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公開番号2024071299
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-24
出願番号2022182164
出願日2022-11-14
発明の名称接着剤組成物及び接着剤層付き積層体
出願人東亞合成株式会社
代理人弁理士法人イイダアンドパートナーズ,個人,個人
主分類C09J 123/26 20060101AFI20240517BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】得られる硬化物が十分に高い誘電率を示し、この硬化物は接着性に優れ、耐熱性にも優れ、また柔軟性及び耐屈曲性にも優れ、さらに、低吸水性で高周波電子部品の長期信頼性のさらなる向上にも寄与する接着剤組成物を提供すること。また、この接着剤組成物を用いた接着剤層付き積層体を提供すること。
【解決手段】酸変性ポリオレフィン樹脂(A)と、エポキシ樹脂(B)と、Ba、Ti、Sr、Pb、Zr、La、Ta、Ca及びBiの少なくとも2種を含む複合金属酸化物(C)と、を含み、全固形分中、前記酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の含有量が10質量%以上であり、硬化反応後の硬化物の誘電率が2.9以上である、接着剤組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
酸変性ポリオレフィン樹脂(A)と、
エポキシ樹脂(B)と、
Ba、Ti、Sr、Pb、Zr、La、Ta、Ca及びBiの少なくとも2種を含む複合金属酸化物(C)と、を含み、
全固形分中、前記酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の含有量が10質量%以上であり、
硬化反応後の硬化物の誘電率が2.9以上である、接着剤組成物。
続きを表示(約 670 文字)【請求項2】
前記複合金属酸化物(C)の誘電率が100以上である、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項3】
前記複合金属酸化物(C)の含有量が、前記酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の含有量100質量部に対し、50~700質量部である、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項4】
前記複合金属酸化物(C)がチタン酸化合物である、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項5】
前記チタン酸化合物が、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム及びチタン酸カルシウムの少なくとも1種である、請求項4に記載の接着剤組成物。
【請求項6】
前記酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の酸価が、0.1~50mgKOH/gである、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項7】
前記酸変性ポリオレフィン樹脂(A)は、α,β-不飽和カルボン酸化合物によるグラフト変性ポリオレフィン樹脂である、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項8】
前記エポキシ樹脂(B)が、脂環骨格を有する多官能エポキシ樹脂である、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項9】
前記エポキシ樹脂(B)の含有量が、前記酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の含有量100質量部に対し、5~25質量部である、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項10】
基材フィルムと、請求項1~9のいずれか1項に記載の接着剤組成物からなる接着剤層と、を備える接着剤層付き積層体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、接着剤組成物及び接着剤層付き積層体に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、携帯電話や情報機器端末等の移動体通信機器においては、大量のデータを高速で通信するために、信号の高周波数化が進み、さらに、機器に搭載する高周波電子部品(例えば基板アンテナ、レンズアンテナ及びキャパシタ等)の集積化も進んでいる。高速大容量の通信が求められるなかで、高周波電子部品にはさらなる高性能化と小型化が求められている。
このような高周波電子部品に用いられる接着剤(樹脂組成物)には高周波数領域において高い誘電率が求められる。この要求に応えるため、例えば特許文献1には、特定構造のエポキシ樹脂を1種類以上と、誘電体とを、各特定量含有させた樹脂組成物が記載されている。特許文献1記載の技術によれば、この樹脂組成物を硬化させることにより、所望の誘電特性、可撓性及び接着性を示す硬化物が得られるとされる。
また、特許文献2には、エックス線回析によって求まる結晶歪みが0.04%以上である誘電体無機フィラーと特定の熱可塑性樹脂とをそれぞれ特定量で含有する誘電体樹脂組成物が記載されている。特許文献2記載の技術によれば、上記誘電体無機フィラーが1GHz以上の高周波領域において高い比誘電率と小さな誘電正接を有し、上記誘電体樹脂組成物の成形体の比誘電率を高めることができ、また誘電正接を小さく抑えることができるとされる。
さらに、特許文献3には、両端短絡型共振法による比誘電率が25以上、誘電正接が0.003未満で、比誘電率の温度係数(ppm/℃)を特定範囲に制御した高誘電性樹脂組成物を、特定のセラミックス粉末とポリフェニレンサルファイド樹脂を用いて調製したことが記載されている。特許文献3記載の技術によれば、この高誘電性樹脂組成物が特に優れた高誘電率かつ低誘電正接を示し、また、温度環境変化に対して誘電率が変化しにくいとされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2010-185051号公報
