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公開番号2024083401
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-21
出願番号2024056673,2023072109
出願日2024-03-29,2018-10-12
発明の名称非破壊検査方法と装置
出願人国立研究開発法人理化学研究所
代理人個人,個人
主分類G01N 23/22 20180101AFI20240614BHJP(測定;試験)
要約【課題】検査対象物を破壊することなく、検査対象物内に存在する対象成分の深さ、および、その濃度を評価できる技術を提供する。
【解決手段】非破壊検査装置20は、検査対象物1に中性子線を入射し、中性子線により発生したガンマ線のうち検査対象物1内の対象成分に由来の特定ガンマ線を検出し、検出結果に基づいて対象成分が存在する深さを検出する。非破壊検査装置20は、検査対象物1の表面1aへパルス中性子線を照射する中性子源3と、検査対象物1へのパルス中性子線の入射により生じた特定ガンマ線を検出するガンマ線検出装置5と、基準時点に対する、特定ガンマ線を検出した時点を特定する時点特定部15とを備える。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
高速中性子を含むパルス中性子線を、鉄筋を内部に含むコンクリート構造物に入射し、前記パルス中性子線に基づいて発生した特定ガンマ線を検出及び同定し、当該検出の結果に基づいて、前記コンクリート構造物内において前記鉄筋の腐食を引き起こす塩分としての塩素Clの存在深さを導出するための非破壊検査装置であって、
前記コンクリート構造物の表面へ前記パルス中性子線を照射する中性子源と、
前記パルス中性子線が前記コンクリート構造物内の前記塩素Clと反応することにより発生した前記特定ガンマ線を検出するガンマ線検出装置と、
基準時点に対する、前記特定ガンマ線を検出した時点を特定する時点特定部と、
前記コンクリート構造物において前記塩素Clが存在する深さと、前記コンクリート構造物に前記高速中性子を入射させた場合に前記特定ガンマ線が検出される時点との関係を表わす高速中性子用の深さデータを記憶する深さデータ記憶部と、
前記高速中性子用の深さデータと、前記時点特定部が特定した時点とに基づいて、前記塩素Clが存在する深さを求める深さ検出部と、を備える、非破壊検査装置。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記中性子源は、熱中性子と高速中性子のうち高速中性子のみをコンクリート構造物に照射する、請求項1に記載の非破壊検査装置。
【請求項3】
前記中性子源は、熱中性子と高速中性子を前記コンクリート構造物に照射し、
前記深さデータ記憶部は、前記コンクリート構造物において前記塩素Clが存在する深さと、前記コンクリート構造物に前記熱中性子を入射させた場合に前記特定ガンマ線が検出される時点との関係を表わす熱中性子用の深さデータを記憶し、
前記深さ検出部は、前記時点特定部が特定した前記時点のうちの先の時点と前記高速中性子用の深さデータとに基づいて、前記塩素Clが存在する深さを求め、前記時点特定部が特定した前記時点のうちの後の時点と前記熱中性子用の深さデータとに基づいて、前記塩素Clが存在する深さを求める、請求項1に記載の非破壊検査装置。
【請求項4】
前記コンクリート構造物における各深さについて、前記特定ガンマ線の検出強度と前記塩素Clの濃度との関係を表わす濃度データを記憶する濃度データ記憶部と、
求めた深さと、前記濃度データ記憶部に記憶されている濃度データと、前記特定ガンマ線の検出強度とに基づいて、当該深さでの前記塩素Clの濃度を求める濃度評価部とを備える、請求項2に記載の非破壊検査装置。
【請求項5】
高速中性子を含むパルス中性子線を、鉄筋を内部に含むコンクリート構造物に入射し、前記パルス中性子線に基づいて発生した特定ガンマ線を検出及び同定し、当該検出の結果に基づいて、前記コンクリート構造物内において前記鉄筋の腐食を引き起こす塩分としての塩素Clの存在深さを導出するための非破壊検査方法であって、
前記コンクリート構造物の表面へ前記パルス中性子線を照射する照射工程と、
前記パルス中性子線が前記コンクリート構造物内の前記塩素Clと反応することにより発生した前記特定ガンマ線を検出するガンマ線検出工程と、
基準時点に対する、前記特定ガンマ線を検出した時点を特定する時点特定工程と、
前記コンクリート構造物において前記塩素Clが存在する深さと、前記コンクリート構造物に前記高速中性子を入射させた場合に前記特定ガンマ線が検出される時点との関係を表わす高速中性子用の深さデータと、前記時点特定工程で特定された時点に基づいて、前記塩素Clが存在する深さを求める深さ検出工程と、を有する、非破壊検査方法。
【請求項6】
前記照射工程では、熱中性子と高速中性子のうち高速中性子のみを前記コンクリート構造物に照射する、請求項5に記載の非破壊検査方法。
【請求項7】
