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公開番号
2024123314
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-12
出願番号
2023030617
出願日
2023-03-01
発明の名称
炭素固定化装置及び炭素固定化方法
出願人
株式会社石垣
代理人
主分類
A01G
33/00 20060101AFI20240905BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約
【課題】水中に揺動可能に設置した繊維状担体に担持される光合成生物を用いて二酸化炭素を吸収・固定化する炭素固定化装置及び炭素固定化方法を提供する。
【解決手段】
水中に揺動自在に設置され、光合成生物を担持する繊維状担体18において、鉛直方向に延出した連結板2Aから水平方向に延出し複数の繊維状担体18を垂下する保持板9と、鉛直方向に延出した連結板2A~2Dを連結し吊設された繊維状担体18の周囲を囲う四角筒体3と、連結板2Aと対向する連結板2Cから所定の間隔をあけて配置し四角筒体3内部を区切る仕切板5と、四角筒体3と連結し水面を浮遊可能な浮体部4と、浮体部4に載置した太陽光発電システム13と、仕切板5と連結板2Cとの間に形成された循環路19の下方に設けた散気部10と、を備えることで、繊維状担体18に担持される光合成生物によって効率的に二酸化炭素を吸収・固定化できる。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
水中に揺動自在に設置され、光合成生物を担持する繊維状担体(18)において、
鉛直方向に延出した連結板(2A)から水平方向に延出し複数の繊維状担体(18)を垂下する保持板(9)と、
鉛直方向に延出した連結板(2A~2D)を連結し吊設された繊維状担体(18)の周囲を囲う四角筒体(3)と、
連結板(2A)と対向する連結板(2C)から所定の間隔をあけて配置し四角筒体(3)内部を区切る仕切板(5)と、
四角筒体(3)と連結し水面を浮遊可能な浮体部(4)と、
浮体部(4)に載置した太陽光発電システム(13)と、
仕切板(5)と連結板(2C)との間に形成された循環路(19)の下方に設けた散気部(10)と、
を備える
ことを特徴とする炭素固定化装置。
続きを表示(約 580 文字)
【請求項2】
前記繊維状担体(18)は、生分解性繊維を成形した束状の芯材(15)及び側材(16)からなり、捻り合わせた2本の芯材(16)の間に側材(15)を挟み込んで構成するとともに、網状部材で形成した保持板(9)の網目の交差部(14)から垂下させた
ことを特徴とする請求項1に記載の炭素固定化装置。
【請求項3】
前記四角筒体(3)は、透光性を有する樹脂製部材で形成し、
周面に設けた浮体部(4)にて浮遊可能に構成した
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の炭素固定化装置。
【請求項4】
水中に揺動自在に設置され、光合成生物を担持する繊維状担体(18)において、
鉛直方向に延出した連結板(2A~2D)で複数の繊維状担体(18)の周囲を囲う四角筒体(3)を任意の海域に設置し、
連結板(2A)に対向する連結板(2C)から所定の間隔をあけて配置され四角筒体(3)内部を区切る仕切板(5)との間に形成される循環路(19)下方に設置した散気部(10)より圧縮空気を上方に向けて供給し、
仕切板(5)の周囲を循環する循環流を発生させて連結板(2A)から仕切板(5)に向かって延出する保持板(9)に垂下した繊維状担体(18)を揺動させる
ことを特徴とする炭素固定化方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中に生息する光合成生物を担持する繊維状担体からなる炭素固定化装置及び炭素固定化方法に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、海草藻場、海藻藻場等の沿岸浅海域等で生息する藻類が光合成によって二酸化炭素を吸収し、吸収した二酸化炭素を有機物として貯留することは知られている。藻類に取り込まれた炭素はブルーカーボンと呼ばれ、注目を集めている。特に、海草藻場であるアマモ場に群生するアマモは、ブルーカーボンを貯留する藻類として注目されており、各地でアマモ場を増やす取り組みも行われている。
【0003】
特許文献1には、炭素繊維を成形した人工海草を用いて人工藻場を構成し、人工藻場に水中の微生物を定着させる技術が開示してある。
【0004】
特許文献2には、樹脂製内管の外周に設けた繊維製外管及び繊維製外管の外側に設けた線状繊維に藻類や微生物を付着させる水質改善用構造体が開示してある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第3080567号公報
特許第5408837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、アマモ場には稚魚や稚貝、小動物等が生息しており、海洋生態系を支える場所となっている。アマモは窒素やリン等の栄養塩類を吸収して生育することから、海域の水質浄化機能も有しており、海域で生息する生物にとって重要な存在となっている。しかし、経済発展に伴う沿岸域の埋め立てや水質の悪化等によってアマモは著しく減少しており、保全及び再生が急がれている。アマモの減少に伴い、ブルーカーボンを安定的に得ることができないことから、天然のアマモの代わりに人工物でアマモをつくり、代用できないか検討されていた。
【0007】
特許文献1は、小生物や魚類の生息場所を確保するために、炭素繊維を用いて人工藻場を形成する技術であり、ブルーカーボンの吸収・固定化を目的として人工藻場を設置する技術ではない。
【0008】
特許文献2は、水質改善用構造体に付着する水中生物に水中のリンなどの栄養分を消費させて水質を改善することを目的とした技術であり、水質改善用構造体をブルーカーボンの吸収・固定化に用いる等の示唆及び記載はない。
【0009】
本発明は、海水中で揺動可能な繊維状担体に付着する光合成生物にブルーカーボンを吸収・固定化させることを目的とした炭素固定化装置及び炭素固定化方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
水中に揺動自在に設置され、光合成生物を担持する繊維状担体において、鉛直方向に延出した連結板Aから水平方向に延出し複数の繊維状担体を垂下する保持板と、鉛直方向に延出した連結板A、B、C、Dを連結し吊設された繊維状担体の周囲を囲う四角筒体と、連結板Aと対向する連結板Cから所定の間隔をあけて配置し四角筒体内部を区切る仕切板と、四角筒体と連結し水面を浮遊可能な浮体部と、浮体部に載置した太陽光発電システムと、仕切板と連結板Cとの間に形成された循環路の下方に設けた散気部と、を備えることで、炭素を安定的に吸収・固定化できるとともに装置を一体的に移動させることができる。
(【0011】以降は省略されています)
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