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公開番号2024076403
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-06
出願番号2022187869
出願日2022-11-25
発明の名称真空蒸着成膜システム
出願人株式会社アールデック,株式会社 エイブイシー
代理人個人
主分類C23C 14/24 20060101AFI20240530BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】成膜制御アプリケーションを動作させるOSがバージョンアップ中であっても、成膜運転を停止することなく、継続的に成膜運転を行うことができる真空蒸着成膜システムを提供する。
【解決手段】真空蒸着成膜システム10では、周期的にバージョンアップが必要なOSによって動作する成膜制御アプリケーションと組み込み型OSによって動作して各種複数のハードウェアをコントロールするPLCを動作させるPLC操作アプリケーションとを備え、真空蒸着成膜システム10が稼働中に、成膜制御アプリケーションを動作させるOSのバージョンアップによって成膜制御アプリケーションの動作が制限されたとしても、真空蒸着成膜システム10において稼働するそれらハードウェアをPLCが操作することで、真空蒸着成膜システム10における継続的な成膜運転が可能であり、成膜制御アプリケーションの動作制限によるリスクを回避可能である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
蒸着チャンバーと、前記蒸着チャンバーの内部に配置されて蒸着材料を収容する第1~第n坩堝と、前記蒸着チャンバーの内部を所定の真空度に真空引きする第1真空ポンプと、前記蒸着材料に電子ビームを照射する電子銃とを備え、前記第1真空ポンプによって所定の真空度に真空引きされた真空雰囲気の蒸着チャンバーにおいて前記坩堝に収容された蒸着材料に前記電子銃から電子ビームを照射して該蒸着材料を蒸発させ、前記蒸発させた蒸着材料を前記蒸着チャンバーに配置された基板に蒸着させてそれら蒸着材料からなる第1~第n層の膜を前記基板に成膜する真空蒸着成膜システムにおいて、
前記真空蒸着成膜システムが、各種複数の成膜条件によって前記基板に成膜される第1~第n層の膜の膜厚をコントロールする膜厚コントローラと、前記真空蒸着成膜システムにおいて稼働する各種複数のハードウェアをコントロールするPLC(programmable logic controller)と、前記基板に成膜する第1~第n層の膜の各種複数の成膜条件を前記膜厚コントローラに送信するサーバとから形成され、前記サーバが、APIに欠点があって周期的にバージョンアップが必要なOSによって動作して前記基板に成膜する第1~第n層の膜の各種複数の成膜条件を設定する成膜制御アプリケーションと、組み込み型OSによって動作して前記真空蒸着成膜システムにおいて稼働する各種複数のハードウェアをコントロールする前記PLCを動作させるPLC操作アプリケーションとを備え、
前記真空蒸着成膜システムでは、前記成膜制御アプリケーションによって設定した成膜条件で該真空蒸着成膜システムが稼働中に、前記成膜制御アプリケーションを動作させるOSのバージョンアップによって該成膜制御アプリケーションの動作が制限されたとしても、前記真空蒸着成膜システムにおいて稼働するそれらハードウェアを前記PLC操作アプリケーションによって動作するPLCがコントロールすることで、前記真空蒸着成膜システムにおける継続的な成膜運転が可能であり、前記成膜制御アプリケーションの動作制限によるリスクを回避可能であることを特徴とする真空蒸着成膜システム。
続きを表示(約 2,400 文字)【請求項2】