前記照射工程では、熱中性子と高速中性子を前記コンクリート構造物に照射し、
前記コンクリート構造物において前記塩素Clが存在する深さと、前記コンクリート構造物に前記熱中性子を入射させた場合に前記特定ガンマ線が検出される時点との関係を表わす熱中性子用の深さデータと、前記高速中性子用の深さデータを予め求め、
前記深さ検出工程では、前記時点特定工程で特定した前記時点のうちの先の時点と前記高速中性子用の深さデータとに基づいて、前記塩素Cl分が存在する深さを求め、前記時点特定工程で特定した前記時点のうちの後の時点と前記熱中性子用の深さデータとに基づいて、前記塩素Clが存在する深さを求める、請求項6に記載の非破壊検査方法。
【請求項8】
前記コンクリート構造物における各深さについて前記特定ガンマ線の検出強度と前記塩素Clの濃度との関係を表す濃度データと、求めた深さと、前記特定ガンマ線の検出強度とに基づいて前記塩素Clの濃度を求める濃度評価工程を有する、請求項6に記載の非破壊検査方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、検査対象物内において対象成分が存在する位置の深さ、および、その深さにおける対象成分の濃度を非破壊的に求めるための非破壊検査方法と装置に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
道路や橋梁などのインフラストラクチャー構造物(インフラ構造物という)の劣化要因のひとつに塩害がある。例えば、沿岸からの海風に含まれる塩分や、寒冷地や山間部で散布される凍結防止剤に含まれる塩分が、例えばインフラ構造物であるコンクリート構造物に浸透し、コンクリート構造物内の鉄筋の周囲において、塩化物イオン濃度(以下、塩分濃度)が限界値(1.2~2.5kg/m

の範囲内の値)を超えると、鉄筋の腐食が始まり、進行する事でコンクリート構造物が劣化してしまう。
【0003】
コンクリート構造物を安全に維持するために、コンクリート構造物の劣化状態を把握する検査が行われている。従来の検査では、コンクリート構造物の一箇所において、表面から鉄筋付近までのコンクリート(コアという)を削り出し、削り出したコアに対して蛍光X線分析、電子線マイクロアナライザ分析、電位差滴定法などを行うことにより、塩分濃度を測定する。これにより、コンクリート構造物の表面から鉄筋付近の深さまでの各位置での塩分濃度を測定し、コンクリート構造物の劣化状況を把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2004-125570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、コアを採取し、その塩分濃度を測定するには、次の問題(1)~(3)がある。(1)コンクリート構造物の一部を破壊してコアを採取するので、コア採取の箇所が制限される。(2)コアの採取や測定の前処理に時間がかかる。(3)コンクリート構造物における一箇所から採取したコアに対して塩分濃度を測定した後、同じ箇所について塩分濃度を再び測定できない。したがって、同じ個所の劣化状況の経年変化を把握できない。
【0006】
なお、特許文献1には、電磁波を用いてコンクリート内の塩分濃度を求める技術が記載されているが、塩分が存在する位置の深さを求めることは開示されていない。
【0007】
したがって、検査対象物内に存在する対象成分(例えば塩分)の位置の深さを非破壊的に検出できる技術が望まれる。
【0008】
そこで、本発明の目的は、検査対象物を破壊することなく、検査対象物内に存在する対象成分の深さを検出できる技術、および、その深さにおける対象成分の濃度評価ができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの態様による非破壊検査方法では、
(A)検査対象物に中性子線を入射し、
(B)前記中性子線により発生したガンマ線のうち、検査対象物内の対象成分に由来の特定ガンマ線を検出し、
(C)当該検出の結果に基づいて対象成分が存在する深さを示す指標値を生成し、
前記(B)において、エネルギーが異なる複数種類の特定ガンマ線の強度を、検出強度としてそれぞれ検出し、
前記(C)において、複数種類の特定ガンマ線の前記検出強度同士の比率を前記指標値として求める。
【0010】
また、本発明の1つの態様による非破壊検査装置は、検査対象物に中性子線を入射し、前記中性子線により発生したガンマ線のうち検査対象物内の対象成分に由来の特定ガンマ線を検出及び同定し、当該検出の結果に基づいて対象成分が存在する深さを導出するための装置であって、
検査対象物の表面へ中性子線を照射する中性子源と、
エネルギーが異なる複数種類の特定ガンマ線の強度を、検出強度としてそれぞれ検出するガンマ線検出装置と、
複数種類の特定ガンマ線の前記検出強度同士の比率を求める比率算出部とを備える。
(【0011】以降は省略されています)

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