特開2005-093096号公報
特開2007-227099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らが、上記各特許文献に記載された技術について検討したところ、特許文献1に記載の樹脂組成物は、樹脂成分がエポキシ樹脂を主体としており、その硬化物の弾性率が高く、脆い性状となること、さらに、この硬化物は吸水性が高く、この硬化物を有する高周波電子部品には長期信頼性の問題が生じやすいことがわかってきた。また、特許文献2及び3に記載の樹脂組成物については、特定の熱可塑性樹脂と強誘電体との組合せにより、その硬化物(成形体)等は高誘電率と柔軟性とを合わせ持つことができる。しかし、本発明者らが検討を進めると、耐熱性を十分に高めることが難しいことがわかってきた。すなわち、熱に晒されると柔らかくなり基板等から硬化物が剥がれやすく、また、はんだ処理によって硬化物にふくれが生じやすいという問題も明らかになってきた。
【0005】
上記した事情に鑑み、本発明は、得られる硬化物が十分に高い誘電率を示し、この硬化物は接着性に優れ、耐熱性にも優れ、また柔軟性及び耐屈曲性にも優れ、さらに、低吸水性で高周波電子部品の長期信頼性のさらなる向上にも寄与する接着剤組成物を提供することを課題とする。また、本発明はこの接着剤組成物を用いた接着剤層付き積層体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の上記課題は下記手段により解決される。
[1]
酸変性ポリオレフィン樹脂(A)と、
エポキシ樹脂(B)と、
Ba、Ti、Sr、Pb、Zr、La、Ta、Ca及びBiの少なくとも2種を含む複合金属酸化物(C)と、を含み、
全固形分中、前記酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の含有量が10質量%以上であり、
硬化反応後の硬化物の誘電率が2.9以上である、接着剤組成物。
[2]
前記複合金属酸化物(C)の誘電率が100以上である、[1]に記載の接着剤組成物。
[3]
前記複合金属酸化物(C)の含有量が、前記酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の含有量100質量部に対し、50~700質量部である、[1]又は[2]に記載の接着剤組成物。
[4]
前記複合金属酸化物(C)がチタン酸化合物である、[1]~[3]のいずれか1つに記載の接着剤組成物。
[5]
前記チタン酸化合物が、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム及びチタン酸カルシウムの少なくとも1種である、[4]に記載の接着剤組成物。
[6]
前記酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の酸価が、0.1~50mgKOH/gである、[1]~[5]のいずれか1つに記載の接着剤組成物。
[7]
前記酸変性ポリオレフィン樹脂(A)は、α,β-不飽和カルボン酸化合物によるグラフト変性ポリオレフィン樹脂である、[1]~[6]のいずれか1つに記載の接着剤組成物。
[8]
前記エポキシ樹脂(B)が、脂環骨格を有する多官能エポキシ樹脂である、[1]~[7]のいずれか1つに記載の接着剤組成物。
[9]
前記エポキシ樹脂(B)の含有量が、前記酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の含有量100質量部に対し、5~25質量部である、[1]~[8]のいずれか1つに記載の接着剤組成物。
[10]
基材フィルムと、[1]~[9]のいずれか1つに記載の接着剤組成物からなる接着剤層と、を備える接着剤層付き積層体。
【0007】
本発明及び本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。例えば、「A~B」と記載されている場合、その数値範囲は、「A以上B以下」である。
本発明及び本明細書において、(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルの一方又は両方を意味する。
本発明及び本明細書において、重量平均分子量(Mw)は、ゲル・パーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと記述する。)により測定された標準ポリスチレン換算値である。
【0008】
本発明及び本明細書において、「接着剤層」という場合、硬化前の状態、Bステージの状態(すなわち、一部が硬化し始めた半硬化状態にあり、加熱等により硬化がさらに進行する状態)、又は、硬化反応を進行させて十分に架橋構造を形成させた後の状態の層を意味する。また、「硬化物」又は「硬化膜」という場合、接着剤組成物を硬化反応させて十分に架橋構造を形成させた後の状態にある物又は膜を意味する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の接着剤組成物は、得られる硬化物が十分に高い誘電率を示し、この硬化物は接着性に優れ、耐熱性にも優れ、また柔軟性及び耐屈曲性にも優れ、さらに、低吸水性で高周波電子部品の長期信頼性のさらなる向上にも寄与する。また、本発明の接着剤層付き積層体は、接着剤層を硬化して得られる硬化膜が十分に高い誘電率を示し、この硬化膜は接着性に優れ、耐熱性にも優れ、また柔軟性及び耐屈曲性にも優れ、さらに、低吸水性で高周波電子部品の長期信頼性のさらなる向上にも寄与する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の接着剤組成物について好ましい実施形態を説明するが、本発明は、本発明で規定すること以外は、下記の実施形態に限定されるものではない。
(【0011】以降は省略されています)

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