前記サーバの成膜制御アプリケーションが、各種の成膜条件を記憶するとともに、それら成膜条件に基づいて設定した前記第1~第n層の膜の成膜における前記電子ビームのパワーアップ時間、前記電子ビームのパワー維持時間、前記電子ビームのパワーダウン時間からなる第1~第n運転ステップを記憶し、前記第1層の膜の第1運転ステップを前記膜厚コントローラに送信し、前記第1運転ステップに基づいた該第1層の膜の成膜が完了した後、前記第2層の膜の第2運転ステップを前記膜厚コントローラに送信し、前記第2運転ステップに基づいた該第2層の膜の成膜が完了した後、前記第3層の膜の第3運転ステップを前記膜厚コントローラに送信するように、1層毎の膜の成膜が完了する度毎に次層の膜の運転ステップを前記膜厚コントローラに送信し、前記膜厚コントローラが、前記サーバの成膜制御アプリケーションから送信された第1~第n運転ステップに従って前記基板に第1~第n層の膜を成膜する請求項1に記載の真空蒸着成膜システム。
【請求項3】
前記第1~第n坩堝が、サーボモータの回転によって前記蒸着チャンバーの内部における指定座標に順次移動し、前記サーバのPLC操作アプリケーションによって動作するPLCが、前記サーボモータの回転軸の座標からそれら第1~第n坩堝の現在位置を割り出すとともに、前記サーボモータを回転させてそれら第1~第n坩堝のうちの指定された坩堝を前記指定座標に配置する請求項1又は請求項2に記載の真空蒸着成膜システム。
【請求項4】
前記真空蒸着成膜システムが、前記蒸着材料を前記蒸着チャンバーに搬送する搬送機構を備えて所定の真空度に真空引きされる搬送チャンバーと、前記搬送チャンバーの内部を所定の真空度に真空引きする第2真空ポンプとを含み、前記サーバのPLC操作アプリケーションによって動作するPLCが、前記第1真空ポンプの発停及び前記第2真空ポンプの発停を操作する請求項1ないし請求項3いずれかに記載の真空蒸着成膜システム。
【請求項5】
前記サーバのPLC操作アプリケーションが、前記搬送チャンバーから前記蒸着チャンバーへ基板の搬送が可能となる前記蒸着チャンバー及び前記搬送チャンバーの真空度の第1閾値を設定し、前記サーバのPLC操作アプリケーションによって動作するPLCが、前記蒸着チャンバー及び前記搬送チャンバーの真空度が前記第1閾値に達したときに、前記搬送チャンバーの搬送機構によって前記基板を前記蒸着チャンバーへ搬送する請求項4に記載の真空蒸着成膜システム。
【請求項6】
前記サーバのPLC操作アプリケーションが、前記蒸着チャンバーにおいて蒸着を開始可能な該蒸着チャンバーの真空度の第2閾値を設定し、前記サーバのPLC操作アプリケーションが、前記蒸着チャンバーの真空度が前記第2閾値に達したときに、前記蒸着チャンバーにおける蒸着材料の基板への蒸着を開始する蒸着開始信号を前記膜厚コントローラ及び前記PLC操作アプリケーションによって動作するPLCに送信する請求項4又は請求項5に記載の真空蒸着成膜システム。
【請求項7】
前記サーバのPLC操作アプリケーションが、前記電子銃から電子ビームの照射が可能な前記蒸着チャンバーの真空度の第3閾値を設定し、前記サーバのPLC操作アプリケーションが、前記蒸着チャンバーの真空度が前記第3閾値に達したときに、前記電子銃から前記坩堝に向かって電子ビームを照射させる電子ビーム照射信号を前記膜厚コントローラ及び前記PLC操作アプリケーションによって動作するPLCに送信する請求項4ないし請求項6いずれかに記載の真空蒸着成膜システム。
【請求項8】
前記サーバのPLC操作アプリケーションが、前記搬送チャンバーの搬送機構による該搬送チャンバーから前記蒸着チャンバーへの基板の各搬送条件を設定し、前記サーバのPLC操作アプリケーションによって動作するPLCが、各搬送条件に従って前記基板を前記搬送チャンバーから前記蒸着チャンバーへ搬送する請求項4ないし請求項7いずれかに記載の真空蒸着成膜システム。
【請求項9】
前記搬送機構が、前記基板を保持するサンプルホルダーを含み、前記基板の搬送条件が、前記サンプルホルダーにおける基板の有無であり、前記サーバのPLC操作アプリケーションが、前記サンプルホルダーに基板が配置されている場合、前記搬送チャンバーから前記蒸着チャンバーへのサンプルホルダーの搬送を可とし、前記サンプルホルダーに基板が配置されていない場合、前記搬送チャンバーから前記蒸着チャンバーへのサンプルホルダーの搬送を不可とし、前記PLC操作アプリケーションによって動作するPLCが、前記搬送チャンバーから前記蒸着チャンバーへのサンプルホルダーの搬送を操作する請求項8に記載の真空蒸着成膜システム。
