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公開番号2024086011
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-27
出願番号2022200856
出願日2022-12-16
発明の名称推定装置
出願人マレリ株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類G01R 31/367 20190101AFI20240620BHJP(測定;試験)
要約【課題】SOCの推定精度を向上させる。
【解決手段】実効抵抗推定部2は、バッテリ50を流れる電流i(k)と、バッテリ50の端子電圧v(k)の測定値を用いて、バッテリ50への電流のステップ入力開始から所定時間(x秒)が経過するまでの過電圧変化に相当する実効抵抗R(k)を推定する。過電圧推定部3は、実効抵抗R(k)を用いて、バッテリ50の等価回路モデルを構成するパラメータ(回路定数)を求めることで、バッテリ50の過電圧η(k)を推定する。SOC推定部4は、過電圧η(k)から求められるバッテリ50の開回路電圧OCV(k)と、SOCとの関係を示すSOC-OCV特性に基づいて、バッテリ50のSOC(k)を推定する。実効抵抗推定部2は、所定時間(x秒)が異なる複数の実効抵抗R(k)を推定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
バッテリの充電率を推定する推定装置であって、
前記バッテリを流れる電流と、前記バッテリの端子電圧の測定値を用いて、前記バッテリへの電流のステップ入力開始から所定時間が経過するまでの過電圧変化に相当する実効抵抗を推定する実効抵抗推定部と、
前記実効抵抗を用いて、前記バッテリの等価回路モデルを構成する回路定数を求めることで、前記バッテリの過電圧を推定する過電圧推定部と、
前記過電圧から求められる前記バッテリの開回路電圧と、前記充電率との関係を示すSOC-OCV特性に基づいて、前記バッテリの充電率を推定する充電率推定部と、を備え、
前記実効抵抗推定部は、前記所定時間が異なる複数の実効抵抗を推定する、推定装置。
続きを表示(約 680 文字)【請求項2】
前記実効抵抗推定部は、前記電流と前記端子電圧の測定値を用いて、μ-マルコフモデルにより前記バッテリのシステムを同定し、前記バッテリのシステムに基づいて、前記実効抵抗を推定する、請求項1記載の推定装置。
【請求項3】
前記実効抵抗推定部は、前記所定時間が異なる複数の実効抵抗として、
前記電流のステップ入力開始から、前記過電圧変化の収束時刻までの第1の実効抵抗と、
前記電流のステップ入力開始から、前記収束時刻より前の中間時刻までの第2の実効抵抗と、を推定する、請求項1記載の推定装置。
【請求項4】
前記実効抵抗推定部は、前記所定時間が異なる複数の実効抵抗として、前記第1の実効抵抗および前記第2の実効抵抗に加えて、前記電流のステップ入力開始から直後の時刻までの第3の実効抵抗を推定し、
前記バッテリの等価回路モデルは、抵抗とワールブルグインピーダンスとを直列に接続したものであり、
前記過電圧推定部は、
前記第3の実効抵抗を、前記バッテリの等価回路モデルにおける、前記抵抗の値とし、
前記第1の実効抵抗と前記第3の実効抵抗の差を、前記ワールブルグインピーダンスの拡散抵抗とし、
前記第2の実効抵抗と前記第3の実効抵抗の差と、前記拡散抵抗に基づいて、前記ワールブルグインピーダンスの拡散容量を求め、
前記抵抗の値とワールブルグインピーダンスの拡散抵抗および拡散容量とを用いて、前記過電圧を算出する、請求項1~3のいずれか一項に記載の推定装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、推定装置に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
バッテリは、例えば、モータ等の車両の駆動源に電力を供給するため用いられる。バッテリの充電制御や車両の運転制御に際して、電池の内部状態、例えば充電率(SOC:State of Charge)を推定することが求められる。
SOCの推定には様々な手法がある。一例として、特許文献1では、測定可能なバッテリの端子電圧と電流の時系列データを入力とし、カルマンフィルタ等を用いて、バッテリの等価回路モデルのパラメータを推定する。特許文献1では、同定されたパラメータに基づいて、バッテリの開回路電圧を算出し、SOC-OCV特性に基づいて、SOCを推定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2013/111231号公報
特許第6737490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
等価回路モデルのパラメータの推定精度と演算負荷は、トレードオフの関係にある。例えば、カルマンフィルタとして、無香料カルマンフィルタ(UKF: Unscented Kalman Filter)を用いた場合、一般的な線形カルマンフィルタと比較してパラメータの推定精度を向上することができるが、演算負荷も高くなる傾向がある。演算負荷を低減するために、一部のパラメータについては、予め試験やシミュレーション等を行って設定した値を用いることがある。しかしながら、バッテリの個体差や車両の走行状況等に応じて、実際のパラメータが設定値に対してバラつきが生じることがあり、推定精度に影響を与える可能性がある。
