまい、アルカリ性電解水の流量が著しく低下し、再生工程の完了に要する時間が増大する、もしくは再生工程が継続できなくなるという課題があった。
【0006】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、再生工程の効率を長期間維持しつつ、析出物の生成を抑制することを可能にした軟水化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そして、この目的を達成するために、本発明に係る軟水化装置は、硬度成分を含む原水を弱酸性陽イオン交換樹脂により軟水化する軟水槽と、前記軟水槽を通過した軟水を弱塩基性陰イオン交換樹脂により中和する中和槽と、前記弱塩基性陰イオン交換樹脂の再生に用いるアルカリ性電解水を生成する電解槽と、前記アルカリ性電解水の水酸化物イオン濃度を取得する水酸化物イオン濃度測定部と、前記アルカリ性電解水の流速を調整する流速調整部と、を備え、前記再生工程時に、前記流速調整部は、前記水酸化物イオン濃度が基準値を超えた場合に、前記アルカリ性電解水の流速を上昇させる。再生工程再生工程これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、再生工程時に電解槽にて生成するアルカリ性電解水と硬度成分との反応に由来する析出物の生成を抑制し、再生効率を維持可能な軟水化装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、実施の形態1に係る軟水化装置の構成を示す概念図である。
図2は、実施の形態1に係る軟水化装置の軟水化流路を示す構成図である。
図3は、実施の形態1に係る軟水化装置の軟水槽再生循環流路及び中和槽再生循環流路を示す構成図である。
図4は、実施の形態1に係る軟水化装置の再生流路洗浄流路を示す図である。
図5は、実施の形態1に係る軟水化装置の電解槽洗浄流路を示す概念図である。
図6は、実施の形態1に係る軟水化装置の捕捉部洗浄流路を示す構成図である。
図7は、実施の形態1に係る軟水化装置の制御方法を示す構成図である。
図8は、実施の形態1に係る軟水化装置の制御部の構成を示す概念図である。
図9は、実施の形態1に係る軟水化装置の制御に用いられる式を示す図である。
図10は、実施の形態1に係る軟水化装置の再生工程時に制御部の流速調整制御において電解槽入口側の水酸化物イオン濃度と流速との相関関係を示す図である。
図11は、実施の形態2に係る軟水化装置の軟水槽再生循環流路及び中和槽再生循環流路を示す構成図である。
図12は、実施の形態2に係る軟水化装置の制御部の構成を示す概念図である。
図13は、実施の形態2に係る軟水化装置の再生工程時に制御部の流速調整制御において電解槽の電流値と陰極側水酸化物イオン濃度との相関関係を示す図である。
図14は、実施の形態1と2に係る軟水化装置の再生工程時に電解槽陰極側の水酸化物イオン濃度と流速との相関関係及びポンプ電流値と流速との相関関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。また、実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
水処理装置
8日前
株式会社夢職人
機能水の製造方法
18日前
関西化工株式会社
汚水処理用担体
22日前
個人
歯科治療廃水処理装置
11日前
三浦工業株式会社
水処理システム
15日前
フタムラ化学株式会社
浄水用フィルター体
21日前
株式会社川本製作所
水処理装置
20日前
個人
バラスト水貯蔵装置
26日前
栗田工業株式会社
純水製造システムの制御方法
4日前
パナソニックIPマネジメント株式会社
軟水化装置
12日前
水ing株式会社
被処理物の処理方法および処理装置
5日前
栗田工業株式会社
水処理設備の状況診断支援システム
5日前
栗田工業株式会社
水処理設備の状況診断支援システム
5日前
株式会社ディスコ
水供給システム
4日前
株式会社竹村製作所
給水システム
19日前
北海道電力株式会社
粒子の回収装置及びその回収方法
8日前
水ing株式会社
下水処理施設及びその運転方法
18日前
株式会社MKバイオ
水質浄化材およびその製造方法
25日前
日本ヒューム株式会社
水処理施設の構築方法、水処理施設
19日前
水ing株式会社
有機性排水の処理方法及び処理装置
11日前
日特建設株式会社
中和処理装置及び中和処理方法
21日前
栗田工業株式会社
水溶液の濃縮装置及び濃縮方法
5日前
株式会社タカギ
浄水カートリッジ
25日前
大成建設株式会社
濁水処理装置および濁水処理方法
26日前
水ing株式会社
有機性排水の処理方法及び有機性排水の処理装置
22日前
メタウォーター株式会社
消化システム及び加熱制御方法
26日前
三菱ケミカルアクア・ソリューションズ株式会社
水処理方法および水処理装置
25日前
クボタ環境エンジニアリング株式会社
固液分離方法および固液分離設備
21日前
株式会社ジェイテクト
発酵装置
27日前
三菱ケミカルアクア・ソリューションズ株式会社
イオン交換樹脂を用いた水処理方法
11日前
水ing株式会社
有機性排水又は有機性汚泥を含む処理対象物の処理方法及び装置
11日前
水ing株式会社
有機性汚泥又は有機性排水を含む処理対象物の処理方法及び処理装置
11日前
一般財団法人畜産環境整備機構
脱窒処理装置および注水装置
18日前
株式会社レックEM益子
浄化モジュール台座、浄化モジュールおよび浄化モジュールの配設方法
21日前
株式会社神鋼環境ソリューション
メタン発酵処理装置、およびメタン発酵処理装置の運転方法
21日前
国立大学法人京都大学
排水処理装置、排水処理方法及びプログラム
11日前
続きを見る