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公開番号2024080718
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-17
出願番号2022193881
出願日2022-12-05
発明の名称対象物の表面を検査する装置
出願人三星電子株式会社,Samsung Electronics Co.,Ltd.
代理人個人
主分類H01L 21/66 20060101AFI20240610BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】対象物内での2次高調波発生を利用した半導体検査において、微弱な2次高調波を高感度で検出する。
【解決手段】半導体デバイスが表面に形成された対象物に、パルス幅の非常に短いパルスレーザを照射し、半導体デバイス内で発生した2次高調波を計測する半導体検査装置において、光源から対象物までの間に2次高調波発生素子を配置して、第1の2次高調波を発生させ、さらに電気光学結晶を用いて第1の2次高調波のみを位相変調させた後に対象物上に基本波が照射される。対象物上の半導体デバイスに基本波が照射されると、第2の2次高調波が発生する。第1の2次高調波は第2の2次高調波と検出器上で干渉し、干渉光は第1の2次高調波の位相変調と同じ周期で強度変調される。その変調振幅から第2の2次高調波の振幅を求め、変調位相から第2の2次高調波の位相を計測することができる。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
所定の波長のパルスレーザ光を出射する光源と、
前記パルスレーザ光の第1の2次高調波を発生する2次高調波発生素子と、
前記第1の2次高調波を所定の周波数で位相変調させる位相変調素子と、
前記パルスレーザ光が照射されることにより第2の2次高調波を発生する対象物と、
前記対象物の表面の所定の位置に前記パルスレーザ光を照射する照明光学系と、
前記第1の2次高調波と前記第2の2次高調波を同軸にして検出器に入射させる受光光学系と、
前記第1の2次高調波と前記第2の2次高調波を受光して電気信号に変換する前記検出器と、を備え、
強度変調した電気信号強度の振幅から前記第2の2次高調波の強度を求める対象物の表面を検査する装置。
続きを表示(約 830 文字)【請求項2】
前記検出器の前に偏光子が配置され、
前記偏光子は、前記第1の2次高調波と前記第2の2次高調波の偏光状態を一致させる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記光源から前記検出器まで前記パルスレーザ光と前記パルスレーザ光を用いて発生させられる前記第1の2次高調波が通過する光学的距離と、前記光源から前記検出器まで前記パルスレーザ光と前記パルスレーザ光を用いて発生させられる前記第2の2次高調波が通過する光学的距離は、等しい、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記パルスレーザ光はパルス幅が1ピコ秒以下である、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記電気信号は、前記検出器により位相変調素子の変調周波数でロックイン検出する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記パルスレーザ光が前記対象物の表面で焦点を結ぶように前記照明光学系に集光光学素子が配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記対象物は製造工程中の半導体素子である、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記検出器と前記対象物との間に前記所定の波長のパルスレーザ光を除去するショートパスフィルタが配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記2次高調波発生素子は、直線偏光をもつ前記第1の2次高調波を発生させるタイプIの位相整合条件を満たす非線形光学結晶であり、
前記位相変調素子は、前記第1の2次高調波のみ位相を変調させるよう配置された電気光学素子(EOM)である、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記2次高調波発生素子と前記位相変調素子は、前記照明光学系に配置され、前記第1の2次高調波は、前記対象物の表面上で反射される、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイス製造において、半導体表面の汚染の計測と半導体内部のドーパントの量や内部歪などを計測するために、半導体デバイスにパルスレーザを照射して、半導体表面や境界面付近で発生した2次高調波を計測する技術に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
