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公開番号2024083143
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-20
出願番号2022197493
出願日2022-12-09
発明の名称生体用硬化性組成物及び絆創膏
出願人東亞合成株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類C09J 4/04 20060101AFI20240613BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】硬化物の伸長回復率及びヒビ割れ抑制性に優れる生体用硬化性組成物及び絆創膏の提供。
【解決手段】単独重合してなる硬化物の25℃における貯蔵弾性率が1.0×105Pa以上1.0×107Pa以下である2-シアノアクリレート化合物(ジエチレングリコールモノエチルエーテルシアノアクリレートを除く)を含有する、又は、単独重合してなる硬化物の25℃における貯蔵弾性率が1.0×107Paより大きく5.0×107Pa以下である2-シアノアクリレート化合物と、多官能シアノアクリレート化合物とを含有する、生体用硬化性組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
単独重合してなる硬化物の25℃における貯蔵弾性率が1.0×10

Pa以上1.0×10

Pa以下である2-シアノアクリレート化合物(ジエチレングリコールモノエチルエーテルシアノアクリレートを除く)を含有する、又は、
単独重合してなる硬化物の25℃における貯蔵弾性率が1.0×10

Paより大きく5.0×10

Pa以下である2-シアノアクリレート化合物と、多官能シアノアクリレート化合物とを含有する、
生体用硬化性組成物。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
単独重合してなる硬化物の25℃における貯蔵弾性率が1.0×10

Paより大きく5.0×10

Pa以下である2-シアノアクリレート化合物と、多官能シアノアクリレート化合物とを含有し、
前記多官能シアノアクリレート化合物が、ポリオキシアルキレンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、水添ポリイソプレンポリオール、アクリルポリオール、ポリウレタンポリオール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、フェノール樹脂、両末端にヒドロキシ基を有するシラン化合物及び両末端にヒドロキシ基を有するシロキサン化合物からなる群より選択される化合物の2-シアノアクリル酸エステルを少なくとも1種含む、
請求項1に記載の生体用硬化性組成物。
【請求項3】
前記生体用硬化性組成物を硬化してなる幅5mm、長さ50mm、厚さ1mmの硬化物を、引張試験機に治具間距離20mm(L0)として固定し、印を付け、前記治具間距離が40mm(L1)となるまで20mm/分で引っ張った後、前記治具の固定を解除し、1分経過したときの前記印間の長さ(L2)を測定し、下記計算式から求められる伸長回復率(%)が51%以上である、
請求項1又は請求項2に記載の生体用硬化性組成物。
伸長回復率(%):{(L1-L2)/(L1-L0)}×100
【請求項4】
前記生体用硬化性組成物を硬化してなる幅5mm、長さ50mm、厚さ1mmの硬化物を、引張試験機に治具間距離20mm(L0)として固定し、印を付け、前記治具間距離が40mm(L1)となるまで20mm/分で引っ張った後、前記治具の固定を解除し、5分経過したときの前記印間の長さ(L3)を測定し、下記計算式から求められる伸長回復率(%)が65%以上である、
請求項1又は請求項2に記載の生体用硬化性組成物。
伸長回復率(%):{(L1-L3)/(L1-L0)}×100
【請求項5】
前記生体用硬化性組成物を硬化してなる幅5mm、長さ50mm、厚さ1mmの硬化物を、引張試験機に治具間距離20mm(L0)として固定し、印を付け、前記治具間距離が40mm(L1)となるまで20mm/分で引っ張った後、前記治具の固定を解除し、30分経過したときの前記印間の長さ(L4)を測定し、下記計算式から求められる伸長回復率(%)が70%以上である、
請求項1又は請求項2に記載の生体用硬化性組成物。
伸長回復率(%):{(L1-L4)/(L1-L0)}×100
【請求項6】
JIS Z 0237(2009)に従い、幅25mm×長さ50mmのアルミニウム基材同士の接着面(接着面積:幅12.5mm×長さ25mm)での保持力試験において、23℃の保持時間が4320分以上である、
請求項1又は請求項2に記載の生体用硬化性組成物。
【請求項7】
JIS Z 0237(2009)に従い、幅25mm×長さ50mmのアルミニウム基材同士の接着面(幅12.5mm×長さ25mm)での保持力試験において、40℃の保持時間が4320分以上である、
請求項1又は請求項2に記載の生体用硬化性組成物。
【請求項8】
前記2-シアノアクリレート化合物が、エーテル結合を有する、
請求項1又は請求項2に記載の生体用硬化性組成物。
【請求項9】
前記2-シアノアクリレート化合物が、エーテル結合を2つ以上有する、
請求項1又は請求項2に記載の生体用硬化性組成物。
【請求項10】
前記2-シアノアクリレート化合物が、下記式(1)で表される化合物を含む、
請求項1又は請求項2に記載の生体用硬化性組成物。
JPEG
2024083143000004.jpg
31
96
式(1)中、