【請求項10】
前記搬送機構が、前記サンプルホルダーを前記搬送チャンバーから前記蒸着チャンバーへ移動させるエアシリンダーを含み、前記基板の搬送条件が、前記エアシリンダーのアームの前記搬送チャンバー又は前記蒸着チャンバーにおける位置であり、前記サーバのPLC操作アプリケーションが、前記エアシリンダーのアームが前記搬送チャンバーの搬送開始位置に存在する場合、前記搬送チャンバーから前記蒸着チャンバーへのサンプルホルダーの搬送を可とし、前記エアシリンダーのアームが前記蒸着チャンバーの搬送完了位置に存在する場合、前記蒸着チャンバーから前記搬送チャンバーへのサンプルホルダーの帰還を可とし、前記PLC操作アプリケーションによって動作するPLCが、前記サンプルホルダーの搬送を操作するとともに、該サンプルホルダーの帰還を操作する請求項9に記載の真空蒸着成膜システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸発させた蒸着材料を蒸着チャンバーに配置された基板に蒸着させてそれら蒸着材料からなる第1~第n層の膜を基板に成膜する真空蒸着成膜システムに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
被成膜基板が設置される真空チャンバー内に複数の蒸着源が設けられ、蒸着源と被成膜基板との間に配置されて、昇華又は気化した蒸着物質の被成膜基板への付着領域を被成膜基板面内の一部に制限する開口を持つエリアマスクと、真空チャンバー内でエリアマスクと被成膜基板とを相対移動させて被成膜基板面内における付着領域を変更する変更手段とを備え、変更手段がエリアマスクを支持する固定枠とエリアマスクの上方に設置されて被成膜基板を支持する可動枠とを備え、可動枠を上下動する第1駆動部とその可動枠をエリアマスクの中心を通る上下方向の軸線回りに回転駆動する第2駆動部とが設けられ、各蒸着源から蒸着物質を夫々昇華または気化させて被成膜基板表面に多層膜を成膜する真空蒸着成膜システムが開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-147774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の真空蒸着成膜システムでは、基板の蒸着チャンバーへの搬送や真空ポンプの発停、電子銃の発停等のシステムによる成膜運転がサーバ(コンピュータ)にインストールされた制御アプリケーションよってコントロールされている。サーバ(コンピュータ)にインストールされた制御アプリケーションを動作させるOS(オペレーティングシステム)がAPIに欠点があって周期的にバージョンアップが必要なOS(例えば、WindowsやMacOS、Linux(登録商標))である場合、そのOSのバージョンアップによって制御アプリケーションの動作が制限され、制御アプリケーションの使用が不能になる場合があり、真空蒸着成膜システムの成膜運転を停止しなければならないリスクがある。
【0005】
本発明の目的は、成膜制御アプリケーションを動作させるOS(オペレーティングシステム)がバージョンアップ中であっても、成膜運転を停止することなく、継続的に成膜運転を行うことができ、成膜制御アプリケーションの動作制限によるリスクを回避することができる真空蒸着成膜システムを提供することにある。