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公開番号2024125472
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-19
出願番号2023033304
出願日2023-03-06
発明の名称スクリュープレスにおけるスクリュー軸トルク一定制御方法
出願人株式会社石垣
代理人
主分類C02F 11/125 20190101AFI20240911BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】 スクリュープレスの運転制御方法に関し、スクリュー軸のトルクを所定の範囲内となるようろ過室内へのエアブロー、脱水助材、および凝集剤の薬注率を制御するスクリュープレスにおけるスクリュー軸トルク一定制御方法を提供する。
【解決手段】 スクリュープレスのスクリュー軸のトルクをリアルタイムに計測し、計測したトルクに応じて脱水助材、エアブロー、薬注率の順に増加、あるいは薬注率、エアブロー、脱水助材の順に減少させることで、固定費の高い凝集剤の使用量およびランニングコストの高い高圧空気の使用量を優先的に抑えつつ、スクリュープレスの安定運転を継続させることができる。
【選択図】 図3
特許請求の範囲【請求項1】
原液汚泥に脱水助材と凝集剤を添加した調質汚泥を外筒スクリーン(5)の始端部に圧入供給し、回転するスクリュー軸(7)で外筒スクリーン(5)の後端側に搬送しながら外筒スクリーン(5)からろ液を分離するとともに、スクリュー軸(7)に設けた多数の微細孔(16)から圧縮空気をろ過室の脱水ケーキに供給するスクリュープレスのスクリュー軸トルク一定制御方法において、
予め幅を持たせたスクリュー軸(7)の基準トルク(T0)と、
脱水助材の基準供給量(A0)と、基準供給量の最大値である最大供給量(Amax),基準供給量の最小値である最小供給量(Amin),段階的に増減させる供給量幅(a)と、
圧縮空気の基準供給量(B0)と、基準供給量の最大値である最大供給量(Bmax),基準供給量の最小値である最小供給量(Bmin),段階的に増減させる供給量幅(b)と、
凝集剤の基準供給量(C0)と、基準供給量の最大値である最大供給量(Cmax),基準供給量の最小値である最小供給量(Cmin),段階的に増減させる供給量幅(c)と、
を設定して、
スクリュー軸(7)のトルク(T)を測定し、
トルクの計測値(T)が基準トルク(T0)の範囲内の時は、スクリュープレスの運転を継続し、
トルクの計測値(T)が予め設定した基準トルク(T0)より低い場合、脱水助材の供給量を供給量幅(a)だけ増加させ、スクリュー軸(7)のトルクが基準トルク(T0)の範囲内に上昇するまでこの操作を繰り返し、
脱水助材が最大供給量(Amax)となった時は、圧縮空気の供給量を供給量幅(b)だけ増加させ、スクリュー軸(7)のトルクが基準トルク(T0)の範囲内に上昇するまでこの操作を繰り返し、
圧縮空気が最大供給量(Bmax)となった時は、凝集剤の供給量を供給量幅(c)だけ増加させ、スクリュー軸(7)のトルクが基準トルク(T0)の範囲内に上昇するまでこの操作を繰り返すと共に、
トルクの計測値(T)が予め設定した基準トルク(T0)より高い場合、凝集剤の供給量を供給量幅(c)だけ減少させ、スクリュー軸(7)のトルクが基準トルク(T0)の範囲内に下降するまでこの操作を繰り返し、
凝集剤が最小供給量(Cmin)となった時は、圧縮空気の供給量を供給量幅(b)だけ減少させ、スクリュー軸(7)のトルクが基準トルク(T0)の範囲内に下降するまでこの操作を繰り返し、
圧縮空気が最小供給量(Bmin)となった時は、脱水助材の供給量を供給量幅(a)だけ減少させ、スクリュー軸(7)のトルクが基準トルク(T0)の範囲内に下降するまでこの操作を繰り返す
ことを特徴とするスクリュープレスにおけるスクリュー軸トルク一定制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリュープレスの運転制御方法に関し、特に、外筒スクリーンの終端側から排出される脱水ケーキの含水率を一定にするために、ろ過室内へのエアブロー、脱水助材、および凝集剤の薬注率を調整してスクリュー軸のトルクを所定の範囲内に制御するスクリュープレスにおけるスクリュー軸トルク一定制御方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、下水、し尿、あるいは食品生産加工排水等の有機性汚泥を濃縮・脱水するスクリュープレスは一般に知られている。スクリュープレスは連続的に汚泥を濃縮・脱水する装置である。汚泥は季節・時間・天候等に応じて性状が変動するため、スクリュープレスにて安定的な性能維持のために、スクリュー軸の回転数、圧入圧力、凝集剤供給量等の制御方法を必要とする。
