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公開番号2024072893
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-29
出願番号2021043360
出願日2021-03-17
発明の名称カテーテル、治療システムおよび治療方法
出願人テルモ株式会社
代理人個人,個人
主分類A61M 25/00 20060101AFI20240522BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】適切な量のラジカルアニオンを、がん細胞に結合した抗体-親水性フタロシアニンへ到達させて、がん細胞を効果的に壊死させることができるカテーテル、治療システムおよび治療方法を提供する。
【解決手段】内腔13を有するカテーテル10であって、内腔13に配置される酸化チタンを含む光触媒14と、外部から供給されるエネルギーを光触媒14へ到達させる誘導部17と、を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
内腔を有するカテーテルであって、
前記内腔に配置される酸化チタンを含む光触媒と、
外部から供給されるエネルギーを前記光触媒へ到達させる誘導部と、を有するカテーテル。
続きを表示(約 950 文字)【請求項2】
前記光触媒は、前記内腔の少なくとも一部に被覆されている請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記光触媒は、メッシュ状またはスポンジ状の通液性を備えた触媒保持部材に混合されている請求項1に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記内腔とは異なるガイドワイヤルーメンを有する請求項1~3のいずれか1項に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記誘導部は、前記カテーテルの前記エネルギーを透過可能な壁に形成される請求項1~4のいずれか1項に記載のカテーテル。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のカテーテルと、
ラジカルアニオンを生成可能な物質を前記カテーテルに供給する供給装置と、
エネルギーを前記カテーテルへ照射可能な照射装置と、を有する治療システムであって、
前記供給装置は、
前記ラジカルアニオンを生成可能な物質を収容する収容部と、
前記収容部へエネルギーを照射する事前照射部と、を有する治療システム。
【請求項7】
がんの治療方法であって、
抗体-親水性フタロシアニンを静脈投与するステップと、
がん細胞を有する器官の主要の動脈にカテーテルを挿入するステップと、
過酸化水素水を含む溶液をカテーテルに供給し、前記カテーテルの内部へエネルギーを照射して前記カテーテルの内部でラジカルアニオンを含む溶液を生成するステップと、
前記カテーテルから前記ラジカルアニオンを含む溶液を動脈内へ放出するステップと、を有するがんの治療方法。
【請求項8】
がんの治療方法であって、
抗体-親水性フタロシアニンを静脈投与するステップと、
がん細胞を有する器官の主要の動脈にカテーテルを挿入するステップと、
塞栓物質およびエタノールを含む溶液をカテーテルに供給し、前記カテーテルの内部へエネルギーを照射して前記カテーテルの内部でラジカルアニオンを含む溶液を生成するステップと、
前記カテーテルから前記ラジカルアニオンを含む溶液を動脈内へ放出するステップと、を有するがんの治療方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、がん細胞を壊死させるための治療に用いられるカテーテル、治療システムおよび治療方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
がん細胞などのがん細胞を壊死(ネクローシス)させるための治療方法として、光免疫療法を用いた方法が知られている。この治療方法では、がん細胞の表面にある特有の抗原のみに特異的に結合する抗体である免疫グロブリンと、その免疫グロブリンと対になる光感受性物質とを結合させた抗体-光感受性物質を、薬剤として使用する。例えば、波長700nm付近の近赤外線に反応する物質である親水性フタロシアニン(IR700)と抗体を結合した抗体-親水性フタロシアニンを用いた治療方法は、腫瘍に集積した親水性フタロシアニンに対して近赤外線を照射することで、IR700を活性化して凝集を生じさせ、正常細胞などの非がん細胞を壊死させずに、非侵襲的にがん細胞を特異的に壊死させることができる。このため、この方法を用いることで、副作用を軽減しながら高い治療効果を得ることが期待される。
【0003】
一方で、近赤外線が親水性フタロシアニンを活性化させるメカニズムは、最近まで不明であった。また、近赤外線の組織内への深達度は短いため、光免疫療法は、体表面に近いがん細胞で効果が得られやすい一方、深部のがん細胞では効果が得られにくい。このため、例えば特許文献1には、光ファイバを備える長尺なデバイスを、経血管的に腫瘍の近くへ挿入し、血管内から光を照射する方法が開示されている。
【0004】
ところで、近年、光免疫療法では、近赤外線が直接的に親水性フタロシアニンを活性化させているのではなく、近赤外線が照射されたことにより親水性フタロシアニン上のπ電子雲が励起され、ラジカルアニオンが発生して親水性フタロシアニンのSi-O軸配位子を加水分解・切断していることが報告されている。すなわち、近赤外線を照射せずとも、ラジカルアニオンがあれば、親水性フタロシアニンの加水分解を生じさせることが可能であり、がん細胞を壊死させることができると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
米国特許出願公開第2018-0113246号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ヒドロキシラジカル(OH)は、攻撃性が高いが非常に短命である。したがって、ヒドロキシラジカルの生産や出荷時に、ラジカル性を保持したまま病院へ届けることが大変難しい。このため、適切な量のラジカルアニオンを親水性フタロシアニンへ到達させることが困難である。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、適切な量のラジカルアニオンを、がん細胞に結合した抗体-親水性フタロシアニンへ到達させて、がん細胞を効果的に壊死させることができるカテーテル、治療システムおよび治療方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する本発明に係るカテーテルは、内腔を有するカテーテルであって、前記内腔に配置される酸化チタンを含む光触媒と、外部から供給されるエネルギーを前記光触媒へ到達させる誘導部と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
上記のように構成したカテーテルは、内腔にラジカルアニオンを生成可能な物質を供給して光触媒にエネルギーを照射することで、酸化チタンの励起電子と、ラジカルアニオンを生成可能な物質とを反応させて、ラジカルアニオンを生成できる。このため、カテーテルは、寿命の短いラジカルアニオンを内腔で生成しつつ体内へ供給できるため、適切な量のラジカルアニオンを親水性フタロシアニンへ到達させて、がん細胞を効果的に壊死させることができる。
【0010】
前記光触媒は、前記内腔の少なくとも一部に被覆されてもよい。これにより、カテーテルの内腔にエネルギーを照射することで、ラジカルアニオンを生成可能な物質からラジカルアニオンを生成できる。
(【0011】以降は省略されています)

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