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公開番号2024080395
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-13
出願番号2022193547
出願日2022-12-02
発明の名称満充電容量推定方法、および、制御装置
出願人トヨタ自動車株式会社,株式会社豊田自動織機
代理人弁理士法人深見特許事務所
主分類G01R 31/378 20190101AFI20240606BHJP(測定;試験)
要約【課題】バイポーラ型のLFP電池において、単位セルの満充電容量を効率的に求める。
【解決手段】ΔQ算出部81は、正極活物質層1としてリン酸鉄リチウムを用いた単位セル101~10Mを積層したバイポーラ型LFP電池において、単位セル10N(Nは、1~Mの整数)の充電中に、単位セル10Nの電圧が第1電圧Vb1から第2電圧Vb2まで上昇したときの容量増加量ΔQを算出する。満充電容量推定部83は、満充電容量Cfマップを用いて、容量増加量ΔQをパラメータとして、単位セル10Nの満充電容量Cfを求める。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
正極活物質としてリン酸鉄リチウムを用いた複数の単位セルが積層方向に積層されたバイポーラ型電池における、満充電容量推定方法であって、
前記バイポーラ型電池の充電中に、正極電位の上昇に起因して前記単位セルの電圧が上昇する所定領域において、前記単位セルの電圧が第1電圧から第2電圧まで上昇したときの容量増加量を用いて、前記単位セルの満充電容量を求める、満充電容量推定方法。
続きを表示(約 460 文字)【請求項2】
前記単位セルの電圧の上昇量に対する容量の増加量の割合をdQ/dVとしたとき、
前記所定領域は、SOCの0%から100%において、dQ/dV-電圧の曲線における第2極小値の電圧以上の領域である、請求項1に記載の満充電容量推定方法。
【請求項3】
前記充電は、0.1C以下のレートで行う、請求項2に記載の満充電容量推定方法。
【請求項4】
前記充電は、CC充電またはCCCV充電である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の満充電容量推定方法。
【請求項5】
正極活物質としてリン酸鉄リチウムを用いた複数の単位セルが積層方向に積層されたバイポーラ型電池の制御装置であって、
前記制御装置は、
請求項1または請求項2に記載の満充電容量推定方法によって、各単位セルの満充電容量を求める容量推定部と、
前記容量推定部で求めた各単位セルの満充電容量を用いて、前記単位セルを均等化する均等化制御部と、を備える制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、満充電容量推定方法、および、制御装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
特開2021-58071号公報(特許文献1)には、電池(二次電池)の充電終了後における電池電圧を用いて、定電流定電圧充電(CCCV(Constant Current Constant Voltage)充電)が実行されたことを判定し、電池の充電率(SOC(State Of Charge))を100%に設定することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-58071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
内部抵抗の低減や出力密度の向上等のため、バイポーラ型電池が提案されている。バイポーラ型電池は、たとえば、集電体と、集電体の一方の面に形成された正極と、集電体の他方の面に形成された負極とから構成されたバイポーラ電極を、セパレータを介して積層することによって形成されている。正極、セパレータ、および、負極からなる単位セル(単電池)において、製造時のバラツキ等に起因して単位セルの目付量(たとえば、正極、負極の密度)が異なる場合があり、単位セルの容量がばらつくことがある。
【0005】
バイポーラ型電池では、単位セルが積層され電気的に直列に接続されている。このため、単位セルが過充電にならないよう、容量(満充電容量)が小さい単位セルが満充電になったときに、バイポーラ型電池の充電を終了すると、容量の大きな単位セルは満充電にならない。正極活物質としてリン酸鉄リチウムを使用した、リン酸鉄リチウムイオン電池(LFP電池)では、OCV(Open Circuit Voltage)-SOC特性が、広い範囲でフラットな領域(電圧平坦領域)を示すことが知られている。図6は、LFP電池の特性を説明する図である。図6(A)は、LFP電池のOCV-SOC特性であり、SOCの変化に伴うOCVの変化が微小な領域(電圧平坦領域)が広く存在している。
【0006】
図6(B)は、容量の異なるLFP電池(単位セル)を満充電まで充電した場合の特性を示している。図6(B)において、横軸は、容量[Ah]であり、縦軸はLFP電池(単位セル)の電圧である。なお、充電方法は、CC(Constant Current)充電、あるいは、CCCV充電である。図6(B)において、破線は、満充電容量がC1の単位セルの特性であり、実線は、満充電容量がC2(>C1)の単位セルの特性を示している。バイポーラ型電池では、単位セルが過充電にならないよう、容量(満充電容量)がC1の単位セルが満充電になったときに充電を終了する。すると、容量がC2の単位セルの充電も終了するので、容量がC2の単位セルにおいて、一点鎖線で囲んだ範囲が未使用域になり、容量がC2の単位セルの電圧は、二点鎖線で示した異物溶解電位まで正極電位が上昇しない。特に、LFP電池では、三元系リチウムイオン電池に比較して、電池電圧が低いため、容量がC2の単位セルにおいて、異物溶解電位まで正極電位が上昇しないことが顕著に現れる。このため、容量がC2の単位セルにおいて、異物が溶解せず潜在的な短絡不良が生じる懸念がある。この潜在的な短絡不良の懸念を解消するためには、たとえば、すべての単位セルを満充電にする(異物溶解電位まで電圧を上昇させる)等の処理を行うことが考えられるが、そのためには、単位セルの容量(満充電容量)を効率的に求めることが望まれる。
【0007】
本開示の目的は、バイポーラ型のLFP電池において、単位セルの満充電容量を効率的に求めることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本開示の満充電容量推定方法は、正極活物質としてリン酸鉄リチウムを用いた複数の単位セルが積層方向に積層されたバイポーラ型電池における、満充電容量推定方法である。満充電容量推定方法は、充電中に、正極電位の上昇に起因して単位セルの電圧が上昇する所定領域において、単位セルの電圧が、第1電圧から第2電圧まで上昇したときの容量増加量を用いて、単位セルの満充電容量を求める。
【0009】
この方法によれば、正極活物質としてリン酸鉄リチウムを用いた複数の単位セルが積層方向に積層されたバイポーラ型電池(バイポーラ型のLFP電池)の充電中に、単位セルの電圧が第1電圧から第2電圧まで上昇したときの容量増加量を用いて、単位セルの満充電容量を求める。第1電圧から第2電圧における容量増加量は、充電中に、正極電位の上昇に起因して単位セルの電圧が上昇する所定領域におけるものである。正極活物質としてリン酸鉄リチウムを用いた単位セルにおいて、所定領域における容量増加量と満充電容量は、正の線形相関の関係にある。したがって、第2電圧を満充電時の電圧未満の値とすることにより、単位セルを満充電まで充電を行うことなく、所定領域における容量増加量を求めることにより、比較的短時間で満充電容量を推定できるので、効率的に単位セルの満充電容量を求めることができる。
【0010】
(2)上記(1)の満充電容量推定方法において、単位セルの電圧の上昇量に対する容量の増加量の割合をdQ/dVとしたとき、所定領域は、SOCの0%から100%において、dQ/dV-電圧の曲線における第2極小値の電圧以上の領域であってよい。
(【0011】以降は省略されています)

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