半導体デバイス製造の現場において、20年ほど前までは回路パターンの微細化が唯一の進化軸であり、駆動速度の向上や消費電力低減に加え低コスト化も微細化により同時に実現することができた。しかし微細化の技術的な困難度が高まり、デバイスの3次元構造化に加えて、High-K/Low-Kなどの新材料の導入、歪の意図的な付加による電子移動度の向上など、物性をコントロールすることによる性能向上の寄与が近年特に高まっている。これらの要因により、研究開発でのプロセス構築と量産時の歩留まり向上の両面において、高精度かつ高スループットの物性計測が必要不可欠になってきている。例を挙げるとイオン注入プロセスにおけるドーパントの量や空間的分布、アニール後の再活性化状態、SiGeの選択的エピタキシャル成長工程における内部歪量などの計測がある。
【0003】
しかし、これらは物理的な計測装置であるOCD(Optical Critical Dimension)やCD-SEM(Critical Dimension-Scanning Electron Microscope)等では評価することが不可能で、蛍光X線や質量分析等を用いた化学的計測方法では、精度はあるもののスループット面での対応が難しく、破壊検査となることもしばしばである。これに対して、別のアプローチである電気的特性検査としては、基本的な構成要素であるMOS(Metal-Oxide-Silicon)構造のトランジスタ検査があり、プローブを電気的に接続してC-V(Capacitance-Voltage)特性などの電気特性評価を行っている。これらは半導体デバイスの直接的な性能評価であり、LADA(Laser-Assisted Device Alteration)やOBIRCH(Optical Beam Induced Resistance CHange)などは、光を入射されることで、不良確認に加えて、不良に対するマージンや高抵抗のデバイス内の位置も特定することができる。
【0004】
ただし、全て接触式の計測であるため、配線層やパッドが形成された半導体後工程でなければ不可能な検査である。これらの電気的特性評価を半導体前工程において非接触で確認することができ、その結果から半導体内部に形成される空乏層や反転領域の広がり等を正確に解析できれば、イオン注入やアニールなどのプロセスに速やかにフィードバックが可能で、開発期間や製造サイクルタイムの短縮に非常に有効であるが、未だそのニーズを満たす確立した計測技術は存在しない。
【0005】
その可能性を持つ非接触の電気的特性の計測技術うちの一つが、計測対象の非線形光学特性による2次高調波発生を利用した検査である。非線形光学特性は、式(1)に示されるように感受率と電場の積で表され、2次高調波の強度から感受率が分かり、さらに感受率テンソルの各要素から物質内のバンド構造が求められる。シリコンなどの半導体基板として用いられる主な物質は、反転対称の結晶構造を持っており、バルク状態では通常2次高調波は発生しない。
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【0006】
しかしBloembergenらは、非特許文献1において、物質の境界面における対称性の破れによる2次高調波発生の理論的検討を行い、その後のパルスレーザの発展に伴って、定量的な実験的にも評価されるようになった。
【0007】
またGuidottiらは、非特許文献2において、反転対称構造をもつシリコン表面での2次高調波の発生を実験的に評価した。特許文献1では、半導体のプロセス装置内におけるプロセスの進行状況について、2次高調波を用いる計測手法の提案があり、特許文献2では、半導体基板表面の汚染物の存在を、複数波長の照明下で発生した2次高調波と和周波を観測することで評価する手法の提案があった。
【0008】
また特許文献3では、照明により発生した光電子によるスクリーニングと帯電により、2次高調波が時間的に変化する過程と、その計測結果を用いたバンド構造の解析手法が提案された。特許文献4では半導体検査装置において、基本波と2次高調波の両方を観測することで、基本波に対しては感度のない欠陥を検出する手法の提案があった。
【0009】
このように半導体製造において、いくつかの重要な技術的進展があったが、より実用性が高まったのは、特許文献5のViktor Koldiaevらによる、基本波とは別のUV(Ultra Violet)照明光で、スクリーニングと帯電を計測に先立って飽和させておき、2次高調波の計測は短時間で終わらせる技術の発明である。
【0010】
さらに技術を改善し、遅延機構で2次高調波の時間変化計測の分解能を高めた上で、ウェハホルダに電界付加機能を搭載し、ウェハに外部電界を印加する技術を提案した特許文献6が開示された。また、複数波長の基本波を用いて照明し、4波混合を含めた3次の非線形現象も計測できる構成とした特許文献7が開示された。また、ウェハで発生した2次高調波の偏光状態の解析も行い、歪や結晶化状態の影響と電気的特性の影響を切り分けて計測するための構成とした特許文献8が開示された。さらには実際の半導体製造工程を考慮して、計測のための実用的なテストパターン構造を提案した特許文献9が開示された。
(【0011】以降は省略されています)

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