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公開番号2024077332
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-07
出願番号2022189370
出願日2022-11-28
発明の名称液浸密閉環境における振動試験装置ならびに機械環境計測センサの校正方法および装置
出願人日本電気株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類G01H 17/00 20060101AFI20240531BHJP(測定;試験)
要約【課題】液浸密閉環境での振動試験の信頼性を向上させることができる振動試験装置、それに用いられる機械環境計測センサの校正方法および装置を提供する。
【解決手段】液浸密閉型の容器の振動試験を行う装置は、容器内に設置された少なくとも1つの機械環境計測センサ(S1a、S2a、S1b、S2b)と、同一の計測条件下で、容器を絶縁性液体で充填しない空状態で振動させた時と絶縁性液体で充填した充填状態で振動させた時の機械環境計測センサの出力データから第1周波数特性(fRa)および第2周波数特性(fRb)をそれぞれ計測する計測部(310a、310b)と、第1周波数特性と第2周波数特性との間に所定閾値を超える有意な特性差があれば特性差を解消する補正周波数特性を算出する評価部(312)と、を有する。
【選択図】図3


特許請求の範囲【請求項1】
液浸密閉型の容器の振動試験を行う装置であって、
前記容器内に設置された少なくとも1つの機械環境計測センサと、
同一の計測条件下で、前記容器を絶縁性液体で充填しない空状態で振動させた時と前記絶縁性液体で充填した充填状態で振動させた時の前記機械環境計測センサの出力データから第1周波数特性および第2周波数特性をそれぞれ計測する計測部と、
前記第1周波数特性と前記第2周波数特性との間に所定閾値を超える有意な特性差があれば前記特性差を解消する補正周波数特性を算出する評価部と、
を有することを特徴とする振動試験装置。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
前記容器内に、前記容器に搭載されるべき電子機器を模擬した疑似搭載部材が弾性支持部材により支持されて取り付けられており、
前記容器の内壁の少なくとも一カ所に第1機械環境計測センサが設置され、前記弾性支持部材により支持された前記疑似搭載部材に第2機械環境計測センサが設置されたことを特徴とする請求項1に記載の振動試験装置。
【請求項3】
前記第1機械環境計測センサは加速度センサであり、前記第2機械環境計測センサは加速度センサあるいは歪みゲージであることを特徴とする請求項2に記載の振動試験装置。
【請求項4】
前記容器は同一仕様の第1容器部と第2容器部とからなり、前記第1容器部および前記第2容器部にそれぞれ同一の機械環境計測センサを同一箇所に設置し、前記第1容器部を前記空状態とし、前記第2容器部を前記充填状態とし、
前記計測部が前記第1容器部の機械環境計測センサの出力データから前記第1周波数特性を取得し、前記第2容器部の機械環境計測センサの出力データから前記第2周波数特性を取得する、
ことを特徴とする請求項1-3のいずれか1項に記載の振動試験装置。
【請求項5】
前記容器は単一の容器からなり、
前記計測部が、前記容器が前記空状態で前記第1周波数特性を取得し、その後、前記充填状態で前記第2周波数特性を取得することを特徴とする請求項1-3のいずれか1項に記載の振動試験装置。
【請求項6】
前記弾性支持部材が前記圧力容器の振動をより低い周波数の振動に変換して前記疑似搭載部材に伝達することを特徴とする請求項1-3のいずれか1項に記載の振動試験装置。
【請求項7】
液浸密閉式の容器の振動試験を行う装置におけるセンサ校正装置であって、
前記容器内に設置された少なくとも1つの機械環境計測センサから、前記容器を振動させた時の前記機械環境計測センサの出力データを入力する入力部と、
同一の計測条件下で、絶縁性液体で充填しない空状態の前記容器を振動させたときの前記出力データから第1周波数特性を計測し、前記絶縁性液体で充填した充填状態の前記容器を振動させた時の前記出力データから第2周波数特性を計測し、前記第1周波数特性と前記第2周波数特性との間に所定閾値を超える有意な特性差があれば前記特性差を解消する補正周波数特性を算出するデータ処理部と、
を有することを特徴とするセンサ校正装置。
【請求項8】
前記容器の内壁に取り付けられた弾性支持部材が疑似搭載部材を支持し、前記内部搭載部材および前記弾性支持部材が前記容器内で前記絶縁性液体に浸漬した状態で配置され、
前記容器の内壁の少なくとも一カ所に第1機械環境計測センサが設置され、前記弾性支持部材により支持された前記疑似搭載部材に第2機械環境計測センサが設置されたことを特徴とする請求項7に記載のセンサ校正装置。
【請求項9】
