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公開番号2024073948
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-30
出願番号2022184947
出願日2022-11-18
発明の名称下水処理水中のアンモニア性窒素とレボフロキサシンの低減方法及び装置
出願人国立研究開発法人土木研究所
代理人個人,個人,個人
主分類C02F 3/12 20230101AFI20240523BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】 下水処理水に残存するアンモニア性窒素の酸化と同時に抗菌剤の一つであるレボフロキサシンを低減することにより、下水処理水放流先河川の水生生物を保全することができ、かつ設備費、運転費を安価にできる下水処理水中のアンモニア性窒素とレボフロキサシンの低減方法及び装置を提供する。
【解決手段】 この下水処理水中のアンモニア性窒素とレボフロキサシンの低減方法は、下水に浄化処理を施し有機物が減少しているもののアンモニア性窒素が残留している下水処理水を、繊維状微生物保持担体Sが収容されて複数直列に接続された筒型生物反応槽2,3に通水し、これら生物反応槽の下部から空気を送り込んで曝気させることにより、アンモニア性窒素を酸化させる微生物を自然発生的に前記微生物保持担体Sに担持させ、アンモニア性窒素を硝酸イオンに酸化させるとともに、抗菌剤であるレボフロキサシンの吸着、分解に関与する微生物を自然発生的に前記微生物保持担体Sに担持させ、レボフロキサシンを同時に低減することを特徴とする。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
下水に浄化処理を施し有機物が減少しているもののアンモニア性窒素が残留している下水処理水を、繊維状微生物保持担体が収容されて複数直列に接続された筒型生物反応槽に通水し、これら生物反応槽の下部から空気を送り込んで曝気させることにより、アンモニア性窒素を酸化させる微生物を自然発生的に前記微生物保持担体に担持させ、アンモニア性窒素を硝酸イオンに酸化させるとともに、抗菌剤であるレボフロキサシンの吸着、分解に関与する微生物を自然発生的に前記微生物保持担体に担持させ、下水処理水中のレボフロキサシンを同時に低減することを特徴とする下水処理水中のアンモニア性窒素とレボフロキサシンの低減方法。
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
下水に浄化処理を施し有機物が減少しているもののアンモニア性窒素が残留している下水処理水を、繊維状微生物保持担体が収容されて複数直列に接続された筒型生物反応槽に通水し、これら生物反応槽の下部から空気を送り込んで曝気させることにより、アンモニア性窒素を酸化させる微生物を自然発生的に前記微生物保持担体に担持させ、アンモニア性窒素を硝酸イオンに酸化させるとともに、抗菌剤であるレボフロキサシンの吸着、分解に関与する微生物を自然発生的に前記微生物保持担体に担持させ、レボフロキサシンを同時に低減する装置であって、
縦向きの筒型を呈し、内部に前記微生物担持体が収容され、各下部が下水処理水を連通可能に接続された複数の生物反応槽と、
前記生物反応槽のそれぞれに下部から空気を送り込む空気圧送手段と、
前記空気圧送手段から送られる空気で曝気させる曝気手段と、を備えたことを特徴とする下水処理水中のアンモニア性窒素とレボフロキサシンの低減装置。
【請求項3】
前記微生物保持担体は、シート状繊維担体を筒状に丸めた形状からなり、それぞれ上端を窄めて固定、下端を非固定で筒状の末広がり状に配置して、生物反応槽内の軸方向に設けた支持部材の長さ方向に複数個、多段にわたり設置されている請求項2に記載の下水処理水中のアンモニア性窒素とレボフロキサシンの低減装置。
【請求項4】
担体処理水貯留槽を備え、この貯留槽にオンラインアンモニアセンサ又はオンライン溶存酸素センサ、あるいは前記両センサが設置され、担体処理水のアンモニア性窒素の値又は溶存酸素の値をフィードバックさせる方式により各生物反応槽内へ送風する前記空気圧送手段の送風量を制御する制御手段が設置されている請求項3に記載の下水処理水中のアンモニア性窒素とレボフロキサシンの低減装置。
【請求項5】
前記空気圧送手段は、送風機である請求項4に記載の下水処理水中のアンモニア性窒素とレボフロキサシンの低減装置。
【請求項6】
前記送風機は、インバータ対応の送風機である請求項5に記載の下水処理水中のアンモニア性窒素とレボフロキサシンの低減装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、下水処理水中のアンモニア性窒素とレボフロキサシンの低減方法及び装置に関し、詳しくは、下水に浄化処理を施し有機物は減少しているもののアンモニア性窒素が残留している下水処理水においてアンモニア性窒素を硝酸イオンに酸化させて減少させるとともに、下水処理水中のレボフロキサシンを低減させる技術に係るものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