はそれぞれ独立に、-CH

CH

-、-CH

CH

CH

-、-CH(R

)CH

-又は-CH

CH(R

)-を表し、


は置換基を有してもよい炭素数1~6の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、


は置換基を有してもよい炭素数1~15の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、
pは1~5の整数を表す。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、生体用硬化性組成物及び絆創膏に関する。
続きを表示(約 4,800 文字)【背景技術】
【0002】
2-シアノアクリレート化合物を含有する硬化性組成物は、2-シアノアクリレート化合物が有する特異なアニオン重合性により、被着体表面に付着する僅かな水分等の微弱なアニオンによって重合を開始し、各種材料を短時間で強固に接合することができる。そのため、いわゆる、瞬間接着剤として、工業用、医療用、家庭用等の広範な分野において用いられている。
【0003】
2-シアノアクリレート化合物を含有する硬化性組成物として、特許文献1には、一般式(I)の化合物及び任意的に一般式(III)の化合物を含む2-シアノアクリレート組成物が記載されており、上記一般式(I)の化合物として、2-(1-メトキシ)プロピルシアノアクリレートを使用しうること、上記一般式(III)の化合物として、1,6-ヘキシルビスシアノアクリレート等の多官能シアノアクリレートを使用しうること、上記一般式(III)の化合物の含有量は、一般式(I)及び一般式(III)の化合物の合計質量に基づいて0~50質量%であることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
米国特許出願公開第2017/0260422
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、硬化性組成物には、その用途によっては、伸長させた硬化物の伸長前の状態の硬化物への変形(伸長回復率)が良好であることが求められる。
使用時の安全性等の観点から硬化性組成物の硬化物には、負荷が加わった際、ヒビ割れの発生を抑制できることが求められる場合がある。
例えば、ヒト等の生体の擦り傷、切り傷において、硬化性組成物を硬化させた場合、上記傷が生じた部位を動かすことにより、硬化性組成物の硬化物に負荷が加わる。この負荷により、硬化物にヒビ割れが生じてしまうと、傷が生じた部分が保護されないこととなってしまう。
そして、今般、本発明者らは、特許文献1において開示される硬化性組成物の硬化物には、伸長回復率及びヒビ割れ抑制性に改善の余地があるとの知見を得た。
【0006】
本開示の解決しようとする課題は、硬化物の伸長回復率及びヒビ割れ抑制性に優れる生体用硬化性組成物及び絆創膏を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 単独重合してなる硬化物の25℃における貯蔵弾性率が1.0×10

Pa以上1.0×10

Pa以下である2-シアノアクリレート化合物(ジエチレングリコールモノエチルエーテルシアノアクリレートを除く)を含有する、又は、
単独重合してなる硬化物の25℃における貯蔵弾性率が1.0×10

Paより大きく5.0×10

Pa以下である2-シアノアクリレート化合物と、多官能シアノアクリレート化合物とを含有する、
生体用硬化性組成物。
<2> 単独重合してなる硬化物の25℃における貯蔵弾性率が1.0×10

Paより大きく5.0×10

Pa以下である2-シアノアクリレート化合物と、多官能シアノアクリレート化合物とを含有し、
上記多官能シアノアクリレート化合物が、ポリオキシアルキレンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、水添ポリイソプレンポリオール、アクリルポリオール、ポリウレタンポリオール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、フェノール樹脂、両末端にヒドロキシ基を有するシラン化合物及び両末端にヒドロキシ基を有するシロキサン化合物からなる群より選択される化合物の2-シアノアクリル酸エステルを少なくとも1種含む、
上記<1>に記載の生体用硬化性組成物。
<3> 上記生体用硬化性組成物を硬化してなる幅5mm、長さ50mm、厚さ1mmの硬化物を、引張試験機に治具間距離20mm(L0)として固定し、印を付け、上記治具間距離が40mm(L1)となるまで20mm/分で引っ張った後、上記治具の固定を解除し、1分経過したときの上記印間の長さ(L2)を測定し、下記計算式から求められる伸長回復率(%)が51%以上である、
上記<1>又は<2>に記載の生体用硬化性組成物。
伸長回復率(%):{(L1-L2)/(L1-L0)}×100
<4> 上記生体用硬化性組成物を硬化してなる幅5mm、長さ50mm、厚さ1mmの硬化物を、引張試験機に治具間距離20mm(L0)として固定し、印を付け、上記治具間距離が40mm(L1)となるまで20mm/分で引っ張った後、上記治具の固定を解除し、5分経過したときの上記印間の長さ(L3)を測定し、下記計算式から求められる伸長回復率(%)が65%以上である、
上記<1>~<3>のいずれか1つに記載の生体用硬化性組成物。
伸長回復率(%):{(L1-L3)/(L1-L0)}×100
<5> 上記生体用硬化性組成物を硬化してなる幅5mm、長さ50mm、厚さ1mmの硬化物を、引張試験機に治具間距離20mm(L0)として固定し、印を付け、上記治具間距離が40mm(L1)となるまで20mm/分で引っ張った後、上記治具の固定を解除し、30分経過したときの上記印間の長さ(L4)を測定し、下記計算式から求められる伸長回復率(%)が70%以上である、
上記<1>~<4>のいずれか1つに記載の生体用硬化性組成物。
伸長回復率(%):{(L1-L4)/(L1-L0)}×100
<6> JIS Z 0237(2009)に従い、幅25mm×長さ50mmのアルミニウム基材同士の接着面(接着面積:幅12.5mm×長さ25mm)での保持力試験において、23℃の保持時間が4320分以上である、
上記<1>~<5>のいずれか1つに記載の生体用硬化性組成物。
<7> JIS Z 0237(2009)に従い、幅25mm×長さ50mmのアルミニウム基材同士の接着面(接着面積:幅12.5mm×長さ25mm)での保持力試験において、40℃の保持時間が4320分以上である、
上記<1>~<6>のいずれか1つに記載の生体用硬化性組成物。
<8> 上記2-シアノアクリレート化合物が、エーテル結合を有する、
上記<1>~<7>のいずれか1つに記載の生体用硬化性組成物。
<9> 上記2-シアノアクリレート化合物が、エーテル結合を2つ以上有する、
上記<1>~<8>のいずれか1つに記載の生体用硬化性組成物。
<10> 上記2-シアノアクリレート化合物が、下記式(1)で表される化合物を含む、
上記<1>~<9>のいずれか1つに記載の生体用硬化性組成物。
【0008】
JPEG
2024083143000001.jpg
31
96
【0009】
式(1)中、