【0003】
特に、脱水ケーキの含水率と密接な関係のあるスクリュー軸トルクの指標に応じて制御を行う方法も公知であり、例えば、スクリュー軸のトルクを所定の範囲内となるよう圧入圧力と凝集剤の薬注率を制御するスクリュープレスにおけるスクリュー軸トルク一定制御方法は特許文献1に記載されている。
【0004】
また、脱水助剤(バイオマス)の添加量を増減させて凝集剤の使用量を削減するスクリュープレスの制御方法は特許文献2に記載されている。
【0005】
スクリュープレスの構造において、中空スクリュー軸に設けた多数の微細孔から圧縮空気をろ過室に送り、ケーキの水分を短時間に外部に排出するスクリュープレスは特許文献3に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第6489444号公報
特許第5835088号公報
特開昭57-4398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
スクリュープレスで濃縮・脱水する下水、し尿、あるいは食品生産加工排水等の有機性汚泥は、季節や天候、時間等で刻々と性状が変動している。この変動に応じてスクリュープレスの運転あるいは汚泥の調質に対して様々な制御が行われていた。
先行文献1に記載のように、凝集剤の薬注率を調整する方法は公知であり、運転制御に多量の高価な凝集剤を使用することによるコストアップを抑制するため、先行文献2のように脱水助剤(バイオマス)の供給量制御を組み合わせることで凝集剤の使用量を低減できる。しかし、多量の脱水助剤(バイオマス)を供給するため排出するケーキ量が増加し、後段設備の負荷が上昇するという懸念があった。
【0008】
また、ろ過室内の脱水ケーキに圧縮空気を送って水分を除去する技術は、固形物の圧縮性が低く粒子が粗い無機系スラリーには有効であるが、圧縮性が高い有機系スラリーには効果が低い。
【0009】
本発明は、流入する下水汚泥の性状変動に対応し、スクリュー軸のトルクを所定の範囲内となるようろ過室内へのエアブロー、脱水助材、および凝集剤の薬注率を制御するスクリュープレスにおけるスクリュー軸トルク一定制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、原液汚泥に脱水助材と凝集剤を添加した調質汚泥を外筒スクリーンの始端部に圧入供給し、回転するスクリュー軸で外筒スクリーンの後端側に搬送しながら外筒スクリーンからろ液を分離するとともに、スクリュー軸に設けた多数の微細孔から圧縮空気をろ過室の脱水ケーキに供給するスクリュープレスのスクリュー軸トルク一定制御方法において、予め幅を持たせたスクリュー軸の基準トルクと、脱水助材の基準供給量と、基準供給量の最大値である最大供給量,基準供給量の最小値である最小供給量,段階的に増減させる供給量幅と、圧縮空気の基準供給量と、基準供給量の最大値である最大供給量,基準供給量の最小値である最小供給量),段階的に増減させる供給量幅と、凝集剤の基準供給量と、基準供給量の最大値である最大供給量,基準供給量の最小値である最小供給量,段階的に増減させる供給量幅と、を設定して、スクリュー軸のトルクを測定し、トルクの計測値が基準トルクの範囲内の時は、スクリュープレスの運転を継続し、トルクの計測値が予め設定した基準トルクより低い場合、脱水助材の供給量を供給量幅だけ増加させ、スクリュー軸のトルクが基準トルクの範囲内に上昇するまでこの操作を繰り返し、脱水助材が最大供給量となった時は、圧縮空気の供給量を供給量幅だけ増加させ、スクリュー軸のトルクが基準トルクの範囲内に上昇するまでこの操作を繰り返し、圧縮空気が最大供給量となった時は、凝集剤の供給量を供給量幅だけ増加させ、スクリュー軸のトルクが基準トルクの範囲内に上昇するまでこの操作を繰り返すと共に、トルクの計測値が予め設定した基準トルクより高い場合、凝集剤の供給量を供給量幅だけ減少させ、スクリュー軸のトルクが基準トルクの範囲内に下降するまでこの操作を繰り返し、凝集剤が最小供給量となった時は、圧縮空気の供給量を供給量幅だけ減少させ、スクリュー軸のトルクが基準トルクの範囲内に下降するまでこの操作を繰り返し、圧縮空気が最小供給量となった時は、脱水助材の供給量を供給量幅だけ減少させ、スクリュー軸のトルクが基準トルクの範囲内に下降するまでこの操作を繰り返すもので、スクリュー軸のトルクを一定に制御して汚泥の性状変動に対して安定した脱水ケーキを排出できるとともに、費用面で運転管理に貢献できる。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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