液浸密閉式の容器の振動試験を行う振動試験装置におけるデータ処理部により実行されるセンサ校正方法であって、
前記容器内に設置された少なくとも1つの機械環境計測センサの出力データを入力し、
絶縁性液体で充填しない空状態の前記容器を振動させた時の前記機械環境計測センサの出力データから第1周波数特性を計測し、
前記空状態のときと同一の計測条件下で、前記絶縁性液体で充填した充填状態の前記容器を振動させた時の前記機械環境計測センサの出力データから第2周波数特性を計測し、
前記第1周波数特性と前記第2周波数特性との間に所定閾値を超える有意な特性差があれば前記特性差を解消する補正周波数特性を算出する、
ことを特徴とするセンサ校正方法。
【請求項10】
液浸密閉式の容器の振動試験を行う振動試験装置におけるセンサ校正装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記容器内に設置された少なくとも1つの機械環境計測センサの出力データを入力する入力機能と、
絶縁性液体で充填しない空状態の前記容器を振動させた時の前記機械環境計測センサの出力データから第1周波数特性を計測する第1計測機能と、
前記空状態のときと同一の計測条件下で、前記絶縁性液体で充填した充填状態の前記容器を振動させた時の前記機械環境計測センサの出力データから第2周波数特性を計測する第2計測機能と、
前記第1周波数特性と前記第2周波数特性との間に所定閾値を超える有意な特性差があれば前記特性差を解消する補正周波数特性を算出する評価機能と、
を前記コンピュータに実現することを特徴とするプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は電子機器を内部に収容し液浸状態で密閉するための容器における内部構造の振動試験およびその計測技術に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータ等の電子装置を冷却する方法として電子装置自体を冷媒槽内に浸して冷却する液浸冷却が注目されている(特許文献1および2を参照)。電子機器は冷媒により取り巻かれているために効率的な冷却が可能となり、さらに冷媒槽および冷媒により外部環境からの効果的な保護が可能となる。
【0003】
他方、このような冷却を必要とする電子機器がロケットに搭載されると、打ち上げ時に強い振動環境に置かれる。このような振動に対する耐性を備えるためには、冷却手段だけでなく防振手段も必要である。この観点から、特許文献3は放熱機能を備えた防振装置を提案している。この防振装置によれば、弾性変形可能な容器に冷媒を満たし、この冷媒に接触した状態で電子部品等の発熱体を配置する。冷媒が流動することで冷却が行われ、容器の弾性変形により電子部品に伝わる振動が緩和される(振動絶縁)。
【0004】
また、振動を減衰させる装置の振動減衰特性を計測する技術が特許文献4に開示されている。特許文献4によれば、水槽内に曳航型受波器とそれに取り付けられた振動減衰器とを配置し、振動減衰器の両端に加速度計を取り付ける。振動減衰器の一端に疑似振動を与え、両端の加速度計の測定値を比較することで水中での振動減衰器の振動減衰特性を測定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6720752号公報
米国特許第9750159B2号明細書
特開2000-349214号公報
特開昭62-021022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1および2に開示された液浸冷却装置のような液浸密閉環境では、設計通りの振動絶縁機能が達成できているかどうかを確認する必要がある。そのために密閉容器内部に加速度センサや歪みゲート等の機械環境計測センサが配置される。このようなセンサの計測値を用いて、内部の電子機器がどのように振動し、どのように変形するかを計測することができる。
【0007】
しかしながら、機械環境計測センサは、通常の使用環境ではなく、液浸密閉環境下で動作するので、正常に動作して正しい計測データが得られるかどうか保証がない。この不確実性が計測データの信頼性、ひいては振動絶縁試験自体の信頼性を低下させる主因となる。
【0008】
特許文献3は、冷媒を満たす容器自体が弾性変形可能な材料で形成された防振装置を開示しているが、防振性能を測定するためのセンサやその試験については何ら記載されていない。
【0009】
また特許文献4は、船舶によって曳航される振動減衰器の試験機を開示しているだけであり、液浸密閉環境における振動試験およびその信頼性向上について何ら教示するところがない。
【0010】
そこで、本発明の目的は、液浸密閉環境での振動試験の信頼性を向上させることができる振動試験装置、それに用いられる機械環境計測センサの校正方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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