はそれぞれ独立に、-CH

CH

-、-CH

CH

CH

-、-CH(R

)CH

-又は-CH

CH(R

)-を表し、


は置換基を有してもよい炭素数1~6の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、


は置換基を有してもよい炭素数1~15の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、
pは1~5の整数を表す。
<11> 上記2-シアノアクリレート化合物を単独重合してなる硬化物の損失正接の極大値(tanδ(max))を示す温度が、80℃以下である、
上記<1>~<10>のいずれか1つに記載の生体用硬化性組成物。
<12> 単独重合してなる硬化物の25℃における貯蔵弾性率が1.0×10

Pa以上1.0×10

Pa以下である2-シアノアクリレート化合物(ジエチレングリコールモノエチルエーテルシアノアクリレートを除く)と、多官能シアノアクリレート化合物とを含有する、又は
単独重合してなる硬化物の25℃における貯蔵弾性率が1.0×10

Paより大きく5.0×10

Pa以下である2-シアノアクリレート化合物と、多官能シアノアクリレート化合物とを含有し、
上記2-シアノアクリレート化合物100質量部に対し、上記多官能シアノアクリレート化合物を0.01~50質量部含有する、
上記<1>~<11>のいずれか1つに記載の生体用硬化性組成物。
<13> 単独重合してなる硬化物の25℃における貯蔵弾性率が1.0×10

Pa以上1.0×10

Pa以下である2-シアノアクリレート化合物(ジエチレングリコールモノエチルエーテルシアノアクリレートを除く)と、多官能シアノアクリレート化合物とを含有する、又は
単独重合してなる硬化物の25℃における貯蔵弾性率が1.0×10

Paより大きく5.0×10

Pa以下である2-シアノアクリレート化合物と、多官能シアノアクリレート化合物とを含有し、
上記多官能シアノアクリレート化合物が、ビスシアノアクリレート化合物及びトリスシアノアクリレート化合物の少なくとも一方の多官能シアノアクリレート化合物を含む、
上記<1>~<12>のいずれか1つに記載の生体用硬化性組成物。
<14> 単独重合してなる硬化物の25℃における貯蔵弾性率が1.0×10

Pa以上1.0×10

Pa以下である2-シアノアクリレート化合物(ジエチレングリコールモノエチルエーテルシアノアクリレートを除く)と、多官能シアノアクリレート化合物とを含有する、又は
単独重合してなる硬化物の25℃における貯蔵弾性率が1.0×10

Paより大きく5.0×10

Pa以下である2-シアノアクリレート化合物と、多官能シアノアクリレート化合物とを含有し、
上記多官能シアノアクリレート化合物の数平均分子量が200~50,000である、
上記<1>~<13>のいずれか1つに記載の生体用硬化性組成物。
<15> 硬化性絆創膏である、上記<1>~<14>のいずれか1つに記載の生体用硬化性組成物。
<16> 上記<15>に記載の生体用硬化性組成物の硬化物を備える絆創膏。
【発明の効果】
【0010】
本開示の実施形態によれば、硬化物の伸長回復率及びヒビ割れ抑制性に優れる生体用硬化性組成物及び絆創膏を提供することできる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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