本発明の他の目的は、成膜制御アプリケーションを動作させるOS(オペレーティングシステム)のバージョンアップ中であっても、成膜運転を行う各種複数のハードウェアを停止することなく、それらハードウェアをコントロール(操作)することができ、それらハードウェアを操作して成膜運転を継続的に行うことができる真空蒸着成膜システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための本発明の前提は、蒸着チャンバーと、蒸着チャンバーの内部に配置されて蒸着材料を収容する第1~第n坩堝と、蒸着チャンバーの内部を所定の真空度に真空引きする第1真空ポンプと、蒸着材料に電子ビームを照射する電子銃とを備え、第1真空ポンプによって所定の真空度に真空引きされた真空雰囲気の蒸着チャンバーにおいて坩堝に収容された蒸着材料に電子銃から電子ビームを照射して蒸着材料を蒸発させ、蒸発させた蒸着材料を蒸着チャンバーに配置された基板に蒸着させてそれら蒸着材料からなる第1~第n層の膜を基板に成膜する真空蒸着成膜システムである。
【0007】
前記前提における本発明の特徴は、真空蒸着成膜システムが、各種複数の成膜条件によって基板に成膜される第1~第n層の膜の膜厚をコントロールする膜厚コントローラと、真空蒸着成膜システムにおいて稼働する各種複数のハードウェアをコントロールするPLC(programmable logic controller)と、基板に成膜する第1~第n層の膜の各種複数の成膜条件を膜厚コントローラに送信するサーバとから形成され、サーバが、APIに欠点があって周期的にバージョンアップが必要なOSによって動作して基板に成膜する第1~第n層の膜の各種複数の成膜条件を設定する成膜制御アプリケーションと、組み込み型OSによって動作して真空蒸着成膜システムにおいて稼働する各種複数のハードウェアをコントロールするPLCを動作させるPLC操作アプリケーションとを備え、真空蒸着成膜システムでは、成膜制御アプリケーションによって設定した成膜条件で真空蒸着成膜システムが稼働中に、成膜制御アプリケーションを動作させるOSのバージョンアップによって成膜制御アプリケーションの動作が制限されたとしても、真空蒸着成膜システムにおいて稼働するそれらハードウェアをPLC操作アプリケーションによって動作するPLCがコントロールすることで、真空蒸着成膜システムにおける継続的な成膜運転が可能であり、成膜制御アプリケーションの動作制限によるリスクを回避可能であることにある。
【0008】
本発明の一例としては、サーバの成膜制御アプリケーションが、各種の成膜条件を記憶するとともに、それら成膜条件に基づいて設定した第1~第n層の膜の成膜における電子ビームのパワーアップ時間、電子ビームのパワー維持時間、電子ビームのパワーダウン時間からなる第1~第n運転ステップを記憶し、第1層の膜の第1運転ステップを膜厚コントローラに送信し、第1運転ステップに基づいた第1層の膜の成膜が完了した後、第2層の膜の第2運転ステップを膜厚コントローラに送信し、第2運転ステップに基づいた第2層の膜の成膜が完了した後、第3層の膜の第3運転ステップを膜厚コントローラに送信するように、1層毎の膜の成膜が完了する度毎に次層の膜の運転ステップを膜厚コントローラに送信し、膜厚コントローラが、サーバの成膜制御アプリケーションから送信された第1~第n運転ステップに従って基板に第1~第n層の膜を成膜する。
【0009】
本発明の他の一例としては、第1~第n坩堝が、サーボモータの回転によって蒸着チャンバーの内部における指定座標に順次移動し、サーバのPLC操作アプリケーションによって動作するPLCが、サーボモータの回転軸の座標からそれら第1~第n坩堝の現在位置を割り出すとともに、サーボモータを回転させてそれら第1~第n坩堝のうちの指定された坩堝を指定座標に配置する。
【0010】
本発明の他の一例としては、真空蒸着成膜システムが、蒸着材料を蒸着チャンバーに搬送する搬送機構を備えて所定の真空度に真空引きされる搬送チャンバーと、搬送チャンバーの内部を所定の真空度に真空引きする第2真空ポンプとを含み、サーバのPLC操作アプリケーションによって動作するPLCが、第1真空ポンプの発停及び第2真空ポンプの発停を操作する。
(【0011】以降は省略されています)

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