推定装置において、SOCの推定精度を向上させることが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、
バッテリの充電率を推定する推定装置であって、
前記バッテリを流れる電流と、前記バッテリの端子電圧の測定値を用いて、前記バッテリへの電流のステップ入力開始から所定時間が経過するまでの過電圧変化に相当する実効抵抗を推定する実効抵抗推定部と、
前記実効抵抗を用いて、前記バッテリの等価回路モデルを構成する回路定数を求めることで、前記バッテリの過電圧を推定する過電圧推定部と、
前記過電圧から求められる前記バッテリの開回路電圧と、前記充電率との関係を示すSOC-OCV特性に基づいて、前記バッテリの充電率を推定する充電率推定部と、を備え、
前記実効抵抗推定部は、前記所定時間が異なる複数の実効抵抗を推定する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、SOCの推定精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の実施形態に係る推定装置の構成を示すブロック図である。
実効抵抗を説明する図である。
バッテリの等価回路モデルを示す図である。
バッテリのパラメータと実効抵抗の関係を説明する図である。
拡散抵抗と拡散容量の関係を示すマップである。
過電圧推定部およびSOC推定部の構成を示す図である。
本実施形態における推定装置の処理を示すフローチャートである。
数値シミュレーションにおける電流パターンを示す図である。
図8に示す電流パターンから得られる実効抵抗の推定結果を示す図であり、(a)は0.2秒実効抵抗、(b)は5秒実効抵抗、(c)は200秒実効抵抗を示す。
図9の実効抵抗を用いた推定結果を示す図である。(a)は拡散抵抗、(b)は拡散容量、(c)は過電圧を示す。
SOCの推定結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態に係る推定装置を、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る推定装置1の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、推定装置1は、電気自動車またはハイブリッド電気自動車等の車両に設けられたバッテリ50の内部状態を推定するものである。推定装置1は、バッテリ50の内部状態として、充電率(SOC:State of Charge)を推定する。
バッテリ50には、電圧センサ60および電流センサ70が接続されている。バッテリ50は、充電可能な二次電池であり、例えばリチウムイオンバッテリを用いることができるが、他の種類のバッテリであっても良い。バッテリ50は、車両に設けられている。バッテリ50は放電することにより、車両を駆動する電気モータへ電力を供給する。また、車両の制動時には、電気モータからの回生エネルギーにより充電される。バッテリ50はまた、急速充電器や家庭用コンセント等の外部の充電設備によっても充電される。
【0009】
電圧センサ60はバッテリ50の端子電圧(terminal voltage)を測定する。電流センサ70はバッテリ50を流れる電流を測定する。電圧センサ60および電流センサ70は、例えば、車両のイグニッションONからイグニッションOFFまでの間、所定のサンプリング周期で端子電圧および電流の測定を行う。推定装置1は、電圧センサ60および電流センサ70に有線または無線により接続され、それぞれが測定した端子電圧および電流の測定値が、順次入力される。
【0010】
推定装置1は、例えば、車両に設けられたECU(Electronic Control Unit)から構成することができる。
ECUは、図示は省略するが、CPU等のプロセッサと、ROMおよびRAM等のメモリから構成される。メモリには、推定装置1で実行される各種プログラムが格納されており、プロセッサがプログラムを実行することで、図1に示す機能構成が実現される。メモリには、また、推定装置1が行う処理に必要なデータが格納され、さらに推定装置1の処理結果が一時的に記憶される。
詳細な説明は省略するが、ECUは、例えば、SOCの推定処理に加えて、SOCに基づいたバッテリ50の充放電制御および車両の運転制御を行っても良い。あるいは、ECUは推定したSOCを外部に出力し、外部の制御装置においてSOCを用いた処理を行っても良い。
あるいは、推定装置1は、車両の外部に設けられたコンピューターとしても良い。この場合、車両外部の推定装置1は、例えば、車両に設けられたECUと通信を行って電圧センサ60および電流センサ70の測定値を取得しても良い。
(【0011】以降は省略されています)

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