水中のアンモニアは、水生生物に悪影響があることから下水処理水中のアンモニア性窒素の低減について今後議論されるところである。こうした背景から全国54箇所の小規模下水処理施設の下水処理水中のアンモニア性窒素を測定したところ全体の44%の処理施設で下水処理水中のアンモニア性窒素濃度が2mg-N/L以上であり、環境施策上、放流水中の濃度の目標値が低く設定された場合は、多くの下水処理施設で低減対策が必要となる。特に、既設の浄化処理の運転方法を変更することで対応できない下水処理施設では、アンモニア性窒素のための新たな低減施設が必要となる。
【0003】
下水処理水中に残留するアンモニア性窒素の酸化には、流動型微生物保持担体法の利用が可能と考えられるものの、アンモニア性窒素を90%以上低減するのに3時間程度の時間を要すること、また送風量が多く必要となることが問題となる。
【0004】
それに加え、下水にはヒトが使用した抗菌剤が含まれており、通常の下水処理施設ではこのような抗菌剤の低減は限定的である。抗菌剤の中でもレボフロキサシンは、出荷量が多く下水中の濃度は他の抗菌剤よりも高いことがわかっている。抗菌剤は藻類の増殖を阻害することが知られており、水生生物保全のためには、下水処理水中の抗菌剤を低減する必要がある。この抗菌剤の低減にはオゾンにより抗菌剤を分解する方法(オゾン処理法)も知られているが、この方法は高圧電源を有するオゾン発生装置を設けなければならず、設備費、運転費ともに高価になるという問題がある。
【0005】
前記のような技術に関して出願人の調査によれば、先行技術文献として、下記の特許文献1-3があった。これらには下水処理水を反応槽で曝気することでアンモニア性窒素を除去する技術(特許文献1)、アンモニア含有の下水処理水を硝化槽で亜硝酸に酸化する技術(特許文献2)、アンモニア性窒素を含む下水処理水を硝化槽(曝気槽)に入れ酸化処理する技術(特許文献3)が開示されている。
【0006】
しかし、これら文献にはレボフロキサシンをも低減する技術は開示されていない。つまり、レボフロキサシンを低減する技術は依然、未解明のままであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
再表2011-136043号公報
特開2009-136725号公報
再表2004-74191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこでこの発明は、前記従来の問題を解決し、アンモニア性窒素の酸化と同時に抗菌剤の一つであるレボフロキサシンを低減することにより、下水処理水放流先河川での水生生物を保全することができ、かつ設備費、運転費を安価にできる下水処理水中のアンモニア性窒素とレボフロキサシンの低減方法及び装置を提供とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、下水に浄化処理を施し有機物が減少しているもののアンモニア性窒素が残留している下水処理水を、繊維状微生物保持担体が収容されて複数直列に接続された筒型生物反応槽に通水し、これら生物反応槽の下部から空気を送り込んで曝気させることにより、アンモニア性窒素を酸化させる微生物を自然発生的に前記微生物保持担体に担持させ、アンモニア性窒素を硝酸イオンに酸化させる(アンモニア性窒素酸化工程)とともに、抗菌剤であるレボフロキサシンの吸着、分解に関与する微生物を自然発生的に前記微生物保持担体に担持させ、下水処理水中のレボフロキサシンを同時に低減する(レボフロキサシン低減工程)ことを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、下水に浄化処理を施し有機物が減少しているもののアンモニア性窒素が残留している下水処理水を、繊維状微生物保持担体が収容されて複数直列に接続された筒型生物反応槽に通水し、これら生物反応槽の下部から空気を送り込んで曝気させることにより、アンモニア性窒素を酸化させる微生物を自然発生的に前記微生物保持担体に担持させ、アンモニア性窒素を硝酸イオンに酸化させるとともに、抗菌剤であるレボフロキサシンの吸着、分解に関与する微生物を自然発生的に前記微生物保持担体に担持させ、レボフロキサシンを同時に低減する装置であって、縦向きの筒型を呈し、内部に前記微生物保持担体が収容され、各下部が下水処理水を連通可能に接続された複数の生物反応槽と、前記生物反応槽のそれぞれに下部から空気を送り込む空気圧送手段と、前記空気圧送手段から送られる空気で曝気させる曝気手段と、を備えたことを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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